選挙戦の総括は誰もが納得できるものを!
     大阪府委員会 山口勝利委員長の談話は正しいのか


                                              平成24(2012)年12月30日

 2012年12月30日(日)・2013年1月6日(日)付け大阪民主新報は、日本共産党大阪府委員会 山口勝利委員長の談話を載せている。見出しは「草の根の力強め参院選勝利へ」「たたかいの最前線・大阪で奮闘を」となっている。

 中見出しを見ると「虚構の多数による”自民党圧勝”」、「「改革ビジョン」への共感広がる」、「政党間の力関係変える取り組み」、「各分野で生まれた新しい共同に」、「大阪がかわれば日本が変わる」となっている。

 さらに小見出しを拾うと、「得票を5分の1に減らした民主」、「重要課題で展望示せぬ自公政権」、「大阪市内で民主比例票を上回る」、「選挙区勝利の悲願を実現したい」、最後の締めは「「赤旗」と「民報」が果たした役割になっている。

 この記事を読んでいると、他党派はみんな敗北し、共産党だけが躍進したかに見える。しかし現実はそうではなく、共産党は全国的に大敗北している。(目標との関連で)さらに共産党が最悪だった10年の参議院選挙比でも、大阪は後退している。

全国的には10年参議院比で100.53%であるが、大阪は87.52%であり、前回衆議院比では全国で74.62%、大阪では67.25%である。大阪10区(高槻・島本)は69.84%である。(資料1・資料2参照)大阪全体より、高槻の負けが少ないのは、既に負け続けているからである。

資料1:10年参議院比(常任幹部会声明が引用した数字でもある)

★12年衆議院選挙比例代表(全国 大阪)10年参議院比

比例区

大阪府




全国





得票数

10年参院

10年比

億票数


10年参院

10年比

共産党

314840

7.76%

359722

87.52%

3689159

7.63%

3563357

103.53%

自民党

852061

21.00%

739214

115.27%

16620000

34.38%

14071671

118.11%

公明党

590344

14.55%

698438

84.52%

7110000

14.71%

7639432

93.07%

民主党

375593

9.26%

1113187

33.74%

9620000

19.90%

18450140

52.14%

維新の会

1462093

36.04%


 

1226000

2.54%


 

みんなの党

238050

5.87%

549028

43.36%

5240000

10.84%

7943650

65.96%

未来の党

172826

4.26%


 

3420000

7.07%


 

社民党

51477

1.27%

120962

42.56%

1420000

2.94%

2242736

63.32%

合計

4057284

100.00%

3580551


48345159

100.00%

53910986



 資料2−1:前回の衆議院比(この数字の方が本来比較すべき数字)

  ★12年衆議院選挙比例代表(全国) 

政党名

今回の選挙

得票率

前回の選挙

得票率

票数の差

前回比

備考

共産党

3689159

6.20%

4943886

7.31%

1254727

74.62%

3位

自民党

16624457

27.95%

18810217

27.80%

2185760

88.38%


民主党

9628653

16.19%

29844799

44.11%

20216146

32.26%

1位

維新の会

12262228

20.61%

0

;

12262228


 

公明党

7116474

11.96%

8054007

11.90%

937533

88.36%

 

みんなの党

5245586

8.82%

3005199

4.44%

2240387

174.55%

 

未来の党

3423915

5.76%

0


3423915

 

 

社民党

1420790

2.39%

3006160

4.44%

1585370

47.26%

2位

国民新党

70847

0.12%

0


70847

 

 

 合計

59482109

100.00%

67664268

100.00%

 


 


※備考は負けっぷりの順位
※票数の差は赤字はマイナス


資料2−2:前回の衆議院比

 ★12年衆議院選挙比例代表(大阪) 

政党名

今回の選挙

得票率

前回の選挙

得票率

票数の差

前回比

備考

共産党

314840

7.76%

468144

10.51%

153304

67.25%

3位

自民党

852061

21.00%

994098

22.32%

142037

85.71%


民主党

375593

9.26%

1931431

43.36%

1555838

19.45%

1位

維新の会

1462093

36.04%

 


1462093

 

 

公明党

590344

14.55%

704839

15.82%

114495

83.76%

 

みんなの党

238050

5.87%

205421

4.61%

32629

115.88%

 

未来の党

172826

4.26%

0


172826

 

 

社民党

51477

1.27%

150663

3.38%

99186

34.17%

2位

国民新党

0

0.00%

 


0


 

 合計

4057284

100.00%

4454596

100.00%

 


 


資料2−3:前回の衆議院比

  ★12年衆議院比例代表(第10区:高槻・島本)

