黒川辞任ー国民の怒りを結集できない「しんぶん赤旗」−もはや役割が果たせない!


令和2(2020)年5月22日


黒川辞任―国民の怒りを結集できない「しんぶん赤旗」―もはや役割が果たせない!


 共産党は赤旗の読者が激減している。拡大月間を行いながら4月には減紙であった。この原因は何か、いろいろあるが、赤旗自身が全く面白くない。インターネットを見れば赤旗よりよっぽど面白い記事がいっぱいある。赤旗は死滅した。その最大の原因は国民の怒りを結集することに無関心である。

黒川検事長が賭けマージャンで辞任に追い込まれた。赤旗はこれをどう伝えたか!

 
 5月22日赤旗は「黒川検事長辞任へ」「賭マージャン認める」という見出しを掲げ、中見出しは「処分は"訓告"」と書いていますが、この"訓告"という処分が適当か否かの判断を全く書いていない。これが赤旗の限界である。
 5月21日、テレビ番組(ひるおび)で黒川辞任が話題になった際に、安倍首相の犬とまで言われ「田崎スシロウ」と揶揄されている田崎氏が、驚くような発言をした。「『辞任』そんな甘い判断ではダメです。彼は「検察官適格審査会」に諮り「罷免」するべきです。」また「賭マージャンに対しては当然逮捕するべきです。そうしないと口裏を合わせてしまう」とまで言い切った。そして、辞任では退職金(約7000面円)が支払われますよ」言い、さらに「罷免の場合は3年間弁護士資格もはく奪される。それぐらいの処分を受けるべきです。」と彼は言い切りました。
 同じ趣旨の発言を22日放送の「とくダネ!」でも発言している。この内容はスポーツ報知がインターネット上に記事にしている。
 この田崎氏の言った内容を共産党は主張すべきだと私は思います。これこそが庶民感情です。ただ田崎はなぜこの発言をしたのか、黒川氏が悪いやつだと印象付けし、安倍首相に批判の目が行くことを避けるために彼なりに一生懸命やっている行為だとは思われますが。

黒川辞任に対する他党派の反応は

 公明党は北側一雄中央幹事会長」は21日記者会見で「報道が真実なら極めて遺憾だ」と不快感を表明した。「黒川氏の定年延長については『検察当局の判断がどうだったのかが問われるべきだ』と述べた」。実はその前日(20日)公明党石田祝稔政調会長は「事実であれば職務を続けられる話ではない」と述べている。(日本経済新聞)
 北川発言はこれを補強し、責任追及が官邸に及ぶことを避け、安倍首相が唱える検察当局側からの話と矛先を変えている。
 自民党は、「事実なら辞めざるを得ない。自ら身を引いてもらわないといけない」と語った。(自民党幹部)(日本経済新聞)
 立憲民主党の安住淳国対委員長は21日、国会内で記者団に「黒川さんの(定年)延長は余人をもって代え難いと言ってきたのは安倍晋三首相だ。本来だったら総辞職に値する」と語った。(時事ドットコムニュース)
 こうした各政党などの話の中で田崎史郎氏の発言が一番的を射ている。(狙いは別として)
赤旗は黒川辞任を一面トップではなく、一面の左端に載せ記事を書ききれないため続きを二面に引き続き書いている。(1面トップは「パンデミックの収束へ国際社会の連帯と協力を」を載せている。―これもピンボケだと思う。国民の関心は黒川氏の辞任だろう。毎日新聞の1面トップは黒川検事長きょう辞職である。)
 赤旗は記事を2面に引き継いだため、「処分は"訓告"」だけで、何ら価値判断をしていないように見える。2面を見ると、見出しに「黒川氏の辞表提出」「幕引きは許されない」「安倍政権の責任重大」と掲げ1面から記事が引き継がれている。
 しかし1面からの引き継いだ「処分は"訓告"」の結論は、「辞表を提出しました。しかし、黒川氏が辞任すれば済む問題ではありません。」結んでいます。この書き方は、辞任は認めるが、安倍首相の責任はまだ残っていると書き方です。確かにその通りですが国民の怒りは、コロナウイルスで自粛が求められみんなが我慢している中で、検察のナンバー2の人間が賭けマージャンしていて、辞任すればそれでオトガメなしということに違和感を禁じえず、田崎氏が主張する、「検察官適格審査会」に諮り罷免し、また逮捕されることを望んでいるのです。
 国民は賭けマージャンで逮捕され、なぜ高級官僚は逮捕されないのかここに怒りがあるのです。まずこのおかしさを追及すべきです。そのうえで安倍内閣の国民不在の政治を追及すべきです。「幕引きは許さない」と言っていますが、この最初の第一歩(黒川氏に対する追及)を見逃せば、次々と見逃され、結局は安倍内閣に逃げられてしまうのです。

