小ネタ集:ここまで来たか(赤旗とさざなみ通信)


平成26(2014)年2月11日


1.オバマ大統領の主張と同じだから志位さんの主張は正しい?

  2月9日付け赤旗日曜版を見て驚いた。一面トップに「経済の好循環へ」「賃上げが効く」という大見出しを掲げ、志位委員長の発言「内部留保の活用」「正面から財界に迫れ」とオバマ大統領「最賃アップ提案」「成長の真のエンジン」という発言を載せている。
 この記事は写真付きであり、志位委員長とオバマ氏が同じポーズで発言(一緒を強調)している写真が大きく扱われている。

共産党の権威付けにオババ大統領を利用する愚かさ

 この記事の大きな問題点は、オバマ大統領の発言と、志位委員長の発言が同じだから志位委員長の主張は正しいと、オバマ氏の権威で志位氏を持ち上げようとしていることである。
  私は前々から共産党の主張が正しいことの主張に、自民党の元幹部(野中氏、古賀氏、加藤氏)や、もと保守系の地方議会の議員などの証言を載せて立証する手法を批判してきた
  なぜ共産党の主張が多くの労働者に受け入れられているとか社会的弱者(生活困窮者やお年寄りなど)が支持しているという形で立証しないのか疑問を呈してきた。
  今回オバマ氏の主張と同じだから、志位委員長の提言が正しいという立証方法は、アメリカ帝国主義の頭目であるオバマ氏を認めたことになり、アメリカが世界の警察官として、現在も軍事力をもって世界の人民を苦しめていることを免罪するものである。
 もう少し具体的に見ていくと、志位氏の主張は本文では確かに三点あるが、見出しは「内部保留の活用」が掲げられており、この間の経過からしても、共産党は今年度春闘の最大の眼目が「大企業の内部留保の1%」の活用である。この主張そのものが、労働者の賃上げ闘争の意義を歪曲し、大企業にお願いして賃金をあげてもらうという「おこぼれ論」であり、許すことができない。少なくとも大企業の内部留保のお金がどこから搾取・収奪されたものかを暴き、労働者は働いた当然の権利としてその成果を受け取る権利があるという思想で取り組まない限り、経済闘争が政治闘争と結びつかず、労働者自身の成長もはかれない。
  すでに共産党の賃金闘争は、労働者階級の階級的自覚の成長を促すものでなく、「経済の好循環」を勝ち取るものへと変節してしまっている。
  なぜオバマと志位委員長が同じ発想になり得たのか、それは「賃金闘争」を階級的視点から経済の好循環論へ変節させたから、オバマと同じになっただけである。これは喜ぶことでなく悲しむべきことである。

大企業の労働者中心の賃上げでなく、中小企業の労働者や非正規労働者の賃上げを!

  さらにオバマは最低賃金を取り上げており、志位氏は大企業の労働者の問題を第一義的課題としておりオバマ大統領にも劣る賃金論になっている。
  この記事では、オバマだけでは気が引けたのか、作家の室井佑月さんを登場させ、志位さんの主張の正しさを補っている、しかし、室井氏の主張は、「経済の好循環というならまず、雇用の7割を占める中小企業で働く人の最低賃金をあげることです。」と言っている。なぜ共産党は中小企業で働く人や、非正規で働く労働者の賃上げを第一義的課題としないのか、不思議でたまらない。志位さんの主張より、室井氏の主張の方がよっぽど筋が通っている。
  蛇足ですが、志位委員長は「賃上げで経済の好循環へ」と言っている。これは安倍首相や経団連の会長が言うべき発言である。室井氏は「経済の好循環というなら」(この言うならは、安倍首相や経団連が求めるなら)、最低賃金をあげるべきだと迫っている。この二人の発言には大きな開きがある。

2.「さざなみ通信」の凋落


さざなみ通信は共産党の良心の塊

  さざなみ通信は、共産党の現役党員の有志が、共産党の現状を憂え、党内外の人々と議論を戦わせながら、共産党の改革を志向された人たちだと認識していた。私がさざなみ通信の存在を知った頃は、さざなみ通信の管理者自身の手による優れた論文が多く掲載され、党員や非党員の中からも優れた内容の意見が多く、大いに参考にさせていただいた。
  さざなみ通信の特異性は、現在までの共産党に対する議論は、極端な反共攻撃が多く、陳腐な議論がその主流を占めていたが、さざなみ通信に集う人は、あくまで共産党を愛し、その上で問題点を指摘しあうという良き風潮があった。