政党名

今回の選挙

得票率

前回の選挙

得票率

票数の差

前回比

備考

共産党

13738

6.98%

19672

9.66%

5934

69.84%

3位

自民党

41682

21.18%

47502

23.32%

5820

87.75%


民主党

27705

14.08%

92904

45.60%

65199

29.82%

1位

維新の会

68379

34.75%

0


68379



公明党

20907

10.63%

24469

12.01%

3562

85.44%

 

みんなの党

11676

5.93%

9175

4.50%

2501

127.26%

 

未来の党

8497

4.32%

0


8497

 

 

社民党

4185

2.13%

10000

4.91%

5815

41.85%

2位

国民新党

0

0.00%

0

0.00%

0

 

 

 合計

196769

100.00%

203722

100.00%

 



  この現実を受け入れることから出発しない限り共産党の前進はない。共産党はここ数十年選挙の結果をすべてごまかしてきている。負けた選挙をなんとか理由を付け勝ったように演出する。これは一時逃れができても再生につながらない。この府委員長のインタビューでも勝利した演出に満面の笑顔で応じている。

  共産党は大新聞の記事が偏向していると攻撃するが、大阪民主新報の記事を見ていると共産党が権力を握れば、もっと大きな偏向記事が流されるであろうと想像してしまう。(正に大本営発表だ)

  なぜ、このような記事になるのか、党中央の方針か、大阪独自の方針か、見ている限りでは全党がこのような詐欺的手法を使っている。なぜこのようなことをするのか、それは国民大衆のためか、あるいは党員を励ますためか、それとも自己保身か理由はわからないが、幹部の自己保身にあるのではないかと思われる。(おそらく集団催眠にかかったような状況であり、選挙の度に、負けたとは言わず勝った演出をすることが自分の役割だと認識しているのだと思う)

  発表された選挙結果は、国民を騙すためのものであり、裏ではちゃんと正確な分析を行っているのならまだ許せるが、全党が欺瞞に満ちた選挙結果に陶酔しているのが、現在の共産党の姿ではないかと思っている。(まさにカルト化し、正常な判断ができていないのではないかと思われる。)

<以下もう少し山口談話を具体的に分析してみたい。>  

★山口氏は何を語ったのか


各政党について話したポイント

      私の批判

民主党政権の失敗

  全国では議席を1/4に減らした。
 大阪では得票を1/5にへらした。
 比例代表の得票率9.2は全国46位になった

大阪で民主が壊滅的打撃を受けたのは事実であるが、他党批判ばかりでなく、その前に共産党の後退を先に言うべきである。

自民・公明連合

  両党で2/3を越す議席を獲得しましたが、これは小選挙区制の弊害である「虚構の多数」の上に築かれたものです。
 大阪でも自民党の得票を有権者比で見れば小選挙区は14.4%比例代表は12.0%に過ぎません

 他の政党の得票率を有権者比で見て、○○%だと嘲笑うのはよくない。その場合共産党の得票も有権者比ではじき出して議論すべき。


維新の会

 行き場を失った「2大政党」批判票を一定吸収し、大阪の比例代表の得票率は35.9%と全国一となりました。橋下市長が獲得した75万票に対し、今回の大阪市内の得票は42万票でした。

 維新の獲得した票数(得票率35.9%)は偉大である。「一定吸収し」という次元で語れる問題ではない。この辺のごまかしが、逆に共産党が躍進できない理由だ。(維新の偉大さについて分析が必要だ)

共産党

 大阪の共産党の比例得票率は7.7%で高知。京都、長野に続く全国4位。小選挙区得票率は、11.7%で高知、京都に続く全国3位で、大阪の奮闘が反映されていると思います。
 近畿であと16万6739票が必要でした。1支部単位にすれば38票差。参院比例票の1.1倍あれば競りかてました。

これは事実認識を誤っている。沖縄が8.4%取っており5位である。

 この数値には驚いている。私は全国に先駆けて大阪が崩壊していると認識していた。その大阪が5位であるということは、全国的にはもっと問題を抱えているということだと思う。

共産党

 大阪の小選挙区得票は、前回48万9612票に対し、今回46万2260票でほぼ維持しました。

 得票率は10.6%から11.7%になり前回より1.1ポイント増です。3区(得票率25.6%)と5区(同23.7%)が2位となりました。政党選択に発展させれば、比例代表の前進につながります。

 政党間の力関係は、比例代表で見るべきである。なぜなら大阪では維新と公明自民党が調整して公明党を当選させるため候補者を出していない区がある。3区や5区、6区、16区であるが、いずれも共産党の得票率が高い。
  比例では、前回468144票、今回314840票であり、前回比67.25%である。(これが共産党の実力である。)

