2013年党旗びらき 志位委員長のあいさつ

   「参議院勝利へ“三つの国民的役割”発揮を」を批判する。

      まさに懲りない面々の誤った方針に凝り固まっている。
       参議院選挙もまた敗北するであろう!(これ私の予言)
         参議院選挙後に解党的出直しを行わない限りこの党に未来はない。


                                             平成25(2013)年1月7日
  2013年党旗びらき で志位委員長のあいさつが行われ、1月5日赤旗新聞に「参議選勝利へ“三つの国民的役割”発揮を」という題名で発表された。このあいさつ文を引用しながら批判を行って見たい。


<負けを分析できない者に、勝利の女神は微笑まない>

 まず、なぜ今回の衆議院選挙が敗北に終わったのか、この分析が行われていない。負けた事実を認めない。だから分析ができない。ここに共産党の最大の弱点がある。常に勝ったと主張しない限り、党員をとどめおくことができないという恐怖心(実際は幹部の保身から)から、事実に素直に目を向けない、こんな党を国民が支持するはずがない。

<共産党が敗北するのは、国民が一人前の政党として認めていないから>

 共産党は完全に勘違いしている。「お金と政治」が国民的最大の関心事と見ているが、それよりも国民は「一般的市民感覚を持った党か、閉鎖された陰湿な党か」の方が政党を判断するうえで大きな比重を占めていることに気づいていない。(自民党が金権政党だということは子供でも知っている。しかし支持が高い(共産党に比べて))

  どの政党に期待するか、どの政党に期待しないかで、期待しない政党の第1位を占めるのが、常に共産党と公明党である。なぜこの結果が出るのか、それは「開かれた国民政党で無い」ことを国民は見抜いているからである。この問題を解決しない限り共産党の躍進は絶対にありえない。(反共攻撃があるから共産党への忌避意識が強いのではない。・・・これが共産党が絶対理解できない(認めたくない)真実である)

★国民政党の要件は、

@党首が国民の前で公に決められることである。

    共産党は、党大会に参加できるのは、当中央の支持者だけである。

    (「全員一致」が美学だと思っている。・・民主主義とは相容れない)

A党の政策決定に至る過程が公にされること。

    「安全優先の原子力政策」は志位委員長の鶴の一声で「原発ゼロ」に変化した。2011年5月1日メーデー会場
 での発言は事前に誰も知らなかった。(翌日の赤旗に共産党の隊列は「安全優先の原子力政策」を訴えながら
 行進しましたという記事が載った。)

B一人ひとりの党員に自由な発言権が認められていることである。

    共産党に対する反対意見を党外で話すことは許されていない。私の HPに参加してくれている党員も、その事
 実がバレルことを極端に注意 している。

C政策決定の過程の国民の意見が反映されている。

    共産党の原子力政策、「安全優先の原子力政策」は福島の実態(願いや思い)を全く反映していなかった。

最低限これらの要件が満たされない限り、国民はその政党を認めない。この事実を共産党は受け止め、自らの党改革に乗り出さない限り、選挙での躍進はありえない。

 公明党はこの同じ弱点を有しながらも、日本の政治勢力の中で一定の地位を築いた。(他党との選挙協力もあるが)この公明党が今後飛躍的に躍進することはありえないが、公明党はある意味では現状で満足していると思われる。(自らの宗教権益が守られればそれで良いのである。)

 しかし共産党は革命政党である。天下を取る必要のある政党である。現在の党運営を続ける限り、公明党を追い抜くことはできない。最大取れて公明党の水準までである。国民は公明党や共産党という政党を認めていない。今のまま開かれた国民政党にならない限り、この上限(公明党の水準)を突破することは不可能である。

 私のHPにも現役党員が多数意見を寄せてくれている。しかしその意見を公表することは「NO!」のため明らかにできないが、ここに共産党の本質がある。現在の共産党にいろいろ意見を持ちながら、その意見を発表すれば、「裏切り者」との烙印を押されるから、現役党員の方は、意見を寄せながらみんな公開「ダメ」を選ばれている。この事実を国民が知った場合、共産党を国民は支持するであろうか。

 私は、15通の意見書を送って、共産党に無視された際、恥ずかしながら、私が愛した共産党はこんな政党だったことに初めて気がついた。実は若い頃(党員であった時)に一度「意見書」を出したが全く無視された。(たまたま私は市委員会事務所の中で、私の意見書が取り扱い注意と朱書きして無造作に置かれているのを目撃した)私は、問題児(危険分子)扱いだなと思ったことがある。  

