森友問題(決裁文書の改ざん)、財務省がなぜ組織ぐるみで手を染めたのか?


平成30(2018)年4月8日


財務省は誰を守るために、このような犯罪行為にかかわったのか?

 この事件の発端は、2017年2月9日朝日新聞が森友学園に払い下げて国有地の売買が不当に安い価格でおかしいと報道したことから始まった。
 その後2月27日、衆議院予算委員会で、安倍首相はこの不当値下げの関連を問われた際に、安倍首相は興奮して、国有地の払い下げに「私や妻が関連していたということになれば、首相も国会議員も辞める」と述べてしまった。森友問題の疑惑が解明できないのは、安倍首相のこの発言が重荷になっているからである。

 しかし安倍さんを中心とした官邸は、この問題が安倍夫妻に及ぶことを避けるためありとあらゆる策動をはじめ、その首謀者を佐川理財局長に取らすことで解決を図ることにしたと思われる。

 その動きを現すのが昨年2月20日から、2月24日までの官邸を挙げての反転巻き返しである。
 今、確認できるのは、安倍夫妻との関係をごまかすための4つの動きがあった。これは朝日の公文書改ざん報道以後に次々と明らかになってきた事例である。

森友疑惑から安倍首相夫妻を消し去る4つのたくらみ(昨年2月20日〜34日までの動き)

一つ目は、4月4日NHKが「財務省が森友学園に口裏合わせを求めた疑い 国有地売却問題で」と報道した
  これは去年2月17日の衆議院予算委員会で、8億円かけてゴミを撤去するとすれば、ダンプカー
 4000台分くらいになるが」と質問されたことに慌てて財務省職員が学校側に電話で「トラック
 何千台も使ってゴミを撤去したといってほしい」などとうその説明をするように求めた。ところが籠池
 側はこの口裏合わせを断ったらしい?(そこで安倍さんが籠池擁護から籠池に対して牙をむき始めたと
 の噂あり)

二つ目は、改ざん14文書の内の第6文書「承諾書の提出について」(平成26年6月30日)(改ざん前文
 書に)に記載されている(※H26年4.28〜H26.5.23 本省相談メモ、法律相談結果等参照)という
 文書が公文書か否か、また現存するか否かが大きな攻防になっている。(この文書を隠しきろうとして
 いる・・おそらく安倍夫人の介入が詳しく書かれていると思われる。)

三つめは、2月20日財務省から酒井弁護士に「籠池氏は当分姿を隠すよう連絡があり」、籠池氏が一時
 姿を隠した事件が真実か否かが注目されている。籠池氏の顧問弁護士であった酒井氏はこの発言(姿を
 隠せ)以降公的場に姿を現さず、この発言も否定しているらしい。

四点目は、2月22日に行われた「秘密会議=森友疑惑対策会議」の参加者をめぐって今月3日の衆議院財
 務委員会で立憲民主党の川内博史議員が追及したが、で太田理財局長が答えず、委員会は紛糾した。改
 めて答弁に立った太田理財局長は、「同席者は総務局長と総括審議官」と答えた。
  他人事のように役職名で答えたが、当時の総括審議官は、太田局長自身だった。このことは重要で、
 太田理財局長は佐川氏の尻ぬぐいでかわいそうと一般的にみられていたが、彼は最初からこの問題に携
 わっており、この役職には25年7月から就いており、佐川氏より太田氏の方が関連が強いことが分かっ
 た。
  この答弁から佐川主犯説に?が付き、太田理財局長こそが主犯ではないかとの見方も出ている。

財務省の公文書改ざんは「2月17日」か「2月24日」が起点かを見極めることによって、誰を守ったかが分かる。
 

 この四点がなぜ重要か、財務省の改ざんが、安倍首相の2月17日の発言を受けて始まったのか、それとも24日の佐川局長の国会発言から始まったのかを見極めるうえで極めて重要であるからである。
 2月の17日は金曜日であり、20日というのは実質は17日の翌日にあたり、20日から一斉に安倍首相発言(私や夫人がこの件に関わっていたら、首相も国会議員もやめる)を受け官邸(今井補佐官)が全ての痕跡を抹消せよと指令した可能性がある。
 

