しんぶん赤旗と毎日新聞、問題の本質をついているのはどちらか?



令和3(2021)年11月23日


 毎日新聞2面【火論】(大治 朋子)という記事がある。今日の議題は「ポピュリズムへの道」である。


 書き出しは「国会議員に一人月額100万円が支払われる「文書通信交通滞在費」、いわゆる交通費が批判されている。」である。その中に「これまでずっと問題を無視してきた与党幹部らが一斉に小野議員の疑義に機敏に対応したのは当然とはいえ、やや滑稽でもあった。」「来年の参院選を念頭に、先般の衆議院選挙で大躍進した維新に少しでもあやかろう、とでもいうような気配も感じる。
 そして、「人気取りか本気の改革かの境界線は、再び俎上に載った長年の懸案事項を「寄付」や「日割り」止まりでうやむやにするかどうかではないだろうか。その場しのぎの対処方ではなく、議員を特別扱いし過ぎる現状のシステムに自らメスを入れるかどうかーーー。」
 さらに「ちなみに政治評論家、エルネスト・ラクラウはその金字塔的著書となった「ポピュリズムの理性」(明石書店)でポピュリズムの背景には「抑圧される市民vs腐敗したエリート支配層」という対立構造にあると指摘した。」「経済的格差が広がり、多くの人々が政治に「無視されている」と怒りを募らせる社会ほど、やみくもに「反エリート」を掲げるような政治家の甘言に流されやすくなるという」と書かれている。ここまで引用
 まさにこの現象が起こっていると思われる。維新が躍進したのは、この国民の感情を上手く取り入れ躍進した。選挙後のどの政党を支持しますかで、維新は立憲を抜き野党第一党に駆け上がった。

 自民党       40.2%(45.3%)
 日本維新の会   11.7%(2.6%)
 立憲民主党     9.0%(6.4%)
 共産党        3.6%(2.5%)
 公明党        2.9%(2.4%) 
 国民民主       1.9%(0.5%)
 れいわ新選組    1.5%(0.3%)
 社民党         0.4%(0.3%)
 反NHK         0.4%(0.1%)
 支持政党なし     26.5%(37.1%)
   11月15日(月)FNNプライムオンライン

 日本維新の会は、9.1ポイント増やし、立憲民主党を抜き、自民党に次ぐ2位となった。この維新の大躍進を見れば、選挙の投票行動は何を基準に行われているかがよくわかる。大衆の心理を読んだものが勝利する。(身を切る改革が受けている。)
 共産党は赤旗が増えれば勝利すると判断し、党員を赤旗拡大に狩りだしている。しかし、赤旗は増えず、選挙でも共産党は最大時8195000票を獲得(1998年参議院選)したが、今回は4166076票です。この票数は、前回17年衆院比例の票数4404081票にも及びません。政権選択選挙を唱えながら、このじり貧の原因は、自らの主張を引き下げ、野党共闘の立役者の市民団体の要望を尊重し、訳の分からない課題「4つのチェンジ」で戦ったためである。
 これは、先に引用したエルネスト・ラクラウの言う、「抑圧された市民VS腐敗したエリート支配層」という対立構造にあることを認識できず、争点を「気候危機打開」に求めた「ノー天気」差に敗北の根本的理由がある。
 維新はたった一回の選挙で支持率を9.1ポイント伸ばすことが可能なことを彼らはやって見せた。これに対して共産党は、前回より238,005票も減らしてしまった。共産党は戦う度にじり貧してしまっている。これは選挙戦の戦い方がまずいからである。維新を見習えば共産党も躍進できる。選挙に勝つにはそれなりの手法がある。共産党の選挙戦術は半世紀経ても同じである。学習しない者に勝は近寄ってこない。

 個人的なことになって恐縮ですが、退院後1か月を経過したころから意欲がわき、選挙戦の総括を書きまくっているが、細かい数字を追いかけるにはまだ追及力が無く、避けて来たが数字による追及を行おうと思って過去に書いた記事を引っ張り出して見てみると、すでに言いたいことは言い尽くしていると思いました。そこで今回の選挙戦の結果が、前回との比較だけに止め、あとは過去に私が書いた記事を見てもらおうと思いました。下に読んでもらいたい3つの選挙総括を列記しておきます

資料:選挙戦の総括の重要性について。
   1.選挙戦の勝敗をどう見るか?               (2013年1月12日)
 衆議院選挙結果の敗北を覆い隠す共産党幹部の卑劣さ
※お詫び:この「選挙戦の勝敗をどう見るか?」に飛んでいただいた方は、変な写真が最初に出ます。それを無視
  してページを下げて頂くと本文に到着します。このソフトの欠陥があり、何故か写真をUPすると、どこかのページ  の先頭に入り込んでしまいます。(修復方法が分からないため放置しています。)

   2.衆議院選挙の結果は様々な教訓をくみ取ることが出来る。是非学ぶべきだ!
                          (2017年10月29日)
   3.参議院選挙結果、共産党は勝利したのか?
                           (2019年7月27日)