森友問題で安倍内閣の広報に成り下がった赤旗


平成29(2017)年4月9日 


森友問題は、責任のなすりあいの様相を示してきた。

 森友問題の現状は、官邸は終息を狙い、それぞれの分野で誰が責任かを選び出し、自らの責任回避に努めている。 その最大の狙いは、
 @安倍首相からの100万円の献金問題では、籠池氏のこれまでの詐欺師的手法をこ
  とさら宣伝し、安倍首相(安倍夫人)側の主張が正しいという演出を行う。

 A土地売却問題をめぐる不可解な動きについては、証人喚問で籠池氏が出したF
  AX問題が安倍首相側の関りを証明する証拠物件であったが、政府側は、総理
  夫人付秘書官の谷さんの個人的文書で処理し、安倍首相側の関与を否定する。
     また谷さんに回答した財務省国有財産審理室長の田村嘉啓氏らノンキャリに
  責任を押し付け、キャリア官僚は全て逃げ切る。

 Bこの問題の根幹は、国有財産の不透明な売却が問題の出発点か、不可解な小学
  校の設置認可を了承した大阪府の責任かという争い(卵が先か鶏が先か)で
  は、大阪府の特殊事情ということで大阪府へ責任を押し付けようとしている。                                                                              (西田議員の発言)


官邸筋が今一番力をいれてマスコミをコントロールしている案件

  赤旗が追及すべき最大の標的は、安倍首相の戦前復帰を目指す野望であるはずである。ところがこの間の赤旗を見ていると、赤旗(4月6日〜8日)が最大に攻撃をかけているのは籠池氏である。

 官邸筋は森友学園問題は終息に向かっていると判断し、安倍夫人問題が未だくすぶっていることに神経質になり、籠池がとんでもない詐欺師だということを最大限宣伝し、この問題に対する国民の疑問を払拭する作戦に出ている。

 大手マスコミも本質問題に触れず、籠池問題を前面に出し始めている。(インターネットでの議論は全く違って安倍昭恵の疑惑のオンパレードである。)これは政府の言論統制が、一般マスコミに及んでも、インターネットまでは及ばないことを示している。

 インターネットの普及は、全ての言論を権力が支配できないということを表している。インターネットを見ている者と、一般紙しかとっていない者にとっては入ってくる情報が全く違う。さらには新聞でも朝日・毎日をとっている者と、読売・産経をとっている者では全く違う。森友学園問題でも朝日は2月9日に報道したが、その後も読売や産経は相当の期間この問題を黙っていた。その原因はそれぞれの新聞の主張の差もあるが、今回は読売新聞や産経新聞は、大阪の私立学校審議会委員に最初から絡んでいた経過もあるようだ。
     (少なくとも読売新聞は大阪の私学審のメンバーを出している。)

赤旗は森友問題で、安倍政権を揺さぶる追及ができているか?

 この森友問題で共産党の国会での追及は、宮本議員の追及や小池議員の追及で一般的には民進党に比べてよい評価を得ていたと思う。ところが赤旗新聞には冴えがなく、毎日のようにたたみかける報道を期待したが、まったくダメである。私はこの間森友問題を4回取り上げているが、その主張は、本質論の論議から外れているという指摘である。そこで4月6日赤旗編集局にメールを送り、籠池氏の証人喚問で籠池氏は重大な指摘(財務省からの返事のFAX)を行ったが、官邸はこれを安倍総理夫人付秘書官の谷氏が個人的に問い合わせた私文書であり、政府としては一切関りが無いという答弁で逃げ切ったが、官邸側の嘘を暴くべきだと主張した。

 この菅官房長官の主張が嘘であることは大多くの国民の知るところであり、テレビでも元官僚であった人が全て「個人でこういうことをすることは官僚文化の常識にはない」と否定されています。なぜ、国会は誰が見ても嘘の話を見逃してしまうのか、我々一国民として理解できません。