共産党

 大阪市内では、共産党比例票(10万3388票)が民主党比例票(9万5210票)を上回り、府全体でも大きく接近しています。橋下・維新と正面から対決する共産党への信頼と共感が反映していると思います。

 確かに大阪市で共産党は民主党を抜いた。しかしこれは民主党の自滅であり共産党が競い合って勝ったのではない。
  前回と比較した場合。前回は147138票であり今回は103388にとどまり、前回比70.27%である。大きく負けている

公明党

 前回比例票から11万4千票減らし59万票に後退。

 公明は前回704839票、今回は590344票である。前回比83.76%である。どちらが負けているかは明らかである。

社民党

 9万9千票減で5万1千票に。

  これは辻元の裏切が大きい

結論

 維新の進出がありますが、政党間の力関係を変化させ、参院比例代表、選挙区の勝利を切り開く足場があると思います。

 この足場が何か正確に議論しなければダメである。数字のトリックを用いて足がかりがあると言っても何ら力にならない。

 以上見てきたように共産党は、前回衆議院比で比例代表では、全国で74.62%大阪では67.25%まで落ちた。これが現実である。

 次に最悪であった10年参議院選挙と比較した場合、全国では103.53%、大阪では87.52%になった。全国で参議院選比「3.53%」上回ったことは、奈落の底に落なかったことだけは安心できるが、反転攻勢の手がかりはつかめていない。

 大阪の10年参議院比(87.52%)は全国(103.53%)に比べ16.01%(12.48+3.53%)悪いが、これは維新というモンスターの出現があった以上仕方のない数字かもしれない。

  ただ、維新になぜ勝てないのか、この点については批判を行うだけでなく、維新から学ぶ点も多い。政治は結果責任であり、勝てば官軍である。いくら理屈を言っても、負けた者はダメである。(「サルは木から落ちてもサルだが。代議士は落ちればタダの人」と言われるがその通りである。)他党は、この視点で選挙を見ている。

<選挙の勝利は、政治家本人の資質・奮闘に負うところが大きい>

 選挙戦については、私はかねてから政治家個人の持っている票を重視している。共産党は、党の票だけで戦っている。この点の改善を加えずに選挙戦を戦い続けるのなら今後とも躍進はない。以下この点を見ていきたい。

資料3−1:今回の選挙結果を比例区と小選挙区の関係から見てみる

  大阪10区(高槻・島本)

比例区

小選挙区

比例区

得票数

前回

前回比

今回比例

小・比の差

倍率

共産党

14706

7.48%

18425

79.82%

13738

6.96%

968

1.07

自民党

45261

23.03%

85106

53.18%

41682

21.11%

3579

1.09

公明党

0

0.00%

0

 

20907

10.59%

-20907

0.00

民主党

65411

33.29%

109693

59.63%

27705

14.03%

37706

2.36

維新の会

71117

36.19%

 

 

68379

34.64%

2738

1.04

みんなの党

0

0.00%

0

 

11676

5.91%

-11676

0.00

未来の党

0

0.00%

 

 

8497

4.30%

-8497

0.00

社民党等

0

0.00%

0

 

4835

2.45%

-4835

0.00

合計

196495

100.00%

213224

 

197419

100.00%

-924

 

 大阪10区(高槻・島本)の分析である。

 小選挙区では、大阪維新の会の出現により、各党派共に票を減らしている。この表を単純に見れば、共産党は前回比79.82%、自民党は53.18%、民主党は59.63%であり、共産党の負け数が一番小さく見える。しかしそうではなく、共産党は負け続け、既に鉄板の票しか持っていないから、前回比の落ち込みが他党派より小さい。

 次に比例代表の票数と小選挙区制の票の比較を行うと共産党は1.07倍、自民党は1.09倍、民主党の辻元は2.36倍、維新は1.04倍である。ここから判ることは、小選挙区制で人物として票を集めたのは辻元清美だけである。この芸当ができる者が政治家である。小選挙区制の方が政党の票数よりすべて多いのは、小選挙区で立候補しなかった公明党などの票数45915票の山分けがあったからである。その大部分を辻元清美が抑えたのである。(共産党はこれが全くできない)

以下カッコ内は12月31日追加
 今日はじめて選挙公報見た。(書類の山にうずまっていた。)この選挙を広報を見て、辻元清美と共産党の違いが分かった。
 辻元清美は、「ひとりでも闘える政治家を。」というのが最大の見出しである。これにたいした共産党の
 A候補者は「くらし・経済。財政を立て直す新しい日本を」という見出しを掲げている。
この二つの見出しのどこが違うのか、辻元は「私が、闘いとる」と宣言している。それに対して共産党の候補者は、評論家的スローガンである。(与党思考でもある。)
 結果は大阪10区の浮動票のほぼすべてを辻元清美氏がかき集めている。「闘う」という言葉を意識的に避けているがそれが敗北の原因である。野党は基本的に「闘う」のである。

