日本共産党大阪府委員会幹部は、「大阪都構想」の本質を本当に理解しているのか?



令和2(2020)年10月2日

 
 今日(9月29日)「大阪都構想」反対のビラ(9月5日付)を赤旗に織り込んで我が家に投かんされた。このビラを見てまたまた驚きました。(以下緑色の字体はリンクが貼られています。)
 私は、9月20日に共産党大阪府委員会は『大阪都構想』に本気で反対しているのか?」という記事をこのHPにUPしました。その基本は大阪民主新報が1面の80%を使って「大阪都構想」反対の記事を書いたが、その中身はプールの数が24か所から9カ所に減るという主張のみでした。
 前々から、共産党の大阪都構想反対の訴えは「プールの数が減るとしか市民に訴えていない」という危惧をいだいていました。その根拠は平成27年2月28日に大阪のローカル番組「たかじんのマネー」という番組で、大阪府会議員と橋下市長の対決番組がありました。この番組に参加した府会議員の反対理由は「大阪市にあるプールが24か所から9カ所に減る」という主張を繰り返ししていました。そこに「審判的な役割」でコメンテータが2人参加していました。ジャーナリストの須田慎一郎さんと内閣府男女共同参画議員なども務める勝間和代さんです。(放送当時の肩書)
 この二人は共産党の府会議員の発言に驚き、あぜんとして府会議員に注意を与えていました。その内容は、「プールの数と「都構想」は、別次元の問題であり都構想の批判をしてくれないか」、「特定の人しか利用しない施設の有無ではなく、大阪の市民全体にどういう波及効果があるのか主張してくれ」とコメンテータ二人は府会議員に迫りましたがしたが彼は一貫してプールの数が減るという主張を譲りませんでした。
 橋下市長はしたたかで、この議員(共産党)はまじめな方で一番信頼できる議員だと「ほめ殺し」を行い、先制パンチを放っていました。このテレビ放映を見て、なんというバカげたことをしたのかと私は思いました。この番組は自民党から共産党にまで出席を依頼し、他党派はみな断ったが共産党だけがのこのこ顔を出し、橋下氏の完全な餌食となってしまいました。この府会議員は、京都大学出身で頭は優れているが、しゃべくりは不得意でつまりつまりしか発言できない方でした。一方橋本は機関銃トークが得意であり、この組み合わせでは絶対に勝てない。そのことをやる前から分かっているのになぜこんな組み合わせを了解したのか、私は本当に馬鹿だなと思いました。
 結果は、しゃべくりの上手さで決着がつくと思っていましたが、実際はそうではなく「大阪都構想」になぜ反対かの論戦が全くできなかったことにあります。府会議員は「プールの数が減る」という主張に終始し、参加したコメンテータにも注意される有様でした。
 先に述べた9月20日のHPへの投稿は、私が「たかじんのマネー」で見た衝撃をその後ずっと引きずっていたことを書いたものです。「大阪府委員会は『都構想』反対理由を『プールの数が減る』としか言っていない馬鹿集団だ」と、ことあるたびに主張してきました。
 あの放送は府会議員が不利益になるように編集されていたのかも分からない、そのことを確かめもせず、大阪府の幹部は馬鹿ばかりだ「大阪都構想」反対の理由は「プールの数が減る」としか言っていないと、相当言いふらしてきたことが妥当であったか否か後ろめたさも感じていました。
 ところが9月20日の大阪民主新報が、まさに「たかじんのマネー」で府会議員が主張したのと同じトーンで大阪民主新報の一面を飾りました。私の主張が正しかったことが証明されたと思いました。

