毎日新聞「各候補者に聞く」は各党の本音を描きだした。取り分けて共産党!


平成29(2017)年10月15日


毎日新聞「各党候補者に聞く」は各党の本音を描き出した。取り分けて共産党!


 毎日新聞(10月14日)は、各政党の立候補者にアンケートを実施し、その回答を集約する中で、各政党の主張が何かを読者に分かりやすく示している。
 その質問の柱は、改憲と増税であるが、改憲では、改憲推進派の与党の候補でも温度差があることが分かる。

憲法:9条改正 自衛隊明記】

 自民党は9条の改正(自衛隊明記)に75%が賛成であるが、公明党は賛成25%、反対31%であり、公明党が必ずしも改憲勢力でないことが分かる。それに比べて希望は55%が賛成であり、27%が反対である。それだけでなく5%は国防軍を求めている。まさに第2保守であり、民進党から移籍した議員たちの本性が浮かび上がる。さらに維新であるが、24%が賛成、6%は国防軍を求めているが、残り70%無回答である。
 野党側は、共産・社民が100%反対であり、立憲民主は5%が賛成、95%が反対である。希望に移籍しなかったが、逃げ遅れた人が一部いるのかもしれない。

【消費税の増税】

 もう一点の柱である消費税の増税は、公明・自民がそれぞれ94%・93%賛成であり、その次は立憲民主の10%が続く。希望は6%、維新は2%しか賛成していない。共産・社民は100%反対である。税については与党が賛成、野党が反対という構図になっている。希望や維新というどちらかという保守であるが「風」頼りの政党は増税反対派の立ち位置を取っている。
 自衛隊問題では、与党と野党という線引きでは語れず、護憲派(共産・社民・立憲)と改憲派(自民・希望・維新)に分かれ、公明党はやや反対が多いという構図になるが、増税問題では、与党(自民・公明)と野党(共産・民主・希望・立憲民主)でその立ち位置が分かれる。

対北朝鮮圧力・対中・対韓外交では、面白い分布が現れる。(共産党の本質が出る)

 対北朝鮮への圧力では、不適切か適切かの二者選択であり、もう一つ面白くない設定であるが、適切派は、自民95%・公明96%・維新90%あり、希望は適切33%、不適切が55%あり不適切の方が多い。(希望にも良心派がいるという事か?)一方不適切派は、立憲民主91%、共産・社民が100%である。
 増税問題では与党・野党で分かれたが、ここでは野党である維新が適切90%、・不適切4%となっている。与党の補完勢力と言われる所以である。

【対中・対韓外交】
面白いのは「対中・対韓外交」、ここで共産党の立ち位置が与党か野党か分からなくなる
 以下毎日新聞の図表を引用する。
〇対中国政策
現 状 維 持
よ り 強 硬
よ り 柔軟



公明 92%
共産 30%
社民 90%
維新 80%
希望 26%
立憲 62%
自民 77%
維新 16%
希望 28%
希望 79%
自民 11%
共産 22%
立憲 23%
立憲  6%
自民  8%
共産  1%
公明  0%
公明  4%
社民  0%
社民  0%
維新  2%

 この表から見えてくるのは、共産党の中国問題に対する政策の一貫性のなさが浮かび上がってくる。「より強硬に」が30%あり、与野党どの政党よりも高い位置にある。これは中国共産党と日本共産党は同じだという批判をかわす為、尖閣列島問題等で中国批判を前面に出しているからである。
 共産党のすべきことは、「中国は社会主義国ではない」と宣言すべきであり、同時に敵視するのでなく友好関係を築くべきある。「より柔軟に」は、社民は90%あるが、共産党は22%しかない。共産党は中国問題の混乱をかたづけない限り、選挙戦で躍進することはない。

〇歴史問題を巡る対韓政策
静 観
対 抗 手 段
民 間 友 好



維新 80%
自民 27%
社民 86%
自民 32%
希望 16%
立憲 86%
希望 26%
 維新 16% 
希望 60%
公明 20%
立憲  1%
公明 47%
立憲  8%
公明  0%
自民 25%
社民  5%
共産  0%
共産 16%
共産  0%
社民  0%
維新  8%

 この表も共産党の特徴が出ている。設問は三択であるが共産党の多くは選ぶことができず、民間友好16%だけが数字として挙がっている。この民間友好は社民86%、立憲86%、希望でも60%もあるのに、共産党は16%しかない。
 共産党は、「在日本大韓民国民団」あるいは「在日本朝鮮人総聯合会」と友好関係を結んでおり、韓国からも招待されて国会議員を派遣するなど、一番民間友好が進んでいるはずなのに、国民の中に一定強固にある反韓思想に恐れ、民間友好を上げることができない。 
 自民ですら民間友好を25%の人が答えているのに、共産党が16%というのは共産党の「頭隠して尻隠さず」の政策的まずさがある。堂々と民間友好を掲げるべきである。
 この二つ(中国・韓国)の表を見ていると、社民党は正直に答えている。対中国政策はより柔軟に90%が答えており、共産党の22%とは大きな違いがある、さらに歴史問題を巡る対韓政策でも社民党は「民間友好」を86%(立憲民主も86%)答えているが、共産党は16%でしかない。
 小池氏が緑の服を着ているのはカメレオンだからと爆笑問題の太田光氏が言ったが、共産党も国民の意見の多数派が今どこにあるかを探りながら答えている。社民党の答えの方が一貫しており歯切れがよい。
 自己の本心を隠して大衆に迎合するような姿勢を通していても、小池百合子がカメレオンと言われるように、国民は見抜いてしまう。正々堂々と自らの主張を述べる者のみが生き残れることを自覚すべきだ。(金と権力のない者は・・・)