日本共産党 最近おかしくないですか

今回の選挙結果をどうみるか


平成26(2014)年12月23日

はじめに
 今回の選挙結果をどう見るかは、すでに15日簡単に書いた。(これは選挙結果の資料がまだなかったため)
 その基本的趣旨は、今回の選挙は確かに共産党の大躍進が最も目につくが、はたしてその一言で語れるのだろうかというものである。
 選挙戦の争点は、憲法を改悪し「海外で戦争できる国」づくりを推し進めるか、反対するかが最大の争点であったが、(選挙戦直前(11月末)に亡くなられた菅原文太氏も沖縄知事選挙の応援演説(11月1日)でそのように語っていた)共産党は消費税の10%の値上げ阻止を最大の争点として戦った。
 安倍首相は選挙戦が終わるか否かに早速「憲法改正に着手することを表明した」(11月14日)彼はこの目的を選挙戦に掲げながら、できるだけ目立たないようにし。アベノミクスの是非を問うと経済問題を全面に打ち出し争点隠しを行った。
 共産党は安倍政権のこうした狙いを暴き選挙戦を戦うべきであったが、安倍政権にお付き合いし、憲法を改正し戦争できる国作りをめざす安倍政権の野望を打ち砕く戦いを組織しなかった。唯一沖縄だけが、基地反対を前面に掲げ、しかも反対勢力が「オール沖縄」で、小選挙区制(四選挙区)全て勝利するという歴史的勝利を収めた。

次世代の党の歴史的敗北(国民は「海外で戦争できる国」を望んでいない。)

 これが前回の総括の趣旨であったが、次世代の党が20名から2名へと大敗北したことの歴史的意義を語ることを忘れていた。安倍氏が推し進める戦争できる国づくりを最も正直に語り国民に信を問うた次世代の党の得票率は、ほぼすべての選挙区で共産党より低い得票率であり、泡沫候補並みの得票数である。(大阪での比例区の票は76540票、共産党は449059票、約6倍の票を獲得している。)
 東京12区では、次世代の党から見ればエースの田母神が出馬し、戦争できる国づくりを訴えたが、共産党の新人候補がその得票率を上回ったことも国民の良識として高く評価できる。

東京12区の選挙結果(図表1)
候補者名
政党
票数
備          考
太田 昭宏
公明
88499
41.64
自民推薦、この票を仮に2党で割ると
一党(自民・公明それぞれ)44249票
池内 沙織
共産
44721
21.04
東京都の比例区の得票率は15.37%
この数字(44721)は自・公とほぼ同じ
太田 愛
生活
40067
18.85

田母神俊雄
次世代
39233

18.46



212520


 前回2012年選挙では、太田氏114052票、青木愛56432票、池内沙織41934票である。池内の健闘が見られる。
 この池内沙織さんの2位当選は立派なものであり、この女性には何か輝く物がある。候補者の魅力がこの票に繋がっていると思う。
 今回の選挙結果は、自民党と公明党で3分の2以上の議席の獲得を許してしまい、憲法改正の危険性が伴う情勢ではあるが、一方では沖縄で、「オール沖縄」が完全に勝利した現実を見るならば、平和を求め、憲法改正に反対する勢力の結集に成功すれば、自・公と対等に戦えるし、勝利する展望すらあることを示した。また次世代の党の完全なる敗北は、国民が「海外で戦争できる国」づくりを歓迎していないことも明白になった。
 なぜ、安倍自民党は勝利し得たのか?それは争点をアベノミクスに設定し、「その是非を問う」と本当の争点を隠して戦い、共産党がそれを暴かなかったためである。本当に沖縄のような緊張感があれば、国民は戦争反対に立ち上がることを示したのが今回の選挙結果から学ぶべき事柄である。

今回の選挙が示した各政党の力関係(国民の意思)


 以下選挙の得票数から何がわかるか見ていきたい。まず比例区の票数から政党間の現在の力関係を確認しておく。(図表2参照)
比例代表(図表2)

政党名 得票数 得票率 絶対得票率 備考
自民党 17,658,916 33.11% 16.99%  有権者数 103,962,784人
公明党   7,314,236 13.71% 7.04%
与党小計 24,973,152 46.82% 24.02%   自・公の合計数
民主党  9,775,991 18.33% 9.40%
維新の党 8,382,699 15.72% 8.06%
次世代の党 1,414,919 2.65% 1.36%
日本共産党 6,062,962 11.37% 5.83%
生活の党 1,028,721 1.93% 0.99%
社会民主党 1,314,441 2.46% 1.26%
新党改革 16,597 0.03% 0.02%
幸福実現党 260,111 0.49% 0.25%
支持政党なし 104,854 0.20% 0.10%
野党・無所属
小計
28,361,295 53.18% 27.28  自・公以外の合計数
 合計 53,334,447 100.00% 53.18

