コロナ問題での共産党の間抜けさを暴露した赤旗日曜版(8月2日号)


令和2(2020)年8月1日


東京都医師会会長尾崎治夫氏と志位共産党委員長のコロナに対する発言を比較する。
 この間3回にわたってしんぶん赤旗より日曜版の方が政治的に優れているという記事を書いたが、8月2日付け赤旗日曜版を見てびっくりした。コロナ問題を6面7面で2ページに渡って特集している。6面は共産党志位委員長、7面は東京都医師会会長尾崎治夫氏を登場させそれぞれの主張を披歴している。この2つの記事の対決である。どちらの主張に説得力があるか、赤旗の紙面をどう構成するか、赤旗日曜版の記事構成力が試される。

残念ながら尾崎氏の記事を100点としたら志位氏の記事は40点ぐらいのみじめな記事になっている。


 それはこの記事は別々の記者が書いて、2つの記事が出来上がったにか、一人の記者がこの2面の記事を書いたのか不明であるが、その力量差は歴然としている。まず、ビジュアル的に見た場合、志位氏の写真はピンボケのような写真で気迫が全く伝わってこない。それに対して医師会の会長の写真は緊急事態に物申すという気迫がこもった写真である。次に紙面構成であるが、志位氏のページは、「『感染力ある人』把握がカギ」さらには「新型コロナ対策にかんする緊急申し入れ」日本共産党幹部会委員長 志位和夫と書いた文書が載っている。さらに3つの中見出しがあり「『防疫』目的のPCR検査を」「緊急事態宣言回避のために」「臨時国会で徹底的議論必要」と書いている。全体としてまとまりの無い見出しである。
 一方尾崎会長の見出しは、「感染爆発を抑える時」(字体がすごい力強さを持った文字)、「流行地域全体でPCR検査を」「防止策示さない政府『Not go to』こそ必要」さらに小見出しで「入院患者が急増病床確保も困難」「経済優先しては医療は育たない」すべての見出しが調和がとれており、この人が何が言いたいのかすぐにわかる。
 それに対して志位委員長の見出しは何が言いたいのか把握ができない。まず「『感染力のある人』把握がカギ」と書き、無症状の感染者の中には、「感染力のある人」「感染力のない人」の2種類があることが明らかになっています。全国民の検査をするのは不可能です。と書いています。まずここまでの問題点を書きます。
 志位委員長の発言には、我々が今まで聞きなれていない言葉があります。無症状の感染者の中で「感染者能力のある人」と「感染能力のない人」に2分科することが大切と語っています。このことはすでに分かっていましたが、この分別ができるのか、あるいはどのようにして分別するのかその方法は確立しているのか聞いた事がありません。ひょっとしたら幹部会声明にそれが書いているのか声明を読み直しましたが、そこにはそのような区分がありません。それぐらい知られていない話が一番重要(カギ)という見出しの意味が分かりません。
「次に全国民の検査をすることは不可能です。」と書いていますが、これは政府側の主張です。おかしいのは右下に「検査数 日本は世界159位」と書いています。158位はウガンダです。ウガンダという国を良く知りませんがまだまだ開発途上国だと思います。それぐらい日本のPCR検査が遅れているのに、そのことを擁護する文書になっています。さらに「緊急事態宣言回避のために」という見出しの中でも「ただやみくもに検査を広げても解決できません。」とまで書いています。まさに政府の側の主張です。
 そもそも幹部会声明自身がピンボケです。ここで書いているのは基本的にはPCR検査の拡大です。しかしこれは昔から言われ、安倍首相も何回もPCR検査の拡大を国会で約束しています。にもかかわらずPCRの拡大は進みません。この原因は何かを追及することなくPCR検査の拡大を要求しても何の効果もありません。明らかに日本政府はPCR検査を意識的に遅らせています。その要因はいろいろな説があります。その追及こそが必要です。
一応どのような説があるか示しておきます
@東京五輪開催の為、意識的に感染者数を押さえている。