  私は、 3月27日民進党の桜井充議員が参議院予算委員会のおいて、学校法人「森友学園」(大阪市)の国有地売却問題を巡り、「森友学園の事について改めてお伺いしておきます。財務省に対して答弁は認めています。」と前置きをした上で、「これは谷さんからの問い合わせがあった件ですか?」という訳の分からない質問を行った。(主語が不明でであった。)

  これに対して財務省の佐川宣寿(のぶひさ)理財局長がとんでもないミス答弁を行った。(マスコミ・インターネット上もこの指摘が行われていない。)

 佐川氏の答弁は「首相夫人とのやり取りは国有財産審理室長が担当で、夫人付の女性から介護施設に適用される定期借地の賃借料優遇措置の延長(50年)について問い合わせがあった」と説明した。

 この佐川財務局長の答弁は、谷氏個人の質問と理解せず、首相夫人からの質問と捉えている。官房長官の答弁が嘘だということを浮かびあがせる回答である。

 赤旗編集局に「佐川財務局局長の答弁を引用し、菅官房長官の答弁が嘘だということを暴け」と指摘したが見事に無視された。赤旗は何を考えているのか分からない。

  4月6日私は赤旗編集局にメールを送り、見出しのような主張を行った。ところがその後赤旗を見ているが、赤旗はこの問題を追及しない。それだけならまだ許せるが、赤旗の森友学園の記事は、籠池批判が中心になっている。

 森友問題を籠池批判で逃げ切るのは、安倍政権の方針である。なぜ赤旗は安倍政権の主張の嘘を暴ける情報があるのにそれを採用せず、籠池批判を続けるのか、それは自ら情報収集能力がなく、官邸から発せられる情報に頼っていることが最大の弱点であるが、さらには森友問題の本質も十分把握できていないと思われる。

  赤旗は、この文書の最初に書いた政府の動き(狙い)を理解していない。この事件が認識された当初は、この学校建設のおかしさをついておればよかったが、この問題を起こした「日本会議」に集まる人たちが仲間割れを起こし始め、まず籠池氏が「トカゲの尻尾切をやめてください」と発言してから籠池氏は安倍首相側の人間では無くなった。

 彼は自分の小学校が建設できないことが分かった段階で、はっきりと安倍首相に対決する姿勢を打ち出した。それを象徴するのが、3月16日、参議院予算委員会が現地視察した際、彼はこの学校には安倍首相の寄付100万円も入っていると叫んだ。(これは籠池氏の反乱である。)

 これに自民党の竹下亘国対委員長が激怒し、籠池氏を虐めようと証人喚問する決定を行った。この証人喚問でも、籠池氏は、財務省からの回答に基づく総理夫人付秘書の谷さんからもらったFAXを持ち出した。これは安倍首相には相当の大きなダメージを与えた。

  籠池氏は一人で安倍内閣と戦っている。安倍内閣にとって最大の敵である。彼を詐欺師として封じ込めることが最大の課題である。
 今回のこの記事は、赤旗が私の提案を拒否(無視)し、ピント外れの籠池攻撃を繰り返していることに抗議して書いたものである。


赤旗は安倍内閣の戦略が読み取れず(?)安倍内閣の最大の協力者になっている。

 赤旗の記事を見てみよう。4月6日の赤旗15面【社会】で「施工業者森友提訴」「学園工事費、4億円未払い」という記事を載せている。この記事を見れば森友学園側が悪者に見える。

 この森友学園の施工業者は橋下・松井知事の仲間です。決して正義の普通の業者ではありません。この業者は、橋下大阪知事の下で府からの工事請負を10倍も伸ばし、維新への献金も行っています。いわゆる橋下一派です。この業者が正しく、籠池が間違っている。(籠池は悪い)という印象操作はいま安倍内閣が一生懸命やっていることです。

   この施工業者の如何わしさは、実際の費用は21億円かかった言いだしています。契約書が3通ある問題で彼は実際は15億が正しいと証言し、籠池が主張する23億円の不正を告発した張本人です。その彼が、現在は実際は21億円だと主張しています。(赤旗はこの点も間が抜けており彼の21億円の主張を取り上げていません。)籠池と同様に極めて怪しい人物です。