9月20日付の大阪民主新報と全く論調の違う「大阪都構想」反対のビラを手にした。


 本日(9月29日)に入ったビラ(「大阪都構想」反対のビラ:B4の裏表)は、9月20日の大阪民主新報の記事と全く違う主張を行っています。共産党は「大阪都構想」の批判をどのように行うのか、その手法すら確立」できていません。
 まずこのビラの見出しは「『大阪市廃止=と構想』に再びノーの審判を下し、新型コロナ対策をはじめ、命と健康、くらし第一の大阪姿勢を市民の手で」と書いています。私が一番注目したのは、このビラに「プールの数が減る」と書いているか否かですが、B4の裏表でぎっしりと主張を書いていますが、「プールの数が減る」という主張はどこにも書かれていませんでした。
 共産党大阪府委員会の中で対立があり、「プール派」と「もう少しまとも派」がいるのかよく分かりません。府会議員は明らかに「プールの数が減る」しか言いませんでした。9月20日付大阪民主新報も一面の8割を使って「プールの数が減る」と書いています。
 ところが今日のビラには、3千字ぐらいの文字数がありますが、「プール」という言葉は一切出てきません。これを市民が読めばどう思うのでしょうか?「大阪都構想」はプールの数が減ることが本質だと聞いていたのに、このビラには「プール」の「プ」の字もない。共産党のいうことは信用できないと思うのではないでしょうか?
 私は9月20日以降の「大阪都構想」の赤旗記事を注意深く見てきましたが、党中央の大阪都構想の狙いはという記事には、「プール」には言及していません。しかし大阪の議員は「プール」に固執していることが分かりました。

しんぶん赤旗等、共産党の機関紙が大阪都構想をどう伝えたか見ていきたい。


 ●9月18日しんぶん赤旗:13面近畿:「『都』構想反対のうねりさらに、「真実を伝える
  対話で共同広げる」「コスト膨らむ」
  @井上市議は「コロナ禍で税収が大幅に落ち込む見通しの中、感染対策と経済の立て直しに集中すべ
   き時に、大阪市を廃止して余分なコストがどんどん膨れ上がっていくことをやろうとしている維新
   政治の異質の危険性を指摘」
  A大阪市をよくする会の中山直和事務局長
   「維新のうたう『大阪の成長』とは大規模開発を進めることだと指摘。大阪市の権限とお金を
   府に吸い上げるのが『都』構想の正体であり、最大の弊害は住民サービスが低下することだと
     強調しました。
 ●20日赤旗日曜版 B元大阪市長平松邦夫さん
  「今だけ、金だけ、自分だけ」、「市民のくらしを支える発想ない」
  〇維新の成長戦略はコロナ禍で先の見えない夢洲での万博カジノなど巨大投資を伴うものです。維新
   政治には、中小企業や市民のくらしを支えるという発想がありません。
    「今だけ、金だけ、自分だけ」の政治です。・・・僕は大阪市が好きです。歴史があり、日本の
   自治体のモデルでもありました。大阪市を守るために、草の根から、もう一度NO!の声をあげま
   しょう。
 ●23日赤旗 大阪市廃止=「都」構想 住民投票の焦点C
  〇矛盾と破綻あらわ
   ■財政試算に大幅削減が盛り込まれている施設
   1.市民プール       24か所⇒9カ所
   2.スポーツセンター     24か所⇒18か所
   3.老人福祉センター     26カ所⇒18か所
   4.子育て支援活動      24か所⇒18か所
 このデータは大阪市側が「都」構想の利点(無駄を省く)として出したものと思われますが、このデータを金科玉条の様に持ち歩き、大阪都構想の「弱点見たり」と鬼の首を取ったように日本共産党大阪府委員会は騒いでいますが、これは相手が投げたエサかもしれません。『都』構想の一面を表すかもしれませんが、これが本質では全くありません。
 この赤旗の記事でもすぐ後に、大阪市と24区役所に設置することができる災害対策本部は、4特別区に設置されるだけです。という記事が載っています。この記事の方がよっぽど重大なことだと思います。
 さらに私が一番気に入らないのはこのペーパー(表)ではプールが一番上に書かれていて削減個数が一番多いことをとらえて、大阪都構想の本質はプールが24か所から9カ所に減るという宣伝が一番効果的だと考える人たちの判断の根拠どこにあるのか、私には信じられない頭脳構造です。私なら例示的に引用する場合、老人福祉センターや子育て支援活動を取り上げます。この2つの施設とプールの必要性とは全く次元の違うものです。
 プールが24か所から9カ所になると馬鹿の一つ覚えのような共産党の対応には、共産党の無知・堕落を感じ取ります。

