森友学園問題で、赤旗はどうしても本質がつかみきれない。


平成29(2017)年8月3日


「籠池=詐欺師」が気になってしょうがない。

 赤旗の森友学園疑惑の記事は、基本的には籠池氏が如何に詐欺師であるかのが主要な記事になっている。私はこの間、森友・加計学園疑惑の記事を18本書いたが、その主要な論点は、「赤旗は事の本質を理解せず、籠池氏が如何に詐欺師かの立証に、追及の多くを割いている。これは安倍内閣の狙いの呼応した記事であり、あまりにも間が抜けている」と批判してきた。
 赤旗はこれではまずいと思って軌道修正を図った記事が2回ある。一回目は29年4月12日の記事である。(私の「森友・加計学園疑惑第七弾:赤旗の森友事件に関する基本姿勢が12日から修正された。」参照)しかしその後(16日)また籠池批判に代わってしまった(「森友・加計学園疑惑第八段:またまた赤旗の森友学園記事が籠池追及に後戻りしてしまった。」
 その後籠池批判が続いたが、7月28日の籠池氏に対する事情聴衆記事で赤旗は、この事件の核心は『国家の私物化』と言い切った。私はこの記事を見て、赤旗は籠池批判を卒業し、この事件の核心に迫ろうとしていると評価した(「森友・加計学園疑惑第18弾森友学園疑惑に対する報道姿勢がやっと世間並みに補正された」)
 しかし、赤旗は本日(8月3日付)でまたまた籠池批判の記事を載せた。その内容は見出しから拾うと「寄付収入見込み捏造か」「森友 小学校の認可申請」という記事を赤旗3面【社会】で大々的に報道している。
 赤旗はこの記事を何の目的で書いているのか、その真意が分からない。安倍首相はよく言う「印象操作」という言葉があるが、まさに「籠池=詐欺師」という印象操作である。これを一番喜ぶのは安倍首相である。なぜ森友学園問題の本質を籠池詐欺師に誘導するのかその真意が全く分からない。

籠池氏は詐欺師か?(厳密にいえば、詐欺師と言えば詐欺師であるが、森友学園問題の中でどういう役割を果たしたのかを検証することが大切)


 28日の赤旗は「疑惑の本丸は『見えない力』「問われてる首相夫婦の責任」という見出しを掲げた。あるいは事の本質は、「国有地取引で昭恵氏関与」、「籠池夫妻と安倍首相夫妻を結び付けたのは『教育勅語』です」とも言い切っています。なぜこの視点で記事が書けないのですか?つい数日前の森友事件の本質を語りながら、また籠池批判に先祖返りしてしまう赤旗編集局の一貫性のなさ、政治的力量のなさを感じる。

赤旗の記事がなぜ印象操作(籠池詐欺師)なのか、その検証を行う。

 赤旗の問題の捉え方は常に一面的で、問題を多角的に捉えていない。例えば赤旗は、「近畿財務局の8億円の値引きの解明が問題の本質だ」と7月28日の記事で初めて認めた。この8億円の値引きも赤旗6月26日付け【主張】では、「8億円も値引きする破格の安値で購入しようとしていました」と書いています。不当に値引きした近畿財務局の犯罪よりも、安く買おうとした籠池氏の犯罪(詐欺行為)に着目しています。
 補助金詐欺、補助金詐欺と赤旗は叫びますが、実はこの土地価格が不当に安く売買された事例と同じで、補助金問題も国側が協力して、籠池氏に支給した可能性があります。
 この森友学園の疑惑は国ぐるみ、大阪府ぐるみの不正事件です。籠池氏を優遇し、国家新道を教育する学校を開設する。これは安倍首相夫妻の大きな野望であったのです。この枠組みの中ですべてを捉えないと解明できません。
 学校建設で補助金詐欺をしたとか本日付け赤旗の寄付金の収入を過大に操作したというような話は、国や府は全て承知済みで、安倍首相が希望するこの森友学園の小学校の実現に一致団結して動いたのです。
 これをそうした視点でとらえず、学校用地の不正取得、補助金詐欺、私学審の認可適当などを個別に切り離して議論しても、この問題の本質には行き当たりません。

赤旗の「籠池氏=詐欺師」の議論はどこが危険か

 例えば今日の記事、「寄付金収入見込み捏造か」この記事は、安倍首相側から100万円の寄付があったと籠池氏は主張していますが、安倍首相夫婦は否定しています。寄付の唯一の証拠に寄付金台帳があり、安倍首相とは書かれていませんが、該当日に100万円の収入の記載があります。本当に捏造する気が籠池氏に最初からあれば、安倍首相と名前を書いているはずです。この台帳の他の寄付額が10万円以内の少額であり、この100万円が浮かび上がって見えます。大きな証拠になる可能性があります。
 しかし今日の赤旗記事は、この台帳がそもそも捏造の塊であるかの「印象操作」を図っています。籠池氏は「詐欺師だ」という印象操作をやっています。なんのためにやっているのか安倍首相擁護としか見えません。これは赤旗には意思がなく、そうした意図を持った記事を(時事通信等の配信記事)、何も考えず掲載しているとしか思えません。
 