 しかしこの時点では「下級は上級に従い」だから、結局私の意見書は何も取り上げられずにボツになるのであろうと思ったが、それが組織原則だと思い、ある意味では納得した。その後私が長いあいだ沈黙を守ったのも、職場の中で「裏切り者」みたいな論議が行われることを避けたからである。

 私がこのHPを立ち上げる際にも一番気になったのは、HP上の記事に批判に対しては全く躊躇しないが、あることないことを取り上げ、個人攻撃がかけられることが一番気になった。(家族にも迷惑がかかるのではないかと)

 全くの余談であるが、年末年始に時代劇チャンネルで多くの時代劇を見たが、藩の改革を訴えた者が聞き入れられずに潰されていく、共産党の政治システムは未だこの次元だと思った。

 今回の15通の意見書は一市民として送ったが、共産党はまたもや無視した。この段階で私は共産党が躍進できない最大の課題が、国民政党として脱皮できていないことに気がついた。このHPを通じて、国民政党に脱皮しない限り共産党の躍進はあり得ないことを10年間かけて訴えていくつもりである。


 今回の「参議院勝利へ“三つの国民的役割”発揮を」(以下「参議院勝利へ」という)で共産党は新しいことをいくつか提案しているように見える。それらについて紹介しながら、批判を行いたい。

 なお文書の中で青字」で書いている部分は「参議院勝利へ」からの引用である。

<総選挙の結果について−自己検討をつぎのたたかいに生かす決意>

1.どうしたら本格的な前進に転じられるかについて、党内外の方々のご意見に耳を傾けつつ、自己検討を深め、半年後に迫った東京都議選、参議院選挙の戦いに活かす決意であります。(これを認めることは民主集集中制の組織的欠陥を認めることになる。・・・国民の声が当中央に届いていない。)

  この提案は極めて重要である。しかし、共産党はこれを実践しない。おそらくお茶を濁してしまう。(私の予想)この提案を本当に実のあるものにするには、現在社会で活躍されている著名人を10数人程集め議論していただき、その方々に提言をいただくことである。その上で共産党の判断を加えるべきである。共産党の考えているのは、この提言の中身を発表せず、いろいろ頂いてこの方針を出しましたと結局同じ方針を押し付けてくる。(これを繰り返している限り共産党の発展はない。)

 私も一国民としてこの文書や選挙戦について書いている一連の文書を共産党中央に送ることを考えている。今回は返答があるか、最低限「文書をいただきましたありがとうございます。」という答えが返ってくるか、見てみたい気がしている。返事が返ってきたら一歩前進である。

2.安倍自公政権をどうとらえ、どう立ち向かうか

(1)国民は信任状を与えていない。―この事実をきびしく自覚した行動を求める。

  選挙制度の問題を持ち出して批判しても始まらない。天下をとったのは自公である。逆にこの選挙制度だから取れる場合もある。民主党がそうだ。

(2)国民が解決を望んでいる重要問題に何一つ解決策なしー経済でも原発でも

  この中で、吉井英勝議員の国会活動(質問主意書)を評価し、その回答が当時の安倍首相であったことを捉え、「A級戦犯」が、そのことへの反省もなしに、再稼働や新増設を口にするなど、絶対に許されるものではありません。と指摘しているが、共産党自身が吉井議員の活躍の意味が理解できず、「安全優先の原子力政策」を掲げ、2011年4月30日に原発・エネルギー問題対策委を設置し、笠井議員をその責任者にして、吉井さんの活動を押さえ込んでいる事実がある。(注1)

注1:震災後原発がメルトダウンしたが、共産党はこの吉井議員の活動を根拠に共産党の先見性を訴える(誇示
     する)展開をしてこなかった。赤旗にも他の週刊誌やインターネットで話題になり、この件について問い合わせ
     があった。という記事が載っている。その際もこの件だと答えただけで、「これが目に入らないか」みたいな宣
     伝はしていない。私はこの件についって批判し続けている。ところが投票日前日、「潮流」で共産党の優れた
     議会活動の事例としてこの問題を取り上げ、共産党への投票行動を呼びかけている。さらに今回も取り上げ
     た。極めて不可解な共産党の対応である。

 吉井議員の党内での扱いには早くから注目していた。意見書3、(2011年4月7日)意見書8(2011年5月3日)でも取り上げている。その部分を以下に再録する。

「意見書3」(2011年4月27日)