安倍首相夫妻を守るため、佐川氏主犯説を策動する麻生財務省の手口


1.昨年2月20日二つの手はずがなされた。

 一つは、財務省は、ゴミ問題で、「森友側に数千台のトラックで搬出した」と口裏合わせを求めた。(4月4日:NHKがすっぱ抜いた)注1:口裏合わせの新しい事実が発覚したので、別途補足版を参照
 もう一つは、財務省(最初は佐川局長からと言われていたが佐川の部下の職員)から顧問弁護士の酒井康生氏に電話があり、籠池氏に身を隠せ(10日間ほど)と指示があったと言う。一般的に考えてこんなバカな指導をするはずがないと思うが、加計学園の加計孝太郎氏も身を隠したしたことから見ればあながち嘘とは言えない。(この籠池氏の証言は、先月26日民進、自由、社民の三党の参議院議員が籠池氏と接見した際、改めて確認されている。)
 さらに怪しいのは籠池氏に「身を隠せ」と言った酒井弁護士は、現在は「こんな発言をしたことない」と主張し、公衆の前には出てこない。(この弁護士は、大阪維新の足立議員と関係が深いという)安倍夫妻を守るためには、こんな原始的な手法まで取られている。注1:酒井弁護士の意図(推測)を修正別途補足版を参照


 財務省の2月20日の上記二つの行動がなぜ重要なのか?誰が主犯かが分かる決定的証拠である。

 

 先にも述べたがこの二つの行動がが、佐川氏の国会での答弁24日より前であることが決定的に重要である。この二つの行動が事実と認定されれば、麻生氏が描いた「佐川発言を守るため理財局の複数の職員が改ざんに手を染めた」というストーリーはつぶれてしまうのである。

2.2月22日の4者秘密会議
 森友学園疑惑をどう逃げ切るかは、2月の22日の会議、(菅官房長官、佐川理財局長、太田充総括審議官(当時)。総務局、)らが参加した会議で決定され、様々な行動になって表れる。
 この会議以降の安倍首相の発言が17日と全く変化してくる。

〇2月17日衆議院予算委員会での安倍発言
 ●「私や妻が関係していたということになれば、首相も国会議員も辞める」
 ●「妻から先生の教育に対する熱意は素晴らしいと聞いている。」
 ●「いわば私の考え方に非常に共鳴している方ですね」

〇2月24日衆議院予算委員会での安倍発言
 ●「教育者としていかがなものか」
 ●「非常にしつこい中においてですね、あのー、しつこいと言ったら非常に・・・
何回も何回も熱心に言ってこられる中にあってですね・・・」

 安倍首相の発言は1週間で180度変わっています。

〇また同24には佐川局長が
 ●「確認したところ、交渉記録はございませんでした。」書類の存在を100%否定している。
  なお、佐川氏は先月月27日の証人喚問では、「事実あるか無いかを答えたのでは無く、取り扱い
  規則にそう書いてある」と白々しい答弁を行った。
 これは明らかに偽証だと思われる。


先月3月12日財務省は改ざんを認め14文書300カ所を特定して認めた。


 朝日新聞が3月2日、「森友文書、財務省が書き換えか『特例』など文言消える」というセンセーショナルな記事を書いた。これを見た元財務官僚の高橋 洋一氏は、「この報道が事実であれば、財務省解体、万一事実でなければ朝日新聞解体」というコラムを書いた。さらにはユーチューブでは、「朝日新聞解体は99.9%の確率」という動画も上げていた。
 元財務省OBの高橋氏でさえ、官僚がこんなバカなことをするはずがないと思って、大胆な指摘を行った。籠池氏が証人喚問で言ったが「事実は小説より奇なり」と答えた場面があったが、正にこれもそうだ。高橋氏はまさか官僚がこんなバカなことをするはずはないと思って「事実なら財務省解体」とまで言ってしまった。事実と分かった今、彼はどういう態度をとっているか知らないが、彼一流の詭弁で乗り切っていると思われる。
 この改ざん文書から財務省の独自判断で行ったとは思えず、安倍夫妻を守るために行われたことは、誰でも推測できる。

