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共産党は選挙でなぜ勝てないのか  no.2


共産党は革命政党である。 戦う国民とのつながりを求めず、

  保守との共同路線は、幹部請負主義であり、改良主義への堕落だ!



<そもそも党における拡大月間の位置づけは何であったのか>

 「拡大月間」とは、様々な運動を通して、党が国民大衆とのつながりを深め、信頼を受けているにも関わらず、それを把握できず、ほったらかしに、国民大衆の政治的成長の手助けができていない状況があるのではないか、定期的に「拡大月間」を設け、そのような状況を点検し、党と大衆のつながりを強めていこうという取り組みであった。

 比ゆ的に言えば、種をまいて耕し、成長した実を刈り取ろう(立ち枯れさせない)という運動であった。40年ぐらい前はこの「拡大月間」は、確かに指導は厳しかったが成果も大きく上げ、個々の党員の確信にもつながっていた。

 この拡大月間については様々の議論があり、とりわけて大衆運動の先頭に立っている党員からは評判は悪かった。なぜなら、共産党内では常に「卵が先か鶏が先か」の議論が行われ、党中央(機関役員)は常に、党勢拡大は、大衆運動の高揚とは、車の両輪であり、どちらがかけてもダメであり、とりわけ党勢拡大は「拡大月間」などを設け、独自に推し進めて行くことが重要と主張し、「大衆運動の高揚が先だ」という者を日和見主義だと徹底して批判してきた。

 先に挙げた9月3日付赤旗にも「何としても選挙で勝ちたい」―これは全党の痛切な思いであり、国民の切実な願いにこたえる道です。「いかに国民運動が高揚し、日本共産党が大きな役割を果たしても、選挙では勝つことができない」―これは党史が示す教訓です。」(注3)と主張されているが、この思想(考え方)こそが現在の共産党の最大の弱点(一本足の活動路線)である。この思想は二本足の活動(注4)を否定し、明らかに党の最大の目標は党勢の拡大だという立場性を明確にした論理である。  

   この理論の克服抜きに共産党の躍進は絶対にありえない。私がこのサイトを立ち上げた理由の大きな要因は、「この思想の撲滅を図らない限り共産党は躍進できない」という考え方の潮流を作ることもある。

注3:「この党史が示す教訓です。」は全くのでっち上げであり、著しい怒りを覚える。党史の示す教訓は、大  
   衆運動の高揚の中で達成された。60年安保、70年安保を通じて、さらに大学闘争などを通じて党は発展して
   きた。・・・これについては後日詳しく触れてみたい。   

注4:共産党は、「拡大月間」の党内の批判に対して、二本足の活動を唱えていた。大衆運動も大事だが、同時に
    その成果物の刈り取りを行わないと、党は大きくならない。これは車の両輪の活動だと説明してきた。
     しかし9月3日付の赤旗では、「大衆運動の高揚と選挙の勝利は無関係」「赤旗拡大こそが勝利の保
    障」と言い、それが「党史の示す教訓だ」とまで言い切った。(これは1本足の活動路線(思想)であ
    る。)

  9月3日付けの赤旗の主張(一本足の活動)は、おそらく共産党を「断末魔に落とし込む悪魔のささやき」である。どうしても成果を上げたい(赤旗の拡大をしたい)党中央を始めとする機関役員の本音(主張)だ。(注5)個々の党員は国民大衆と寄り添い大衆の要求をどう実現するか日夜奮闘している。悩みも沢山ある。ところが地区等の指導部は赤旗拡大の指導以外何の能力の無いものの集まりである。(私のHP内の大阪府委員会高槻市委員会のバカ10連発参照)この様な幹部(大衆運動に全く関心のない)から、赤旗拡大が大事と幾ら言われても、それはしっかり受け止めることは出来ない。共産党に入党した多くの人は、国民大衆の要求実現のために自分も戦いたいという思いで入党している。この党員の思いが分からず、党機関から要求されるのは赤旗拡大ばかりである。その指導で党員をつぶし、9万人もの党員をこの間除籍している。

