新型「コロナ」に対する共産党の主張は何か、明確な主張ができていない。


令和2(2020)年5月6日


新型「コロナ」に対する共産党の主張は何か、明確な主張ができていない。

 毎日新聞(5月6日付)は、一面トップで「大阪 休業解除3指標」という記事を載せた。その内容は大阪府が発表した「出口戦略」である。「経路不明 10人未満」、「陽性率 7%未満」、「重症病床 60%未満」の実現が解除条件というものである。4日の安倍首相の「非常事態体制継続」の無内容さをあざけわらうような政策(方針)である。安倍首相は、国民に自粛を求めるが、そのための補償を語れない、また、いつ非常事態宣言が解除されるかの見通しも語れない中で、吉村知事は本来の指導者はこうあるべきだとの見本を示した。大阪維新の大勝利である。
 私は今まで大阪維新を怪しげな政党だと見てきたが、今回の新型「コロナ」対策では吉村知事が一歩前に出た。橋下徹元大阪知事が、「今回の危機の中で、どこの知事が立派でどこの知事がポンコツか、国民の前にさらけ出した。」と言ったが正にその通りであり、吉村知事は一歩前に出た。本日付赤旗の「レーダー」欄に面白い人物像が載っていた。見出しは「コロナ報道 地に足を」で指導者が国民からどう見えているかが描かれている。以下引用する。「『わずかな予算を"打ち出の小づち"のように言う安倍首相』や、『"やってる感"演出に余念がない小池百合子東京知事』に踊らされることなく地に足をつけて・・・」という表現である正にこの通りであるが、この二人を押さえ、権力を持つ者として吉村氏がトップに躍り出た。
 吉村氏が何か特別なことを発言したのではなく、彼はふつう考えれば当たり前のことを言ったに過ぎない。しかし日本の政治かはこの当たり前のことにすら気づいていない。羽鳥氏のモーニングショーで、政治評論家の青木理氏がこれだけの混乱を巻き起こしているのは「政府が無能だからと」一刀両断に切りすてた。この見方が当たっていると思う。

 この無能な政府に対して、共産党はしっかり戦えているだろうか、国会ではそれなりに戦えているように見えるが「しんぶん赤旗」を見る限り、共産党も無能さをさらけ出している。
 この新型「コロナ」での争点は何処にあるのか、まず@PCR検査がなぜ日本は進まないのかA如何にしてこのウイルスを抑え込み、日常生活を回復するのか、Bこの「コロナ」によって国民生活が如何に破壊されたか、いかに国民に寄り添い助けるかC安倍首相の最大の目玉政策マスク配布のピント外れといかがわしさ追及などの課題があると思われるが、共産党はまとまった主張を行っていない。
 私が学生の頃は、共産党は何か大きな社会問題があった場合、無署名論文などを出し、共産党はこの問題をどう考え、どう対処すべきか明確な方針を常に出していた。我々はその共産党の方針をむさぶるように読み、自分の考えを整理して、大衆の中に入って、その考え方の普及に努めてきた。
 安倍首相の「非常事態体制継続」の方針が出されても、共産党はそれに対する共産党としての対案を何も出せないでいる。大きな批判論文が出るかと5日・6日の赤旗を見たが、共産党の見解が全く出ていない。

 しんぶん赤旗は、政府広報に成り下がっている。(批判は控え、国民の利益を最優先するーこれが良いことだと思っている。)

