赤旗に注目すべき記事が載った。この間の地方選挙での敗北を共産党が認めた??



令和3(2021)年3月2日


選挙戦の負けの総括を一切しない共産党。赤旗は常に「勝った・勝った・また勝った」と書いている!


 共産党の選挙結果の記事は、常に「共産党は勝った」という記事で埋め尽くされている。この選挙では負けたという総括は聞いたことがありません。
 最近の事例は大分市議会選挙ですが、結果は完敗です。それでも(3議席から2議席に減らしても)共産党は、2議席を死守したと報道し、あたかも勝ったような様な演出をしています。(大分市会議員選挙の結果は、常識を打ち破る政党間の力関係参照)
 大阪では最新の選挙は茨木市議会選挙(令和3年1月24日)ですが、ここでも共産党は後退しています。共産党は前回9460票獲得し得票率は10.59%でした。今回は6669票、得票率7.59%でした。一方大阪維新は、前回19962票、得票率は22.35%でしたが、今回は、22752票、得票率25.90%です。※ 

※「大阪民主新報」紙は、茨木市議会選挙の結果を維新の得票率を17.42%と報道しています。維新に大負けした  のを、このような姑息な手段で隠しているように読み取れます。(これは言いすぎですが、一目見ればわかる凡  ミスをしています。) (消費税、コロナ、党建設、茨木市会議員選挙の結果等参照)

 大阪の共産党は「維新を叩きのめす」と言いながら、叩きのめされているのは共産党の方です。その原因は何処にあるのか探るべきですが、いつも負の総括をしない為、いつまでたっても負け続けています。ここに共産党の最大の弱点があります。

中間地方選挙の敗北を認めた共産党(赤旗 3月2日版)の記事は注目すべき記事!!


 赤旗は「中間地方選挙の教訓――後退傾向を前進へと転ずるために」3月1日 選対局長中井作太郎という記事が載っています。この記事に共産党の本音が載っていますが、解決方法は全く間違っています。

大見出し1.「2中総後の地方議会選挙―政権与党批判が党支持に結びついていない。」
 中見出しは「自公に厳しい審判半数以上で投票率アップ」と書いて、自民党や公明党がこの間いかに選挙で後退しているかを延々と描いています。
 この中見出しを如何に読むのか、私は「自公に厳しい審判、(共産党)半数以上で得票率アップ」と読んでしまいました。
 そのあとおもむろに、「党が立候補した選挙区で、選挙の投票率が、コロナ危機にもかかわらず、ほぼ半数近い選挙区で上昇しています。」と書き「昨年1年間で8割の選挙で前回を下回っていたことと比べ明確な変化です。」と書いています。これを私は「昨年、共産党は8割の選挙区で前回を下回っていたのに、今回は上昇に転嫁している」と読みました。
 見出しは「後退傾向と書きながら、昨年よりは今年は良いのか?」何かおかしな文書だなと思って読み直すと、「党が立候補した選挙区で選挙の得票率が、コロナ危機にもかかわらず、半数近い選挙区で上昇しています。」は、単に、選挙戦の投票率が増えたということを示しているにすぎません。なぜこんな分かりにくい書き方をするのか、常識を疑います。
 なぜ党が立候補した選挙区では、投票率が上昇しているという説明が必要なのか、共産党が立候補しなかった選挙区では得票率が減っているということを科学的に示さず、このような取り上げ方はアンフェア―です。しかも上昇しているのは半数近い選挙区であり、逆に言えば半数以上は減っているのです。一体何を証明しようとしているのか全く分かりません。
 この中井作太郎氏の原稿を読んで、誰もこの原稿はおかしいことに気が付かない共産の知的水準の劣化にあきれ返ります。 
 次に、「どこでも党の訴えに共感が広がり、自・公をおいつめる力を発揮しましたが、我が党の得票に結実させることに成功していません。」と書いています。これほど馬鹿げた文書はありません。科学ではなく独りよがりの発想です。党への期待が深まれば、得票率も上がるのは常識です。このような意識ですから共産党への得票率は上がらないのです。

大見出し2で「最大の教訓と課題――@積極的支持者を増やし、A自力の後退を克服する活動」と言う見出しで、最大の教訓と課題は、積極的支持者を増やし、自力をつけるための活動を選挙が迫ってからでなく、早い段階から行うことにあります。と書いていますが、最大の課題は基本的な選挙戦術に誤りがあるのであって、そのことには一切触れず、要するに下部党員の努力が足りないという総括になります。
 共産党はブラック企業を批判しますが、共産党こそが党員一人一人にノルマを課し、それが実現できたか点検するという、ブラック企業丸出しの活動形態を行っています。私は勤めていた頃、毎日の点検電話に疲れ果てました。時間を区切られ、数時間単位で現状報告を迫られ、選挙戦の最中には、明日仕事があるのに、夜中の2時、3時まで精神論で追い詰められました。私は常々、このような指導形態では党は伸びないと思っていましたが、中には党中央は絶対に正しいと主張する者が多く、自己の主張を表立って出すことは出来ませんでした。
 この見出しの最後は、「特別期間」の諸目標をやり遂げる時期を、前倒しにして、死活的課題としてとりくむことを強く訴えます。
 つまり党中央の反省は無く、党中央の指令をやりぬくことが重要である、死に物狂いで戦え(いうことを聞け)的指導です。このような指導を民間の有力企業が行っているでしょうか、明らかに人を掌握する手法に誤りがあると思います。

