大阪府委員会のバカ10連発(ダブル選挙)


ダブル選挙の争点は!「安全・安心」か「独裁ノー」か最後まで迷走


                                                                                             (23年11月20日記載)

 10月10日は、大阪知事選挙の告示日である。その日に志位委員長が来て基調演説が行われました。その宣伝ビラが2〜3日前に配布されたが、そのビラの見出しは「安全・安心やさしさの大阪」である。このビラが如何に馬鹿げているかは、10日の志位委員長の発言内容(赤旗11日号)を見れば明白である。

  党中央は明らかに「私の主張」と同じ立場である。大阪府委員会は何故かくもピンボケなのか選挙戦終了後この総括をしっかりしないと共産党は政治組織としての基本的資格を失ってしまう。(「前衛」どころか「烏合の衆の集まり」だ。)

 11日の赤旗の見出しを拾えば、大阪のバカさ加減がすぐに浮かび上がる。

    ★まず一番大きな見出しは、「橋下・独裁政治「ノー」の審判を」

   ★次に縦見出しは「府民の共同で民主主義を守ろう」

 と書かれている。

 さらにこの志位発言の最後のまとめこそが今回の選挙戦の本質を突いています。

  「橋下氏が大阪を足場に国政進出を公言していることを指摘。「庶民の大阪」をファッショ的な独裁政治の全国拠点にするわけには断じていかない」「府民の共同で民主主義を守り抜こう」と梅田候補への支援と「橋下独裁ノー」の厳しい審判を呼びかけた」これこそがこの選挙戦の本質を見抜き、共産党の取るべき立ち位置を明確に示したものでした。(この志位委員長の発言の中に「安全・安心の大阪」という馬鹿げた標語は一切ありません。全て「独裁ノー」です。)



  私は、「意見書11」(5月24日)「一せい地方選挙で共産党は本当に維新の会と戦ったのか」で、すでにこのような立場から、共産党の大阪の選挙戦術の誤りを指摘している。

 以下その内容を記すと、M府会議員の選挙戦を戦う上で基本方針(2011年3月25日夜)と記載された高槻・島本日本共産党後援会ニュースに対して私が批判(記載)した内容です。

  このニュース(M議員の出陣の挨拶)は「維新の会」の本質を全く突いていません。

 @「維新の会」の橋下知事でなく、橋下氏が牛耳る「維新の会」です。「維新の会」は  橋下知事の「手勢」でし
   かありません。この位置づけを正確にすることが大切です。

 A橋下知事との戦いは、戦後勝ち取られた民主主義(政治制度)との戦いです。彼は大阪市や堺市をつぶす、
   すべての権限と財力を一手にまとめる(独裁者)を目指しているのです。そのときにいくつかの政策の違いを
   対置して戦おうとするのは馬鹿げています。

   スローガンは橋下独裁体制反対であり、これを許せば戦後守られてきた地方自治が崩壊し、府民の生活が破綻するという訴えを行う必要があります。「阪神高速の延伸反対」では、なんら「維新の会」と対決したことにはなりません。このような主張では「維新の会」の狙いや本質は描けません。と批判しています。


 参照:高槻・島本日本共産党講演会ニュース

       2011年3月26日号(資料2−0)

   これに対してM議員は「私信」で私に、「橋下氏との戦い方は自分の方が合っていて、貴方の言っていることは間違っている」と言う手紙をよこしています。

  大阪の知事選戦い方がおかしいのは、全てがここにあります。(府会議員団の反乱?)私はM議員の大阪府委員会での影響力はわかりませんが、少なくとも議員団長です。彼の主張が大阪府委員会に大きな影響を与えていることは想像できます。

 選挙戦がすでに始まっているのに、大阪府委員会は未だに腰が定まっていません。(「独裁ノー」か「安全・安心か」)

 以下ダブル選挙の争点を「独裁ノー」にするまで如何に迷走したかを検証します。

<赤旗>

(1)10月23日赤旗が今回の選挙の位置づけを「独裁ノー」という言葉をはじめて使った。これは毎日新聞や、  
     週刊誌等の論調に遅れを取った。また23日以降も「独裁ノー」は定着せず、「暴走」や「横暴」という言葉が繰
     り返し出てくる。