 ●24日 大阪市なくすな! 「心は一つ 10.1ネットワーク集会ビラ」
  このビラは24日の赤旗に織り込まれていました。発行責任者は「明るい民主府政」明るい民主府政を
  作る会になっています。
  〇このビラはB4用紙裏表いっぱいにいろいろ書いていますが、「都」構想とは何かに一切触れてい
   ません。全く信じられないビラです。参加呼びかけだけで終わっています。不可思議なビラで
   す。 
 ●24日赤旗 4面【政治・総合】なくすな 大阪市 Dたち上がる市民有志「自作ビラ手に」
  〇大阪城は市民の寄付で再建された歴史をもつ、市民の共有財産の象徴。市民が築いた文化を守り、
   次の時代につなげよう」
 ●25日赤旗 なくすな!大阪市 「住民投票は最大の逆相」「『都』構想 再びノーを」
  〇「廃止されれば戻れない」辰巳孝太郎
  〇「学校統廃合阻止へ」E生野区連絡会が学習会
   「統廃合の問題と大阪市をなくす『都』構想の問題は同じ根っこだ」
  〇決めるのは市民 西区連絡会がつどい
   F市議の山中智子氏が「大阪維新の会が進める『都』構想の中身について、特別区の財政趣味レ
   ーションではコロナの影響による収入減を踏まえていない事、大阪メトロからの収入を"から計上"
   していることなど、計画段階ですでにボロボロだと批判しました」「財政シミュレーションには、
   市民プールや老人福祉センター、子育て支援活動などの市民利用施設削減することも盛り込まれて
   おり」
 ●26日赤旗 なくすな 大阪市 「地域切り捨て『都』構想」G住之江区医師会前会長
   〇「民主的な政令都市をつぶし、自治権も経済的な自立も無い特別区つくることには、私は反対
       です。」 
 ●27日赤旗 なくすな 大阪市 「地域の特色塗りつぶさない」
   H「おんな・こどもをなめんなよ!の会」
   「これまで大阪市内の24区でつくってきた地域の色を『上から塗りつぶすことは許せない』」
 ●27日大阪民主新報 一面の8割を大阪都構想批判で占めている。
   I辰巳孝太郎前参院議員「『特別区』では、住民サービスの低下は避けられないと強調。
       『都』構想推進派は、「サービス維持」というが『特別区』の財政試算では市民プールを24
       か所から9カ所に減らす」と語っています。  