 自民公明の与党は、46.82%、野党無所属は53.18%というのが現在の政党の力関係である。

大阪の選挙戦の総括(貴重な経験もある)

 次に得票数を見ながら大阪の選挙戦の総括の視点を見てみたい。大阪でも全国的高揚と同じように前進したが、選挙区毎にその特徴がある。以下は大阪19区の小選挙区の得票率の高い順番に並べて見た。(図表3−1,2)
 1位から16位までは、得票率が10%超え取り敢えず合格ですが、10区、11区、19区は10%を割り込み、とりわけ10区では7.9%、19区では7.72%しかない。10区の7,9%は前回の選挙の7.5%に比べわずかながらの前進ですが、19区の7.72%は前回の5.7%からは検討しています。後で述べますが、比例区と小選挙区の票数の比較では、10区が最下位で小選挙区での獲得票数が比例票の7割を割っています。(私の居住地は10区であり、この選挙区の取り組みのいい加減さを系統的に追求していますが、とうとう大阪では最下位の成績になってきました。)

大阪19区の小選挙区の得票数及び得票率(図表3―1)  
得票数 全得票数 得票率  地域
1区 30463 177,163 17.19% 大阪市中央区・西区・港区・天王寺区・浪速区・生野区
2区 34184 168,535 20.28% 大阪市阿倍野区・東住吉区・平野区
3区 63529 148,472 42.79% 大阪市大正区・住之江区・住吉区・西成区  
4区 31478 212,330 14.83% 大阪市北区・都島区・福島区・東成区・城東区
5区 68430 161,111 42.47% 大阪市此花区・西淀川区・淀川区・東淀川区  
6区 42265 167,365 25.25% 大阪市旭区・鶴見区、守口市、門真市
7区 38928 187,756 20.73% 吹田市、摂津市
8区 19897 165,225 12.04% 豊中市  
9区 31165 231,496 13.46% 池田市、茨木市、箕面市、豊能郡
10区 14318 179,719 7.97% 高槻市、三島郡  
11区 20449 213,917 9.56% 枚方市、交野市
12区 18257 171,988 10.62% 寝屋川市、大東市、四條畷市
13区 33384 186,451 17.90% 東大阪市  
14区 35194 202,111 17.41% 八尾市、柏原市、羽曳野市、藤井寺市  
15区 30840 191,620 16.09% 堺市美原区、富田林市、河内長野市、松原市、大阪狭山市、南河内郡
16区 22809 154,380 14.77% 堺市堺区・東区・北区  
17区 27151 160,566 16.91% 堺市中区・西区・南区  
18区 29275 200,373 14.61% 岸和田市、泉大津市、和泉市、高石市、泉北郡
19区 11740 152,092 7.72% 貝塚市、泉佐野市、泉南市、阪南市、泉南郡

 上記表を得票率の高い順に並べ替えた表(図表3−2)
順位
得票数
得票総数
備         考
1位 3区 63529 148,472 42.79% 大阪市大正区・住之江区・住吉区・西成区  
2位 5区 68430 161,111 42.47% 大阪市此花区・西淀川区・淀川区・東淀川区
3位 6区 42265 167,365 25.25% 大阪市旭区・鶴見区、守口市、門真市  
4位 7区 38928 187,756 20.73% 吹田市、摂津市  
5位 2区 34184 168,535 20.28% 大阪市阿倍野区・東住吉区・平野区  
6位 13区 33384 186,451 17.90% 東大阪市  
7位 14区 35194 202,111 17.41% 八尾市、柏原市、羽曳野市、藤井寺市  
8位 1区 30463 177,163 17.19% 大阪市中央区・西区・港区・天王寺区・浪速区・生野区  
9位 17区 27151 160,566 16.91% 堺市中区・西区・南区
10位 15区 30840 191,620 16.09% 堺市美原区、富田林市、河内長野市、松原市、大阪狭山市、南河内郡
11位 4区 31478 212,330 14.83% 大阪市北区・都島区・福島区・東成区・城東区  
12位 16区 22809 154,380 14.77% 堺市堺区・東区・北区  
13位 18区 29275 200,373 14.61% 岸和田市、泉大津市、和泉市、高石市、泉北郡  
14位 9区 31165 231,496 13.46% 池田市、茨木市、箕面市、豊能郡
15位 8区 19897 165,225 12.04% 豊中市  
16位 12区 18257 171,988 10.62% 寝屋川市、大東市、四條畷市
17位 11区 20449 213,917 9.56% 枚方市、交野市
18位 10区 14318 179,719 7.97% 高槻市、三島郡  
19位 19区 11740 152,092 7.72% 貝塚市、泉佐野市、泉南市、阪南市、泉南郡


