大阪都構想、共産党のビラはダメだが、れいわ新選組・自民党のビラは本質をついている。



令和2(2020)年10月8日


 私はこの間、大阪都構想とコロナ対策に対する共産党の政策に対して批判を重ねてきている。この両方とも信じられないほど共産党の力量は落ちている。両方とも私の書いた批判点を読んでいただいているのか、少しずつ改善もされていますが、本質的には変わっていない。今の共産党は歌を忘れたカナリヤ状態であり、昔なら絶対こんなバカなビラは出さないという水準のビラを平気で出し続けている。(注1)
 「大阪都構想」では私の最大の批判はプールの数が24か所から9カ所に減るという共産党の主張(宣伝のポイントにしている)がいかにばかげているか、大阪都構想の本質に全く迫っていないと批判している。(以下緑の字体はリンクが貼られている)

 コロナ感染対策については、7月28日の志位委員長「声明」の間抜けさを批判している。その根本は、PCR検査の拡大を求めながら、その目的は治療でなく防疫だと言い切り、「全国民に対してはできない」とか「やみくもに国民全員に対して検査しろとは言っていない」と主張し、PCR検査の拡大を本気で求めているのかわからないものになっている。
 さらには感染者を見つけ出し、隔離・保護する。という発想は感染予防法の前文に示されているハンセン病患者に対する反省の上に現在の感染予防政策があることを理解せず、平気で「隔離・保護」というような言葉を使っている。本来なら「把握・保護・治療」と書くべきだと思っている。要するのにこの二つの課題に対する日本共産党の政策には、重大な弱点がある。

注1:私の書いた意見など見ているはずはないと思われる方も多いと思いますが、私は20年ぐらい前に
   ロバートレッドフォード主役のコンドルという映画を見た。彼はCIAのスパイであるが特定の課
    題が与えられそれに対する世界の文献を読んでそのレポートを書いて上司に報告する役割であっ
    た。全くの事務職で本を読むだけの役割だった。ただ映画はそれで終わらず、彼が昼食から帰って
    くると、事務所がすべて破壊されており、その解決に乗り出す映画だったと記憶している。(相当
    あやふやだが)
    ただCIAのスパイでも本を読むだけという職種があるという新たな発見が新鮮であった。これ
    から類推すると、共産党もインターネット上の共産党に対するすべての書き込みを点検しレポート
    に揚げるような仕事があるのでは思う。その人が私の主張をまとめ、上司に渡しているのではと思
    っている。
    なぜなら、コロナ対策で私が批判した批判項目のほとんどが修正されている。その一つが「隔離
    して保護する」隔離はハンセン病の隔離が想像されるからここは「保護・隔離」という言葉を使う
    べき、もっと良いのは「保護・治療」を勧めているが、「隔離・保護」は「保護・隔離」に修正さ
    れてきている。
    大阪都構想では「プール」中心の宣伝は間違っているという私の言い分が、これも採用されたよ
    うに見える。最近プールを語る人が減っている。
 
話が横にそれたが、「大阪都構想」については最近自民党の主張と、れいわ新選組のビラを手に入れたが、共産党のビラと違い本質をついている。(参考資料として、別紙にUPしている)何がすごいのか別紙を見てもらったら分かるが、ここで書き出してみると

れいわ新選組のチラシの大見出しは「あかん!都構想」・・・別紙に添付
 @都構想とは何か?⇒大阪「市」の消滅
 A狙いは⇒橋下徹・大阪府知事が(当時)大阪市が持っている権限、力、お金をむしり取る。
 B大阪市の自主財源⇒8500億円
       ↓
 C市の財源を「府」がカツアゲ・ネコババ
 D大阪府が使い道を」決める⇒ネコババ 2000億円
   府からお小遣い制に⇒特別区へのおこづかい 4000億円
   自主財源激減⇒特別区の自主財源激減 2500億円
 E「府」が使い道を決める2000億円が、IRやインバウンドなどに流されてしまえば、
    これまで受けられていた住民サービスが低下する恐れも・・・

