赤旗はトランプ政権のポチに成り下がったのか?赤旗の劣化を嘆く。



令和元(2019)年6月13日

一般紙よりも劣化した赤旗の政治姿勢、アメリカ擁護に躍起

 航空自衛隊が10日4月に三沢基地の最新鋭ステレス戦闘機F35Aが青森県沖に墜落した事故について、その原因を発表した記事を載せているが、自衛隊の発表のままの記事を載せ、その報告に対して全く異論を述べていない。 以下赤旗記事が如何に異常か、毎日新聞の記事と比較しながら説明したい。
 まずこの記事の見出しであるが赤旗は「『空間識失調』原因か」「F35A墜落で空自が分析」と書いてるが、毎日新聞は「F35墜落『操縦士に原因』」「機体不備否定、飛行再開へ」と書いている。
この見出しの違いは、赤旗は空自の説明をそのまま載せたものであり、批判的視点が全くない。毎日新聞は、操縦士に原因をカッコで結び、機体不備否定し、飛行を再開と明らかに空自の発表を批判的に論評している。
 ついでに時事通信の配信記事を見ておくと、「早期発表、米国に配慮か」=『拙速』批判も―F35墜落原因推定」と書いている。一番正確な分析を行っている。赤旗は時事通信がこの記事を発信している事を知りながら、トランプ大統領が欠陥機であるF35爆撃機を安倍首相に高額な値段で大量に押し売りした事実を隠している。
 時事通信や一般紙よりも、アメリカに配慮した記事を書く赤旗は、正に二つの敵(アメリカ帝国主義と日本独占資本主義)を放棄した結果である。

記事内容をもう少し正確に拾ってみたい。

 赤旗は空自の発表を何ら咀嚼せずに、そのまま伝えている。これでは政府の広報紙と全く変わらない。赤旗のこの記事の括りは、「岩屋毅防衛相は、10日の会見で、今後、計147機取得するF35の配備計画について『見直す考えはない』と述べました」で結んでいる。全くの政府広報紙に成り下がっている。
 毎日新聞はどう締めくくったのか「F35は米政府監査院が重ねて技術的な課題を指摘している。一方で空自は、機体の姿勢情報が正常に表示されていたかについて『確認できないところ』としており、機体の異常を完全に否定できていない。それでも飛行の再開に踏み切るのは『これ以上新たなことが判明しない以上非行を停止を続けるよりは、いまある材料で安全に飛ばせる状況にもっていくほかない』(防衛省関係者)との事情がある。」で結んでいる。
 毎日新聞の記事は、操縦士の責任問題でこの事故を終わらせる方針に反対の立場から書いている。例えばまず、米政府監査院が重ねて技術的な課題を指摘している事を上げ、さらに空自自身が機体側に問題がなかったことの証明が出来ておらず、パイロットの資質の問題で解決せざるを得ない状況下に置かれていることを暴露している。
 このF35爆撃機の爆買いは、トランプ大統領が武器商人として、安倍首相に押し付けたものであり、総額で1兆7052億円、さらに一機当たり年間の維持管理費は307億円にもなり、機体購入額を含めた30年間の支出総額は6兆2000億円を超える膨大なものになる。(長周新聞)
 正に安倍首相からトランプに貢物として提出した者であり、パイロットの命を犠牲にしても、目下の同盟者として、この爆撃機の購入をキャンセルできない事情がある。赤旗はこの視点でこの記事を書くべきであった。

 ついでに時事通信の記事も見ておこう。「空自幹部候補生学校長を務めた林吉永元空将補は発表内容について、『飛行を再開するためのもっともらしい理由だが、意識喪失や機体の不備の可能性はゼロではない。世界初の墜落事故で、より慎重な検討をしてもいいのでは』と疑問視する。」
 「その上で、『発表や再開を急ぐ理由は何か、米国側への配慮に他ならない』と断じた」という記事を書いている。

F35爆撃機を世界はどう見ているか、日本が最大のお得意様


 F35の導入を決めていたイギリス、フランスが同期の調達を中止したのにつづき、ドイツ国防省も調達中止を決定、同じく共同開発国であるカナダ政府も購入・維持価格が160億ドル(約1兆3360億)から450億ドルへ3倍近く高騰したため、予定していたF35全65機を白紙撤回した。イタリア政府も、長期的に90機の調達を予定していたが、国防相自身が「追徴金の原因となる」として調達の打ち切りを表明している。オランダも、導入を90機から37機へと大きく削除した。(長周新聞)
 さらに注目すべきは、日本政府は105機のF35追加購入を決めたが、「105機すべてを米国からの輸入とする」ことを閣議決定した。日本国内で組み立てているF35をすべて輸入に切り換えることにより、1870億円もの国費をかけて構築した三菱重工などの生産ラインが今後使われなくなり、投資が無駄になる。(現代ビジネス)
 安倍首相はここまでトランプに媚びを売りアメリカに国民の税金を提供しているのである。
 F35は欠陥機のうわさが絶えず、本家本元のアメリカでさえ、日本が退役させると決めたF15を80機も購入する。(2020年度から2024年までの間で)3月の米上院軍事委員会でダンフォード統合参謀本部長は「機体価格でF15EXはF35と比べ少し安い程度だが、維持管理費の面では、F15EXはF35の半分以下である。機体寿命の面では、F15EXはF35の2倍以上である」と明快に説明した。(現代ビジネス)
 以上の資料から分かることは、日本だけがアメリカの目下の同盟国として、欠陥商品と言われているF35爆撃機を新たに105機(現在保有数42機)も購入する約束をさせられているのである。