資料3−2:今回の選挙結果を比例区と小選挙区の関係から見てみる

    大阪の場合

比例区

小選挙区

比例区

得票数

前回

前回比

今回比例

小・比の差

倍率

共産党

462260

11.69%

489612

94.41%

314840

7.74%

147420

1.47

自民党

1024948

25.92%

1264380

81.06%

852061

20.94%

172887

1.20

公明党

416257

10.53%

388944

107.02%

590344

14.50%

-174087

0.71

民主党

576089

14.57%

2246403

25.64%

375593

9.23%

200496

1.53

維新の会

1210792

30.62%

 

 

1462093

35.92%

-251301

0.83

みんなの党

 

0.00%

0


238050

5.85%

-238050

0.00

未来の党

152196

3.85%

0

 

172826

4.25%

-20630

0.88

その他

112291

2.84%

1376739

8.16%

64223

1.58%

48068

1.75

合計

3954833

100.00%

5766078

 

4070030

100.00%

 

 

 この表は山口委員長が評価した、大阪の票(率)を表している。まず小選挙区の票数は、前回比9.4.41%確保している。比率は11.69%確保している。これだけ見れば満足できる数字であるが、比例区は7.74%であり競い負けている。

 小選挙区が良いのは、維新、公明、自民党が結託して、公明党を当選させるために、立候補を見送った選挙区が3区、5区、6区、16区と四つあり、これらの選挙区で共産党の得票率が異常に高いからである。

 3区が25,58%、5区が23.72%、6区が17.73%、16区が13.90%である。ちなみに我が高槻では7.48%であり、比例区の実力通りの数字を出している。

 意地悪な答えになるが、この11.69%は共産党の本当の実力を表したものでなく、公明党を当選させるという自・公・維新の合作(悪巧みの成果)である。

資料3−3:今回の選挙結果を比例区と小選挙区の関係から見てみる

   全国の場合

比例区

小選挙区

比例区

得票数

前回

前回比

今回比例

小・比の差

倍率

共産党

4700289

7.95%

2978354

157.81%

3689159

6.20%

1011130

1.27

自民党

25643309

43.37%

27301982

93.92%

16624457

27.95%

9018852

1.54

公明党

885881

1.50%

782984

113.14%

7116474

11.96%

-6230593

0.12

民主党

13598773

23.00%

33457334

40.65%

9628653

16.19%

3970120

1.41

維新の会

6942353

11.74%

 

 

12262228

20.61%

-5319875

0.57

みんなの党

2807244

4.75%

615244

456.28%

5245586

8.82%

-2438342

0.54

未来の党

2992365

5.06%

0

 

3423915

5.76%

-431550

0.87

社民党

451762

0.76%

1376739

32.81%

1420790

2.39%

-969028

0.32

諸派

102634

0.17%

 

 

70847

 

31787

1.45

無所属

1006468

1.70%

 

 

 

 

 

 

合計

59131078

100.00%

66512637

 

59482109

99.88%

 

 

 この表は比例区の票と、小選挙区の票を比較したものである。共産党は小選挙区で比例区の1.27倍を取っているが、自民党は1.54倍、民主党は1.41倍取っている。他の政党は、小選挙区制の候補者が少なく比較対象にならない。ただ共産党以外は政治家本人が獲得する票が獲得票数の相当部分を占めている。

 共産党もこうした選挙戦術に変換しない限り今後の躍進はありえない。

 もう一点注目すべきは、告示直前にできた未来の党は、比例区で3423915票取っており、共産党の3689159にあと265244票に迫っている。これからすれば多くの党員が奮闘した共産党とほとんど遜色がないことは驚異であり、共産党の選挙方針が如何に空回りしているかが判る。一生懸命頑張っているが、既に国民の心から離れたところで頑張っている。選挙を科学にしない限り、選挙ごとに後退する。もういい加減に気づくべきだ。

 選挙というのは政党間の戦いであると同時に、政治家同士の力量の戦いでもある。大阪10区の選挙のビラを見ていて分かったが、辻元清美は、自分が何をしてきたか(実績)と何がしたいか(抱負)で戦っている。共産党の候補のプロフィールは党専従であり、中央委員会の出したビラを適当にチョイスしてコピーして配っている。この差が得票差に現れている。

 勝った・勝った・また勝った式の総括を行っている限り、こうした問題点の是正は一切行われない。夏の夜の幽霊ではないが、次の参議院選挙にまたA候補が出てきたらドッチラケになる。

 最後に志位委員長に送る言葉「赤旗に頼らない別の道があります。」

  他の政党から真剣に学びませんか?