どうしようもない大阪府会議員団
     大阪府会議員団のピンぼけは止まらない!

平成25(2013)年11月21日


はじめに
  今日久しぶりに大阪府会議員団の「府会報告」が赤旗に織り込まれて入っていた。一斉地方選挙以降この「府会報告」注意深く見ているが、いつも時々の情勢と無関係なビラを出している。(ついでに言えば、高槻市会議員団の「市政報告」も全く与党化している。)
  ただ10月は5回消費税のビラばかりまいていた高槻市共産党市委員会は、ここ2回のビラは秘密保護法であった。

秘密保護法案に全く触れていないー(府政報告)
  本日の府会議員団のビラは、一面は「賃上げと正規雇用で」「大阪の景気回復を」裏面上段でで「子どもたちを主人公に」「少人数学級ひろげ、学力向上と健やかな成長を」という記事を載せている。下段で府政の声を府政に届ける日本共産党という構成になっている。
  しかし、年間数回しか出ない府政報告で、今この記事が最も重要な記事なのか疑問に思う。
先の私の記事で「赤旗を読む」という記事をUPしたが、赤旗の1週間の一面トップ記事はほぼすべて秘密保護法関連記事であった。情勢は緊迫している、みんなの党や維新の会が与党との修正協議に応じて、全く無内容な修正で妥協し、この悪法の衆議院通過を後押ししている現状で、政党として、政治家として今何を訴えることが必要かを分かっていない人たちである。

情勢の機微を把握できない者は政治家失格である
  今年の流行語大賞の候補に挙がっている、いつやるのですかに対する答えは「今でしょう」であり、秘密保護法反対を主張するならまさに「今でしょう」、しかし大阪府会議員団が選んだのは「少人数学級ひろげ」である。こんなピンぼけの人たちが共産党の看板を掲げて大阪府会議員ですと言っていることを恥ずかしく思わないのか、大阪の府委員会は本当に機能しているのか疑いたくなる。
  しかも私はこの同じ批判を過去に行っている。大阪府の府会議員団長が維新の会と真っ向から闘わなければならないと語って、取り上げた課題は、やはり「少人数学級」であった。その際も維新の会と闘うと言いながら、ポイントをずらし、何を闘っているのか分からないと批判記事を書いている。
  大阪府会議員団は、馬鹿の一つ覚えのように、政治的対決が緊迫した状況になると「少人数学級」対置し、政治的争点をぼかしている。
  大阪府会議員団は、秘密保護法案が通れば、府民の暮らしに具体的にどのような問題が発生するのかを明らかにして府民の中に入る必要がある。その能力が無いためいつでも使える「少人数学級」で逃げている。

労働者の働く者の権利としての賃上げ論でなく、景気回復為の賃上げ論
 さらに表面の「賃上げと正規雇用で」「大阪の景気回復を」もすでに赤旗で何度も報道されており、その内容をつまみ食いしてビラを作っているだけである。例えば、「賃金が減る一方で、資本金10億円以上の大企業がため込んだ利益(内部留保)は270兆円以上、その1%を使うだけで、8割の企業で月1万円の賃上げが可能です」と書いているが、これは赤旗がいつも主張している内容であり、府会議員団の活動を通して見つけてきた話題ではない。(馬鹿げた一般論を語っているに過ぎない。)
  この内部留保の1%を使い賃上げという論理は、資本家階級にお願いして賃金を上げてもらうという方針であり、基本的に労働者の闘う力を否定した姑息な理論である。さらに1%しか要求しないという上限を決めたものであり納得できないし、大企業に限定され、中小零細企業で働く者や非正規労働者には何ら関係の無い賃金「闘争」論である。
  現在の大企業で働く労働人口は、3割強と思われ、そのうち正規雇用がどれぐらいかも定かでは無いが、共産党の言う大企業の社内留保の1%を使えば、「8割の企業」で労働者の賃金が1万円の賃上げになるというのはトリックである。(何となく読めば8割の労働者が潤うように読みとれる)
  おそらく共産党が言っているのは、労働者の8割でなく大企業の8割が収益金を持っていると言うことだと思うが、この場合3割×8割であり、実質恩恵を受けるのは24%でしか無い。
  さらにおかしいのは、今最も困っているのは非正規労働者であり、この人たちの待遇改善実現が最も求められているとき、「ノー天気」に、比較的恵まれている大企業限定の賃上げ論を唱える人たちの人間としての感性を疑う。

戦いと結びつかない党勢拡大論が、共産党をだめにした元凶
  なぜこのような馬鹿げたことがおこるのか、それは共産党が政治的課題と党勢拡大を二分化し、新聞の一面トップでは秘密保護法を掲げながらも、【党生活】欄を見れば、マイ名簿を利用した赤旗拡大が主張されており、「秘密保護法反対」を訴えて大衆の中に入り、その中で赤旗を取ってもらうという方針を掲げていないからである。
  一般党員がこの程度の力量でも仕方がないが、党の府会議員団が、今大衆の中に何を訴えて行けばいいのかまで分からなくなっている姿は嘆かわしい。
  秘密保護法案反対で、あるいは労働者の賃上げ闘争の戦いの中に入れば、大企業の社内留保金1%論が如何に荒唐無稽な議論であるかはすぐに分かるはずである。(共産党の周りに公務員以外に大企業の労働者がどれだけいるか実際に体験すればすぐに分かる。)共産党を応援し期待しているのは、中小零細企業で働いておられる方が圧倒的に多い、同時に非正規雇用の人が多くいる。この現実を見ずに、大企業の社内留保金を利用して1万円以上の賃上げをと主張しても、この人たちは庶民の生活が分かっていないと支持者を逃がすだけである。

資料・・・府会報告