赤旗は「籠池氏の補助金詐欺だ」と主張しますがこれも正しくありません。

 籠池氏が補助金を最大限多く受け取るためにいろいろ努力したのは当然です。これはほぼすべての人が行う行為です。この場合、土地値下げと同じく、国の側が籠池氏側にどうすれば一番たくさんもらえるか、教えて可能性があります。それぐらい籠池氏と国は「ずぶずぶの関係」であったことをまず抑えておく必要があります。
 赤旗は、土地の値引きは国側が主導したことを認めましたが、補助金申請については国が絡んでいたかについて全く考えていません。そこに赤旗の人の好さ、間抜けさがあるのです。この補助金申請で、籠池氏は23億円の契約書を資料として添付しています。しかしこの段階では確定した金額は出ていなかったのです。重要なことは、補助金申請の手続きの流れです。国は補助金申請にあたって、23億円かかったと主張すれば、それを信じて23億円に対する補助金が本当に支給されるのでしょうが?これがもし国のやり方であるとすれば、不正を誘発しているとしか思えません。籠池氏だけでなく、現在までの補助金申請を全て洗いなおせば、何件も不正は発見できると思います。
 ついでに余談ですが、大阪府・大阪市も籠池氏に補助金詐欺があると告発しましたが告発後類似事件がないか調べたら7件あったと報告されています。
 何が言いたいのか、要するに国や府が間抜けであり、キチット仕事をしていないのです。参考になるか分かりませんが地方自治体では土地建物に対して固定資産税をかけますがその物件の評価は市町村が独自に算定します。当然該当者から、見積書を手に入れますがその価格で税金をかけるのではなく、その見積もりから市町村が独自に評価し、課税の根拠となる評価額を算出します。
 森友学園の補助金対象となる評価額も、当然国は籠池氏が主張した金額ではなく、自ら算定した金額で補助金を出しているはずです。聞くところによれば、国の算定額は21億円であり、それに基づき補助金を出したと言います。そこには詐欺が発生する余地はないのです。国はそんなに馬鹿ではなく、自ら評価して補助金を出しているのです。問題は21億円の評価額に「忖度=不正」が無かったのかが問われるべきです。(8億円の値引きと同じ視点で見ることが重要です。)

赤旗が追及すべき課題は何か?

 森友学園問題、加計学園問題、これは全く瓜二つであり、それぞれの浮かび上がってくる問題は相手側にもないか点検していくことで、この問題は一層鮮明になってきます。
 例えば、安倍首相夫妻が両方とも現れます。こんな不思議なことがあるでしょうか?さらには両方とも学園ビジネスであり、超法規で新しい学校を設立し、税金を不正に詐取しようとした企みです。
 森友学園は、挫折しました。籠池氏は破産です。このおなじ状況が加計学園にもあります。加計学園の設立の認証が今月中にも行われると言われていますが、常識から考えれば、これだけ疑惑があるのなら、白紙撤回し、再度加計学園と京都産業大学のどちらが良いか検討しなおすことが求められますが、加計学園は30年4月開校できないと、経済的には破産する状況です。加計学園はすでに今治市に93億円の補助金を28年3月31日付けで請求し、今治市も同日了承を伝えています。
 この96億円が加計学園当面の運転資金として必要です。すでに50億円の債務があると聞きます。

96億円のからくり

 加計学園は獣医学部の創設にあたって、その建築資金等運営資金の2分の1を補助金として今治市及び愛媛県から受けることを確約してもらっています。さらに学校の土地についても無償提供を受けています。(約37億円の価値がある。)
 この96億円は、大学の建設費の坪単価をを通常の2倍に膨らませて、請求しています。
つまりこの96億円をもらえれば学校建設は全くタダで建設でき、資産としては相当の価値があり、これを担保にお金を借り入れ、今後の運営を考えているのです。どうしてもこの96億円が必要なのです。
 週刊誌等では加計学園の認可は国民の批判があり難しいので、1年間保留しその間加計学園が運営する7つの学校施設に補助金の上乗せを行い、加計学園の倒産を防ぐことを国は考えているという噂まで流れています。
 どう考えても森友・加計学園ともに学園ビジネスであり、国や県や市から税金を詐取することを目的とした詐欺事件です。
 森友学園が、土地で8億円、補助金で5千600万円位引き出したかもしれませんが(すでに返済済み)、加計学園は愛媛県・今治市から133億円も税金を引き出したことは、とんでもない事件です。加計学園はすでに千葉県銚子市で同じ学園ビジネスで市を食い物にし、市の財政を破綻させています。
「【加計学園】銚子市の千葉科学大学、300億円近い負債と判明」というような記事がすでにインターネット上に出ています。今治市はこの点からも学ぶ必要があります。
 これらの詐欺事件が時の総理夫妻がかかわっていることにこの事件の特殊性があります。
攻めどころはやはり国家権力側です。籠池氏は決して主役ではありません。