間の抜けた共産党の参院選挙政策(公明党と比較すればすぐにわかる)



令和4(2022)年6月20日


公明党の参議院選挙のビラは、共産党のビラより優れている。


 公明党の参院選挙政策のビラが我が家に入った。それを見ると共産党の政策よりもよっぽど良いものに仕上がっている。公明党の選挙政策(ビラ)は共産党よりどこが優れているのか、以下に見てみたい。

 公明党の選挙政策は、公明党3つの挑戦、「日本を、前へ。」を大上段に構え、
  1.経済再生し、賃金アップと雇用拡大へ
  2.全世帯を守る社会保障の構築を!
  3.平和と安全保障に全力
 という三本柱を掲げている。

 これに対して、共産党の政策は、平和でも、暮らしでも、希望が持てる日本に
  1.「力対力」でなく「外交による平和を」―憲法9条をいかす平和外交で東アジアと世界の平和をつくろう
  2.物価高騰から生活を守るー弱肉強食の新自由主義を転換して「やさしく強い経済」に日本共産党の五
    つの提案
  3.日本共産党は、「国民が主人公」の民主主義日本を目指します。
 という三本柱を掲げています。

 この三つの政策は、公明党は「経済」「社会保障」「平和」とバランスが取れているが共産党は。「平和」「経済」「共産党の決意」となっている。共産党は、社会保障を経済の中に埋没させてしまったことで迫力を欠く。
 もう少し具体的に見ると、公明党は、経済再生し「賃金アップ」と「雇用拡大」へと労働者が要求している課題を前面に出している。(本来共産党が述べるべきセリフである)共産党は、物価高騰というこの間の特徴を前面に出しているが、「やさしい経済」という訳の分からない「造語」でこれと対置しようとしている。どちらが労働者の政党か分からない失態を犯している。
 共産党は、社会保障という柱を立て得なかったために、社会的弱者の味方というイメージも押し出せていない。そもそも経済問題で「日本共産党の五つの提案」を掲げているが、その五つが何か分かりにくい。ビラから読み取れるのは、@政治の責任に賃金引上げ、A社会保障と教育予算の充実、B富裕層・大企業への応分の負担と消費税5%減税、C気候危機打開、Dジェエンダー平等と思われるが、赤旗に載った方針では、(5つ)ではなく、(7つ)あります。番号が打たれていない幻のE富裕層と大企業に応分の負担を求めますー財界としても格差是瑛のうえでも、そして正規のE財界中心の政治のゆがみにメスを入れる立場に立ってこそ暮らしを守れる。としている。
 ここで、共産党の政策の分かりにくさについて触れます。共産党は衆議院選挙では4つのチャレンジという言葉で政策を語りました。それは「@新自由主義の転換」、「A気候変動打開の政治」「Bジェンダー平等の日本」「C9条に基づく平和外交」です。
 ところが1月9日付しんぶん赤旗の挿入画に新たな4つのチャレンジ「@気候危機打開、「A社会保障の充実」、「Bジェンダー平等」、「C人間らしい働き方を」と変質させています。いずれにしろ共産党の国会議員選挙での争点は●気候危機打開と●ジェンダー平等が中心的課題になっていることが分かります。

 これに対して、ツイターで異を唱えたのが、前新潟県知事であった米山隆一(現衆議院員である)


 彼は「ジェンダー平等や気候変動を課題と出し続けても良いと思います。ただし、出す順番としては、「@経済A福祉Bジェンダー・気候変動だと思います。Bを一番に打つ出すと『余裕のある人の趣味』に見られてしまうので」とつづった。
 この米山氏の発言は、ネット上で相当批判されたらしいが、私は米山氏に旗を揚げる。この二つの主張(「気候変動」「ジェンダー平等」)は、必要な課題ではあるが、選挙戦の争点の一番を飾る性質のもので無い。

 共産党は参議院選挙でも、上記二つ政策を先頭に立てる動きを示していたが、現状では共産党の政策は、一番「平和」、2番は「暮らしを守る」であり、この「暮らしを守る」という中に、「やさしい経済」へ5つの大改革の中の4番に気候危機打開、5番にジェンダー平等を入れた。やっと気候危機打開やジェンダー平等の政策上の位置づけが決まった。
 おそらくこれを読んでいただいている方は、そんなこと初めから理解していたはずだと思われ、なんでそんなしょうもないことに着目しているのかと思われると思いますが、参議院選挙で戦う武器(相手をへこます政策)は何か、これが定まらない以上戦いにはなりえないのです。
 参考資料数か月前に貼られた辰巳孝太郎のポスター

 政策課題は
  1番は 9条を生かす外交へ
  2番は 気候危機を止める
  3番は ジェンダー平等
  4番は 消費税さげる
  5番は カジノストップ
です。この中の5番は、大阪独自の課題であり、全国的には衆議院選挙で掲げた4つのチェンジを引きづっています。気候危機が2番、ジェンダー平等が3番と掲げています。この選挙政策が間違っていると私は一貫して反対してきました。6月8日付の参議院選挙政策では、気候危機を止めるやジェンダーフリーは、やさしく強い経済の中の4番と5番の中に含まれました。米山議員が指摘した順番が違う、重要な課題だけど、選挙戦の看板政策にはなじまない物をを受け止めた形になっています。

