共産党のお人好しと、橋下市長の強かさ


平成27(2015)年4月5日


上西議員 維新が除名・・・事件発覚後橋下氏が間髪を入れず主張

 巷では、維新の会の上西議員が、先月13日の今年度の予算を採決する衆院本会議にウィルス性腸炎のため欠席していたにもかかわらず、13日or14日〜15日に秘書と京都に旅行していたと週刊誌に報じられ、上西議員の進退問題が取りざたされている。
 彼女の行動の不可解さは、国会に欠席する前日の12日夜には、自民党の衆院議員で医師でもある赤枝恒雄氏(71・比例東京)と居酒屋、ショーパブなどを3件はしごしていたとの情報もあらわれた。
 この問題をどう捉え、どう報道するかは選挙中ということもあって、マスコミに取っても重要な問題であり、慎重取り扱っている。たとえば毎日新聞(4/5)「上西議員 維新が除名」衆院本会議欠席「辞職要求拒否」という見出しでこの記事を書いている。
 この記事の印象では、維新が清潔な党であり、問題のある議員は即座に処分する、それに比べれば上西議員はとんでもない議員であり、今回の問題は全てこの議員が悪いというふうに取れる記事である。

橋下氏の強かさ・・・転んでもただでは起きない。

 維新の会の最高顧問である橋下市長は、この問題が発生するや否やこの筋書きを書いていた。今回の問題で上西議員をスケープゴートにし、またも橋下徹という政治家が如何に素早く物事を解決し、しかも行政の無駄に対して鋭くメスを入れるかを、彼は天下に公表した。
 そのために、彼の演出は「このクソ女に国の税金が年間3000万円も支払われていると公表」し、「私はこの女を議員辞職させ大切な税金の無駄遣いをやめさせたい」のだと躍り出てきた。これが彼のスゴさである。このまま彼の一方的宣伝を放置しておけば、「災いを転じて福となす」ということを彼はやってのけるであろう。
 今回の問題をどのように処理するかで、大阪維新の会はこの選挙で勝つか、あるいは「大阪都構想」をめぐる投票で過半数を握れるか否かの分かれ目の戦いになっている。この問題の処理で少なく見積もっても5%、多く見れば10%の票が動くと私は見ている。

共産党はお人好しだから、今回の問題が大阪維新を叩きのめすチャンスだと捉えていない。

 4月5日の赤旗は上西問題を全く取り上げず、いつものニュース@NEWSにだけこの記事を載せている。私はいつも言っているが、赤旗の「ニュース@NEWS」欄の役割は何なのか全くわからない。この欄は時事などの配信記事を論評なしに載せている欄であって、あくまで参考にというのが共産党の立場なのかよくわからない。
 今回の上西議員の記事は、「時事」というような記述もなく、共産党の主張であるとしたら馬鹿げている。この馬鹿げた記事を見ていきたい。
 まず見出しは「上西議員の除籍決定」であり、内容は「・・・橋下徹同会代表(維新の会最高顧問)は火消しに躍起です。」と書き出し、その後は事実経過を追いかけ、最後に「選挙の最中に大阪『維新』のイメージダウンを避ける狙いがにじみでていました。」と締めくくっています。
 共産党が、間が抜けているのは、橋下氏が今回の問題で「あわてて火消しに躍起で、イメージダウンは避けられない」と鷹を括っていることです。橋下氏はそんなヤワな人間ではありません。他の政党のスキャンダル例えば、自民党の中川議員や片山さつき議員などを例に出しながら、維新という政党が如何に規律のとれた清潔な党であるかを売り出し、この大阪の改革は「維新」しかできないという一大キャンペーンを貼ってきます。恐らくこの事件で橋下・維新の会は前以上の力を発揮すると思われます。

共産党が今なすべきことは、今回の事件は上西個人の問題でなく、維新の体質だというキャンペーンです。

 そもそも、この上西議員と同じ体質を持つのが、橋下氏です。橋下氏が上西議員に投げかけた言葉、「29歳の小娘が議員になって3000万円ももらうと浮かれてしまって世間が全く見えなくなる」これはまさに橋下氏にも当てはまる言葉です。30代の半ばで時代の寵児になり、大阪府民や市民の願いや思いが全く分からず、自らの権力的野望だけで、大阪市を破壊していく」こんなことが許されていいなかを問いたださなくてはなりません。
 今回の上西議員の問題は、上西議員の個人的体質ではなく、大阪維新の会の議員にほぼ共通する体質です。維新の会はこの4年間で他の会派に比べ多くの問題議員を排出しています。そうした視点で今回の問題を捉えないと、何かバカ娘が紛れ込んでおり、良識のあるオヤジが処分したという美談にすり替えられてしまいます。

共産党は間が抜けていますが、インターネット上では鋭い批判が多くあります。

 インターネット上の批判を一部転載します。
 
投稿@
 維新の会の議員は維新の人気を利用して自分がのし上がろうとする人物ばかり。
国会議員も大阪の地方議員も公募校長も教育委員もその手の人物。
 この維新のエリカ様もその典型。維新の党にぴったりの人物。
 キミたち、まだ維新の党の議員の本質がわからないのかね。

投稿A
 議員辞職させられたら、キレイにはまったのにね。
 これから4年間、起業資金を貯めるのに専念するのだろう(笑)
 でも、やっぱり橋下はうまいね。
 地方選なんか、みんな関心ないし、都構想も、大多数はよくわからないのだから、
 こういうパフォーマンスで得点を稼いだほうが有利なのよ。
 なんとなく、「身を切る改革の党」みたいなイメージが出せたでしょ。

 インターネットの投稿は簡単な数行で本質を突いている。共産党にはなぜこれがわからないのか不思議でたまらない。