 改ざん文書は14文書300カ所と言われているが、財務省は改ざん前と改ざん後のオリジナルを未だに国会に提出していない。おそらく300カ所に留まらずさらに発覚することが恐ろしくて、オリジナル文書を出すことが出来ないのだと思われる。
 どこが怪しいか、以下具体的に見ていきたい。

改ざん文書(6.承諾書の提出について)は、改ざんした者の狙いが分かる決定的な文書


 この文書は、政治家や安倍昭恵氏の介入を隠すために改ざんされている。いま「本省相談メモ」(この文書に記載)は公文書か否かで、見方が分かれているが、太田理財局長は国会答弁で「公文書」と認めたが、麻生財務相が「メモだから公文書でない」と主張し、太田理財局長の発言を否定し、太田理財局長が慌てて自らの発言を撤回し、「メモは公文書でない」と訂正しているが、これは決裁文書に添付された「本省相談メモ」であり明らかに公文書である。
 例えば改ざん文書の「5.特例承認の決裁文書A」の最終ページに籠池泰典氏の名刺の裏表のコピーがある。これも公文書である。名刺の裏には18の肩書が書かれており、その一番は「日本会議大阪代表・運営委員」である。この名刺が肩書がモノをいう言うのである。
 「本省相談メモ」も決裁の添付文書に添付されて出された以上公文書である。この「本省相談メモ」にはおそらく安倍昭恵氏が登場すると思われます。
 この文書は「調書」という見出しがあり、「1.事案の概要」という見出しで、購入していない土地の開発許可承諾書(豊中市提出)をくれという厚かましい要望である。
 この項の最後に「※ H25年8月、鴻池祥肇議員(参・自・兵庫)事務所(●●秘書)から陳情があった」と記載されている。・・・改ざん文書では削除

 このことから分かることは、改ざん者は政治家の介入や、安倍昭恵氏の介入を隠したかったことは丸わかりである。現在「本省相談メモ」はこの文書で参照になっているのに、財務省側はあくまで参照文書であり、「メモ」だから無いと主張しているが、参考文書は決裁文書と同時にホッチキス等で止められ保存されてのは常識であり、その文書が無いはずがない。おそらく「本省相談メモ」には、安倍昭恵首相夫人が絡んでおり、そのことを念頭に相談に応じた事実関係が浮かび上がるから、これを公文書でないと否定し、提出を拒んでいる。
 財務省は未だに隠ぺい体質を克服できていない。

 

