日本共産党 最近おかしくないですか

東京都議会議員の人権侵害ヤジについて


平成26(2014)年6月28日


 共産党は人権侵害ヤジ如何に対応したか・・・その不十分さを問う。


  事件の発端は18日の都議会。みんなの党会派の塩村文夏議員が女性の妊娠・出産をめぐる都の支援体制を取り上げた一般質問最中、議場から「自分が早く結婚した方がいいんじゃないか」「産めないのか?」などのヤジが飛び交った。
この事態を議会はどう受け止めたのか、共産党は、あるいはマスコミはどう受け止めたのか。が問われている。

この「人権侵害ヤジ」発言が、どのようにして世間が知るようになったのかは、直接の被害者である塩村文夏議員が同日夜、「ツイッター」にヤジについて投稿(ツイート)したところ、19日午後7時現在でリツイート(転載)が1万5千件を超えるなど波紋が広がった。
なぜ、このニュースが当日議会で傍聴していたと思われるマスコミ各社や赤旗新聞の記者などが、この発言が、女性蔑視であり、人権問題でもあるという認識ができなかったのか、不思議でたまらない。

この問題が20日以降、塩村議員の「ツイッター」に大きな反応があることを知って始めてマスコミはこの問題に関心を寄せ始める。

当初からこのヤジは自民党席の付近から出たと言われており、23日自民党の鈴木章浩議員が23日都庁で記者会見し、自分が「早く結婚した方がいいんじゃないか」と発言したことを認めた。(この記者会見は午後3時からおこなわれた。)
これに先立ち会見した都議会自民党の吉原修幹事長は、「産めないのか?」など他のヤジについてはすべての自民党議員に聞いたが誰も聞いた者はいなかったし、自分には聞こえなかったと主張し、「なぜこの発言がそんなに問題なのか」と居直った発言を行った。その内容は、「ヤジがそんなに問題であれば、議長がその場で注意することが可能であったが、注意はなかった。さらに塩村文夏議員の発言が終わった際に、どの会派からもいまの塩村議員の発言中に不規則発言があったと異議申し立てを行っていない。」という趣旨の主張を彼は行った。 
つまり議会は、この程度のヤジは常に行われており、「議会としては、全会派、が何ら問題だと認識していなかったのだから、なぜ外部からこのように騒ぐのか不思議でたまらない」というような趣旨の発言を行った。とんでもない居直り発言であるが、一点の真理をついた発言である。

都議会自民党幹事長吉村修発言を補強する赤旗報道


赤旗新聞6月24日付けに「自民都議ヤジ認める」「鈴木章浩議員会派離脱ですます。」という記事があるが、その中に共産党都議団の大山とも子幹事長の23日の記者会見の内容が掲載されている。その中に、「都議会ではこれまでも質問そのものを妨害するヤジが横行し、『放射能を浴びた方がいい』というヤジもあったと述べ、」という行があるが、この発言は前日の自民党都議団団長の都議会議員としてどの会派も異議を出さなかった。議会はこれを許容しているという発言を補強した内容になってしまっている。
なぜ共産党は18日議会での人権侵害のヤジに対して何らかの抵抗処理(間髪を入れずセクハラヤジはやめろとか、発言終了後議長に詰め寄り、ヤジの発言者に謝罪させよと迫らなかったのか)を取らなかったのか、さらには19日の赤旗でなぜその問題を取り上げなかったのか、疑問がある。
私は、塩村文夏議員に対して、「ヤジった者」、「さらには笑った者」、「その場にいて、告発しなかった者」すべてがその責任を問われなければならないと思っている。おそらく赤旗はこの発言が共産党議員に対して行われていれば、翌日の赤旗に大きく載せていたと思われる。
この大山とも子議員の発言は、議会ではもっとひどい発言『放射能を浴びた方がいい』というヤジも見逃しているのだから、今回もその発言は聞いたが、『そう問題とは思わなかった』というように聞こえる。
ここまで書くとそれは誹謗中傷だという反論が返ってきそうなので、もう一点、私がこのような考えに至った赤旗記事を上げておく。同じ24日の赤旗新聞「NEWS@ニュース」という欄(前から言っているが、この欄のニュースの意味がわからない)に「安倍政権『「イメージダウン危惧』『都議のやじ・閣僚失言に』という見出しの記事である。この記事はどの立場で書いているのかさっぱり分からない。
自民党が選挙で絶対多数の議席を得たため奢り昂ぶり、その本性を現した。共産党は自民党のこうした人権無視や国民の生命や財産さえを奪い去る非国民的性格を引き続き批判して行かねばならないという文体の中でこの問題を指摘していかないと、「安倍政権『イメージダウン危機』」という表現は、明らかに安倍政権側からの視点で見ている。
危機だから、ヤクザではないが「犯人を仕立ててお茶を濁す」という手法で逃げ切りをはかる。今回の他のヤジ「産めないのか?」と、もっとも問題発言をしたのは、幹事長その人だという記事もインターネット上では流布している。(声門までつけて)これらの真実は全くわからないが、自民党が行おうとしている幕引きを許さず、全てのヤジ当事者を洗い出し、議員辞職にまで追い込むことが大切であるが、赤旗のこの記事は客観的すぎて何の意味ももたない記事である。(時事通信か何かの配信記事だと思うが、これを無批判に載せることは背信になる。)