 ★次に自民党のビラ(毎日新聞から転載)・・これも別紙に添付。
  @見出し「11月1日住民投票へ!」
  A大見出し「自民党は都構想に反対」しました!
  B今やるべきことは「大阪市廃止」ではない!
    反対の論理構成
  @1300億円が都構想に使われる!
      +さらに
  A大阪市を分割することによる経費の増大3000億円
  B    計4340億円!!  市民が負担
  C市民1人あたりすると
       約16万円
  Dそのお金を
     
企業や失業者の
支度金
医療現場の支援に 何よりもまず
コロナ対策に!
家賃などの生活の
ために
学生の支援金
のために

  ●反対です。    
  膨大なコスト負担が足かせとなり、肝心な住民サービスが低下することに!
  それでも今、貴重な税金を"大阪市廃止"のためにつかいますか・・

 上記れいわ新選組のビラや自民党のビラは、「プール」など特定の施設にこだわらず、都構想の本質を暴き出し、都構想これらにお金を使うことが市民の幸せにつながると書いています。
 個人的にはれいわ新選組の都構想の本質(狙いは?)は、私が書いた「たかじんのマネー」での共産党府会議員の主張は間違っている。の中で「大阪都構想」の最大の狙いは「橋下の橋下による橋下のための政治である」の中で書いた視点とほぼ同じである。
 以上から分かることは、れいわ新選組自民党大阪維新の「大阪都構想」の狙いを見抜いているが、共産党だけは全くとぼけた批判を行っている。「プールの数が減る」ことが大阪都構想の本質だととらえる共産党の幹部は政治的センスが全くない。なぜこんな事態になったのか、それはすべての政治課題に赤旗拡大が優先され、それしか頭にないからまともな政治判断ができなくなってしまっている。なんとも悲しきことである。

 共産党と「プール」という関係ばかり批判するのはフェアーでない、共産党も改善してきている。10月4日大阪民主新報は、ほぼ大阪都構想で占められているが、10月4日号の大阪民主新報には「プール」という文字が一切ない。私が執拗にプールという文字を見つけたら攻撃していたのでとうとう大阪都構想問題を語る際に「プールが減る」という思考回路をやめた模様だ。1週間前は大阪都構想関係での記事を15件点検し、共産党以外の民主団体は「プール」問題で説明していない。15件のうち3件はプールを扱っていたが、それはすべて共産党の議員だった。
 10月4日付けの大阪民主新報は、完全に「プール」依存から脱却した。一面トップの見出しは、「子供の医療費助成、敬老パス、塾代助成・・。住民福祉切り捨て必至」「大阪市廃止(特別区設置)で1300億円ものコスト」「政令都市の力を生かし福祉充実を」と書いている。やっとまともな見出しになった。今までは住民福祉切り捨て必至の具体例は「プールが24か所から9カ所に」なる。であったが、私はすべての市民に共通する課題を優先すべきだと訴えてきた。今回の見出しは「プール」から「子供の医療費助成・敬老パス・塾助成金」と子ども・老人・若者すべての市民の要望を求めている。こんな当たり前のことを今までなぜできなかったのか不思議だ。
 誰かボスがいて、施設の減る数は「プール」が一番多いからこれで突っ走れと言ったと思われる。みんなが口をそろえてプールが減ると主張していた。しかし民間の団体は誰も「プール」問題を本質と捉えていなかった。何かこれに異常さを感じた。大阪府共産党委員会が閣議決定みたいな形で市民の中に訴えていくには「プールの数が減る」が一番効率的であると決定し、みんなを拘束していたのではないかという疑いが生じる。私が「大阪都構想反対」に「プールの数が減る」は全くピント外れの指摘であり、大衆を見下した主張だと騒ぎまくったため、共産党も修正に入ったのではと思われる。党自体が硬直化し、自由な意見が言えないことを表しているように思われる。

 そもそもプールは本当に減るのか?

