すべての小選挙区で候補者擁立を目指す(共産党)

 「全選挙区に立候補する」この方針は果たして正しいのか?


 共産党は来るべき総選挙ですべての小選挙区に候補者を擁立して総選挙での躍進を目指している。(民主連合政権を樹立する目標に向けて、新たな本格的スタートを切る選挙)この方針は果たして正しいのでしょうか。以下大阪10区の具体的実情からこの方針を批判的に見ていきたい。

 本日(5月26日付け)の大阪民主新報2面に、「日本共産党、新たに7氏を擁立、小選挙区全19区に候補者」という記事が載っているが、私の地元大阪10区はA氏となっている。これを見て驚いた。(こんなことで本当に良いのかと)

 私はこの候補者の擁立には大きな疑問を持っている。この候補者は過去の様々な選挙に立候補しており、すでにその実力はためし済みの人物である。(泡沫候補である。過去には赤尾敏や最近では羽柴秀吉と同じ種類の候補者である。)

 この人物の過去の実績を羅列すると

  ★2003年:市会議員選挙   1514票(当選には2000票必要)

  ★2009年:衆議院選挙    18425票(辻元清美は109693票獲得)

 この彼の獲得数はその時点での共産党の基礎票(最低の得票数)を表しており、彼という人物が市会議員や国会議員にふさわしいと思って投票した人は一人もいないという候補です。(極端に言えば)

 私は「意見書15」でもこの問題を取り上げ、共産党の選挙戦術の根本的問題点は国民の選挙行動の基本を見逃している。国民は党派で投票する者半分、人物で投票する者が半分という実態に背き、魅力のない候補者を担ぎ、組織戦だけで選挙を戦っている。これでは勝てないのは当たり前だと批判している。

 そもそも共産党は、新聞拡販員は育てても、政治家を育てていない。育てていないから、地区の常任であるA氏を使い回しして選挙戦を戦おうとしている。この戦術はA氏に無礼だけでなく、国民を愚弄するものである。政党して自信をもって候補者を国民に訴える確信もないまま、党中央からが全小選挙区に候補者を擁立せよという指令を忠実に守り、選挙を消化試合にしてしまっている。国民に真摯に対峙した選挙戦を戦っていない。このような行為(党中央を見て国民を見ない)選挙戦を行えば行うほど共産党は国民から見放されることを知るべきだ。

 この人物(A氏)について具体的に触れるのは、A氏に失礼ではあるが、私が15通の意見書を出す契機となった人物でもあるので、どのような人か一言触れておきたい。

 私は15通の意見書を党中央に出したが、その主要な柱は、橋下・「維新の会」と原発問題であった。共産党は「安全優先の原子力政策」という訳の分からない方針で一斉地方選挙を戦った。私はこれを厳しく批判していた。5月1日メーデー会場で、志位委員長が「原発ゼロ」を掲げたので私はこれを歓迎し、やっと共産党も原発反対の立場表明をしたと判断した。

 ところが5月15日付けの高槻の共産党の地域ビラで、「安全優先の原発政策」という方針が書かれていたため、私は高槻市委員会に抗議の電話を行った。(たまたまA氏が電話してきた・・記憶が定かでない。)その際対応したのがA氏だった。私は「5月1日のメーデ会場で志位委員長が「原発ゼロ」と発言している。共産党の原発政策は「原発ゼロ」だ、今頃なんでこんなビラを出すのか」と抗議した。

 その際のA氏の回答は「共産党の原発政策は、今でも安全優先の原発政策だ」と主張したため、私は「あなた方は赤旗拡大を必死で訴えているが赤旗を読んでいるのか」と罵倒した。そしたら「だから新しいビラを作っているので読んでほしい」と何回も繰り返し、FAXで我が家に新しいビラを送ってきた。そのビラは確かに原発ゼロの立場であった。

 さらにこの話には後日談があり、私が15通の意見書の最後通告を突きつけた時、市委員会から2名の者が会いたいといってきたが、その2名の内の1名がA氏であった。彼は、「私と電話で言い争ったのは4月の話であり、「原発ゼロ」の方針はその時点では出ていなかったので、私の主張は間違っていなかった」と強弁した。その時点では私は5月の中旬以降であったと反論したが、証拠が突きつけられず、話は平行線に終わったが、彼らが帰宅後資料を探して、A氏が私との議論後FAXで送ってきた「ビラ」を見つけ出すことができた。FAXには送付日が機械的に印字されており、5月15日であったことが判明した。

 A氏は自己の主張を通すため、平気で嘘をつく人物である。(最も自分の言ったことすら理解できない人物かも知れないが)このような人物が国会議員の資質があるのか、はなはだ疑問である。私は今まで共産党にずっと投票してきたが、今回は、この人物を推すことはどうしてもできない。

 共産党の本当の意味での建て直しを図らないと、このような人物に依拠している限り共産党の再生はないと思われる。

PS:一斉地方選挙で私が共産党はダメだと思った最初のきっかけはM府会議員候補の選挙ビラであった。そこに
    は反原発も反橋下・「維新の会」も無く、本人が苦労人であり京都大学を出た秀才だというビラに「カチッン」と
    来たことが最初である。学歴を前面に出したこのビラは間違いだと指摘した。

    ところが、今回のA氏の略歴には学歴が無い。共産党は大卒のときは学歴を入れ、そうでないときは学歴を
   入れない。この辺にも共産党の醜さが現れている。

参考:大阪民主新報5月26日2面・・新たに7氏を擁立

        大阪10区・A氏
        豊中市出身。元大阪よどがわ市民生協労組分会長。現在、党高槻・島本地区委員会副委員長。