 5月5日・6日付赤旗を見れば共産党の現状がよく分かる。共産党としての主張はほとんどなく、学識有識者の発言で安倍首相の「非常事態体制継続」を批判している。5日付赤旗は、一面トップは「緊急事態31日まで延長」と書いて「全都道府県対象」、「首相会見 補償具体化言及せず」、「検査の大幅拡充で」、「感染実態の正確な把握を」「小池書記長が会見」という記事があるが、それ以外に目立った記事はなく、3面【総合】で三人の識者が「『緊急事態宣言』延長 何が必要か」という記事を載せている。ちなみに三人の議題は「PCR検査を拡大し出口戦略を中心に」(群星沖縄臨床研修センター 徳田 安春)、「業者は生死の瀬戸際 緊急・継続的補償を」(全国商工団体連合会会長 太田 義郎)、「学生の困窮は深刻 学費免除の徹底ぜひ」(高等教育無償化プロジェクトFREE事務局長 斎藤 皐稀)大事なことは識者にしゃべらす。これが赤旗の常套手段である。
 6日付赤旗は一面には経済評論家の「内橋 克人」氏を登場させ「「公共の企業化』に警鐘」中見出しでは「激減した保健所」、「惨事便乗許さぬ」、「『生存条件』優先社会へ」という記事をのせ3面【総合】で「歴史的事件 スペイン風邪から学ぶ」京都大学准教授 藤原 辰史さんに聞く「異議抑えず 医療・弱者守り 成熟した更生・文化・経済を」という記事を載せています。中見出しで「五輪延期を渋り」という中見出しがあります。なかなか面白い記事です。さらには同じ3面に「ドイツの死者、欧州他国の4分の1」という記事もあります。また10面【社会・総合】で「コロナの重圧」、「医療従事者に支援を」という記事「筑波大学働く人への心理支援開発研究センター主幹研究員」松井 豊さん(寄稿)も載せています。さらには4面【国際】で「韓国、くらし正常化めざす」という記事もあり、なんとなく共産党が何を言いたいのか分かります。しかし私が一番問題とするのは、裏表紙1面で「新型コロナQ&A 暮らしと営業 お役立ち編」というのがあります。これは行政側が出す紙面です。御用聞き新聞になっています。私が住む大阪の高槻市の共産党のビラもこのスタイルに変わってきています。
 私は古いのかもしれませんが、これらのビラは公明党のビラのように感じます。現生利益で組織する邪道に見えます。
 共産党は、現政権の堕落を追求し、国民の怒りを組織していく事が重要と思っています。この紙面は、「世論の力『一人10万円』という大きな見出しを掲げ、「給付の手続きは?」と丁寧に説明しています。この紙面で私がつくづくだめだと思うのは、いろいろ説明し、その問い合わせはすべて行政の窓口を書いています。最低限「これら手続きでお困りの場合は共産党の事務所」を指名すべきです。(お手伝いさせていただきます。)そうでないと単なる行政の機関紙と全く違わず、御用聞き新聞に成り下がっています。

新聞赤旗は、何を書くべきなのか、以下例示します。

1.PCR検査はなぜ進まないのか

 これについては志位委員長のツイッターがあります。
●PCR検査がこんなにも遅れた理由は (志位和夫)
  @政府が検査を絞る方針をとり
  A保健所を通さないと検査ができない仕組みをつくり
  Bようやく保健所を通さなくても検査できるPCR検査センターを作ると決めたが、その予算をつけ
   ず本気で推進していないからだ
  即刻改めよ!とツイートしている。

 @遅れた理由をこんなに簡単に書くのであればだれでも書ける。

  世間がみんな知っている情報である。しかも「絞る方針」を取りという括りは果たして正しいか、
   むしろ意識的に嫌がったとみるべきです。(注1)
   その理由の一つは、6日付赤旗の藤原 辰史さんは、「五輪延期を渋り」と書いています。さらに
  重要な指摘は、PCR検査をすれば、陽性者が大量に見つかり、医療崩壊につながると主張し、この
  検査を渋った者がいたのは確実だし、さらには右翼的な医者がテレビに出演し、韓国やヨーロッパは
  検査を広げたために医療崩壊している。日本の方針が正しいと主張した者も複数いる。