 古い話で恐縮だが「たかじんのマネー」の際にコメンテータであった勝間氏が、「プールが減るというがそもそもプールはそんなにいるのか」と質問された。その際府会議員であったM氏は「高槻市には4つプールがある」と反論した。(現在は3つになっているが)、一番大きな市民プールは、施設の管理運営については指定管理者制度を適用し、公益財団法人フィットネス21事業団に委任されている。
 大阪市の場合は直営か、指定管理者制度を適応しているか否かは知りませんが、もし指定管理者制度を利用して運用しているのであれば、市の出費は相当抑えられているのではないか、即廃止が決まっているのか、その辺も分からない。生きる道もあるように見える。

毎日新聞(10月4日付)は、自民党と維新の主張を載せている。この内容が面白い。


 以下は毎日新聞が維新の主張と自民党の主張をまとめたものだが、赤旗を読んでいても大阪都構想の争点は何かが全く伝わってこないが、ここでは自民党の主張が明らかにされて面白い。赤旗を読んでいると「プ―ルの数」しか出てこず、何が論点か全く把握できない。
 この中で自民の最後の主張、「住民投票は都構想の賛成、反対を決めるもので、対案までは必要ないのでは」との指摘が、私は気に入った。共産党はまじめだから、反対するなら大阪市の未来を語ってみろと言われたら、すぐそれにすり寄ってしまう。9月5日付日本共産党府委員会のチラシは、「未来論に重点を置き」大阪都構想の本質に焦点を絞った批判はおろそかになっている。(敵の戦略にはまっている。)以下毎日新聞の引用である。
 
 まず維新の主張と自民党の主張を見出しであらわしている。維新の主張は、「二重行政解消、対案を」自民党の主張「経済成長の根拠がない」と書いている。
 次に維新のチラシの一つは「公平な目で見るメリット&デメリット」と題し、大阪市の財政は二重行政に弊害により破綻寸前だったが、都構想の実現で二重行政が解消すると強調している。一方、住所表記の変更と特別区設置に伴う制度案を作った初期コスト(約240億円)といったデメリットも上げている。
 一方自民党側の主張は、「市の借金はリーマンショックなどの経済状況や社会情勢など様々な理由で増えていった。二重行政の無駄によるものと矮小化されている」と反論。更に「(府市が現状で連携して)成長したというが、他政令都市との比較がないと根拠にならない」と指摘した。
 制度案では、特別区設置後も「住民サービスの向上に努める」と明記されている。維新のチラシが「向上します」と断定していることについて、自民市議「制度案に『サービスを拡充する』という記述はない。特別区長の判断で拡充や継続できないものもあるはずで言いすぎだ」と話した。
 これに対して維新の市議は「大阪の市債残高は平成に入ってから増加していて、経済状況のせいにするのは無責任だ。今のままでは財政収支見通しは大赤字になることが市の試算で明らかで、その解決策が都構想だ」と反論した。一方で自民市議団のチラシには、特別区設置に伴う庁舎整備などの初期費用や、職員増員で毎年の経費が増えるとして、都構想を実現すれば15年間で1340億円を要すると明記。更に別に15年間で計3000億円の支出が伴うとの独自試算を記し、都構想の経費が市民一人当たり役16万円に上ると主張する。
 これに対して維新市議は経費が計4000億以上との試算について「意見や独自試算の根拠となるデータが載っていないのは問題だ」と指摘した。また「二重行政を解消する対案が書かれていない」と批判、「現状で問題があるから制度を見直そうとしているのに、自民が大阪をどうしたいのかが見えない。批判するだけでなく、どのようにすれば解決できるのかを示すべきだ」と話す。
 また裏面に「都構想と経済成長との因果関係はない」「特別区を超えた保育所の入所は困難になると予想される」と明記されていることについては、「単に一意見に過ぎない」と断じた。
 自民市議は指摘に対し、「住民投票は都構想の賛成、反対を決めるもので、対案まで必要ないのでは。『大阪都』が経済成長につながる根拠は見当たらない」と再反論した。
 以上。非常に参考になる記事だ。