 赤旗21日2面では、「「過酷事故」想定せず増設、吉井氏追及原発政策改めよ」と正しい主張の見出しを上げています。またその内容で、吉井議員の追及に対して海江田万里経産相は「私自身が安全神話を信じ込んでいたことは確か。いまや安全神話は全く失われたわけだから、しっかりした対策を講じなければならない」と述べました。と書かれています。

 これは吉井議員の追及の成果です。しかしこの記事は2面の左下のベタ記事扱いです。政府自身が「安全神話は全く失われた」といっているときに「安全優先の原子力政策」で対置する事のばからしさに共産党はなぜ気付かないのか不思議でたまりません。(気がついているからベタ記事扱い?)

「意見書8」(2011年5月3日)
 5月1日 志位委員長の「原発ゼロ宣言」を受けて

@これは原発政策の転換を図ったものだということを明確にする事
   共産党はいつの間にか政策転換を行い、最初からそういっていたとこじつけます。これを行えば国民から不
  信を招きます。

A選挙戦でこの方針を立てて戦えなかったことを、国民にお詫びする事
    国民の多くは共産党がこの方針を出すことを望んでいました。(注1)

注1:下段の「1.共産党の政策転換を国民は歓迎しています」参照・・・・これは本文を読んでください。

B選挙戦を戦った党員やその支持者に、「原発の安全点検」という方針が、国民との対話の中で反撃にあい、
   苦労したことに対してお詫びすること。

Cなぜ「安全点検」という誤った方針が、前半戦の結果を見た段階で克服できなかったのか、その理由を解明に
   する事。(吉井議員の優れた国会論戦をなぜ活用できなかったのかも)

Dこの方針転換が、何時、どの機関で行われたのか明らかにする事。

  4月29日の赤旗は共産党のメーデーのスローガンを掲載しています。そこには「安全優先の原子力行政の転換を。」「原発依存から自然エネルギー中心の低エネルギー社会へ」としており「脱原発」を明確にはしていません。(注2)

 4月30日付赤旗は、「原発・エネルギー問題対策委を設置」という記事を載せています。私はここで議論され党の原子力政策が修正されるものと期待していました。それが1日で方針が変わる(早くて良いですが、大衆は不気味な感じがします。)党の方針決定が党のもてる英知を結集して決められるのではなく、特定の幹部が決めているイメージを与えます。(それほどこの政策転換を行うことの必要性に迫られていたのかも知れませんが。メーデーを逃せば更に政治的に敗退するという危機感があったのですか。)

注2:5月2日付赤旗のメーデー記事(写真)を見る限りでは、脱原発というスローガンは見当たりません。朝日の
       写真も「震災復興支援」を掲げた横断幕を先頭にデモ行進している姿だったと記憶しています。(志位さん
       が脱原発 を高らかに宣言されましたが、戦いの現場は対応できていません。・・ここに大衆の不信を招く
       要素があります。)

括弧内のこの記述は、1月7日午前11時10分追加



   参考:吉井議員が赤旗紙面から消える?

          :自らの党の「宝」に気付かなかった共産党

(3)憲法改定の野望と歴史問題―9条を守り生かす国民的運動の新たな発展の年に

 この提案は正しいと思われるが、まず政党で憲法改正反対を唱えているのは、共産党と社民党である。この共闘問題に触れない提案には違和感を感じる。さらに改憲勢力が多数を占めて来たという現在情勢の下で、憲法を改正し国防軍を創設し「戦争ができる国」に変えようという企みを如何に阻止するかを中心に団結する方法の模索が求められている。

 今日までの状況では、憲法の改悪反対勢力は国民の半数を維持し、国民投票に持ち込んだ際、勝てる見通がしあった。しかし不況下で国民生活が困窮する中、右翼的潮流がその存在感をましている現状では、従来通りの護憲運動で勝てるのか情勢判断が必要である。

  私は個人的には、「自衛権は認め(自衛隊の存在は認め)、他国への侵略は一切行わない。」という立場を明確にすれば良いのではないかと思っている。この分野での共闘求めればまだまだ過半数を組織することができると思われる。(注2)

注2:そもそも、戦後、現在の憲法の発議があった際、共産党の野坂参三は、「自衛権」の放棄には反対した歴史
       がある。共産党自身、現在の自衛隊の即時解体を言わなくなった今、現実的な対応が求められているので
       はないか。  
          勝ち取るべき唯一の課題は、「二度と他国を侵略することは行わない。」であって、自衛権そのものの放棄
       は必要ではないのではないか、ここは一歩後退し、自衛権を認めるとともに、自衛隊の災害救助等の役割を
       明確にし、国民を守るという位置づけを明確にしていくことが必要でないか。