注1:昨日この文書をUPしたが、志位委員長のTwitterの「絞る方針」という表現にはあまりにも弱さ
   があると思っていたが、今日(7日)政府の立場を明確に批判した植草一秀氏の主張をみつけたので
   以下に追加引用する。
   ★「悪徳安倍政治家の象徴としてのPC検査妨害」(2020年5月6日)
    安倍内閣のコロナ対策が失敗した理由が「三ミス」にあると記述した。
    「三ミス」とは
   1.五輪ファースト=感染者隠ぺい
   2.ドケチ財政
   3.利権ファースト
   だ。
   象徴的な失敗はPCR検査を妨害してきたこと。 
   以下省略

   中でも特筆される見方は、羽鳥のモーニングショ(2月28日)でテレビによく出ている白鳳大学の
  岡田晴恵特任教授が重大な発言を行った。その内容は「国会議員にPCR検査を全然やらない理由を
  問い質したら、オリンピックへの悪影響ではなく、感染研が研究結果を独占したいために民間
  利用しないよう、止められている。感染研の体質の問題である』と答えた」とテレビで彼女は発
  言した。  (岡田教授の元職は感染研である。)
   この発言は極めて重要であり、この発言の真意を補うものとして【IWJ検証レポート】新型コ
   ロナウイルス対策の政府専門家会議を牛耳り、検査過小路線をミスリードする「国立感染症研
   究所」の闇を切る!起源はあの731部隊と一体化した伝染病研究所だった!
  (文:辻本亮子 文責岩上安身)というレポートがインターネット上にある。
   一部引用すると、「こうして『国立感染症研究所』に患者データを集約させて研究を急が
   せ、同研究所と協力関係にあるワクチンメーカに検査キットやワクチンを製造させる。要は、
   検査データの分析、研究、ワクチンの開発、製造まで『すべてを自前でやる』ということであり、コ
   ロナを奇貨として、外国のメガファーマを前に縮小の一途をたどる日本のワクチン利権を守ろうと
   いうわけだ。(中略)この「自前主義」の関し、上氏の口から驚くべきひと言が飛び出した。
 (注2)
   「感染研、これ、元は陸軍の731部隊なんですよ(中略)。軍隊だったから、自前主義が当然だ
  ったわけで」
   「太平洋戦争中、細菌兵器開発のための残酷な生体実験に明け暮れたことで知られる『731部
  隊』。国民を伝染病から守るための国の研究機関である。『国立感染症研究所』が、その流れを汲
  む!?

  注2:上 昌広氏(医療ガバナンス研究所理事長)
 赤旗はこうした視点からの追及が必要だが、これらに全く関心を示さない

A保健所を通さないと検査ができない仕組みをつくり

 これについても誰が考えたのかしれないが、コロナウイルスに罹ったかもしれないと分かっても、病院
 へ行かさない、あれや、これや理屈を述べ、患者を蹴散らす役割を担わされた。
  テレビで保健所の実態が何度かレポートされていたが、まさに野戦病院のような忙しさであった。し
 かも電話を受けたものはほぼ素人でただただ理屈を言い、患者に自宅待機を進めていた。医者でもない
 保健所職員に電話で適切な判断ができず、結局PCR検査を受けさせない機関として活躍した。
  この受け答えのマニュアルがインターネット上にあったが、今は手元にないので高槻市のホームペ
 ージを覗いてみた。高槻市のホームページ(5月6日:15時40分現在)


  ★新型コロナ受診相談センター
   次の症状がある方は、ご相談ください。
   〇風邪の症状や37.5度前後の発熱が4日程度続いている。
   〇強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある。
  市のホームページに以上の掲示が未だに残っている。

