総選挙 国民は何を求めていたのか? その視点がない共産党の選挙総括



令和3(2021)年11月30日

前新潟県知事の米山隆一は、今回の選挙で無所属で当選、その選挙の争点をツイッターに投稿し炎上


 私はこの間毎日のように共産党は総選挙でなぜ大敗したのかを書いている。その最大の理由は選挙戦の争点を「4つのチェンジ」としたことにあると一貫して主張してきたが、この問題を絡めて共産党の敗北を書いた記事が見つからなかった。
 なぜみんなは共産党の誤った争点に気付かないのかと不思議に思っていたが、ついに私と同じ考えの人を見つけた。それは、前新潟県知事で今回の衆議院選挙で無所属として見事に当選した米山隆一である。
 インターネット上で現代ビジネス 11/29(月)11:2配信という記事が載っている。この文書を書いた人の名前はなぜか載っていない。見出しは「『ツイッターをやめる』それが立憲・共産党が自民党に勝てる唯一の道だ」という記事である。ものすごく面白い。私がこの間主張していることを整理して科学的に書かれている優れた文書である。この記事は米山隆一氏が「私はジェンダー平等や気候変動をも出し続けていいと思います」但し、出す順番としては@経済A福祉Bジェンダー・気候変動だとだと思います。Bを1番にだすと、「余裕のある人の趣味」に見られてしまうので、又@Aについても「人に優しい経済。人に優しい福祉に改革する」という打ち出しだと思います」とツイッターで表明したところ、「味方」であるはずのリベラルな界隈の人びとから激しい怒りを買い、大炎上してしまった。私はその一部始終を気の毒に思いながら拝見した。
というところから始まります。米山氏がツイッターで発言したことの正当性を解き明かすという文書です。

 現代ビジネス(筆者が分からないので)は、立憲民主党・共産党をSNS上ですごく支持していた人びとからすれば、今回の選挙における一大争点が「ジェンダー平等」であることに疑いの余地は一切なかった。だが、米山氏の見解はそれとは異なるものだった、米山氏の考察が当を得ていたことは、今回の選挙結果から明らかであろう。
ジェンダーや気候変動といった問題は、マジョリティである一般大衆に訴求するものではなくごく少数の(しかしSNSではやたらと声が大きく見える)ラディカル・レフトな人びとが高い関心を示すテーマにすぎない。選挙はより多くの人びとの心を掴んだものだけが勝利する。ジェンダー平等や環境問題がとるに足らない問題だからということでなく、民主主義政治のシステムがそういうものなのだ。

 さらに、現代ビジネスは、乖離してゆくSNSと有権者という見出しで

 はっきり言えば、今回の選挙でほとんどの有権者にとっては米山氏の考察のとおり「ジェンダー平等」の優先度は低かった。いや、低いどころか、ほとんど関心が埒外にあったといっても過言ではない。
 この衆院選は、ジェンダー平等や環境問題が一大論点となる史上初の選挙だ」と投開票の日まで本気で信じていたのなら、すでに相当に偏った認知フレームのなかで生きていることを疑った方がよい。実社会においては、そんな「一大論点」など存在していなかったからだ。と現代ビジネスは指摘している。私もこの見方に大賛成である。

以下に11/1517:01配信 FNNプライムオンラインの記事を引用する


岸田内閣に期待する政策「景気・雇用」対策がトップ
 ()内の数字は、前回10月の調査結果だ。
契機や雇用         42.3%(36.5%)
年金・医療・介護      36.3%(32.5%)
新型コロナウイルス対策 35.3%(47.9%)
子育て支援・少子化対策 25.5%(25.2%)
行政改革・財政再建    17.3%(15.0%)
環境・エネルギー政策   16.2%(12.1%)
外交・安全保障       13.5%(16.2%)
憲法改正           7.7%(7.6%)

 この記事によると「ジェンダー平等」は最初から選択肢にも入っていない。「気候変動危機」は環境・エネルギー政策に含まれるが、必ずしも「環境危機打開」とは言い切れない。
 上記記事の「実社会においては、そんな「一大論点」など存在していなかったからだ。」を証明する調査結果だ
 私はこの見方が正しいと思っていますが。赤旗を読むとこれが一大争点のような記事を書きまくり、第4回中央委員会総会 志位委員長の結語の中でも、「気候危機、ジェンダー これまで全く接点のなかった広い方面に期待と支持が広がる」と大きな見出しを掲げ、また、各中央委員の発言を載せています。その中に一つに北海道の金倉副委員長の発言は「いま民生同盟が学生の支援をはじめとして、若い世代の願いにこたえるさまざまな運動にとりくみ、さらに、格差問題、学費や奨学金の問題、気候危機問題、ジェンダー問題などにも取り組む中で仲間を増やし、元気いっぱい新しい前進を開始しつつある」と報告しています。
 そつのない発言です。みんなが気候危機問題、ジェンダー問題を含めて発言している事例です。この議論が党の再生をつぶしているのです。中央委員の中からジェンダーフリーを4つの争点に入れるのには無理があると勇気のある発言がない限り共産党は再生できないし、同時に他の野党からの信頼も受けられません。
 来年度の参議院選挙でも、「ジェエンダー平等」と「気候危機打開」を掲げて戦おうとしている。恐らく共産党は厳しい結果になると思います。それは選挙戦の総括がしっかり語れず、「党中央の方針が正しかった」でみんながより固まっているからです。これでは国民が納得しません。