共産党は選挙でなぜ勝てないのか   no.1


  来るべき総選挙で共産党は必ず敗北する。(これ私の予言)

       共産党の主張する「選挙に勝つカギは何か」から推論すれば。



<赤旗拡大が選挙で勝つ唯一の方法・・この選挙戦術が最大の問題>

 共産党は、選挙で勝つ保障は、「赤旗の拡大が最大の保障だ」と常に言っている。選挙後の総括でも、「赤旗が前回比○○%しかなかったから負けた」というような説明をしている。共産党の言うようにこの理論が正しいのであれば、赤旗の現状は、前回選挙比で「日刊紙89.7%、日曜版86.6%」(9月3日赤旗7面「総選挙に決定的な8月・9月「大運動」の成果に立ち党勢拡大目標を総達成しよう」から・・以下赤旗からは全てこの文書の引用)の現状では、来るべき総選挙で共産党の敗北は確定的である。・・これは自明の理である。(戦う前に敗北がわかる、戦意喪失もいいところだ)

<馬鹿げた共産党の必勝論・・8月・9月全力で赤旗拡大>

 共産党の主張は、「この8月・9月で赤旗拡大すれば、勝利できるのだ」、というのかも知れない。しかし共産党の指導部は自らの党内の気分感情を全く理解しない、企業で言えば鬼のような管理職の集まりであり、この指導は必ず、党内で受け入れられず、失敗に終わるであろう。

 なぜなら昨年7月の第三回中央委員会から始まった「拡大運動」は、今年の6月が到達目標で有ったが、全く前進のない中、7月・8月を更に特別の拡大月間として追求してきた。(もはや「月間」で無く、「通年化」だ)。現在の党の持っている力を出し尽くしたのが、この拡大運動であった。

この間、地区党役員や先進的党員は不眠不休の戦いでこれに応え奮闘したと思われる。これら自軍の武将や兵隊がどの程度疲れているかの把握を行わず、成果を上げていないから引き続き「拡大」だという方針は、兵を束ねる大将として全く失格であり、このようなやり方で成果は上がらない。

 共産党は、選挙を科学とせずに、赤旗の拡大との関係だけで見ていく非科学的手法を取り続けている。この分析手法は選挙のプロを始め、共産党以外は誰も信じていない。唯我独尊の立場である。(おそらく共産党内の相当の部分もこの誤りに気付いていると思っている。)

<しかし、「負けたところは赤旗の部数が減っているのは事実」と主張>

 「赤旗拡大と選挙戦は関係が無い」と主張すると、必ず返って来る答えは「この間の選挙で負けたところは全て赤旗が減紙している」と自らの主張の合理化を図っている。共産党が党活動のほとんどを赤旗拡大に絞っている現状(通年拡大月間)で、赤旗の部数が減るということは、その地域の共産党がダメになっていることの実証をしているに過ぎない。さらに戦いの方針がこれしか無いのだから、赤旗が減るということは、「党が衰退している」のだから共産党の得票が減ることも事実である。(注1)この事実を持って赤旗拡大の重要性を訴えているが、そうではなく、選挙戦を赤旗拡大でしか迎えないから、部数の増減と比例しているだけである。(この論理の徹底のため、票の獲得のための有効な方法を全て放棄している。・・自ら墓穴を掘っている。)

注1:選挙戦だけでなく、赤旗がなぜ増えないのかも、整理しておく必要がある。

 =その原因として挙げられることは、=

  • @ 国民の生活様式が変わった。朝、必ず新聞を読むという習慣が無くなり、情報を新聞ではなく、情報端末
       機器から得る人が増えた。(一般紙も経営に苦心している。)

  • A赤旗が面白くなくなった。赤旗記者の政治水準が落ち、全く無内容な記事が多く、一般紙の方が面白い。
      (例えば、「大津・中2自殺事件」における共産党の報道は一般紙の後おいで、共産党の立場が全く打ち出
       せていない。)

  • B共産党という政治団体の魅力が失われた。(戦争を知らない世代が多数を占め、侵略戦争に唯一
      最後まで戦ったという勲章がもう通用しなくなってきた。)現在の日本の政治の中で、共産党がどの
      ような役割を果たそうとしているのか見えなくなってしまった。(党自身が「安定志向」の政策を重視
       し、「改革の党」というイメージを放棄してしまった。)

        (大阪ダブル選挙で橋下・「維新の会」と戦わず、「安全・安心・優しさの大阪」で戦った。これはその後の
       羽曳野市長選挙でも「幸せを実感できる都市」で戦った。) 

  • C大衆とともに戦う中で共産党の党建設を行うという考え方を否定し、党建設と大衆運動の高揚は全く無関
      係という思想を徹底した。   ・・この党建設論の誤りが党を破綻に導いている。

  • Dそもそも拡大対象が無くなっているのである。共産党は大衆運動の高揚と赤旗拡大は関係ないと主張する
      が、赤旗を収穫物に例えるなら、種をまき、畑を耕して、農作物を収穫するという段取りを踏まず収穫量を
      幾ら上げようとしても、農作物は育っていないのである。大衆運動の高揚こそが、強固な党建設の供給源
      である。この思想を確立しない限り、赤旗拡大は進まないし、逆に共産党の衰退はとまらない。