 東京都の感染者数は、五輪延期が決定したのち急激に増えた。数の操作が行われている。
Aテレビ番組で田崎史郎氏が、厚生労働省の医系技官が順法闘争みたいな方法で職務放棄を行っている。 これらの人は独立しており、上司の言うことを聞かない。
B保健所を介してしかPCR検査が受けられなかった。その際37.5℃以上の発熱が4日〜5日経過す
 ることが必要として門前払いした。
C新型コロナウイルスのデータの独占を旧731部隊の系列(国立感染症研究所)の人間たちが狙ってい
 る。 ワクチン開発等で有利な立場を確保することを狙っている。
 この件は羽鳥のモーニングショー(2月28日)に、白鳳大学の岡田徳仁教授がポロっと漏らした。
 いろいろの説があるが、この暴露を行う必要がある。現在の共産党はこの暴露より、提灯記事を書いて
いる。(「ただやみくもに検査を広げても解決できません」と政府側と同じ発言をする。)不思議な政党である。
 先にも触れた「緊急事態宣言回避のために」という中見出しも政府側に立った主張である。なぜ「緊急事態宣言を回避」する必要があるのですか、既に先に「緊急事態宣言」を出した時よりも感染者数は増えています。この段階で緊急事態宣言を出さないのは、人の命より経済優先の考え方があるからです。尾崎会長は「経済優先しては医療は育たない」という見出しで新自由主義ではダメだという根本問題に触れています。志位氏の発言、幹部会声明では新自由主義の破綻だというような文言は一切出てきません。
 今度は尾崎発言の立場から見ていきます。「尾崎氏は感染爆発抑える時」と現状の危機を正確に把握し伝えています。志位氏の小手先の論理、感染者の中の無症状者を「感染力がある人」「ない人」の区分が必要。この区分は確かに必要かもしれません。しかし一人一人の国民にとっては全く響かない言葉です。専門家のみが注意する論点です。(そのことに気づかないところが間抜けです。)我々一国民が誰が感染者で誰が感染者でないかの区別すらできない怖さを抱えているのに、さらに感染者の中でも「感染力のある人」「ない人」をどうして区分できるのですか、馬鹿げた理論です。手を洗え、消毒をせよ、うがいをせよ、三密はダメ、これらの言葉は我々に響きます。感染者の中でも「感染能力のある人」「ない人の」区分は専門家しかできない作業であり、我々は全く関心がありません。それを最大の見出しにする間抜けさにあきれ返ります。尾崎氏は「流行地域全体でPCR検査を」という見出しを書いていますが、これは分かりやすく素直に我々もうなずけます。恐らく同じことを志位氏も言いたかったのだと思いますが、なぜ無症状者の区分けを大見出しにしたのか、そのセンスが疑われます。
 次に尾崎氏は政府に対する突っ込みを入れています。「Not go to」です。志位氏側の紙面は政府の追及は避け(幹部会声明の中にGO TO批判が一部ありますが)むしろ政府側に波長を合わせた姿勢が気になります。「緊急事態宣言は回避しなければならない」とか「やみくもに検査を広げても解決できない」等の記述が気になります。
 
 要するに最近の共産党は、政府に対する批判を避けて、提案型の政策に切り替えていますが、PCRの検査を至急増やせ見たいな要望には新鮮味も何もなく、あきれ返っています。やるのであれば政府の狙いを暴露して、PCR検査を行わずにはいられないように追い込むのが共産党の値打ちだと私は思っています。
 大阪維新は強かで自分たちの主張が国民に受けることを読み込んだ上で方針(政策)を出しています。つまり国民を巻き込んでいます。共産党はGO TOキャンペーンを批判する方がPCR検査の充実より国民は理解してくれると思います。
 PCR検査の拡大は一筋縄ではいかず、政府の本音を暴露せずに、「進めた方が良い」という論理では全く変わりません。政府側は意識的にサボタージュしています。そこには何か狙いがあります。狙いの暴露でなく、擁護していたら2枚舌ということがバレ支持は広がらないと思います。