 ●28日赤旗 広がる「都」構想ノー なくすな 大阪市
  〇「住民サービスが切り捨てられることを伝えると」
  〇「維新の横暴止める」
  J「今のままでは民主主義が崩壊する。
  K大阪府保険医協会が総会「都」構想よりコロナ
   決議案「大阪維新の会は『二重行政』論で市民を分断し、住吉市民病院廃止や公衆衛生研究所の統
   廃合強行したこと、効率や営利を最優先する新自由主義の政治では国民の命や健康を守れないこと
   がコロナ禍で明らかになった」とされている。
 ●30日赤旗 「大阪市を廃止する『都』構想に反対 テレビ討論 松井一郎市長と対決 
  L山中党市議団長が主張 「住民サービス切り必至」
   この討論を私は見ていませんでしたが、妻が言うには山中氏が優位であったと言っています。
  〇赤旗には、松井市長が番組レギュラーの三輪記子弁護士に暴言を吐き、コメンテーターの木原善隆
   氏及び司会の上田剛彦アナウンサーにたしなめられたと書いています。
  M「明るい民主大阪を作る会」、「大阪をよくする会」住民投票 全国の支援訴え『と構想』は
   政令市『大阪市』を廃止し、自自見の低下する特別区に変える全国どこの自治体でもやらない異常
   な改悪です。権限と財源を大阪府が奪うことにより、住民サービスの切り捨てが行われ、カジノな
   どに財源を費やすなど大きな問題を持っています。」
    「まるで『役所ぐるみ』のような市政の私物化が横行し、デメリットや反対・批判意見を一切書
   かない協定書の『説明パンフレット』には『住民サービスはそのまま維持されます』とのウソを記
   載しています。
  N大阪市住之江区医師会 「『都』構想反対を決議」
   「『都』構想が成立すると、@大阪市は廃止され、二度ともどれなくなり、税収と保有財産はす
      べて府に没収されるA独裁制ゆえに、自治権を有しないB特別区は、基準財政需要額に基づく都
      市機能保持の国庫補助を受給できないC府が特別区税収の上前をはねた後で、4特別区に財政調
      整金を払い下げるため特別区は財源難となるD4特別区・府・一部事務組合間で3重行政が発生
      する。E基幹産業を持たない大阪府の特別区は財源難となる危険性がある。」―として、『都』
      構想反対を決議したとしています。
 ●30日 毎日新聞 都構想広報「賛成に誘導」
  〇都構想の広報動画 推進局の広報・調整担当課長は「賛成に誘導するために、あくまでも市役所
     としての市政報告でありますので、市長の意向もありますし、それを踏まえた議論の集大成とし
     て短い動画を作成した」
    自民党の市議団から抗議があり松井市長は「推進局課長発言『不適切』」と認めた。赤旗はこの
   記事を載せていない
 ●蛇足ではありますが、29日付け毎日新聞は、こんな記事も載せている。
  〇維新4市議辞職勧告へ 「守口市百条委員会 市職員『圧迫』」市議団の市職員に対する事情聴取
   や言動が『ハラスメントに該当する』と認定した。と書かれているが、おかしなことに共産党の杉
   本悦子委員は、「市民に選ばれた議員に対し、個々の具体的事実を認定せずに辞職勧告するのは妥
   当でない」と反対した。と書かれている。 
    具体的な事実関係が分からないが、大阪都構想で戦っている大阪維新の会を利するような行為
   に安易に行うべきでない。味方と敵を区分し、他会派の主張を十分吟味し受け入れ可能なら共同
   して維新と戦うぐらいの意気込みが必要だと思われる。