ついでながら、私の地元では、毎週火曜日は駅前の朝立ちの日だが、演説をするわけどもなく、ビラを配っていたが、この都議会の「人権侵害ヤジ」でなく、私が前回批判した宮原レポートを配布していた。内容は「経済の再生のためには賃上げが必要、大企業の労働者の賃金を内部留保から回す。164万人、最低賃金を時給1000円に上げる。250万人の賃金が上昇(大阪で)という全く非科学的ビラを撒いていた。何時だって情勢に対応したビラが撒かれていない。こんな朝立ちで選挙に勝てると思っているのか不思議でたまらない。
更に付け加えれば、大坂民主新報は、この都議会議員の「人権侵害ヤジ」を全く伝えていない。(22日、29日版)この扱いから見ても「東京のことだ」位の認識しかない。今日の朝パラという番組(漫才師ハイヒールりんごの司会の情報番組:読売テレビの関西ローカルであるが)この問題を大きく取り上げ、ゲストコメンテーターの勝谷 誠彦氏が、今後他のヤジが特定されれば、自民党議員全員が総辞職すべき問題だと発言していた。

最後に、もう一点敢えて問題提起しておけば、この「ヤジ」の問題点は何なのか詰めた議論がなされていない。セクハラ発言か人権侵害か、女性差別発言かなどきちっとした詰を必要としている。

赤旗は20日この問題を最初に取り上げたがその際の見出しは「セクハラやじ防止を」であってあって今回の「やじ」を行った者への処分等は考えていない記事になっている。21日も「議会運営改善して」共産党都議団「議長に申し入れ」である。議会運営の問題として取り上げている。
22日は「女性軽視に抗議が殺到」23日は「セクハラやじ」「自民党幹事長おわびを」24日は、「自民都議ヤジ認める」25日、都議会ヤジ「共産党が議員辞職要求」「重大な人権侵害」決議案提示となっています。
つまり赤旗は、一般市民の抗議が殺到して、始めてこの問題の本質を理解し始めている。この政治感覚の無さに驚くばかりである。

 重要な事項では無いと思うが、20日以降23日までの記事は「やじ」でしたが24日以降は「ヤジ」になっています。そしてこの「ヤジ」の性格ですが、「セクハラ」とされていたものが、25日には「重大な人権侵害になっています。」なお参考に毎日新聞の社説(24日付け)では、「説明にも呆れ果てる」という見出しで、「鈴木氏のヤジは塩村氏を中傷する意図から発せられたことは明らかだ」と断罪し、海外メディアは「日本には女性に対する人権感覚が欠如しているのでないか」と海外の受け止め方も紹介しています。また自民党を「女性の社会進出に理解が足りず、差別的な価値観を押し付ける体質があるのでは」と指摘しています。

 6月29日付赤旗日曜版では、この問題を「人権侵害やじ」と断定しています。(セクハラという言葉を一切使っていません。・・ここでは「やじ」に戻っています)25日東京都議団は「人権侵害やじをした議員の辞職を求める決議案を都議会本会議に提出しました。」と書かれています。さらに海外では、「都議会の性差別主義者の発言で怒りが爆発している」(6月20日、CNN)と指摘しています。(すべて日曜版)しかし、共産党としてこの問題をどう捉えているのかの、まとまった主張がありません。
 毎日新聞はこの問題を「社説」で取り上げています。赤旗もこの問題の本質を整理し赤旗「社説」で取り扱うべきです。