大阪府会議員団長のビラ(Mレポート3月前半2012(平成24)年)



 このビラの狙いは何かもう一つ意味不明ですが、先日の大阪民主新報への投稿記事をビラ化したものと思われます。大阪民主新報の記事はすでに批判済みですので重複をさけ、このビラの批判を行います。

 このビラは4つの文書で構成されていますが、どちらが表か裏か分かりません、大阪民主新報の記事を参考にして

   @小学1年、2年の35人以下学級を広げることこそ重要

      子どもの学力も先生の教育力も、ともに向上します

   A競争と管理だけを強める橋下「維新の会」の教育基本条例はまちがいです

   B1人1人の個性と可能性を伸ばす教育を

      −世界(国連など)ではそれが常識ですー

   C3年連続定員割れの高校もかけがいのない子どもの居場所です

      ー中学校の時より、伸びている生徒もいますー

  このビラを見て率直に感じるのは、現在橋下・「維新の会」との対決軸は何かという視点が全く感じられないことです。大阪民主新報の記事は、書き出しで「私は、6月解散ともいわれる次の選挙で維新の会が中核、もしくは一翼を担う政権が誕生し、21世紀の日本にファッシズムが到来し、国民の諸権利が根本から踏みにじられかねない危機感を持っている」と主張していましたが、今回はビラで字数制限もあり、仕方がない面もありますが、何が言いたいのか不明瞭なビラになっています。(前に批判したときに言いましたが、ビラを書く場合の最初のデッサンがなく、思いつくままに書いている印象があります。)

  今回のビラは、橋下・「維新の会」との全面対決を目指すものではなく、教育条基本条例にポイントを置いたビラだということを前提にこのビラの批判を展開していきます。

  まず最初にしなければないのは、「教育基本条例」の本質・その狙いを明らかにすることです。このビラから読み取れるのは、@35人学級の推進、A非正規教員の急増、B人間性を否定する条例、C定員割れ高校の廃校反対が主張されていることが理解できますが、橋下・「維新の会」との教育上の争点が描ききれていないと思います。

  橋下・「維新の会」の教育に対する攻撃は、君が代の斉唱の義務付けなどに見られるように、教師集団に対する思想統制を行い、それに従わないものは辞めさせるものです。また子ども達の「個人の尊厳」を踏みにじり、子ども達が幸せになろう、個人の人間性を作り上げていこうという可能性を奪うものです。この条例案が子ども達の未来を開くものか、奪うものかを府民の前に示していかない限り、橋下「維新の会」と対決したことになりません。

 以下具体的にみていきます。

  •  @の「35人以下の学級をひろげる」というこの課題は、従来からの要望であり、橋下・「維新の会」の教育
        破壊と直接的対決にはなりません。
            この点については、「またも出ました大阪府会議員団長」で批判済み。

  •  Aの橋下「維新の会」の教育基本条例はまちがいです。この見出しは正しいですが、中身は条例案の骨格
         と対決するのではなく、教職員の非常勤かが進んでいるという記事です。これは条例案の中身と全く関
        係なく、財政難  のおり、全国で進められている問題です。

  •  Bの1人1人の個性と可能性を伸ばす教育を。これも見出しは正しいですが、何がそれを阻んでいるのか、
         どうすればそうなるのかが説明されず説得力に欠けています。

  •  C3年連続定数割れの高校も「かけがいのない子どもの居場所です。」 さらに中学校の時より、伸びてい
        る生徒もいます。

     この主張には「?」がつきます。高校は「子どもの居場所」しょうか。また「中学校の時より、伸びている生徒もいます」この程度の学習到達度目標で果たしていいのでしょうか?私は教育現場に席を置いたことがないの  で良く理解していない面があるかも知れませんが、高校を「子どもの居場所」とか、「中学校の時より、伸びている生徒がいます」という表現は、逆に言えば大多数は中学生より伸びていないのが現状と読み取れます。も  しこれが事実であるとすれば、間違っていると思いますし、教師の怠慢だと思います。
     すぐ上の記事で「1人1人の個性と可能性を伸ばす教育を」といいながら、全く人を馬鹿にした「子どもの居場所」というような捉え方(表現)に私は納得ができません。

     この文書は、書き出しで「2040年には、就業人口が30%減ります。」とかかれ、次に外国人労働者が増えることを予想し、教育環境が厳しくなることを書いています。(この文書も多文化共生社会を否定的に見ているように見えますが?)だから、学校を減らすのは反対も、もう一つ論旨が一貫しません。

     人口が30%も経るならそれ相当の学校が減ることは避けられません。それを「子どもの居場所」という次元で対決して、果たして府民の共感が得られるでしょうか、私はそうは思いません。やはり合理的な運営は必要です。対決する側も、「子どもにしっかりと学力をつける」を軸として対決しなければ、府民の支持は得られないと私は思っています。

  この文書は、現場の教師から批判を受けるかも知れませんが、教育目標は常に高く掲げなければ、まさに橋下・「維新の会」に粉砕されてしまうと私は思います。
  この点に対する現場の教師の方の批判をお待ちします。(私はM議員論旨は「ボケている」と把握しています。)

資料:大阪府会議員団長のビラ(Mレポート3月前半2012(平成24)年)