※帰国者接触者相談センターにおけるマニュアルが見つかったので資料として添付する。(5月7日 追記)
  この間、日本医師会常任理事釜萢 敏氏は最近になって医師会は、「37.5度の熱が4〜5日出るまで
 病院に来るな」と主張していたのも関わらず、「そんなことは一切言ったことがない。通常37.5度ぐら
 いなら4日間ぐらい病院に行くことをためらって自宅療養していた人も、今回は4日も待たず、すぐに
 病院で受診してくれと申し上げた」と平気でうそをついた。さらに加藤厚労相大臣は、「PCR検査
 『2万件に拡充するが2万件検査するとは言っていない』と弁明した。(これは安倍首相の得意なご飯論
 法である。)
Bは、志位委員長の話と同じ見解である。

 上記に述べたように、赤旗は表面だけを繕い本質に突きすすむことを回避している。政権内部に入り込むため、他の野党の水準に合わしてきている様に見えるが、そんなことをしても何も生み出さない。むしろ差別化を明確にし、安倍政権と真っ向から戦わないと支持者は逃げて行ってしまう。

 ついでに前回も書いたがマスク問題の追及も大切である。安倍政権の唯一の政策が国民にマスクを配ることであった。このマスクの中にも安倍政権の闇がたくさん見える。
 今日の毎日新聞は、「アベノマスク」は首相だけ? 閣僚らのマスクに賛否という記事を載せている。これはデビ夫人も言っていた。「なぜ閣僚は全員アベノマスクを着用しないのかと」。インターネットでは「安倍さんのマスクを着用すれば茶坊主のように思われる」と自民党内でもけん制しあっているという。このマスクからも「安倍一強」が崩壊し始まっていることがうかがわれる。恐らく安倍昭恵夫人も着用しないと思われる。
 マスクにはまだまだ闇があるように思われる。
 それとしょうもない事に見えるかもしれないが、安倍氏の記者会見は、みんな原稿の棒読みである。安倍氏の発言が国民の心に届かない。コロナ騒動で各国の指導者の格が上がっているという。韓国の文在寅大統領も選挙で圧勝した。人気を下げたのはトランプ大統領と安倍首相だけである。
 トランプ氏は、コロナ旋風は4月には収束していると完全に読みを間違い、同時に消毒剤を注射すれば治るなど全く何の根拠のない事を平気で言っている。安倍氏も完全に迷走している。コロナ問題で今までのモリカケ・桜問題より、国民一人一人の生活と命に係わる問題の為、国民も安倍政治ではダメだということに気付き始めている。
 安倍さんはこの事態を全く理解できていない。役人の書いた原稿を読んでいるだけである。この安倍さんのふがいなさを徹底的に追及すべきである。
 一番最近では、非常事態宣言の延長の際に、持続化給付金の支払時期を最速で「今月8日」とするところを「8月」と読み間違えた。いくら馬鹿でも8月からなら多くの人が破産し、経済が破たんすることが分かる。彼は読んでいるだけだからそんなことも気づかない。彼の最大の失敗は天皇陛下の即位の礼で国民代表の辞の最後の部分『天皇皇后両陛下には、末永くお健やかであられますことを願って「い」ません』と述べた。これは「已みません」を「いませんと」と呼んでしまったと言われています。・・・これは何回もビデオが流れ、私も確認していますが、首相官邸はこれを否定し読み間違えていないと主張しています。その根拠に「原文は漢字でなくひらがなで書かれていた」から読み間違うはずがないと主張しています。
 先にも述べたが、人気が高まっている人は、自分のことばでしゃべっている。ホラを吹かない誠実にしゃべっている。吉村知事など鬼気に迫るものがある。政治家は鋭さと人の心をとらえる力が必要である。

 最後に思い出したが、日本の感染者数を欧米と比較した場合、圧倒的に少ないが、アジアの諸国と比較した場合、日本は他の国々より多い。日本の感染者数が多いか少ないかはアジアの中でとらえる(比較する)必要があるのでは。
 欧米人とアジア人の何か違いがあるのではと思う。この解明も進める必要がある。

参照:欧米と日本人の違い


5月6日毎日新聞朝刊から転載


参照:アジア諸国の国と対比


★5月4日赤旗から転載(日本だけ5月6日毎日朝刊から)