<共産党が選挙で負けるには「共産党が魅力を失った」から>

    =共産党は漂流している=

  選挙で勝つには何が必要かは、他党派の戦い方を見ればよく分かる。機関紙の対有権者比率が選挙の票数と比例するとは、他の政党は全く思っていない。例えば維新の会は、大阪ダブル選挙で圧勝したが、維新の会に機関紙があるのかも知らない。(この選挙戦の総括で維新の勝った理由に「機関紙が増えた」という話は聞いたことが無い。)

  選挙で勝つことと、機関紙の部数は全く無関係である。国民はそれぞれの政党が本当に私たちの生活を改善してくれるのか見ている。この国民の目から見て、「共産党は信用するに足りない」というのが敗北の最大の原因である。(注2)党中央は、敗北の原因は反共攻撃がだとするが、この論理は敗北の原因を他に求め、自己改革を行わない者の論理であり、都合が良いようだが、自己改革を怠るものは必ず敗北する。国民大衆から信頼を勝ち取るべき政党に成長していないから勝てないのである。(私の15通の意見書に、受け取ったという返事すら返さなかった。・・・・・国民からもっとも遊離した政党である。)

注2:共産党は正しいことを主張しているのになぜ信用されないのか

  • その最大の原因は、旧社会主義国の負のイメージを背負っているからである。その際たるものが、「民主集中制という党の組織原則だ。」民主主義社会で生きている我々は、自由に議論できることの価値を相当重要視している。3.11の震災でメルトダウンした原発を見て、党内の多くの活動家は、「原発は人類と共存できない」と感じたであろう。しかし党中央は「安全優先の原子力政策」を掲げ、我が地元高槻市では原発反対ではなく「原発の安全点検」をスローガンにして選挙を戦った。
    昨年5月1日、メーデ会場で突如志位委員長が、原発ゼロ宣言を行なったが、翌日の赤旗は、「党中央の戦列は「安全優先の原子力政策」を訴えて行進しました。」という記事を載せている。このように日本の針路を決める重要な政策決定が、「ある日突然一人の指導者の発言で変わる。」このような政策決定のプロセスの怖さを国民みんなが感じているのだ。

  • 大衆運動と党の関係を十分清算できていない。党員は大衆運動の中で大衆の利益のために最大限努力する。党の方針が大衆団体の方針に影響を与えるように奮闘する。しかし、大衆団体が民主的に決めた方針に対して党の方針を対置して、党の方針を優先させることは決して許されない。この基本方針を確立しない限り、大衆運動から党は放逐されて行く。 (かき回されるのはこりごりだという思いが運動団体の側にある。原水爆禁止運動がその良い事例だ。)

  • 党の運動は赤旗拡大に明け暮れ、全ての活動がこれに集約されている。例えば、市会議員は、議員としてその市に生起しているありとあらゆる問題に精通し、党の政策を語る能力を持たなければならないがこの力量が備わっていない。党組織がいつの間にか新聞屋さんになり、政治家として全く成長していない。(公明党と比較すれば明らかだ)

  • この間の共産党の誤りは、党勢拡大が思うように進まないところから、対象者を大幅に広げ、保守層への食い込みを盛んに宣伝している。9月6日付け赤旗でも「「オール十勝」のトップ39氏一堂に」「衝撃呼ぶ党経済懇談会」という記事が載っている。さらに「共産党の果たす役割党の人たちが考える以上に大きい」と書いているが、これが本当に十勝の人たちの思いだろうか。農業の現場で働く人たちの思いと、この39氏に矛盾は無いのであろうか、私は現場から、「共産党はどっちを向いているのだ」との声が聞こえる気がする。

  • 要するに共産党は漂流している。「誰に依拠して誰と戦うのか」、この基本的なところがわからなくなっている。「オール北海道」や「オール十勝」という共産党の方針が本当に農業の現場の人たちの声なのかそれとも正にこの39氏の企みではないのか。この分析を正確に行わず、ズルズルと保守の仲間入りをしている共産党に本当に未来があるのか。

  国民は政治的に成熟している。それぞれの党が信頼できるか見極める力をつけつつある。例えば、他党の例であるが、自民党谷垣総裁は、三党合意を批判した問責決議案に賛成した。これを国民は見ている。彼の政治生命はおそらく終わったと思われる。ただ彼らがしたたかなところは表紙(頭)を変え、化粧直ししてすぐに出てくるところだ。(共産党にはこの手は使えない。幹部は常に同じである。・・国民に試された人ではない。あくまで党内序列だ。)

 政策面で言えば、3.11の震災後の選挙で「安全優先の原子力政策」を掲げたことは万死に値するぐらいの政治的オンチの政策である。(この政治責任を取らないところが、共産党は国民に開かれた政党に脱皮できていないことを表している。)更には橋下・「維新の会」と戦った大阪ダブル選挙で掲げた「安全・安心・やさしい大阪」も共産党がここまで馬鹿な政党であったのかと大衆から見放されたスローガンだ。(梅田候補の票数を見れば明らかだ。・・・なぜそれが馬鹿げているかは、原発反対を掲げた鹿児島の知事選挙や山口知事選挙と比較すればよく分かる。)


    以下次号へ続く