<三つの国民的役割>

 「参議院選勝利へ」の文書は、日本共産党が果たすべき三つの役割について書いている。これは衆議院選挙で敗北し、憲法改正支持勢力が2/3を超える現状下での共産党の役割、戦い方を定式化したものであり、重要な文書である。

1.逆流に立ちはだかる「「防波堤の党」として」

 この「防波堤の党」という定義は、新しい党の役割設定である。衆議院選挙を戦うまでは呑気に「消費税の値上げ反対」が最大の課題と言っていた共産党が、初めて自らの党の役割を明確にした。(与党思考から確かな野党へと回帰した。)まさに共産党は、憲法改正が現実の危機となって初めて党の役割を「戦前、激しい弾圧に抗して、反戦平和と国民主権の旗を不屈に掲げ続けた日本共産党の役割について、「すべての陣営が大勢に順応するなかで、日本共産党だけは、動かぬ一点を守り続けてきた。」」と論じ、(中略)逆流がこれだけ表面に出るもとで、日本共産党の「北斗七星」としての輝きが、大いにその輝きをます時代となっていると思います。そのことに大いに自信と誇りをもって、奮闘しようではありませんか。

 しかし、共産党が原点に帰り、戦前の戦いから学び戦うと宣言している文書の中で、相変わらず、その証明を保守政治家の言葉で示している。以下具体例を上げる

 ★ある保守の有力政治家は、つぎのような声を寄せてくれました。

   (国防軍の企み)と正面からたたかいを挑める政党は共産党しかないでしょう。

 ★別のある保守政党で有力な役割を果たしてきた政治家は、つぎのような期待の声を寄せてくれました。

    共産党の存在自体が右傾化の動きに対する歯止め・ブレーキ役になっていると思います。是非頑張
    ってください。

 共産党はこの言い回しが、共産党は自民党や財界の「ポチ」ですよと言っているようにしか聞こえないことがなぜわからないのか理解に苦しむ。

2.「変革者の党」としての役割

  このセンテンスで、共産党が何を言いたいのか良くわからないが、大企業と敵対していないことを国民の前にしっかりと描くことが躍進の道だと語っているようにみえる。表題は「変革者の党」だと言いながら、むしろ変革しないから、安心だからと言って支持を集めようとしているように見える。これでは「変革の党」ではない。

共産党の最大の間違いは、国民のありとあらゆる階層の支持を取り付けようとして。結局は誰の支持も得られない。(イソップ物語のコウモリの役割である。)これが今日の共産党の最大の誤りである。

 政党にはそれぞれ国民の中にある各階層の利益を代表している。自民党はまさに共産党がいうように「アメリカのいいなり」、「財界中心の政治」であり、共産党は「労働者・国民の党である」その利益を最大限追求すれば良いのに、「大企業を潰すことは考えていません」とか「尖閣列島問題を選挙の重要な争点」に位置づけるなど、自らの立ち位置をずらしてしまうから、国民から支持されない。

  国民各層の中には矛盾が存在する。共産党は社会的弱者の側から「変革の党」としてしっかり発言(主張)すれば良いのだ。「大企業の横暴を許すな」、「大企業の内部留保を労働者に還元せよ!」ここを曖昧にするから支持がないのであって、ここを追求しているから支持がないのではない。「ルールある経済社会」をつくるうえで政治が役割を発揮する必要がある、という訴えへと改善をはかりましたその内容が「大企業を潰そうとなどと考えているわけでも、大企業の経営がどうなっても知らないという姿勢でも、もちろんありません。」共産党が騒いだからといって大企業の経営がおかしくなるはずがない。日本の大企業はもっと強かだし賢い。今回の衆議院選挙の最中にも電力会社は一斉に電力値上げ案を提出し、原発反対の世論に水を刺した。私は個人的にはこの暴挙は選挙違反だと思っている。これだけ大きな事故を起こしながら、彼らは企業の社会的責任など微塵も考えていない。(自らの利益追求だけ考えている。・・糾弾されるべき存在だ) 

 こんな強かな奴に、「私たちはあなたがたを攻撃しない」と最初から戦いを放棄するような宣言は、現在の共産党の落ちぶれた姿そのものだ。

 共産党が、最低限訴えなければならない課題は「格差是正」です。200万円以下の労働者が増え、将来不安が充満している社会の中で、「ルールある経済社会」などという抽象的なスローガンが何の役にたつのであろうか。

