共産党は選挙結果をまたまた「共産党は勝利した」に変えてしまった。



令和3年11月18日


共産党の選挙戦の総括は、常に「負けを認めず」「勝った!」と言う!


 この馬鹿げた総括をやめない限り、共産党の躍進はありえない。今日のしんぶん赤旗9面【党活動】にこのような記事が載っています。北海道帯広市開西支部の報告です。
 選挙結果について「支部がこの大ショック」を乗り越えたのは、志位和夫委員長の国会議員団総会あいさつなど「赤旗」に掲載された選挙結果の分析と報道です。」という記事です。
 志位委員長は何を言ったのか、「4年間で政党間の力関係はどう変わったか」という見出しで、「与党勢力」「与党の補完勢力」「共闘勢力」の三つに分類し、4年前の総選挙と今回の総選挙とを比較すると次のようになります。という分析を披露している。
 まず「与党勢力」はどうか。4年前に比べて、自民党と公明党は合計で、比例得票で150万票増やしていますが、議席では19議席減らしています。
 次に「与党の補完勢力」はどうか。4年前の総選挙では「希望の党」という政党がありました。わが党は、この党について、「安保法制容認」「9条を含む憲法改正」を政治的主張の要にすえ、この二つを「踏み絵」にして野党共闘を破壊する「与党の補完勢力」だと見定め正面から戦いました。(中略)「与党の補完勢力は4年前の希望、維新の合計と今回の維新で比較しますと比例得票では501万票を減らし、議席では20議席減らしています。」
 最後に「共闘勢力」はどうか。4年前、共闘してたたかった共産、立民、社民の合計と今回共闘してたたかった共産、立民、れいわ、社民の合計で比較しますと、比例得票では、246万票を増やし、議席では42議席を増やしています。
 これがこの4年間の政党間の力関係の変化を示す客観的な数字です。
 
 次に「比例得票でも議席でも「共闘勢力」は前回比増加―大局的な確信をもってのぞもう」という見出しで、「自民党など「与党勢力は」比例得票数では増やしましたが、野党共闘によって議席を減らしました。これをもって「勝利」とは呼べません。」それに対して、「共闘勢力」は、比例得票数も議席も増やしています。わが党が減らしたことは残念ですが、全体で見れば増やしています。

 以上のような発言を行い、世間一般の感情とは違い、「共産党は勝利した」というような総括を行っています。

 志位委員長のあいさつが赤旗に掲載される前の日の赤旗【党活動】欄は、「がっかり感克服重視」という大きな見出しが載っています。これは敗北を認めた気持ちが前提にあります。共産党は「無謬性」にこだわる政党ですから、敗北を認め、その原因探求をすることを行いません。この「がっかり」という言葉が「敗北」を表しています。(精一杯の言葉です。)
 しかし志位委員長が10日に共産党の国会議員団総会であいさつ(赤旗11日付け)が出てから、「がっかり感」も後退し今日の【党活動】では大きな見出しで「常幹声明、議員団総会あいさつを前支部が討議・具体化し、力合わせ党勢前進を」なっています。それが最初に書いた「この分析がなかったらまだショックを受けたままだかもしれません」岡本支部長に結びつきます。
 こんなことをしていていいのでしょうか?私は前にも野球の野村監督の言葉を引用して批判しましたが、彼は「勝には不思議な勝があるが、負けには不思議な負けはない」と言いました。「負けを分析して、それを克服して、勝につなげる」これが大事だと唱えました。まさに名言です。共産党は「負けても、負けても」勝ったと屁理屈を唱えています。このやり方を続けるかぎりこの政党に未来はありません。

選挙戦の勝ち負けは、何を基準に判断するのか? それは目標が達成されたかです。


 今回の選挙、共産党が掲げた第一の課題は「政権交代で新しい政権を」です。政権交代を実現できていない以上負けです。しかもこのスローガンが国民からいかに支持されなかったか、情勢に見合っていたのか、しっかり総括する必要があります。
 二番目は、選挙が終わって野党側の最大勢力である「立憲民主党」がこの共闘が正しかったのかどうかで紛糾し、枝野代表の辞任まで発展しています。「政権交代」という言葉が国民に受け入れられたのか、「共産党が政権に参加する?」ということを国民が求めていたのか?立憲民主が共産党の票欲しさに、あたかも対等平等に政権運営を行うようなサインを共産党に送ったことが、立憲民主党内でもめている。
 立憲の代表選挙でどの主張をしている人が当選するのかは分かっていませんが、共産党との共闘路線は、一歩後退するのではと私は見ています。今回の選挙で共闘した戦いは成功しましたが、マスコミ等は一斉に民主党の比例区での後退を捉えて、共産党との共闘にその原因があると攻撃しています。この判断は間違っていると思いますが、この攻撃は効果があると見ています。

政党は国民に寄り添って活動しない限り、その力を伸ばすことはできません。

 

 数日前に書きましたが、維新は「身を切る改革」公明党は「10万円の支給」共産党は「気候危機打開」では国民との距離感が全然違うことになぜ気付かないのか不思議でたまりません。しかも赤旗を見て笑えるのは【党活動】で各支部の戦いが出てきますが、その活動風景の写真を追いかけてみた場合、「気候危機打開」の看板はほとんどなく、例えば本日付け赤旗も「志位委員長の、「なによりもいのち」「ぶれずに、つらぬく」」です。完全に共産党は混乱しています。「気候危機打開」よりも「コロナ危機」を主題にした運動をしている支部が多いことが分かります。(党は末端の支部でどういう戦いをしているのか把握すらできていません)
 最後に赤旗が如何に国民感情からずれているかを証明します。

テレビ番組は一斉10月31日に当選した議員の100万円の文書・交通費問題を報道


 本日付け赤旗はこのことをどう伝えたか。4面【政治・総合】一番左下段で取り上げていますが、その見出しは、「共産党のいうように抜本的見直し必要」「交通費問題、テレビ・ラジオでも」という記事を載せています。他人事の事のように書いています。
 維新は松井大阪市長がテレビで違和感がある、返すべきだと言っています。他の政党もこれには耐えきれず、みんな返還(寄付)すると答えています。共産党は他人事のようにこの100万円を返すのか否かに全く言及せず、政党助成金問題にすり替えた議論をしています。
 国民は当選した日、1日で100万円もふるまえられるのかを問題にしています。議員の特権階級を批判しています。大阪維新の吉村知事は、過去に議員退職の際に同じように1日で100万円もらったことがある。これを返還したいと申し出ています。
 共産党は同じ事例が無いのか、返還意思を示さない限り、特権階級にしがみついていると見られてしまいます。