高槻市会議員団の「市政資料」について


平成26(2014)年8月24日


「政務活動費」でエンジンオイルはダメ、他市への手見上げもダメ(政務活動費運営協議会)

  相変わらず、高槻市会議員団の馬鹿げた「市政資料」が赤旗に折り込まれて入ってきた。その記事の中に「政務活動費運営協議会」(7月10日)という記事がある。
 兵庫県議会の野々村議員の例もあり、高槻市でもその見直しが議論されだしたのかと思って読んでみると、なんとも情けない記事であった。
 まず「2013年度の監査委員会事務局への定期監査で、『携帯電話料金に政務調査費では認められない情報料が含まれていた。』『事務機器を購入する場合は按分比率を2分の1』などの取り決め通りにされておらず誤った会計処理がされていることが指摘されました。」という記事が導入部にあり、「その他エンジンオイル代とバイクのオイル代、視察先への手土産代については会計処理の指針となる『政務活動費の手引き』の『運用指針』には規定されているが『事務処理要領』に規定がないのに政務調査費と認めていたことが注意事項とされました。」と書かれています。
  「これを受け、各会派、無所属議員で構成する政務活動費運営協議会は、基本的にエンジンオイルは活動費の対象外と決定、また、視察先への手土産は税金の使い方などの考えも変わっているとの意見もあり、対処外とされました。」
 次に『高槻市議会での政務活動費と研修費について』という見出しを掲げ、「政務活動費の透明性を高めるため、領収書等の証明書は必ず添付することになっています。研修費は研修会・会議実施報告書を作成し、どんな研修を受けたのかがわかるようにしています。また、視察先までの行程と交通費も明らかにして書類を提出していますが、協議会ではこの点も再度、徹底するよう確認されました。」という記事であった。

議論すべきは、政務活動費が適切に運営されているか、その透明性は確保されているか?

  私がまず呆れたのは、この間政務活動費が話題となり、第二の給料ではないか、多くの議員が不正にこのお金を取得しているのではないのかが世間の関心である。現に兵庫県議会では野々村議員だけでなく、夫婦で旅行に行っていた議員が暴露され、さらには金券ショップで大量に切手を買っていた議員も複数存在する。この政務調査費が本当に議員活動にとって必要なのか、単に第二の給料として、議員の生活保障費になっているのか国民は疑いの目を持って見ている。

  政務活動費運営協議会は、こうした国民の声をどう受け止め、如何に無駄使いを是正し、透明性を高めるかがその議論の中心にならなければならないが、高槻市の議員団の協議は如何にしたら合法的にこの政務活動費を獲得できるか、みんなで勇み足をしないようにしようという会議でしかない。高槻市の政務活動費の額は本当に適切か、その使用は本当に議員活動に役立っているか、透明性は担保されているかの議論こそ行うべきであった。

  この会議に共産党の議員が参加していたのであれば、どのような立場でこの政務活動費問題の主張を行ったのか明らかにしなければならない。
  共産党の「市政資料」は、この記事だけでなく、共産党の主張を一切含まない、行政からの説明を単に載せた記事になっている。私は常々、「ここまでボケたらもう政党として終わりだな」と思っていたが、実はこの問題は、この「市政資料」が「政務活動費」で作成されているところに問題があることが分かった。

高槻市議団の発行する「市政資料」はなぜ無内容なのか?

 他市の共産党は〇〇市民報をもち、共産党の市会議員団の活躍を伝えているが、高槻市の共産党は〇〇市民報を持たず(不定期には出しているかも知れないが)議員活動の報告は「政務活動費」に頼っている。しかも政務活動費の中の「広報費」を使わずに「資料購入・作成費」という項目で出費している。その費用は「833,762円」であり(資料購入人合わせた金額なので、「市政資料」の費用は正確には分からない。)
 この「政務活動費」の怪しげな運用が、結局配布資料に共産党色が一切ない、市の広報の下請けのような資料(「市政資料」)が出来上がる。しかも広報費でもないので、宣伝(共産党議員の活躍)にも使えない、訳のわからない代物になっている。これこそ「政務調査費」の無駄遣いである。共産党はこの資料を赤旗に折り込み、どのような効果があると見ているのか、私には全くわからない。共産党市議団の名前でビラを出しながら、「共産党の議員団はこう主張しました」という記事が全くない。これで政治的効果が上がるのであろうか。
 穿った見方をすれば、高槻市の議員団全員の水準はこんなものですよという暴露記事を出している・・・それが共産党への支持に繋がると考えているのか不明である。

「政務活動費」の使用形態の矛盾・不透明さ、議員同士も党派での理解も異なる

  また高槻市の政務調査費はおかしな会計処理を認めており、一人あたり84万円が支給されるが、その金額を議員個人で管理する方法と、会派で集めて使用(会派共用費)するやり方が認められている。
  共産党は84万円をすべて会派に集め、会計処理を行っている。公明党は一人あたり180000円だけを会派共用費として使っている。
  共産党のやり方は、会派にすべて集められるために、政務調査費が個人の議員としての活動支援にほとんど使われず、本来の趣旨を逸脱している。
  例えば、共産等の支出には、旅費交通費は「0円」である。個々の議員は議員としての見識を広めるため、他市に視察に行くことも、必要な研修に参加することも一切ない。(研修会・会議費は「3000円」の出費はあるが)他の議員例えば公明党のF議員は旅費及び交通費で288,922円出費している。(議員であるならこれくらいの活動をするのが普通である。)
 
  さらに高槻市の政務活動費をトータルで見れば、84万円を全部使い切っているものが9人、80万円以上使っているものが2人いるが、同時に、30万以上返上している者が9人、299094円返上しているものが、1名いる。
  大雑把に見て感じるのは、議員活動で頑張っている人と、この費用を「め一杯」使っている人とが必ずしも一致していない。一番多く返上している人は、711,215円返上しており、2番目が、651,552円返上いている。第3番目が649,754円返上されているが、この3番目の方の収支報告書を見れば、主たる支出の内容の項目が具体的で一番わかりやすい。私は長いこと役所の中で生活していたが、この議員が最も市会議員として一生懸命働いておられると見ていた。
  なぜ請求額が少ないのか、まず広報費が「0円」である。これはこの議員が広報活動をしていないのではなく議員としてもらった給料の中から出費されている。(84万円全額もらう議員はこの広報費を420,000円計上している場合が多い。)さらに通信運搬費が「0円」である。「これも電話代月1万円が請求できるシステムだが利用していない」、さらに「事務費」が「0円」である。これも自分のニュースを出しておられるのだから紙代など請求できるのに一切されていない。
  このように、個々の議員であるいは政党で解釈が違い、対応が違うのにそれを見逃し、「エンジンオイルはどうしよう」、「相手先に持っていくお土産はどうしよう」というような枝葉末節な論議をしている状況を共産党市会議員団が「政務活動費」をもって発行することの是非を是非検討していただきたい。

  政党助成金をもらっていない共産党は清潔だと宣伝しながら、政務活動費での不明朗な出費は是正しないと、清潔な党という看板がはげ落ちてしまう。

資料:高槻市議団の「市政資料」