大阪民主新報の介護保険の記事の間抜けさにあきれ返る。


令和3(2021)年5月23年


「介護保険料大阪府が全国最高」と書きながら、一切の政府批判や維新批判を避けている。


 5月23日(日)版大阪民主新報の介護保険料の記事、「大阪府が全国最高額」という記事を書いているが、何とも言えないおかしな記事になっている。大阪民主新報は日本共産党大阪府委員会が発行する新聞である。この新聞の目的は、政府や大阪府の政策が如何に国民の生活を圧迫し、苦しめているかを暴露し、共産党ならこうするということを基本に書かれなければならない。そうした視点からこの記事を見ると間の抜けた記事になっている。
 問題点はこの記事の主張の分かりにくさと、政府自民党や維新政治に全く切り込んでいなく客観的に書かれており、毎日新聞と比較しても政治性のない記事になっている。以下なぜこの記事がおかしいかを書いてみたい。


政治的主張がないだけで無く、資料から何を読み取れるかも気が付いていない。


 まず客観的事実を正確に伝え、大坂府民の怒りを組織していかねばならないが、この記事は客観的事実が伝わらない記事構成になっている。この新聞の見出しは「介護保険料」「大阪府が全国最高額」と書いている。サブタイトルは「全国平均 初の6千円超え」「大阪市は全市中で最高額」と書いている。これが見出しだと言うことを確認して記事を読むと、大阪市で8094円というという記事にぶつかる。
 国が悪質な政策で国民を虐めているという記事であるなら、なぜ見出しは大阪市8094円という数字を出さないのか、「全国平均6千円、大阪市は8094円」という記事が見出しに来るべきである。
 次にこのような記述がある。都道府県では大阪府と沖縄県が最も高く6826円。最も低い千葉県(5386円)との差は1千円にもなります。この記事の書き方も間が抜けています。この差額は1440円あります。これを表現するのなら約1500円にもなります。と書くべきです。1440円の差を「1千円にもなります。」と驚いたように書いていますが、1千円以上ではないかと気が抜けます。更に細かい批判をするならこの記事の横に各紙の比較の票が載っていますが、千葉県は5385円です。(正確性を欠いています)

都道府県単位の比較と政令指定都市の比較を混同させて書いている


 少し回り道をしましたが、この記事の一番わかりにくい所は、介護保険の保険料の額及びその比較を都道府県単位と政令市指定都市単位の比較を同時に書いていることが読みにくさの最大の癌です。大阪が最高と書いているのに1千円しか差がないのならたいしたことが無いように見えます。ところが差が大きいのは政令指定都市間で比較した場合です。大阪市は8094円、山口市は5050円、その差額は3044円になります。なぜこの比較を前面に出さないのか、そのお人よしさが気になります。
 見出しは人をひきつけなければなりません。「大阪市の介護保険料8094円、山口市の1.6倍」という見出しにするべきです。
 この記事は読んでいくとまず大阪府と沖縄県が最も高く6826円最も低い千葉県の(5386円)との差は」1千円にもなりますにぶつかります。なぜ差額の多い大阪市と山口市最初に持ってこないのか、よくわかりません。それと都道府県同士の比較と政令指定都市の比較を行うことを明らかにしその前提を明確にして語らないと何を書いているのか分かりません。
 私の勉強不足ですが、介護保険料が都道府県単位でなく市町村単位で決められていることを認識していませんでした、大阪府の介護保険料が全国一高いのは、大阪市の保険料が断トツに高いことに足を引っ張られているのだと思います。大阪府の衛星都市に住んでいます。その保険料が全国に比べて高いのか、大阪市のみが断トツに高いため大阪府が全国一高いのかに興味がそそります。そのような説明のない大阪府が全国一高いと言われてもピンときません。(これは個人的興味ですが)
 ただつまらないことをさらに書きますが政令指定都市の保険料は「第8期保険料」だけが掛かれており引き上げ率が書かれていますが、都道府県の表は「第8期」と「第7期」の数値が記載され、引き上げ率が書かれています。

 介護保険料 大阪府が全国最高額をどう捉えるべきか?


 まず大阪府の人口構成を見ておかなければならない。大阪府は約880万を超える人口がおり、その内大阪市内の人口は約350万人おり、約40%ある。大阪府の介護保険料が一番高いというが、これは大阪市の介護保険料が異常に高いことに起因していることは明らかである。(大阪市第1位8094円、2位沖縄市6876円その差額は1218円もある。)例えば概算であるが大阪市の人(4割)が8094円払い、大阪市以外の府民(6割)が5980円払うと大阪府民の一人当たりの支払いは6826円に落ち着きます。大阪市が8094円であれば、大阪市民以外の府民は平均5978円と思われます。
 資料が豊富で無く、全人口比で計算しているがおよそこのような金額になるはずだ。大阪府下の衛星都市は独自に努力して全国平均より低い額になっていると思われる。

大阪民主新報は目の付け所が全く違う。それは政治的視点がない中で記事を書いている。


 この大阪民主新報が取り上げた比較表が明らかにしたのは、大阪市の介護保険料が異常に高いことにある。民主新報が書いたのは大阪府と最下位(最安値)の千葉県を比較し差額が1千円もあると騒ぐのは全くのピンボケである。)
 ちなみに、政令指定都市一番の大阪市8094円と最安値の山口市では、山口市5050円であるから3040円の差がある。目をつけるのはこの差額である。
 大阪府が全国最高額という内容は、単純には語れない。大阪市が8094円と断トツの介護保険料を払っており、その結果大阪府が最高になっている。介護保険は所得により支払額が第1段階から第14段階に分かれており、大阪市の老人が裕福なのか市の努力が足りないのかその辺を精査して語る必要がある。
 私の大雑把な論議ではあるが、介護保険料は大阪府が全国第一位であり、最下位の千葉市よりも1440円も多い。というのは何の意味もない数字であり、この介護保険料の資料は、大阪市の介護保険料が断トツに高い8094円になっていることにある。大阪の人口比は大阪市が40%占めその影響が大きいが、大阪市以外の衛星都市は市独自の措置で住民負担を抑えている。血も涙もない維新政治が大阪市の介護保険料の高さに現れている。こうしたまとめ方(政治的な視点)が重要だと思われる。

 民主新報の主張は何も政治的判断を行わず、統計から何が読み取れるかも判断を誤っている。大阪府の介護保険料が一番高いのは大阪市が断トツに高いことを表しているに過ぎない。そこに維新政治が絡んでいるかの検証が必要である。そうでないと気の抜けたサイダーのような記事になる。これが大阪維新に勝てない理由である。

資料:大阪民主新報5月23日版 介護保険料 大阪府が全国最高額