注5:共産党は、この赤旗の収益を党財政の基本に据え、赤旗が拡大できないと財政面で破綻するという仕組み
    を作り上げてしまった。極端なことを言えば、赤旗が収益を上げないと、党の幹部の給料が出ないところに
    追い込まれている。(これがヒステリックな拡大運動に結びついている。)
    もう赤旗中心の活動をあきらめ、政党助成金をもらって、党の財政基盤を立て直す決断が求められている。

<共産党の方針(赤旗拡大こそが選挙の勝利の保障)を理解すればするほど、総選挙を戦う意欲を失う>

 選挙戦が何時になるかは、定かではないが、私は来るべき選挙で共産党の赤旗が現状よりいい数字になっていることはまずありえないと思っている。(前回選挙時比を上回ることは至難の業である。)もしそうであれば、選挙の出陣式で意気が上がるはずがない。(赤旗が増えていない限り躍進しないのだから。)共産党は自らの理論(赤旗拡大せずに選挙は勝利しない)に縛られ、負けることが告示前に判ってしまい、この戦いに力が入らないことは明白である。・・・全く馬鹿げている。

 選挙に勝つためには、勝つためのノウハウが本来あるのだ。他党派が身に着けているそれらの内容を全く学ばず選挙を戦うからぶざまな負け方をするのだ。先の一斉地方選挙の大阪や高槻の戦い方は正にこれである。

※何がダメなのか、

  • 第一に、選挙の争点が描けない。地方選挙では「原発の安全点検」大阪ダブル選挙では「安全安心の     やさしい大阪」みたいな標語で戦った。(注6)

  • 第二に、与党志向が強く、国民の要求を基本に据えた戦いを組織していない。
           現状の問題の本質と改革案を権力側に対置しない。(できない。)     

  • 第三に、選挙を戦う初歩的なノウハウを持っていない。例えば、市会議員候補者5名の候補者のポスターの       デザインは皆同じで、写真だけが違っていた。金太郎飴作戦・・・・・全く国民をなめた戦略。(没個性
            だ)

注6:駅頭で総選挙用の「近畿民報」というビラをもらうが、1号については既に批判したが、いま3号が手元
       にあるが、この内容も、表面半分は消費税反対、もう半分は、猛暑でも電気足りた。裏面は、尖閣列島、竹島
    全千島の記事である。このビラの最大の弱点は、自民党右派のたくらむ争点ずらしにお手伝いしている
     ことと、原発反対を全面に掲げていないことだ。(「電気が足りた 何だった?!」というような自己の主張の
       弱い記事になっている。・・・ここでは、「原発再稼動反対」を全面に出すべき)

  この間の選挙戦全てで、戦う者の基本が分かっていない間抜けなスローガンで戦っている。(例えば、幸せが実感できる都市)これらは全て赤旗の部数との関連で選挙を見ているため、選挙を戦うための具体的な戦術・工夫が全くなされていない。例えば候補者の人選やポスターの写真の表情なども、全て時代遅れである。

  赤旗の部数の増減でしか語らないこれらの選挙のやり方は、考える力を全て失い、共産党だけが独りよがりで勝手に戦っている選挙戦になっている。(もう既に、異質な存在になっている。・・・「反共攻撃」という相手もしてくれない。)

<国民は共産党に何を期待しているのか>

 それぞれの政党にはそれぞれの役割がある。共産党は国民からどのような役割を期待されているのか全く把握できず、悪徳商法の幹部のように、「何しろ赤旗拡大の成果を上げて来い」と尻を叩きまわっている。売れない商品を売りに回る(大衆が喜んでくれるのでもない)これは、哀れなセールスマンの姿である。

  国民が共産党に期待しているのは、アメリカ中心の国のあり方や、国のエネルギー政策の根本的見直し、更には国民生活を守ることだ。その際、敵が誰で見方がだれかその区分を明確にして戦うことが大切だ。現在の共産党の最大の弱点は「オール北海道」という主張に見られるように、国民の中にある階級的な利害対立に目を背け、なにか、全ての国民の利害が一致するような幻想を振りまいていることである。

  選挙戦で戦うということは、「誰と戦い、何を守る」のかを明確にしないものは勝てない。何故勝てないのかは、そうしたロジックがわかっていないから、選挙の争点作りに成功していないからである。以下、勝ったものの論理と負けたものの論理を明らかにする。

★選挙戦で勝った者の論理

   国民の期待は「破壊」と「想像」(この間の選挙で勝ったものの主張でもある)