大見出し3で「大量政治宣伝と一体に担い手をひろげ、対話・支持拡大の総量を引き上げる」という項目があります。
 中見出し(1)で、正確な論戦を定め、全有権者にとどける大量政治宣伝をやり抜き局面を変える
 この二つの課題 @積極的支持者の獲得、A党の自力をつけるがやりきれなかったもとで選挙戦に入り敗北した。と書いているが、高槻市では、共産党のポスターやビラの配布が全く行われていません。ビラが手に入るのは赤旗中に折り込みされている場合だけです。私の活動は数十年も前になるので参考にはならないかもしれませんが、選挙の投票日前日配布しきれていないビラが10数枚ありました。地区にどうすれば良いか尋ねた際、10数枚をまとめて配布せよという指示が出ました。私は人のポストをゴミ箱の様に考えているこの指令には嫌な感じを持ったことを今でも覚えています。それぐらいビラをまききりました。
 見出しに「正確な論戦を定め」と書いていますが、高槻市の共産党が何を考えているのかは、我々一市民には何も伝わってきません。私は市議会の傍聴をやっていましたが、共産党の主張に拍手をしたことはありません。市の方針に対して全く切り込むことができず、人畜無害な政党になってしまっています。
 この姿を見て市民は共産党に期待をしていないのです。確かに共産党の国会議員の先生方は力量があります。しかし府会議員、市会議員は普通の良い人であり、市や府を動かすような議論ができる人がどれだけいますか?大阪都構想問題では、大阪の市会議員(女性は)しっかりしていましたが、府会議員は全くダメでした。

 中見出(2)で「対話の総量を思い切って引き上げる、打開のカギは担い手ひろげ」
 もう一つは担い手を広げることです。当たり前のことを書いています。しかしこの記事の中で気になる記述があります。
 北九州市議選では市全体の18歳から29歳の若者名簿を(選挙人名簿を2.7万人書き写し)作成ました。その中から八幡西区の新人候補は約6000千人の若者名簿をつくり「選挙グッズを袋」を届け、若者事務所も設置して、市議団長からのバトンタッチを成功させています。
 この部分は、違法性があり、危険な書き込みです。私も選挙名簿の役割をキチンと理解しているわけではないですが、この作業は個人情報保護との関連で問題があると思います。
 インターネットで
 ●総務省の「選挙人名簿抄本の閲覧制度が見直されました」と言う記事を見つけました。
   そこに、
  ★閲覧できる場合が以下のとおり公職選挙法に規定されました。(平成18年11月1日〜)
   @「特定の者が」選挙人名簿に登録された者であるかどうか確認するために閲覧する場合
   A公職の候補者等、政党その他の政治団体が政治活動・選挙運動を行うために閲覧する場合
   B調査・研究
 
 ● 鳥取市の選挙人名簿抄本の閲覧について
  ★閲覧の注意事項
   ☆閲覧は読み取りのほか、筆記による転記に限ります
    ⇒コピー、スキャナー、カメラ等による写真・撮影は禁止
   ☆転記した用紙はコピーをとらせていただきます。
 
 ●国立市の閲覧申請用紙
  ☆閲覧対象者の範囲をかく欄があります。(あらかじめ対象者を固定する)

 ●函館市
  ☆少なくとも住所・氏名が分からなければ「特定の者」とは認められません。

 現在住民票の無制限な閲覧は禁止されています。にもかかわらず選挙管理委員会が保有する選挙人名簿が自由に閲覧できるとすれば、まさしく法の抜け穴で、個人情報は守れません。
 総務省の注意書きでも「特定の者が」という書き出しで始まっています。また鳥取市の注意事項には閲覧で転記等をした場合、誰を転記したかの資料を提出させています。

 選挙人名簿をすべて写し取り、それを加工して選挙人名簿を作成して選挙運動を行う事は、選挙人名簿の公開の趣旨に反し、個人情報保護の観点からも否定される行いです。

 このような法律違反が伴うような選挙運動を奨励するのは愚かな行為です。

 中見出し(3)で「SNSの活用を選挙戦の柱にすえる」
  SNSの活用が重要と言うのなら、赤旗中心の活動と矛盾します。赤旗中心の活動は既に時代遅れです。赤旗 拡大で疲弊して言っているのが現在の共産党です。選挙だけでなく党全体が赤旗依存をやめる時が近づいてい ると思います。

 中見出し(4)で「情勢判断と対策をやり抜く」
  公明党や大阪維新は、当選者を常に上位に集めています。共産党は最下位当選が多く、または、次点で落選する場合が多いです。先の大分の選挙がその典型で、特徴を現わしています。昔の共産党なら票読みをしっかりして、票の移動を行い、次点者も当選させる力量がありましたが今はそのような力量はありません。
 もう少し自らの力が分かる力量を持つべきです。現役で落ちるというのは、現役時代に活躍していなかったことの証です。市民はよく見ています。どの議員が活躍し、どの議員が何もしていないか。
 要するにこの中井作太郎さんの「見立て」はすべて間違っていると思います。このような本質を見ないで、個々の党員が頑張れば勝てるという共産党の方針は、つぶれ行く企業の社長の力量が無いところに類似しています。 なんら原因を探りあてていません。