一紙で間に合う赤旗に逆行する「石原慎太郎の死去」報道



令和4(2022)年2月2日


 しんぶん赤旗は、赤旗拡大に当たって一般紙を取らなくても赤旗を読めば、世界の事が全てわかると説得している。果たしてこれは真実だろうか、今日の赤旗(2月2日)と毎日新聞を見れば、この赤旗の宣伝が嘘であることが一目瞭然と分かる。

一般紙に対抗できない赤旗の弱点(2月2日号)、3点を見ていきたい。


「石原慎太郎さんの死去」報道


 今日の赤旗記事で何が足りないのか、それは「石原慎太郎さんの死去」を2ページの一番下に7行ほどで報道した。この死亡記事は、一般の党員の死亡記事より小さな記事になっている。前に、大島渚氏が死亡した際も同じような扱いであり、批判した覚えがある。
 赤旗は政党の機関紙であって、一般紙の代替えを狙ったもので無いのならこの報道で許されるかもしれないが、赤旗が一紙で間に合う新聞を標榜するのなら、この記事はダメであろう。石原慎太郎氏と政治的立場が違っても、彼は作家としての活躍もあり、日本の政治の中で大きな足跡を残した人物でもある。共産党と敵対する政治思想をもつ者は抹殺するというような態度では、一般国民の支持を得られない。やはり習近平と同じだと思われてしまう。同じ政治の世界で戦った者として、哀悼の意味をも含めて記事にするべきだと思っている。
 今日の赤旗4面【政治・総合】にレーダーという欄に「安倍案件」放送しないNHKという記事があるが、その中に「安倍氏が困らないようにする放送をやめて「放送が健全な民主主義発達に資するようにすること」と記している放送法を巡視して当たり前の役割を当たり前に果たす番組にすべきです。」と書いているがその通りであり、「石原氏の死去」を極端に無視する姿勢はそれに反していないのか、考えるべきだと思っています。

サッカーW杯アジア最終予選が行われたが、赤旗は一切報道せず


 二番目の弱点は、昨日サッカーW杯アジア最終予選が行われた。日本チームは予想に反しサウジに2−0で快勝した。毎日新聞では19面【スポーツ】でほぼ一面を使い報道している。一方赤旗のスポーツ欄は「スポーツとジェンダー」という記事を載せ、サッカーでの日本チームの活躍を一行も使わず全く無視している。サッカーの記事は「54歳カズ『成長したい』」「サッカーJFL鈴鹿加入会見」が載っているだけである。その他「12球団キャンプイン」「ファン見守り球春到来」「阪神・矢野監督今季限りで退任」というような記事を載せているが、国民の見たい「W杯」の記事は一切ありません。

出産時の夫が父親  嫡出推定見直し


 三番目の問題は、毎日新聞一面トップ記事「出産時の夫が父親」「離婚後300日」「嫡出推定見直し」「法制審投信へ」という記事の扱いです。毎日新聞は一面トップで扱い、3面にクローズアップでほぼ一面使って説明しています。この記事は極めて重要な記事であり、毎日新聞の3面は「家族多様化『子の利益』重視」「虐待深刻化 徴戒権を削除」「戦後の民放変革期」との見出しを掲げて説明しています。
 現在は、離婚後300日以内に出産すると、子は「前夫の子」と推定されるため、出生届を出せずに子が無国籍となる事態が生じていました。そういう意味では画期的な変更です。夫婦別姓を反対する自民党が良くこの変更を認めたのはビックリします。
 共産党はジェンダー平等を選挙戦の重要な課題だと主張し、スポーツ欄で、W杯アジア予選で日本がサウジ勝利し、本戦へ前進したことより、「スポーツとジェンダー」を取り上げながら、「嫡出推定見直し」という女性の権利や子どもの権利が大幅に改善されようとしている「民法の改正」には、全く興味を示していない事には共産党の限界を感じます。

 赤旗はこの問題をどのように捉えたか、4面【政治】・総合】で「婚姻後は『現夫の子』」


 「女性の再婚禁止期間も撤廃」、「法制審『嫡出推定』見直しへ」という記事を載せていますが、客観的な形でこの内容を書いており、ジェンダー平等との関連で全く評価していません。
この改正が、無国籍の子どもを生むことを解消し、子どもの権利がまもられることなどの視点でもっと突っ込んだ記事を書くべきであり、おそらく官僚が書いた文書か、配信されてきた記事を使っているように見えます。
 毎日新聞とは記事の深みが全く違います。これでは一紙で間に合う新聞と胸を張ることが出来ません。