 石原氏や橋本氏は、ルールある経済社会を、官僚主導の体制をぶちやぶれ、既得権益者をたたきつぶせと言っている。この方が具体的でわかりやすい政策である。共産党はルールある経済社会をいかにして作り上げるのかを明確にしていない。誰の権利を擁護するかも具体的に語っていない。このような抽象的なスローガンで国民が組織できると思っている中央の幹部は頭が悪いか、活動の経験が全くない人の集まりでしかない。あまりにも馬鹿げている。

 さらに言うならば、共産党の目指す社会主義社会が、現在の中国とは全く違う、国民すべてが富を共有できる平等の社会を目指すものだという主張を行う中で、当面資本主義社会の中でも、最低限これだけを守ることが大切だというロジックの中で訴えないと、「大企業を潰そうと考えていない」と宣言してしまえば、社会主義社会を目指さないと宣言しているのと同じになってしまう。(姑息なやり方で支持の拡大を狙っても支持を失うばかりである) 

 「変革の党」という見出しの中で「変革しません」と訴えている共産党の姿は惨め以外の何物でもない。

3.「国民共同をすすめる党」として

 ここでは「保守との共同」という露骨な言葉は引っ込めているが、革新勢力の統一戦線という言葉はない。最低限、憲法改悪反対の幅広い国民の結集を呼びかけるという決意がない。「各分野の運動と日常的に息長く交流・共同していくことの重要性であります。たとえば、JA・農協との関係では」と書かれている。(やはり1番手は保守との共同だ)2番手が原発反対である。(選挙戦の最大の争点であった消費税反対運動は消えている。)

 最後は、各分野での「一点共闘」をさらに発展させ、日本の政治を変える統一戦線を作り上げるために、「国民共同をすすめる党」としての役割を大いに発揮して意気高く奮闘しようではありませんか。と呼びかけているが、政治的課題が何か明確にされていない。現状では、憲法改正反対及び原発反対が最大の課題になる。これを前面に打ち出すべきである。

  

<「国民に溶け込み結びつく力」を豊かに発展させる探求と努力を> 

1.「国民に溶け込み結びつく力」という根本から自己検討を

 (議席の前進に結びつけることができなかった)最大の理由が党の自力の問題にあることを、選挙線の全体を通じて痛感してきました。

 常任幹部会声明が、党の自力の問題を、「国民に溶け込む結びつく力」という根本問題から提起したことに、新鮮な注目が寄せられています。

(1)第一の角度は、「一人ひとりの党員がもっている結びつきを、どうやって党の結びつきに発展させるか」

 わが党が持っているすべての潜在的な力に光をあて、それを生かした党活動、その可能性をくみつくした選挙戦に、新たな意気込みで挑戦しようではありませんか。

 この発言は大衆運動の役割を認めたものであれば、注目すべき発言であるが、「ヘラブナの話」はいただけない。この程度の次元の話は支部会議での議論である。これを新たな発見のように志位委員長が発言する問題ではない。他党派の幹部が見れば、笑っているであろう。そんな話は遠の昔から取り組んでいる。今頃そんな話をしているのかと。

(2)有権者の動向の変化にそくして、どうやって新しい結びつきを広げるか

 ここで初めて党は固定電話の問題点やインターネットの問題を取り上げている。インターネットの問題は、もっとあらゆる分野での活用を定式化する必要がある。各級機関、議員のインターネットの活用を定義付ける必要がある。

 これに取り組めば、各級機関や議員の力量は飛躍的にアップする。国民の生の声に日常普段に接し、また回答しなければならないからである。大阪府委員会は私の15通の意見書に対して、受け取ったという返事を求めたが一切無視した。これらに対する罰則(処罰)も含めて定式化すべきである。インターネットで回答もできない幹部は即刻首にするくらいの決意で望まなない限り、党のメディア対策は、他党から大きく水を開けられるであろう。

 少し話はずれるが、党の配布物の正確性の欠如も著しい。高槻市委員会の出した選挙線の総括はほとんどの数字が間違っている。これらの決済システムの完成も求められる。誰が発行を許可したのか、常任幹部会声明も読んでいない者が発行している。これもオンライン決済システムを活用すべきだ。(高槻市委員会のように間違いばかり出す場合、大阪府委員会が当面決済するぐらいの覚悟が必要だ。)