 参照:これについては「大阪秋の陣(府知事選、市長選)の争点」(資料2−1)

(2)10月29日、共産党は選挙戦途中大阪府委員会声明「独裁ノー」を出し、基本方 針を変えた。(この認識
     が重要)一せい地方選挙でも共産党は「原発の安全点検」で戦ったが、選挙が敗北すると、メーデ会場で志
     位委員長が「原発ゼロ」宣言をして、原発政策を変えた。しかし末端の地方組織はそのことに気がつかず、5
     月半ばまでまだ「安全点検」を訴えていた。

  同じ様に、今回も共産党はこのダブル選挙を戦う上での最大の争点を「安全・あんしん・やさしさの大阪」から「橋下・「維新の会」による独裁政治「ノー」の審判を」に変えた。(赤旗30日掲載)これで共産党のダブル選挙の方針は定まった。しかしその後も大阪府の共産党の迷走は続く。

 ◆10月30日付け、大阪民主新報は「暴走政治」と対決と見出しを打った。

 ◆10月16日の大阪民主新報に市田書記局長の公演内容が掲載されたが、講演の内容は情勢を正確に捉えた
    ものであったが、大阪民主新報の見出しは無意味なものに変更されていた。(日付は前だが、市田氏の講演
    を捻じ曲げた事実は大きい。

 参照:10月30日付け大阪民主新報資料2−2)

 参照:「大阪秋の陣」―ついに現れた「独裁」という言葉参照:赤旗10月23日


(3)11月6日 大阪民主新報 維新の会が住民”襲う”

    大阪民主新報は一貫して「独裁」と言う言葉を使うことを拒否してきました。この11月6日号は6面で「橋下・
    「維新の会」によるファッショ的は独裁政治「ノ−」の審判を下すため、府民の共同を」という29日発表の声明
    の前文を載せています。その勢いが余ったのか一面では「維新の会が住民を”襲う”」という不適切な表現で
    スポーツ紙のような大見出しを掲げています。

  この記事のような場合、一般的には「直撃」という言葉が使われ、「襲う」はあまりなじみません。このような「品のない表現」はマイナスです。政治として独裁か民主主義かで争うことは必要ですが、「襲う」と言うのは、具体的な暴力行為を連想します。(あるいは蜂が襲う、熊が襲う)適切な表現ではありません。

  (スポーツ紙は駅売りが主であり、その見出しにつられてお客が買うことを狙っていますが大阪民主新報は、駅売りでないのですから、センセーショナルな見出しは必要としません。あくまで正確な報道が必要です。

 参照:11月6日 大阪民主新報(資料2−3)

<明るい会>

(4)11月5日「明るい会」高槻連絡会等のビラは全て選挙戦の争点を明確にしていない。

  そもそも「明るい会」という会の名前から「ノーテンキ」な名前である。常に争点隠しを行い耳面のよい言葉をもてあそぶ共産党の本質を現している。ビラは「梅田章二来る」11月5日(土)というものである。共産党は10月29日この選挙の性格を位置づけ、「橋下・「維新の会」による独裁政治「ノー」の審判を」と声明を出しているのにこのビラは、梅田章二が語る大阪府政をめぐる3つの争点

  • 防災や原発をどうする?
  • くらし・経済の立て直しは?
  • 府政運営・教育は?

 
 と学習会のレジュメのようなビラを配っている。「選挙は戦いだ」ということを忘れ学習会に参加呼びかけ的なビラで一体何を訴えているのかまったくわからない。

 参照:「明るい会」高槻連絡会ビラ(資料2−4)

(5)11月10日(告示日)「明るい民主府政」のビラ「志位委員長の来訪」を伝えるビラである。

  見出しは「安全・安心 やさしさの大阪へ」と書かれ、「くらしと営業をなんとかしてほしい」、「原発ゼロ、防災に強い街づくり」という府民の声にこたえ府民の力で、府民が主人公の大阪をつくる街頭演説です。としている。このビラにも橋下の名前も「独裁」も一切出ていない。