 この表をみて驚くのは、1位3区、2位5区で、共産党の得票率が40%を超えたことである。(3区で42,79%、5区で42.47%)政党間の組み合わせで有利不利はあるが、今日までは全国的にどのような組合せでも共産党が25%を超えることは希でしか無かった。ただし、3区、5区、6区、16区は公明党の候補者が立候補しており、それらの選挙区では自民党、維新の集票率が最も高い2大政党が候補者擁立を見送っている選挙区である。(その点を考慮して判断しなければならない。)
 私はかねがね、共産党には25%という壁があると主張してきたが、今回大阪の小選挙区で40%超が2選挙区実現したことは、今後の躍進の可能性を暗示している。
 ただしこの2区以外は、やはり25%の壁にぶつかっている。3位6区で25.25%、(公明党立候補区)4位7区で20.73%である。(厳密に言えば、公明党立候補区は特殊であり、そういう意味ではやはり25%の壁は打ち破られていないと見るのが正しいのかも知れない。・・・7区の20.73%が実力かも知れない。)
 前回の衆議院選挙では、やはり大阪3区が1位であったが、その得票率は、25.6%、2位は5区で23.7%であったことから見れば、大きな躍進である。しかしこの2区は先進事例であり、前回選挙と代わり映えしない区もある。
 比例区と小選挙区の関係(政党間の組み合わせ、候補者の魅力も関連している。)
 
 次に比例区と小選挙区の関係を見てみたい。(比例区の票の歩留まり率の順位を見ている)(図表4)

比例区
小選挙区
今回



得票数
前回



得票数
倍率
得票数
比例区



との差
比例区



との倍率
3区
25801
15.12
20567
9.78
1.25
63529
42.79
37728
2.46
5区
28579
15.48
22766
10.1
1.26
68430
42.47
39851
2.39
6区
22981
12.45
16680
7.72
1.38
42265
25.25
19284
1.84
2区
23882
13.95
17300
8.42
1.38
34184
20.28
10302
1.43
7区
28312
14.82
18651
8.73
1.52
38928
20.73
10616
1.37
13区
24492
12.88
18990
8.76
1.29
33384
17.90
8892
1.36
1区
23021
12.73
15617
7.3
1.47
30463
17.19
7442
1.32
17区
21152
13.01
14307
7.64
1.48
27151
16.91
5999
1.28
14区
28112
13.56
20263
8.6
1.39
35194
17.41
7082
1.25
15区
25235
12.97
17078
7.53
1.48
30840
16.09
5605
1.22
18区
24363
12
17230
7.37
1.41
29275
14.61
4912
1.20
9区
28044
12
16883
6.41
1.66
31165
13.46
3121
1.11
4区
28434
13.31
19379
7.77
1.47
31478
14.83
3044
1.11
16区
20885
13.16
14939
8.34
1.4
22809
14.77
1924
1.09
8区
19154
11.48
12398
6.41
1.54
19897
12.04
743
1.04
12区
18751
10.88
13203
6.77
1.42
18257
10.62
-494
0.97
11区
23227
10.8
15397
6.5
1.51
20449
9.56
-2778
0.88
19区
13979
9.19
9454
5.54
1.48
11740
7.72
-2239
0.84
10区
20655
11.53
13738
6.96
1.5
14318
7.97
-6337
0.69

449059

314840

1.43
603756

154697
1.34

 (図表4)から分かることは、得票率で1位、2位をとった3区は小選挙区では比例区の2.46倍、5区では2.39倍獲得しています。この2区は相手候補が公明党だけであり、公明党と共産党に一騎打ちですが、公明党には自民党という友党がついており圧倒的優位性を誇る中、共産党候補が4割以上の票を獲得したということは、国民の中に反共意識なるものが相当薄れ、公明党と共産党という究極の選択では、共産党に手を上げる者が相当数あることが読み取れる。 以下の表(図表5、6)でその辺を見てみたい。