(3)「国民に溶け込み結びつくこと」と一体に党勢拡大の独自の努力を

 党と国民との結びつきといった場合に、党員を増やすことはその根幹となりますし、「しんぶん赤旗」を中心とした活動、後援会活動の強化などが、その土台となることはいうまでもありません。

(1)で、大衆運動の大切さを認めたように見えたが、結局は「赤旗拡大の枠の中で」と位置づけられてしまった。せめて2本足の活動、車の両輪まで大衆運動の役割を格上げする必要がある。この位置づけは、赤旗拡大が土台であり、大衆運動は土台がしっかりしないと花は咲かないという位置づけである。 

 この位置づけでは現場の指導は変わらない。変えることができない。なぜなら地区党幹部に大衆運動を指導する力量がない。赤旗を増やせという数の追求は「非常な人間」なら誰でもできる。無神経な非常さが党の幹部に蔓延する。ここに共産党の魅力がない。

(4)自己検討を深め、実践に踏み出しつつ、みんなで新鮮な方針をつくりあげよう

    積極的な提案と経験を中央にぜひお寄せいただくことを、心からお願いするものであります。

 党中央の方針に対する意見を求めるのではなく、当中央の方針を実践していく上での積極的提案を求めているものである。企業で言うところの「QC運動」のようなものである。提案すれば提案するほど、それで首を絞められる代物である。

(5)東京都議選、参議院選挙の前進・躍進をめざして、ただちに足をふみだそう

  新年のご挨拶を行い、次の選挙での協力依頼を行ない、条件に応じて入党や購読の呼びかけを大胆に行おうではありませんか。新春からのダッシュで今度こそ前進に転じようではありませんか。

  何を持ってダッシュするのか分からない。せっかくこれだけの文書を出しながら、最後は全く何もなかったように、いつもと同じセリフ「党員拡大と赤旗拡大の訴えで頑張れ」しかない。何か虚しい感じがする。

 

<新しい政治を求める新しい時代−それを担う強く大きな党を作ろう>

 60年間続いた「アメリカいいなり」、「財界中心」という古い自民党型政治がいよいよ行き詰まり、日本が新しい政治を求める時代に入ったことは間違いありません。

  日本共産党が「防波堤の政治」「変革者の党」「国民共同をすすめる党」として意気高く奮闘し、国民に溶け込み結びついた強大な党へと成長することが不可欠であります。

 この章は、いつもなら強大な党建設であり、党員拡大、赤旗拡大の話である。それが、「それを担う強く大きな党を作ろう」という呼びかけで終わり、具体的課題(数値目標)に触れていないところに変化が見て取れる。

 「日本が新しい政治を求める時代に入った」という主張には同意するが、その新しい政治の担い手が「共産党」だと認識されていないところに最大の問題がある。つい最近できた維新の会が躍進し、衆議院選挙直前にできた未来の党に共産党の比例区の票と27万票足らずしか差がなかったことが深刻な問題である。この分析を怠って、「走れ、走れ」とムチを打っても走る意欲は湧かない。(例えば未来の党は「国民に溶け込む」余裕など全くなかったはずだ。にもかかわらず相当数の表を獲得した。)選挙の票の獲得には違った方程式があるのではないか、と思わない者(物事を科学的に見れない者)は前進・躍進することができない。

  おそらく、このままの方針で参議員選挙に突入しても350万から400万の間の獲得票数になるであろう。共産党の躍進を保障するには、解党的出直し以外にしかない。そのポイントは、

 ★国民政党に脱皮する。

  • 党首を公の前で決める。(党首選挙行う)
  • 組織原則を改める。(民主集中制を廃止する。)
  • 党員の自由な発言権を保障する。(民主主義の根幹である。)
  • 他党派との共闘を模索する。(憲法擁護の統一戦線を組む。)
  • 国会議員候補中心の活動に変える。(選挙戦で勝つ党組織にする)
  • 大衆運動と党の役割の整理を行う。(大衆運動の引き回しは行わない。)
  • 全方位外交的政策をやめ、労働者・国民の党であることを明確にする。(敵と味方の区分を明確にする。)
  • 赤旗中心の活動を見直し、大衆とともに戦う政党へと舵を切る。
           (経済的行き詰まりは、政党助成金を受け取ることで、解決する
  • 中国と決別し、日本共産党の目指す社会主義像を明確にして国民の中に入る活動を重視する。

 以上のような内容の根本的見直しを行わない限り、共産党の再生はないと思われる