宮本顕治、不破哲三、エリツィンの社会主義観?(エリツィンに軍配か?)



  共産党の選挙戦でのこの間の苦戦は、ソ連や東欧諸国の崩壊で、社会主義のモデルが提示できず、資本主義社会に対して社会主義が優れているという論調を押し出せないところにあります。そこで秩序ある資本主義社会のような論調が見られます。

  宮本顕治さんが議長のころは、社会主義のモデルとしてルーマニアを評価していました。赤旗には良くこの記事がでていました。しかし民衆の蜂起に会い、議長夫妻は銃殺されるという悲惨な状況の後見えてきたのは、エイズにかかった子どもたちが大量にいる姿でした。赤旗はルーマニアに特派員を常駐させながらこの事態を伝えることができませんでした。(後日談ですが、この特派員はそうした記事を送ったが赤旗は載せなかったと批判し、党から去っていきました。)

  不破哲三は中国を再三訪問し、中国の市場経済を評価しています。中国が資本主義的な経済運営を行いながら国力を高め、その後社会主義への展望を切り拓くことを評価しています。
  これは歴史の審判を待たねば成りませんが、果たして今の中国の現状を見て、社会主義社会へ向かって歩みだしているといえるでしょうか。資本主義社会以上の貧富の差を生み出し、公害は撒き散らし、国内での他民族への弾圧や、軍事力を高め他国への脅威を撒き散らす中国の現状を社会主義社会建設への第一歩と評価するのは世界中で不破さん一人ではないでしょうか。宮本委員長と同じ過ちをおかしているように見えます。

  一方エリツィンは日本に来て、一億総中流社会を見て、これが理想的な社会主義だと評価しました。エリチツィンが評価した時代に比べ、小泉・竹中改革(改悪)みよって日本も格差社会が進行していますが、まだまだ、アメリカや中国よりはましかとも思います。社会主義の理念は何か難しいですが、平和・平等・人権が守られ、本来は言論の自由が保障された社会だと思います。そういう意味では、宮本顕治や不破哲三よりエリツィンのものの見方の方が正しかったのではと思う今日この頃です。