 以上見てきたように赤旗は都構想の本質を描き出す努力を全く行っていない。本質に迫っているのは、むしろ他の民主団体の声明に多い。以下、私が拾い上げたNの意見を見てみたい。
 @井上市議は
  維新政治の異質の危険性を指摘
 A大阪市をよくする会の中山直和事務局長
   大阪市の権限とお金を府に吸い上げるのが『都』構想の正体
 B元大阪市長平松邦夫さん
  「今だけ、金だけ、自分だけ」の政治です。
 C23日赤旗 大阪市廃止=「都」構想 住民投票の焦点
  ■財政試算に大幅削減が盛り込まれている施設
   1.市民プール       24か所⇒9カ所
   2.スポーツセンター     24か所⇒18か所
   3.老人福祉センター     26カ所⇒18か所
   4.子育て支援活動      24か所⇒18か所
 ※ここでプールの数の原点が示された
 Dたち上がる市民有志
   市民が築いた文化を守り、次の時代につなげよう
 E生野区連絡会が学習会
   統廃合の問題と大阪市をなくす『都』構想の問題は同じ根っこだ
 F市議の山中智子氏
  「財政シミュレーションには、市民プールや老人福祉センター、子育て支援活動などの市民利用施
    設削減する
 G住之江区医師会前会長
   「民主的な政令都市をつぶし、自治権も経済的な自立も無い特別区つくることには、私は反対で
   す。」
 H「おんな・こどもをなめんなよ!の会」
   「これまで大阪市内の24区でつくってきた地域の色を『上から塗りつぶすことは許せない』」
 I辰巳孝太郎前参院議員
   『特別区』の財政試算では市民プールを24か所から9カ所に減らす
 J28日赤旗 広がる「都」構想ノー なくすな 大阪市
  「今のままでは民主主義が崩壊する。
 K大阪府保険医協会が総会「都」構想よりコロナ
  決議案「大阪維新の会は『二重行政』論で市民を分断し、住吉市民病院廃止や公衆衛生研究所の統
   廃合強行。
 L山中党市議団長が主張 
  大阪市を4つの特別区に分割すると、行政運営の経費が今より増大するにも関わらず、国からの地
   方交付税増大分は反映されないと指摘。
 M「明るい民主大阪を作る会」、「大阪をよくする会」
   「『都構想』は政令市『大阪市』を廃止し、自治権の低下する特別区に変える全国どこの自治体
     でもやらない異常な改悪です。
 N大阪市住之江区医師会
   「『都』構想が成立すると、@大阪市は廃止され、二度ともどれなくなり、税収と保有財産はすべ
   て府に没収されるA独裁制ゆえに、自治権を有しないB特別区は、基準財政需要額に基づく都市機
   能保持の国庫補助を受給できないC府が特別区税収の上前をはねた後で、4特別区に財政調整金を
   払い下げるため特別区は財源難となるD4特別区・府・一部事務組合間で3重行政が発生する。E
   基幹産業を持たない大阪府の特別区は財源難となる危険性がある。」
 最後の大阪住之江区医師会が、一番理論的に大阪維新が推し進める「都構想」批判を行っているので、一番長く引用させてもらった。

 この赤旗に掲載された「都構想反対」の主張をしたもの15件を引用したが、プールについて触れているのはCの赤旗記事F市議の山中智子氏I辰巳孝太郎前議員だけです。党の機関に関係するものだけが「プール」にこだわり、大衆組織の中で頑張っている人は、大阪都構想の本質を「プール」問題に次元を下げることに賛成していないのと読み取れます。 
 最後の住之江区医師会の批判は完ぺきであり、この次元で戦わないと大阪維新に勝てない良識ある人は、大阪都構想の核心は「プールが24か所から9カ所に減ると説明されれば、ずっこけると私は思います。」大衆に理解してもらうために次元を下げて語っているのだという主張であるとすれば、それは大衆を馬鹿にし理論であり、大衆はもっと鋭い視点で見ている。共産党が真実を語らないから、大衆の中に正しい知識が広まらない。この間違いに気づくべきだが、共産党の幹部の水準がこれであれば修正のしようがありません。

