財務省公文書改ざん事件を伝える赤旗記事の不思議(事件の概要を正確に書かない)


平成30(2018)年3月25日


 この記事は大阪府会議員の宮原レポートへの批判記事の中から生まれた余禄です。大阪府会議員の「宮原レポート」は財務省の公文書の改ざんを「290カ所」と書いています。私はこの誤りを指摘しました。宮原レポートは、3月15日とその改訂版を3月24に出していますがやはり改ざんカ所を「290カ所」としています。
 財務省の発表は「14文書300カ所」なのに、「290カ所」という数字がどこから来るのかに興味をいだき、昨日「宮原レポートから見えてくる『自由にものが言えない共産党の体質』」を書きましたが、本日付け赤旗を見て私の推論が正しいことにさらに確信を持ちました。

公文書改「14件の改ざん前文書」報道は、赤旗自身の「忖度」「ねつ造」事件?


 昨日も書きましたが、赤旗はこの公文書改ざん事件を語る際に、この事件の概要を抑えないままに書いています。毎日新聞は必ず公文書改ざん事件を書く場合、「14文書300カ所」の公文書が書き換えられたという書き出しから始まります。
 例えば本日付け新聞は、毎日新聞も赤旗も佐川前理財局長の27日証人喚問を意識して、財務省公文書改ざん事件を相当大きく扱っています。
 毎日新聞の一面は「財務省 改ざん指示メール」「『森友』文書 近畿財務局に」という記事を書いていますが、その中に「改ざんは約300カ所に及び、学園が陳情していた複数の政治家や安倍晋三首相の妻昭恵氏に関する記述も削除されていた。」と書き、この事件の概要を必ず押さえています。
 ところが、本日付け赤旗は3面全部を使って「佐川氏喚問の焦点」「公文書改ざんなぜ」「国有地値引きの政治的圧力、解明を」という記事を書いていますが(別紙参照)、財務省による公文書改ざん事件とはどのような内容かは抑えずに論評しています。
 よくよく見ると「『森友文書』改ざんをめぐる政府の対応」という見出しで時系列に図表化した文書があります。その2月12日の欄に「財務省が参院予算委員会に、改ざんの事実を認め、14件の改ざん前文書を提出」と書いています。(別紙参照)
 なぜ赤旗は、「14文書300カ所」の改ざん前文書を提出という記事を書かないのでしょうか?不思議でたまりません。
 蛇足ですが、紙面に余裕がなかったのではありません。この欄はガラガラです。あと30文字は書ける余白があります。

宮原レポーット「290カ所の改ざん」大阪民主新報「数十カ所の改ざん」の根源は赤旗報道にあり


 まず本日付け大阪民主新報は、週刊ニュースファイル(2018年3月12日(月)〜18日)という記事で「財務省が14の文書で数十カ所の改ざんが行った」と書いています。さらに大阪の府会議員の「宮原レポート」では「290カ所の改ざん」というビラを改訂版を出しながらもこの件数を変えていません。
 赤旗だけを読んでいると、財務省の公文書改ざん事件が「14文書300カ所」に及ぶと言う事実が把握できない仕組みになています。
 この真意は全く分かりません。ただ宮原レポートを見たときには、府会議員でありながら勉強不足だなと思いましたが、大阪民主新報の記事「14件数十カ所」を見て、何かが違うおかしいなと思って過去の赤旗を点検してみましたが、確かに赤旗はほとんどこの事件の概要を抑えずに書いている弱点に気が付きました。(赤旗【主張】では、「14文書300カ所」と書いていたが・・・・)

この赤旗記事「14件の改ざん前文書を提出」は事件を小さく見せる印象操作?


 共産党の記者は、事件の概要を抑えずに「みんなはすでにこのことを知っているから」と思い込み、「14文書で300カ所の改ざん」を前提に書いているのかと思っていました。私の感覚では、まずこの事件は何かを必ず押さえてから書くべきだと思っています。共産党の記者は文書力が弱いなと思っていました。
 ところが今日の赤旗を見て、単なる若い記者の勉強不足では語れないのではと気づきました。赤旗3面を全部使って記事を書きながら、この事件の概要「14文書300カ所の改ざん」を伝えず、財務省「14件の改ざん前文書を提出」(本日付赤旗3面)と書いています。
 この赤旗記事は正に改ざん(ねつ造)です。「財務省の発表は『14件で300カ所』」が改ざんされていた」です。(毎日新聞2月13日)
 赤旗は財務省の公文書改ざんを追及する立場なのにこの問題がどういう問題かを多くの国民に訴えなければならない立場でありながら、「14件の改ざん前文書提出」という書き方は、「14カ所改ざん」と読まれてしまい、騒ぐほどではないと読まれてしまいます。300カ所の改ざん」と「14カ所の改ざん」では国民の感じ方も全く違うと思われます。なぜ共産党はこのような印象操作をあえて行うのか理解に苦しみます。

森友問題をめぐる共産党の態度には他にも疑問があります。


 その一番大きな疑問は籠池氏に対して人権を無視した不当拘留が行われているのに対して、共産党は抗議を行っていません。ここにも共産党のおかしさがあります。共産党は追及しているようで核心は追及していない。不思議な対応です。
 私はこの間30件ぐらいの森友事件を扱っていますが、共産党の対応には多々疑問を感じています。 

資料:赤旗(3月25日付)財務省の公文書改ざん事件を扱った記事