箕面市の選挙結果について


平成28(20126)年8月22日


大阪箕面市の市会議員選挙(投開票8/21)、共産党は1議席増の3議席に!

 これは躍進のように見えるが、前回(2012年)は4人が立候補し、2名が落選した経過からすれば3名当選する力は前回にもあったと言える。投票率で言えば前回が4102票で得票率9.64%、今回は4930票で得票率10.00%である。この得票数・得票率をどう評価するかであるが、前々回得票数5645票で11.34%から見れば、決して躍進とは言えないが、維新旋風が吹き荒れる中では良く踏ん張ったと言える数字である。
 箕面市の選挙結果の分析は前回(2012年)の際に相当深く分析しているので是非それを参考に見ていただきたい。(参考:なぜ箕面市議会選挙は惨敗したのか)
 今回はこれを踏まえて新たな特徴について若干触れておきたい。

2016年箕面市市会議員選挙結果の特徴について!

 最初に述べなければならないのは、大阪維新の会の躍進が未だに止まらずますますモンスター化している事である。前回選挙では大阪維新の会は、7743票で得票率18.20%、当選者4名でしたが、今回は14575票で得票率29.56%、当選者数6名と大躍進している。得票率では約2倍(1.88倍)を獲得しています。
 このあおりを最大限被ったのが民進党です。前回は、2639票で得票率6,20%あったのに、今回は836票で得票率1.70%の弱小政党に後退しています。大阪での民進党はすでに壊滅的状況にあり、(参議院選挙の比例代表の結果は344,941票であり、共産党の421,790票に大きな後れを取っている)その象徴的な動きが箕面市で現れているのだと思われる。
 具体的には何が問題か、それは民進党は前回選挙で2639票獲得し当選者2名をだしているが、この2名の議員たちは今回民進党を名のらず無所属で立候補し当選しているが、一人は最下位当選である。(二人の合計得票数は、3066票であり前回民進党で戦った時より大きい数値を得ている。)
 この議員たちは、沈みかけた船からネズミが逃げる様なふるまいを行っている。しかもこれがこの二人の特殊性ではなく、多くの自治体でこの現象が起こっている。今回新たに民進党を名乗り新人が1名立候補したが、下から3番目の得票数(836票)で完全な泡沫候補である。(組織の完全な崩壊である。)
 次に注目すべきは(維新の影響という点で)、公明党が得票数・得票率とも減らしている点である。前回の選挙結果では、共産党はその前の選挙比72.67%にとどまり、維新の一番あおりを受けた政党だと批判したが、それに対して公明党は前々回比90.56%で踏みとどまっていることを評価したが、今回は前回5631票で得票率13.24%であったのに対して、今回は、5549票で得票率11.25%に落としている。(得票数で82票、率では1.99%(−15%)落としている。・・・総得票数は前回は42538票、今回は49308票、その差は6770票もある。)
 この結果は、見ようによっては、公明党は得票総数が増えようが減ろうが、公明党として獲得できる票は同じということを表しているともいえる。鉄壁の票読みを行っている。
 次に注目すべきは、前回維新躍進のあおりを受け、前々回のおよそ7割に留まった共産党が、今回選挙で維新がさら躍進し、ほぼ2倍化(7743票→14575票)したにも関わらず、その影響を全く受けず、前回よりも得票数、得票率ともに伸ばした点は評価される。(前回4102票、得票率9.64%から今回4930票、得票率10.00%)
 最後に自民党であるが、やはりしぶとく今回大きく前進させている。前回は2745票、得票率6.45%であったが、今回は6282票、得票率12.74%となっている。

箕面市の選挙の特徴は、他の衛星都市に比べ、政党の組織化が遅れている。

 箕面市の選挙戦の特徴は、無所属議員が多いことがあげられる。前回は、無所属議員の得票数は19677票(総得票数42538票)、得票率46.26%もあり、ほぼ半数は無所属票である。今回は少し政党化が進み、得票数17136票(総得票数49308票)、得票率34.75%であり大きく政党化が進んだが、それを吸収しているのは、大阪維新だと思われる。維新の得得票数7743票→14575票(約2倍化)は、無党派だった市民の掘り起こしも大いにあると見て取れる。維新恐れるべきであるが、共産党は前回比では若干の前進を図っており、維新に食われず奮闘している点は評価されるべきであろう。
 元々大阪府下における箕面市の共産党の支持は低く、大阪ダブル選挙での府知事選挙で梅田候補を共産党が支持した選挙戦で、箕面市は梅田氏の得票率は6.17%であり大阪府下の衛星都市41市町村の中で下から3番目である。(この時の最下位は池田市であるが対立候補の倉田氏が池田氏出身のため、池田市では梅田氏は苦戦したと思われる)そういう意味では、大阪でワースト2位の実績を持った市である。
 その点から見れば今回は奮闘したと評価できるのでは思っている。

平成28年8月21日執行・箕面市議会議員選挙結果
  =平成24年度の結果と比較して読み解く=
 
28年度
24年度
24年度比

政党名
得票数
得票率
得票数
得票率
票数
倍率
率の差

公明党
5549
11.25%
5631.47
13.24%
-82.47
0.99
-1.98%

自民党
6282
12.74%
2745
6.45%
3537
2.29
6.29%

大阪維新
14575
29.56%
7743.32
18.20%
6831.68
1.88
11.36%

共産党
4930
10.00%
4102
9.64%
828
1.20
0.36%

民進党
836
1.70%
2639
6.20%
-1803
0.32
-4.51%

無所属
17136
34.75%
19677.22
46.26%
-2541.22
0.87
-11.50%

 
49308
100.00%
42538
100.00%
6770
1.16
0.00%