 下記3区の表(図表5)を見てください、公明党の候補者は自民党の全面バックアップを受けており。比例区の票から計算すると、公明党と自民党で、73282票あり、実際の獲得票数84943票から見れば、あと他党派から11661票を上積みしたに過ぎない。それに対して共産党は、基礎票25801票(比例区)に対して、小選挙区で63529票獲得している。これは基礎票より1.46倍の票を他党派から獲得している。(他党派から共産党に票が流れる垣根が低くなったと見られる)
 この究極の選択は白票が相当数あったと思われる。(3区では、比例区の得票数170686票に対して小選挙区は148472票で小選挙区の確定票が比例区よりも22214票少ないという現象がある。)

3区(図表5)   
大阪三区小選挙区
比例区
他党派


からの



倍率
政党
得票 
三区計
 得票数 
三区計
公明
84943
148472
57.21%
37218
170686
21.80%


自民党

36064
21.13%


与党計 

73282
42.93%
11661
0.16  
共産
63529
42.79%
25801
15.12%
37728
1.46  
民主党

10833
6.35%


維新の会

53472
31.33%


次世代 

2694
1.58%


その他

4604
2.70%


他党派計

71603
41.95%



148472
148472
100.00%
170686




 
5区(図表6)  

大阪三区小選挙区
比例区
他党派


からの



倍率
政党
得票 
三区計
 得票数 
三区計
公明
92681

57.53%
37587
184676
20.35%


自民党

39205
21.23%


与党計 

76792
41.58%
15889
0.21
共産
68430
42.47%
28579
15.48%
39851
1.39
民主党

11957
6.47%


維新の会

59093
32.00%


次世代 

3301
1.79%


その他

4954
2.68%


他党派計

79305
42.94%



161111
161111
100.00%
184676





 5区(図表6)についても3区と同じ現象が見られる。共産党はこれが定着できれば、躍進の確かな一歩になる。

大阪10区(私の居住区)では、共産党はどのような戦いを行ったか。


 次に私が批判し続けている10区であるが、とうとう大阪で最下位の位置にまで転落した。

大阪10区(小選挙区)の前回選挙との比較(図表7)  


今回
前回
増減 
%  
得票数
得票数
辻本清美
民主
61725
34.35%
65411
33.29%
△ 3686
1.06%
大熊和英
自民
53160
29.58%
45261
23.03%
7899
6.55%
松浪健太
維新
50516
28.11%
71117
36.19%
△ 20601
-8.08%
浅沼和仁
共産
14318
7.97%
14706
7.48%
△ 388
0.48%

179719
100.00%
196495
100.00%


  

 大阪10区は高槻市と島本町をその区域とするが、元々革新的風土の強い地域であった。昔は共産党の市会議員は6人いたが、現在は3人と共産党は選挙の度に衰退していっている。今回の選挙では前回とほぼ同じ数値であり、大阪市内の3区や5区の躍進に比べれば寂しい限りである。
 まず、小選挙区制の獲得票数の14318票は、前回選挙の14706票より、388票少ない。ただし、全体の得票数が低かったので、得票比率では、若干の上積みがある。(7.48%⇒7.97%)しかし全国的な躍進からは全く置き去りにされている。
 前回選挙では大阪第19区の小選挙区の獲得比率が5.7%で最低であったが、今回も最下位ではあるが7,72%に前進させている。(もう一歩で大阪10区を追い越す勢いである。)

大阪10区の前回2012年との比較(図表8)
候補者名 政党
今回(2014年)
前回(2012年)
14年 マイナス 12年  
得票数
得票数
増減数
辻本清美 民主
61725
34.35%
65411
33.29%
△ 3686
1.06%  
大熊和英 自民
53160
29.58%
45261
23.03%
7899
6.55%
松浪健太 維新
50516
28.11%
71117
36.19%
△ 20601
-8.08%  
浅沼和仁 共産
14318
7.97%
14706
7.48%
△ 388
0.48%  


 179719

 196495



                            △はマイナスを表す
 今回の選挙では、前回の当選者であった維新の松浪健太が奮わず、民主の辻本清美が当選した。(図表8参照)松浪健太は前回から約2万票(マイナス8.08%)減らし、自民党の大熊和英にも破れ、3位となっている。大阪府下で維新は今回選挙でも結構検討し、14名の候補者の内1位が5名、2位が6名、3位が3名である。さらに得票率で言えば、40%代が3区、30%代が8区、20%代が3区である。高槻の松浪健太は、選挙区での順位は3位であり、得票率も20%代に該当する。(前回から8.08%も減らしている。)
 共産党は今回の選挙で維新に対する審判を下す選挙だと言いながら、維新撃退に何ら貢献していない。(共産党の票が伸びていない。)