同日、陸上イージス極まる不信(毎日)という記事があるが、赤旗は・・・


 赤旗は、この記事の見出しを「誤りデータ・居眠りに怒り」「陸上イージス説明会で住民」という記事を載せているが、毎日新聞は「陸上イージス極まる不信」と書いている。さらに「縮尺誤読」、「職員居眠り」、さらに「秋田知事『話は振り出し』」と書いている。これは読みやすい。「極まる不信」の根源は何か、その不信は住民だけでなく知事にまで及んでいることが読める。赤旗は、確かに「居眠りは」は突っ込みどころで、センセーショナルであるが、それが本質かと赤旗に問いたい。住民の側の「極まる不信」こそが防衛庁側を追い込んでいるという毎日の見出しの方が優れている。赤旗の「陸上イージス説明会で住民」は無内容な見出しである。どの場所か、誰が不振をいだいたのかは誰でも分かる。しかも毎日はその不信は知事にまで及んでいると書いているのに、赤旗の見出しでは、住民だけが不信感をいだいたとしか読み取れない。
 ここでもこの陸上イージスがトランプから無理やり購入を迫られ、安部首相が独断で購入約束してきたものである。その値段はうなぎのぼりに上がり、必要性も無いため、政府は偽のデータを出して、住民の反発を押さえようとしている事を赤旗はリアルに描けていない。「職員の居眠り」を前面に押し出した紙面である。結局こうした紙面構成になるのは、アメリカのゴリ押しで大量の武器購入が迫られていることから、目をそらせる議論になっている。

 最後にもう一点「30年間で約2000万円が必要」という金融庁の報告についても毎日新聞と比較してみる。

「『老後2000万円』不受理」「金融庁報告」「不安と誤解」(毎日新聞) 


 毎日新聞は1面の中断に上記見出しを載せ、2面に『焦点』で詳しく書いていると注釈をつけて報道している。誰が考えてもこの記事が、新聞紙面の一面を飾る記事だと思うであろう。赤旗は何処に書いているのか探してみたが、この老後資金が「2000万不足」し、100年安心年金という政府の広報がウソであったことが暴露された記事こそ、安倍政権が如何に国民と敵対した政権かを訴えていく上で格好の材料と思われるが、赤旗には全く書かれていない。なんという政治感覚がボケた新聞になったものかあきれ返る。この大きな失態は何処から来ているのか、それは6中総の決定に大きな原因がある。

 赤旗に6中総のパンフレットの宣伝が載っているが、その宣伝の見出しは、

『希望』」と『党の魅力』語り、『比例区を軸』参院選挙躍進を」である。  

 ここには、「アメリカの言いなりになっている安倍政権の打倒を目指して、参議院選挙を戦おう」というような視点は全くない。
 アメリカの横暴や国民生活を破壊する安倍政権と戦わず、希望を語って選挙戦を勝ち抜こうという全く間の抜けた方針を確認してしまった。
 このことが頭にある赤旗記者は、アメリカ批判を押さえ、安倍政権批判も避け、希望や共産党の魅力を語ることが、選挙戦で勝てる保証だと思っている。
 昔共産党は毎日新聞や朝日新聞を「ブル新」と呼んでいたが、今では赤旗の方が「ブル新」になってしまった。 

 共産党の間抜けさも「極まれり」という感がする。

PS:以上の記事は、6月12日に書いた。6月13日の赤旗は、一面トップで「老後2000万円」の衝撃という記事を載せた。これは一般紙の後追いであって、視点も全くダメである。何がダメかと言えば、赤旗は一面トップの最大の見出しは「参院選挙争点に浮上」である。「このような党利党略でこの問題を取り上げていますよ」とわざわざ声を上げる姿勢に全くの政治音痴を感じる。
 ちなみに毎日新聞の見出しは、「生活維持へ対応急務」である。この視点からこの問題取り上げて行かなければならない。

 もう一点朝の羽鳥モーニングショーがイージスアシュアの面白い話をしていた。元朝日新聞記者で軍事評論家の田岡俊次氏がイージスアショアの設置が必要か否かについて語っていた。
 彼が言うには、「イージス艦は8隻体制で臨み、その性能は高くそれで事足りている。一隻のイージス艦に詰めるミサイルは90発であるが、1発16億円もするので、現在は8発しか装備していない」と。「それならイージスアシュアにお金をかけるより、イージス艦にミサイルをもっと装備する方が効果的では」と聞かれ、「その方が効果的だ」と答えていた。
 番組はその後、なぜイージスアシュアが、山口県と秋田県に設置されるかについて説明され、北朝鮮とアメリカ本土を直線で結べば、秋田県が線上にあり、北朝鮮とグアムを結べばそこに山口県があると説明していた。
 つまりイージスアシュアは、日本防衛ではなく、アメリカ防衛のために設置されるとしか思えないというニュアンスを流していた。
 これを聞くと、防衛相が秋田県の住民に対する説明の際に、ミスをしたという話が単なるミスでなく、意図的にやった可能性が濃厚となる。最初から秋田県に決めている節がある。