 話をもとに戻してすいませんが、本日の赤旗の紙面トップに黒川氏の辞任を取り上げなかったことに共産党の敗北があるのです。(政治的センスがまったくありません。)
 この政治的センスがないという言い方は優しい言い方で、要するに中国や北朝鮮と同じような紙面構成を行っている。トップの記事は志位委員長が記者会見した記事である。確かに政党の機関紙であるならこの構成で良いのだが、赤旗は1紙で間に合う新聞と標榜している。そうであるならば読者の興味は何処にあるのか、圧倒的に黒川辞任だと思われる。一般紙では、志位委員長の記者会見を全く載せていない。大衆の要求より、党幹部の記者会見記事を優先していては、多くの国民は受け付けないであろう。

 いつもいつも書き上げてから新たに思い付きが発生し、文書を継ぎ足しているが、申し訳ないが今日もここからまた書きたいことが発生した。それはこの文書を書きながら、ヒルおびを見ていて、私の感性に合った報道が沢山行われた。

 まずヒルおびは、コロナ問題を取り上げそれから検察問題に入る順番だったが、今日は黒川辞任から始まった。朝日放送の報道ステーションもこの間、検察問題は軽く扱ってきた。4チャンネルのニュース23は検察問題をここ2日間トップ記事で扱っている。その重要度の扱いがそれぞれ違う。
 今日のヒルおびでは、いつものメンバー(八代弁護士と松尾依里佳さん、竹内薫氏)と大澤弁護士と若狭弁護士さらには田崎史郎氏であった。最初に黒川氏に対する処分が"訓告"で正しいかの議論が行われ、若狭弁護士や大沢弁護士が、賭マージャンの立証が難しいという話が交わされた。その次に振られた京大出のヴァイオリスト松尾さんが、黒川氏の賭マージャンのことを捉え、立件が難しいという会話に疑問を呈した。「黒川さんがこのウイルス騒動下でみんなが自粛強いられている中で、『三密』を犯して賭マージャンしていることがおかしいのではないか?」「立件できるか否かで、『おかしいかおかしくないか』という議論は間違っているのでは」と疑問を呈しました。この彼女の鋭い突っ込みで二人は黙りました。
 彼女の庶民感覚こそが正しいのであり、共産党もこれら二人の弁護士と同じで、庶民感覚ではないところから出発している。
 その後の論議は、若狭弁護士、大澤弁護士、八代弁護士、田崎史郎氏すべてが"訓告"ではダメだ、警察は逮捕すべきだに流れは変わりました。 八代氏は「私は基本的に検察を信用してきませんでした。もし今回の事件で黒川氏が逮捕されず何のオトガメもないのであれば、私がかすかに検察を信頼していた点もなくなり、全く信用できなくなります。」と発言された。
 ただ田崎氏は、責任が安倍首相に及ぶことを避けるため今回の「黒川氏の定年延長は官邸側の要望でなく、検察側の要望だ」と主張し、検事総長から何の見解を発していないのはおかしいと、現検事総長の首を取ることを狙い、安倍一強をさらに推し進めようとしている魂胆が見え見えでした。