共産党は自らの立ち位置を明らかに変えようとしている。それが分かる挿絵の漫画



令和(2022)4年1月9日


共産党は先の衆院選挙で「4つのチェンジで希望ある日本を」と訴えた。その4つとは


   1,新自由主義の転換
   2,気候危機打開の政治
   3,ジェンダー平等の日本
   4,9条に基づく平和外交
であった。
 この4つにすごく違和感を感じた。今までの共産党が掲げてきた課題、階級社会を克服して、すべての国民の安全と安心を実現するという主張が後ろ回しにされ、新たな課題、「気候危機打開」と「ジェンダー平等」を前面に打ち出してきた。これに対してこの間、このHP上で批判を繰り返してきたが、今日(1月9日)のしんぶん赤旗を見て驚いた。「4つのチェンジ」をさらに改悪している。今日の赤旗は挿絵で「国民の要求から逃げるな」という漫画を載せている。その国民の要求は何か?
  1,気候危機打開を
  2.社会保障の充実を
  3,ジェンダー平等を
  4、人間らしい働き方を
としている。

参考1:1月9日しんぶん赤旗挿入挿絵


 ここで明らかなことは、「4つのチェンジ」がすり替えられている。「新自由首主義の転換」と「9条に基づく平和外交」が抜け落ち、「社会保障の充実」と「人間らしい生き方を」新たに挿入している「4つのチェンジ」は何時賞味期限切れしたのか?共産党に問いたい。

「4つのチェンジ」はなぜ挿げ替えられたのか?それとも漫画だから適当に書いたのか?


 この違いの評価の核心は「気候危機打開」と「ジェンダー平等」だけが生き残り、共産党現在の関心がこの2点に集約されていることである。これはまさに共産党の欧米化であり、「緑の党」的な党の立ち位置を探っている。(注1)

注1:12月18日(土)赤旗8面(国際)にこのヒントの記事を載せている。その内容は「緑の党 力量は?」「ドイツ3党
  連立」という見出しを掲げ、さらに「環境 EV促進無難に船出」「外交 対中露強行 視界不良」という記事を書い
  ている。その際ショルツ新政権の(8日発足)の主な閣僚を書いているが、7人の名前をあげ、3名は緑の党、
   と4人のう3人は社民党、残りの一人は自民党と書いている。
    これを読めばこの政権の主導権を緑の党が持っているように見える。「ドイツの大臣の人数を明らかにせ
  ず7名中3名が緑の党だと吹聴し、日本でも環境問題の先頭に立てば、政権与党を握れる。」と暗に共産
  党の今の政策(「環境危機打開」を前面に立てる)政策は間違っていないと宣伝しているかに見える。

 日本共産党創立100周年 参院選で勝利・躍進必ず 「2022年党旗びらき」での志位委員長のあいさつも同じである。参議院選挙勝利へ向けた今後の課題が「四、野党共闘、気候危機、ジェンダー 党への新たな期待と関心が広がっている」と「気候危機打開」が共産党の掲げる最大の武器だ」と話されている。
 

共産党が参院選に向かって、国民に訴える政策の核は、「気候危機打開」と「ジェンダー平等」である。


 ここで一番重要なことは、共産党は「格差社会の克服」と「9条に基づく平和外交」の二つを看板政策からおろしてしまった。「4つのチェンジ」に合った共産党らしい政策「新自由主義の転換」及び「憲法を守る」という2代柱を放棄してしまった。なんと馬鹿げた政策か、これで参院選を戦えば大負けすることは見えている。

なぜ、維新が躍進するのか、なぜれいわ新選組が共産党にとってかわられる危機が来るのか?


 すべて共産党の立ち位置が間違っているからである。昨日引用した毎日新聞の記事では、先の衆院選挙、共同通信の出口調査(比例で)「共産党に投票した人のうち10代から30代は1割にとどまる一方、維新は2割、れいわは3割に達すると分析されている。れいわに共産党の位置が脅かされている。その最大の原因は、山本太郎という人物の演説の上手さと、消費税撤廃を一貫して主張している所にある。

共産党は最後の武器(政策)、「弱者の味方」、「平和を追求」をほり投げて、欧米かぶれの「気候危機打開」、「ジェンダー平等」に舵を切ってしまった。


 共産党は国民の要求を読み間違えている。本来国民に寄り添っていれば国民の要求が何かわかるはずである。分からないのであれば、大手新聞の世論調査を見ればわかる。これは前にも書いたが、国民の要求は
  1.経済・財政政策      34%
  2.新型コロナ対策      22%
  3.社会保障制度の見直し  22%
併せて78%の要望がある。
 
 気候変動は環境・エネルギー政策6%、ジェンダーフリーは項目すらない。その他の3%がジェンダーだと計算しても共産党が力を入れている、「気候危機打開」「ジェンダーフリー」に関心がある国民は1割も満たさない。
 ありもしない国民の要望を追いかけても、選挙の票につながらない、なぜこんなバカな政策を共産党員は認めるのか、ここに民主集中制の怖さを感じる。

参考2:しんぶん赤旗1月6日憲法改悪を許さない全国署名推進Q&Aより抜粋



参考3:1月6日付、共産党の言っていることは矛盾している。