  ついでに言いますと、この人物が維新の協力者だということを大阪の府会議員の宮原氏が指摘し、議会が騒然となり、議事録の抹消を迫られた経過があります。(実際は削除できませんでしたが)

  さらについでに言っておきますとロッキード事件の際の東京地検特捜部であり、現在内閣参与の宗像 紀夫氏が、BSフジLIVE プライムニュースに出演しでこの事件について法的にいろいろ解説した。その際、三種類の契約書を作った籠池氏を補助金詐欺で立証ができるかとの質問に、「23億円の見積もりを提出したから不正だというのでなく、実際にいくら掛かったが基本だ」と言われました。また同席した民進党の玉木 雄一郎氏が「国交省は籠池側が出した契約書に基づき補助金を出したのではなく、自ら費用計算を行い補助金の額を決定している」と述べました。(彼は官僚出身でその点は詳しい)

  この玉木氏が主張する21億円が正しいとすれば、施工業者である藤原工業も21億円掛かったと主張しているので、詐欺は発生しないことになる。

 こうした事実を調べもせず、籠池があたかも詐欺を行ったかのような宣伝をすることは共産党の力量のなさを示している。

赤旗の森友関連記事(4月8日付)は、問題の本質が見えていない重大な疑問がある

 赤旗4月8日の記事では(4月7日は森友関連記事はなかった)、「森友2300万円過大請求か」「国交省小学校の廃棄物撤去費という記事を」15面【社会】に載せている。この記事は毎日新聞よりすごい記事になっている。なぜかというと赤旗には森友学園が建設会社から得た領収書の写しを載せているからである。赤旗は一般紙を抜いたと有頂天になっていると思われるが、この領収書のコピーの出所が問題である。赤旗の説明では辰巳孝太郎参院議員が国交省から入手しました」と書いている。

  このことがおかしいことに赤旗は気づいていない。森友学園関係の書類は一切処分してないはずの資料がなぜあるのかの追及をしなければならない。谷氏のFAXも籠池氏が参議院の証人喚問の際、「ファックス原本をここに持っています」と答えたが、手元には無く、「近くにはあります」と答えた。そうしたら昼の休憩の間に菅官房長官が慌てて関係者にコピーを配布した。どこにもないはずの書類が出た。政府は自らに都合の良い書類だけを出し、情報操作を行っている。それに見事に引っかかった事例である。

  繰り返しますが、官邸は、籠池つぶしを行い、安倍首相(安倍昭恵氏)を守ろうとしている。その立場から情報操作を行っている。この場合がその事例だ。共産党を優先し、共産党にだけコピーを渡す。共産党が言うことにより真実味がます。上手く利用されているのだ。あまりのも幼稚で馬鹿げており、空いた口がふさがらない。

  8日の赤旗には、これ以外に「森友疑惑」「平沼議員側 府に苦情」という記事を載せています。大阪府は職員に聞き取りした資料を4月5日まとめて発表しています。その中に平沼議員からの問い合わせがあったとされていました。(赤旗の記事では7日までに大阪府が公表しました。と書いています。)大阪府の調査結果では「2013年4月以降に平沼氏側から、『森友学園が小学校設置の相談をしているが教育庁職員の対応が悪い』という苦情の電話が担当課長にあったと、職員が証言しました。」という記事です。

  この大阪市の発表対して、平沼議員側が府に苦情「身に覚えがないと主張しています。」という記事を結構大きく扱っています。

  この記事で何が言いたいのか全く分かりません。平沼氏は2012年11月17日に日本維新の会と合併しています。この当時は維新側の人間です。松井知事は、いまは維新でないから嘘をついて貶めているのか、そのことを平沼氏の立場に立って擁護しているのか、それとも維新はむちゃくちゃと言いたいのか、なんのためにこの記事を書いたのか全く分かりません。

 以上赤旗の森友学園の記事は、官邸側の情報を下に籠池批判が中心となっています。敵を見誤った主張になっています。