@共産党の選挙結果報告の不思議。得票率を示さず、議席数だけで勝ち負けを判断している



令和4(2022)年1月31日


 実は1月25日に「しんぶん赤旗まちがい探し、これは認知症予防に効果あり?」という意地悪な記事を挙げていましたが、私の勘違いがありました。共産党の津市の選挙結果報告で、議席占有率2.94%(11.76%)という記事があり、私は議席占有率が2.94%で獲得票率が11.76%はありえず、このような単純ミスは不可思議だと批判しました。
 その際議席占有率の次の(  )内に何が書かれているのか明確な説明が無く、( )内の数値が得票率であるのなら、この記事はピンボケそのものでしかないと批判しました。

本日付(1月31日)の選挙結果報告を見て、すべての謎が解けました。


 秋田県潟上の市議選の結果が報告されていました。議会新分野は次の通り(カッコ内は前回との比較)
 ▽共1(1)公1(1)無16(16)議席占有率5.56%(同)と記載されていました。この記事を読んで、すぐに私の間違い(1月25日)に気づきました。共産党の選挙結果報告は議会の新分野だけに注目した報告(記事)になってしまっています。(意識的にそうしているのだと思います)

 1月25日の赤旗は、「3市2町で7氏当選」で日本共産党の開票結果は次の通りです。(自治体名の下は定数―立候補数。候補者の名の下は、年齢、現新元。▽党派別、カッコ内は前回。)と書かれていました。私はこの説明文を読んで、議席占有率までの説明をしながら、最後の( )の数値は何を表しているのか?なぜ説明しないのか?考えられるのは得票率だと疑念を抱きながら読み取りました。

 しかし今日の赤旗を読んで私の推論が間違っていたことに気付きました。赤旗は「( )内は前回。」という説明で、この最後の( )は前回選挙の議席占有率と説明しているのです。これには驚きました。赤旗は、前回の議席占有率と獲得票数増減とどちらが重要かの判断ミスを行っています。

1月25日の説明と、本日の赤旗の(  )の説明は明らかに違います。


 本日の記事は、はっきりと「議会新分野は次の通りです(カッコ内は前回との比較)」と書かれ、議会の力関係だけの報告だと割り切っています。しかし1月25日の記事は、「日本共産党の開票結果は次の通りです。」という注釈の下でこの記事は書かれています。
 選挙結果で勝ち負けの判断は何で行うのか、確かに第一番は議席数ですが、本当に重要な数値は獲得得票率です。この数字こそが他党派との力関係が読み取れます。同時に共産党が求めている何%以上というラインに到達したのか否かが重要な指針になります。現在共産党のガイドラインの数値を把握できていませんが、10%位が基本的ガイドラインと思います。選挙結果はこの数値との比較で評価することが大切です。
 例えば前回の衆議院選挙では、東京は10.3%でこれは前回と同じ数字です。ところが大阪では7.5%です。(前回は9.0%ありました。)この数値で共産党の力量の変化が読み取れます。東京は頑張っているが、大阪は維新に押されていることが読み取れます。
また、1月25日の赤旗は「3市2町で7氏当選」と書いていますが、得票率から見れば、津市は6.59%、嬉野市は5.08%、仁淀川町は5.99%、琴浦町は5.44%です。すべての選挙で基準値を大きく下回っています。このことを正確に示すのが赤旗の役割です。

 なぜ、「日本共産党の開票結果は次の通りです」と述べながら開票結果(得票数・得票率)を正確に報告しないのですか?


 1月25日の記事をどう読むかでは、確かに勘違いしていましたが、共産党の記事が最大の指標を外して報告しているため、私の判断ミスが起こりました。多くの読者も私と同じ読みをしたと思います。

「正義の味方、真実の友」の赤旗が、このような小細工を施し、勝ち負けの判断を避けていることは恥ずべきことです。


 選挙結果は、議席数と得票率を報告することが大切という指摘を共産党は受け止めないと思います。それは得票率の前回との比較を行えば、共産党の衰退は明らかに見えてしまいます。議席数は必ずしも政党間の力関係を表さず、じり貧状態をリアルに示しません。例えば公明党と共産党の力関係は2:1ぐらいに見えますが、得票率では3:1ぐらいの差がある事例も多く見られます。(参考1)
 大阪府下の市会議員選挙で大阪維新は躍進していますが、その得票順位は上から5人を占めるような勢いを示しています。維新も公明党も立候補を増やせばまだまだ伸びしろがあります。共産との候補者は、当落ラインに群がり、上手くいく場合もありますが、大きく議席を失う場合もあります。今回の津市がその事例です。(4人から1人)これを選挙戦術の失敗か、得票数の激変かこれらを見極める必要があります。選挙結果報告に前回との比較の得票率を入れない共産党の手法は、詐欺的手法です。こんな小細工では躍進につながりません。是非選挙結果報告には、議席数と「得票率」の推移(前回との比較)を入れてください。

参考:議席数と得票率
   平成31年4月21日高槻市会議員選挙の結果報告(私が作成した図表)



 あまりいい事例ではないが、通常は公明党は上位を独占し、もっと候補者を取れば完全に議席を伸ばせる。この選挙では大阪維新の会が1位,2位、3位、5位、7位、12位を占めた。共産党は16位17位28位30位を占めた。大阪維新は6名しか立候補しなかったが、維新の得票率は25.24%で33479票であり、公明党の17.18%を相当大きく上回っている。候補者13に人ぐらい立てても当選する数字である。議席数だけで比較すれば、維新6人、共産党4人でそう力量に違いが無いように見えるが得票数では、維新33479票、共産党11306票であり維新は共産党のおよそ3倍の得票数がある。選挙の結果報告が議席数だけの比較というのがものすごく気になります。力関係を見るのは得票率だと思います。の際に必要なのは前回の得票率との比較が有用なカギになります。前回の議席占有率ではありません。この高槻市議選では議席数は1.5倍ですが、得票数は約3倍です。この3倍の差を如何に埋めるかが課題なのです。