  もう少し単純化して判りやすく言うと、国民大衆が望んでいるのは「破壊」と「創造」である。これを見事に演出したのが小泉氏だ。彼は「自民党をぶっ壊す。」「痛みを伴う改革」という言葉を使った。また、橋下氏は、「既得権益をぶっ壊す」と言った。この間の選挙の勝利者は、まず「破壊」を唱えた者が勝利しているのだ。(海の向こうでは、オバマが「チェンジ」と言ったのも、今回の選挙で言えば国会議員を半数にする。維新の政策がそれだ。)これは若者が大学を出ても就職できない、200万以下の労働者が増えている未来の日本の展望が描けない閉塞感のある今日の状況に合致しているからだ。(戦いが起こらないのが不思議なぐらいの現状である。)

選挙戦で負けた者の論理

   共産党の主張は、「安定」と「調和」

  国民大衆が共産党に求めていることは、「権力と真っ向から戦うことである。」この戦いを放棄した共産党には政党としてなんの魅力もない。維新が選挙戦に登場してから戦われた大阪の選挙結果を見れば明らかである。維新に最も多くの票を奪われたのは共産党である。(箕面市の選挙戦の総括参照)なぜなら維新にはラジカルな政策があるが、共産党には「安定志向」の政策しかない。その最たるものが「安全・安心・やさしい大阪」である。(防犯協会のスローガンである。)

 

<国民大衆の運動に依拠して強大な党建設を行う・・これが勝利の保障>

 大衆運動の高揚と党の組織の拡大の関連性を認めない限り、共産党は強大な共産党の建設はできない。共産党は前衛政党(党自身は否定しているが)同時に国民大衆の政党である。その力の源泉は国民大衆の戦いの中にあるのだ。

 常に国民に寄り添って戦いながら、国民に政治的力量の高揚を手助けし、同時に国民の戦うエネルギーから党は学び成長するのだ。この国民の戦いから学ぶという思想を確立しない限り、共産党の躍進は実現できない。国民大衆とともに戦ったことも無い機関役員から、「赤旗の拡大だ・拡大だ」と唱えられても、それは達成できないし、また党は成長しない。

  9月3日付け赤旗がいう「党勢拡大は大衆運動と無関係」という思想は、党勢拡大のみを自己目的化してしまい、大衆運動の最前線で戦っている党員に対して、幾ら大衆運動を頑張っても、党勢拡大ができないのなら何の意味も無いと詰めより、赤旗拡大をしない者は党員としての資格が無いと真面目な党員を苦しめている地区等役員等の考えかたである。この論理は、大衆運動の活動家から見れば、背中から矢を射る論理であり、絶対に受け入れることのできない指導である。

大衆運動を否定する「一本足の運動論」は、党の最大の目標は、「党を大きくすることであり、大衆の利益ではない」と言い切っているようなものだ。「窮すれば鈍する」というが、今の共産党の姿である。

 自転車操業に陥った中小企業の社長さんの水準で党運営を行っている。(中小企業の社長さんには失礼ですが)

 ここまで言うと、これは誹謗中傷であり、反共攻撃だと共産党は叫ぶであろうが、共産党の幹部だけが気付いていないのであって、多くの国民は気付いている。共産党の市会議員の力量の無さや地区の指導力の無さには、目に余るものがある。(大阪府委員会のバカ10連発高槻市委員会のバカ10連発参照)

  私は極端なことを言えば、共産党は国民を騙していると思っている。共産党が躍進すれば、世の中が変わる。例えば市の行政が大幅に変わると宣伝しているが、当選した議員は「赤旗拡大」以外にたいした能力も無く、市政運営に何ら影響力を持っていないのが現状である。(政党としての力量が全く育っていない。・・・公明党と比較しても)

  共産党の再生は、機関紙中心の党運営から脱却し、大衆とともに戦う姿を取り戻さない限りありえない。国民大衆は、現状では共産党に「統治」を望んでいない。あくまで権力に対する抵抗者としての共産党に期待しているのである。共産党の躍進は、権力と真正面から戦う中にあるのであって、保守との共同や赤旗の部数を増やす中にあるのではない。これを共産党の幹部が何時気付くのか、私は10年戦争を楽しみながら仕掛けている。