さざなみ通信は衰退しつつある

  しかし昨今のさざなみ通信は、書き込みの数が極端に減っており、党員欄においては13年9月29日以降誰の一通の投稿も無く、一般の投稿欄もある一人の人の投稿が多くを占めており、主題別討論欄の「現状分析と対抗戦略も」8割方は一般投稿でも活躍している人の投稿が占めている。また26回大会のために設けられた「党大会専用のページ」は結局一人の投稿もなかった。多くの人が参加し、議論を戦わせ、共産党の改革につなげるという初期の目的が、すでに達成できない状況になっている。
  私はこのさざなみ通信の凋落は、このサイトの管理者の力量の低下が大きな原因だと思っている。初期に参加していた部分が脱落していったのかは分からないが、管理者自身の発言が2004年4月で止まってしまい、そのあとは単なる掲示板を「開放」しているだけのサイトになってしまっている。

期待したが裏切られた感がある

  なぜ、私がさざなみ通信の凋落に触れたかというと、私とさざなみ通信では相性が悪かったのか、私がさざなみ通信に参加しようとした際、様々な点で嫌がらせを受けた。(これは私の主観であるが)以下その経過を描きたい。
  まず私は共産党に15通の意見書(その中心は原発問題)を出し、その一通をさざなみ通信に送った。それはさざなみ通信に掲載され、その後私のHPの訪問者も増えたので、私は15通の意見書があるので順次投稿したいと申し入れましたが、断られた。その理由は、「第二次情報は載せない、この間の投稿は初めてであったのでサービスで載せたが、一度発表された物は掲載できない」と断られた。その後幾つかの投稿をしましたが、常に未発表の物を送り、さざなみ通信に載せていただいてから、私のHPでさざなみ通信投稿分という形をとって掲載してきました。
  さらには私が投稿を始めた頃、リンクの募集がありました。私はこれに応募しましたが、断られました。その理由は、共産党の改革を求めるさざなみ通信の方針に反する、私のHPはどう見ても下品(アホ・馬鹿という言葉がでてくる)と言って却下されました。(私のHPに対する一面的評価だと思います)
  私が言いたいのは、これがさざなみ通信の方針であれば、私は何も意義を唱える立場にはありません。しかし、さざなみ通信の立場は一貫しているでしょうか、明らかに私だけを狙い撃ちしています。
  まず、他のHP等で発表された物は掲載しないと主張しましたが、他の投稿の中には自分のHPのアドレスだけの物があります。明らかに、発表済みの文書です。しかも自分のHPに読者を誘導しています。(これは出会い系サイトの手口です)なぜこの投稿を認めるのかさざなみ通信は明らかにしていません。
  つぎに、私の書いた文書(宣伝して扇動して組織るする)に対して不当な攻撃(そして「毒ガスで皆殺しにする」)という攻撃が他の読者によって投げかけられました。これに対して私は「節度を書いている。根拠もなしにこれらの発言を許すのはおかしい」とさざなみ通信の管理者に抗議しました。この時はさざなみ通信側も動かれ、その投稿者も侘びの文書を入れてくれました。
  しかし、これに腹を立てたのか、私の「大津・中2・自殺事件」の投稿に対しては、最初は私に無断で没にし、抗議すると我々と立場は違うという注釈をつけて載せてくれました。
  現在のさざなみ通信の記事を見てください。バラバラの思想的観点から議論されています。どう見ても共産党の改革と無関係な議論が多くを占めています。それらの議論にさざなみ通信の管理者はコメントを入れていますか、皆無です。たとえば今回の都知事選挙で、宇都宮陣営を支持せず、細川陣営を応援する記事が堂々と載っています。さざなみ通信では原仙作氏がスターですが、最近の原仙作氏はすでに共産党の改革など眼中にありません。だいぶ前に小沢一郎を支持するという論文を載せています。これはさざなみ通信の趣旨に反しないのですか、彼ら(さざなみ通信の管理者)には一貫した主張がありません。
  これは私の個人的主観ですが、こうしたさざなみ通信の管理者の態度が、さざなみ通信の衰退の一原因ではないかと思っています。良心的な共産党支持者や真剣に党改革を考えている人が、参加を見合わせているのではと見ています。