最後に話は少しズレるが、公文書の管理について述べてみたい。


 今、盛んに公文書とは何か、あるいは「書き換え」と「改ざんは」どう違うのか、公文書の管理のルールはどうなっているのか等の議論が迷走しているように見える。
 公文書には管理のルールがあり、@作成、A整理、B保存、C移管及び廃棄の方法が厳格に決められている。
 国会での議論で私が気になるのは、麻生大臣が参照資料の「本省相談メモ」が公文書でないと発言すれば、太田理財局長が「私の判断が誤っていたと訂正してお詫びいている姿」を見て、国会議論の馬鹿らしさを感じる。なぜその場で公文書を担当する責任者が「何が公文書かその定義を語らないのか」、きわめて違和感を禁じ得ない。
 さらに文書があるか無いかの議論が延々とされているが、公文書は全て公文書管理法に基づいて管理されているものであり、保存期間内に公文書が無くなる事はほぼ100%無い。
 議論は保存期間は何年かを問い、「公文書は保存期間、保存場所も特定されており、無くなることは有りえ無い。」と追及すべきである。防衛大臣が「日報の一部が見つかりました」というような議論がまことしやかに行われているが、「これが公文書であり、保存期間が何年か」から議論から進めないと、麻生大臣が「10年も前の話だから無くなっている場合があるのは仕方がない」と発言したが、こんな与太話みたいな発言を封じ込めなくてはならない。
 「古い文書だから無い」というような概念は成立しない。もともと保存文書は重要度から30年、あるいは10年とか決められており、行政文書は、名称、保存期間、保存満了日を設定し定められた保存箱にルールに乗っ取って保管されている。この保管された文書を探し出すのは1時間もあれば必ず見つかるシステになっている。(1時間とは、保管場所のカギを借りに行ったり、保管場所まで行く時間、保管場所には大量の文書があるから、その場所を突き止める時間、そして文書抜き取り、カギを返して自分の席に戻るまでの時間の総体である)
 財務省や防衛省が探しているが見つからないという返答や、一部だけ見つかったという回答は全く理解できない。
 まず文書保管台帳を見て、その文書はすでに管理規定に基づき廃棄処理をしたか否かが最初に問われるべきであり、破棄決裁が無い限り文書は必ず存在する。問題は廃棄の決裁がすでに行われているが、実際の廃棄処理が行われていない場合がある。(一部出てきた文書はこれに当たるのか?)
 この場合、どうとらえるかであるが、私は「廃棄決裁」行われた以上公文書は存在せず、あるのはゴミだと捉えて良いのではと思っている。注1:公文書に対する見方を修正した。別途補足版を参照

 紙で決裁文書を管理していた場合は、廃棄は物理的廃棄であり、決裁と実物について違いはほぼ無いと思われるが、電子決済になってからは、廃棄処分を行っても、電子的には未だ残っている場合があると思われる。コンピューター上の廃棄は、インデックスをつぶしただけで、素人目には廃棄したように見えるが、プロが分析を行えば、文書を再現できる場合があると思われる。
 今回の事例も、近畿財務局はコンピュータ上の決裁やメールを廃棄したと思っているが、大阪地検特捜部はコンピュータ解析で、メール等を相当つかんでいるという情報もある。
 佐川局長は、1年以内の保存文書は、自動的に廃棄されるシステムになっていると答えたが、これぐらいの知識でコンピュータを使った文書管理にはまだまだ課題があるように見える。
 紙決裁に比べ、コンピュータ決裁になれば、改ざんが容易になることと、原本のコピーが安易にでき、原本の複数化も発生する。国会でも森裕子議員が原本が三バージョンあると指摘しているが、これらの整理も課題である。
 捜査上では、ハードディスクの解析で、破棄された文書の復活も容認されると思うが、保存期間が適正に処理され廃棄された文書まで、国会に出す義務はないのではないかと思われる。
 ただ、今回の場合、公文書とは何かとか保存期間が恣意的に扱われているため、これらの文書は廃棄されたコンピューター内の資料を復元することは重要である。
 何が言いたいのかは、公文書管理法によって適正に管理されるべきであり、探したらあったとか、なかったとか自分の家で何かをなくした際に探し物をしているような次元でこの問題を扱うのは不見識であると言わざるを得ない。


 蛇足ではあるが、本日付赤旗は、「森友公文書改ざん事件」「官邸をめぐる疑惑の1週間」という記事を一面左に載せている。その内容は私が今日書いた内容に非常に近い。(私は昨日基本的には書き上げていた。)しかしこの文書で一番気になるのは籠池氏を語る場合、「籠池泰典被告=詐欺容疑で起訴=」籠池氏を不当に拘留している裁判所を批判せず、籠池氏が詐欺師だと言う印象捜査を行い、どこかで安倍支援派に回っているように見えてならない。
毎日新聞や朝日新聞は籠池氏を語る場合、このような犯罪者というようなイメージで語っていない。市民団体の抗議のスローガンでも「籠池氏を釈放して、佐川を入れよ」というようなスローガンが語られていたように思われる。このような空気がある中で、籠池=詐欺師という注釈が果たして必要か疑問に感じる。