大阪10区(高槻・島本)の政党の力関係:比例票(図表9)
政党
得票数
全得票数
高槻市
島本町
大阪10区  
維新
50162
4372
54534
179207
30.43%
自民
41645
4312
45957
25.64%
民主
24813
2499
27312
15.24%
公明
20628
1308
21936
12.24%
共産
18617
2038
20655
11.53%
社民
3671
374
4045
2.26%
次世代
2411
245
2656
1.48%
生活
1362
142
1504
0.84%
幸福
553
55
608
0.34%

163862
15345
179207


 大阪10区の政党の力関係、比例区の票数を見れば維新は若干の票数を減らしたが(前回34.86%、今回は30.43%)、比較第1党の位置を確保している。大阪全体では、共産党は民主党に競り勝っているが(共産党449059票、民主党293606票)、大阪10区では民主党に相当遅れを取っている。(共産党20655票、民主党27312票)
 最後に比例区の票と小選挙区の票の比較を行っておきたい。(図表10)私は大阪10区の選挙戦はこの点が最大の弱点になっていると思っている。今回の大阪19の選挙区で比例の票より小選挙区の票の方が多かった区が15区ある。(上記図表4を参照)小選挙区制の方が悪かった選挙区は4つしかない。(12区0.97倍、11区0,88倍、19区0.84倍、10区0.69倍)この4つを見れば明らかなように、ダントツで10区が最下位である。  
 今回の選挙戦10区の候補者に私が遭遇したのは1回だけ、ビラも消費税反対のビラを一回受け取っただけである。本当にこの候補者は選挙活動を全力で戦ったのか疑いが残る。
 民主党辻本清美は比例票21963票の2.81倍の61725票を獲得している。自民党の大熊和英も比例区の票数45957票の1.16倍の53160票を確保している。それに対して維新の松浪健太は比例区の54504票の0.93倍の54504票で比例区では自民党に勝っているにも関わらず、小選挙区性では競り負けている。松浪健太は現職であり、大熊和英は新人ながら自民党の底力で逆転している。この原因は、松浪健太は、橋下氏が叫んでいる大阪都構想については語らず、道州制一本で常に選挙戦を戦っているからと思われる。大阪都構想も別けが分からないが、道州制も市民に取ってどんなメリットがあるのか分からない。市民の気分感情と離れたところで上から目線の選挙運動を行っている。
 共産党の浅沼和仁は、共産党に都合の良いように使われ、市民の目から見て、彼がどのような政治を目指しているのか全く伝わってこない。彼は便利屋として扱われ、市長選挙も国会議員選挙も市会議員選挙もいつでも候補者である。しかし市会議員にすら当選できない候補者を国会議員選挙に出すことが果たして適当であろうか?
市民の目線から見れば、「舐めてんのか!」と映るのではないか?この候補者は今回本当に自ら立ち上がったのか疑問が残る。
 毎週JR駅頭で火曜日は共産党の政治宣伝が行われている。選挙告示1週間前のJRの駅頭宣伝は行われなかった。さらにその1週間前は雨が降っていたが、その時も共産党の政治宣伝は行われなかった。
 ちなみにこの雨の日、辻本清美も松浪健太も駅頭宣伝を行っていた。このような本人の気迫が伝わってこないから、比例区の7割以下の成績になっていると思われる。やはり戦わない者は負ける。
 ただ、今まで公明党との関係では2;1の関係で負けていたが、今回の結果(比例区)では、負けてはいるが、非常に接近している。(公明比94%)市会議員の数では公明党8名に対して共産党3名である来年度の一斉地方選挙でもう少し躍進できる芽が生まれたのでは?
 ただし、公明党のこの票数の少なさは、小選挙区の候補者が立候補しておらず、一般的に公明党の選挙の取り組みは相当時間をかけて取り組むと言われており、今回のような青天の霹靂のような選挙戦には弱いのかも知れない。(今回の結果が公明党の実力とは見られないのかもしれない。)

図表10 小選挙区と比例区の比較(候補者も魅力度比較)

候補者名
政党名
小選挙区
比例区
小選挙区と比例比較
票数
倍率  
辻本清美
民主
61725
21963
39762
2.81
大熊和英
自民
53160
45957
7203
1.16
松浪健太
維新
50516
54504
△3988
0.93
浅沼和仁
共産
14318
20655
△6337
0.69
立候補なし
公明

21936




179719
165015
△14704