 共産党の赤旗を見てください。未だに選挙での政策の打ち出しのポスターを見ても毎日「目玉政策」が変わっている。今日の赤旗(6/20)の志位委員長の演説を取り巻いているのは全て「自由と平和」である。この志位委員長を取り巻く宣伝文句は「自由と平和」のポスター6枚である。(他の「標語」は「ジェンダー平等」が1枚あるだけである。)訴えていく「標語」は決めたはずである。なぜこのポスター群に経済問題が一切ないのか、「自由と平和」と「ジェンダー平等」だけになっている。この辺が共産党の呆けたところである。せっかく訴えていく順番を決めたはずである。それが守られていない。公明党ならこんなちぐはぐな事をしない。
 参考に共産党が今掲げているポスター(高槻市の富田地区)では、一番目立つのが「大阪にカジノはいらない」2番目に目立つのが「気候危機」三番目に目立つのが「あなたの声で政治動かす立候補者の写真」である次に目立つのが、「なにより、いのち(ぶれずにつらぬく)」、最後に「戦争反対のポスター」である。




公明党の選挙戦の政策ビラの優れたところ。


 第一は、3つの挑戦と守りでなく、挑戦という攻撃的文言を使っている事。その後ポスターの打ち出しは、「日本を、前へ」という積極的な言葉を使っている。これはこの3つの課題に挑戦し、日本を一歩でも前に導いていきたいという整合性が取られている。
 それに対して共産党は「自由と平和」まっすぐつらぬく。これは、自由と平和という一般的な言葉を使い、自由とは何か、平和の実現の為に何を行うのか全く見えない。共産党のいう「自由」とは何か、党内とはいえ自由な発言を認めていない、確かに結社も自由であるから、発言の自由を認めない事も自由である。しかし国民に開かれた政党であるのであれば、民主主義社会における言論の自由を党内においても認めない限り、共産党が「自由」を掲げ
ても無意味である。 この間の重点政策の決定過程も疑問が残る。なぜ共産党は4つのチェンジの中に「気候
危機打開」、「ジェンダー平等」の2点が入ったのか?その後この「2つの課題は「やさしく強い経済」への5つに改革の4番と5番に格落ちしたのか、合理的説明が全くなされていない。
 この件は党員に聞いても明確な回答が出てこない。さらにはエリート集団で政策をつくっているため庶民との感覚にずれが生じている。「新自由主義を転換する」あるいは「気候危機打開」、「ジェンダー平等」「リプロダクティブ・ヘルス&ライツ等」難しい言葉を使い満足している。
 ジェンダー平等でも、今日の裁判で「同性同士の婚姻は認められない」みたいなことに本格的に取り組むのかと思っていたが、「男女の賃金格差の是正」が目的であれば素直にそういえば良いのに、何を狙っているのか把握できない。

共産党の政策から、社会保障の充実(弱者救済)の視点がおろそかになっている。

 
 公明党は3つの挑戦の一つに「全世代守る社会保障の構築を!をいれているが、共産党は「物価高騰から生活を守る」という範疇の中に社会保障全般を入れてしまった。物価高騰という経済の状況と、社会保障の概念とは全く違い、昨日(6/19)付赤旗にも、女性の貧困という見出しで、42年収め年金月10万円という記事が載っている。貧困は物価高からではない、社会保障の充実が必要である。国民の暮らしが厳しい理由を物価高に求めるノー天気な政策になっている。
 公明党は安心社会を目指す重点政策と題して、「安心して子どもを生み育てられる日本へ「子育て応援トータルプラン」年内作成。と表明している。ここでも公明党は共産党より優れた政策になっている。

 さらに公明党がすぐれているのは、候補者を登場させ、党の政策とは違い私はこういうことをやりたいというページを裏一面に確保している。
 そこで書かれているのは。
  1.豊富な国際経験を生かし人道支援を
  2.コロナ禍から命と経済を守る
  3.誰も置き去りにしない社会へ
と書いている。
 私は今回の共産党の政策を読んでいて、コロナ問題が前面に出ていない事が不思議に思ってみていたが、公明党も3つの挑戦に入っていないと見ていたが、個人の政策の柱にコロナ問題を入れてきている。
 共産党は政策全体の「2.物価高騰から生活を守るー弱肉強食の新自由主義を転換してやさしくて強い経済」の中に(3)年金削除の中止、給食無償化―経済力にふさわしく社会保障と教育を拡充します。の中の「コロナ禍の教訓を踏まえ、医療・公衆衛生の体制を抜本的に強化します。」という見出しの中に書かれています。 

 さらに公明党は、個人の宣伝の裏面で「誰も置き去りにしない社会へ」という見出しがあり、「障がい者の声を聴き」様々な改善に配慮など細かく書かれており、優れたビラに仕上がっています。

 ビラの表面は日本を、前にと書かれ、裏面は個人ビラなので、「大阪を前へ!」「いま必要な実現力!」と書いています。なかなかセンスの良いしあがりです。
 最後にビックリしたのは「政治改革、身を切る改革」と書いています。「身を切る改革」は大阪維新のキャッチコピーだと思うのですが、了解を取っているのでしょうか?なんでも拾おうという根性には関心します。