  このビラの誤りは当日の志位委員長の演説内容を見れば明らかである(11月11日付け赤旗)この演説で志位委員長は、「橋下・独裁政治「ノー」の審判を」、「府民の共同で民主主義を守ろう」と29日発表の「声明」沿って話されている。(「安全・安心・やさしさの大阪」という言葉は一切使われていない。) 

 参照:明るい民主府政のビラ(資料2−5)


<高槻市委員会>

(6)街の灯 日本共産党西部地域後援会

  見出しは、「知事は、「梅田章二さん」」その中で、橋下知事は任期中に知事を降りて大阪市長選に出ます。こんな身勝手は許されません。「明るい民主大阪をつくる会」から梅田章二さんが立候補します。「安全、安心、やさしさの大阪」と訴えています。梅田さんを、よろしくお願いします。

  ◆橋下氏の大阪市長選転進を「身勝手」という位置づけは、全くのノーテンキ

  ◆「安全・安心・やさしさの大阪」というフレーズは、耳障りが良いだけで、全く中身が無い。(戦いの文書ではない。)

 参照:街の灯資料2−6)


<大阪府委員会>

(7)大阪府委員会の声明文を共産党は市民に伝えたのか

  共産党は10月29日「独裁ノー」の声明を出しことによってこの選挙の争点を明確にし、しかもこの声明は市民との共闘を訴えたものであった。この内容を市民の届けない限り市民との共闘は進まない。11月9日茨木市ではこの声明を要約したビラが配布されている。しかしこのビラは高槻では配布されていない。(私の家に入らない。赤旗の折り込でも、さらに駅頭でも配られていない。)これは推測に過ぎないが、M府会議員が橋下独裁批判に消極的で、旧WTCビルのへの移転に批判のポイントを絞っていることに関連しているのか不思議である。

 参照:茨木市で撒かれたビラ JCP大阪 NO.48 2011年11月

    日本共産党大阪府委員会は以上の見解を発表しました。(資料2−7) 

(8)後援会ニュース 日本共産党大阪府委員会(10月26日新聞折込)

   【表面】には

     ★WTムダづかいの責任投げ出し、教育をこわす条例案に批判噴出

     ★国政でも一体化 民主と自民・公明が知事選挙でも市長選挙でも「共闘」?

   【裏面】には

     ★大阪を変えよう!!住民のいのちとくらしを守る政治へ

     ★「ダブル選挙の対決軸は明確」というタイトル

    中身は

     〇くらし、中小企業・防災最優先の梅田・わたしさんか

     〇くらし削り、大企業応援の大開発を進める橋下・平松氏か

    「独裁ノー」が一切ない

  参照:後援会ニュース(資料2−8)  

<府会報告・・府会議員団のビラ>

(9)府会報告2011年 春季号

   【表面】見出し

   ◆防災・安全のまちづくり、くらしいちばんに予算のくみかえを

  一せい地方選挙での争点は、橋下・「維新の会」なのに、「維新の会」を全く意識しない(対立軸としない)間抜けなビラ。復興支援ばかりに目を奪われ大阪府民の当面する課題(橋下・「維新の会」により民主主義が破壊され右翼的再編が行われようとしている)に全く気がついていない。

  「防災」も「安全」も同じ概念、自然との闘いを主要な柱としている。(階級的視点が全く無いノーテンキな見出し)・・これが現在の大阪府委員会の思想水準。

  参考:2011年 春季号(資料2−9

(10)府会報告2011年 秋季号 の無内容な「大阪都構想」批判

    人・モノ・情報が集まる

    首都東京でもくらし悪化

    東京23区の生活保護世帯数

  とわけの分からない記事を載せている。

  参照:「国民政党への脱皮をはかるために」                             

      ◆ー大阪府委員会が如何におばかさんかは、彼らが出した資料からも読み取れます。   

  参照:府会報告 2011年 秋季号(資料2−10)

 (11)最後に共産党の名誉のために「明るい民主府政」の2011年11月10日版のビラは優れた内容になって
       います。

  告示日以降共産党は対立軸を「独裁ノー」に切り替えたが、候補者ポスターはあいかわらず「安心・安全・やさしい大阪」であった。(ポスターの図柄は資料2−11の裏面の左上の図柄と同じ)

 参照:明るい民府政 2011年11月10日号(資料2−11)