共産党の赤旗での主張や今回手に入ったビラ(9/29)は都構想の本質を描き出していない。


 このビラのおかしさは、まず大阪都構想の本質は何かを書ききっていない。ビラの書き出しは(1)「維新・公明による強行を批判する。」という手続き論から入っています。維新・公明から入るのであれば、まず維新の狙いは何か、公明党は何故反対から賛成に回ったのか、その批判を行わなければ意味のないビラになります。
 (2)は「府市の新型コロナ対策の転換こそ急務」という流れになっていますが、大阪都構想の本質をあぶりだし維新を叩きのめしていかなければならないのに、コロナ禍という被害の中で「都構想」よりコロナ対策という宣伝は、維新の本質暴露を避けた戦い方です。私は真正面から戦うべきだと思っています。
 例えばこのビラで、PCR検査について維新を批判していますが、維新の主張と志位委員長が発表した「緊急申し入れ」でのPCR政策はほぼ瓜二つです。吉村知事は、世田谷区がすすめているPCR検査の大量検査「いつでもどこでも何度でも受けられる」方式を「そのままわれわれに当てはめるっていうのは、現状ではそう簡単にはできない。やる必要もない」と言い放ったと批判していますが、8月2日版赤旗日曜版は、志位委員長が「緊急申し入れ」を行ったという記事を載せています。この緊急申し入れには二つの小見出しがあります。その一つが「全国民の検査をすることは不可能です」もう一つは「緊急事態宣言回避のために」という見出しがあります。その中に「ただやみくもに検査を広げても解決できません。」という言葉が入っています。これは吉村知事と同じ次元の発想です。
 (3)「矛盾と破綻があらわな「都構想」の「設計図」この(3)こそが「都構想」の狙いに触れなければなりません。ところが共産党大阪府委員会のビラは、維新の本当の狙いや公明党の狙いを明らかにせず、非常に常識的な批判を行っています。もともと大阪都構想は、大阪市民の生活や安全を守ることを出発点に考え出されたものではありません。橋下徹という人物が大阪府知事に当選し、自分が大阪での最高権力者だ、何でもできると思ったのに、何もできない。それは大阪府にはお金がなく、また労働組合等もしっかりしており、これでは独裁政権は実現しないと思ったことから始まっています。彼は大阪でのすべての権力構造を破壊し、大阪市という財源が豊かな市からお金を巻き上げ、自分が最高権力者に上り詰めるために言い出したもともとペテン師の策動です。
 この本質と赤旗は向かい合いません。赤旗は「『特別区』には財源がなく、今まで行ってきたサービスが低下する」この1点で戦おうとしています。それの一番ばかげた宣伝が「プールが24か所から9カ所になる」という宣伝です。少し賢い議員(市会議員団長の山中氏)などはプールで戦わず、「18歳までの医療助成費」や「高齢者への敬老パス」などのサービスが低下すると訴えています。
 しかし共産党以外の都構想反対派(例えば大阪市住之江区医師会)は、行政サービスが低下するという次元での戦いではなく本質問題に迫ろうとしています。
(4)「新しい大阪へ6つの方向で」この内容は良いと思います。しかしこの間この内容を大阪市民に浸透させてきていますか?大阪維新の「大阪都構想」批判にかみ合う形でこの内容を押し出せば大阪市民は支持してくれると思いますが、大阪民主新報は1週間前に大阪都構想はプールの数が24か所から9カ所に減ると大々的に宣伝していた。この戦略では必ず大阪都構想反対派は負けるであろう。

追伸:10月1日赤旗に新たなビラが織り込まれてはいってきた。見出しは「大阪なくさんとい
     、大坂阪市内へ支援にいこう」というビラです。このビラに以下の記載があります。
    9月29日付けの朝日新聞の世論調査では、廃止賛成42%、反対37%となっています。しか
   し、未だ、20%以上の人が態度を決めていません。またその内容が「よくわからない」も40%と
   なっています。
    大阪市廃止で住民サービスが大幅に後退することなど知らせていけば、「逆転勝利」の可能性
   は大いにあります。と書いています。発行責任者は高槻島本民放になっています。 これは、大
   阪の共産党の方針を表しています。「大阪都構想」問題の本質を明らかにせず、「住民サービス
   の低下」に絞って宣伝していく。これは敗北の論理です。敵陣に切り込まなくて戦いは勝利でき
   ません。まさに典型的な負け戦です。

お詫び:この記事は9月30日に書き上げましたが、プリンターが故障し点検ができなくなり、数日間お
     蔵入りをしていました。記事の中の日付とづれていることをご了解ください。

参考資料
1.9月20日付大阪民主新報 (プールの数が24か所から9カ所に減る)
2.「大阪市廃止=都構想」に再びノーの審判を下し、新型コロナ対策をはじめ、命と健康
  くらし第一の大阪市政を市民の手で(日本共産党大阪府委員会 9月5日付)手に入れたのは29日
3.大阪市なくすな!心はひとつ ネットワーク集会(9月21日発行明るい民主大阪をつくる会
    (手に入れたのは9月24日赤旗折り込み)
4.大阪なくさんといて!大阪市内へ応援に行こう(発行:高槻島本民放)
    (手に入れたのは10月1日赤旗折り込み)