共産党はなぜ選挙で勝てないのか  番外編


                                                                    平成24(2012)年12月22日


 私のHPに訪れていただく方は既に気がつかれているかわかりませんが、私はこのサイトでいくつかの「部屋」を作っています。メインは「最近おかしくないですか」その後に「ここがおかしい」というのがあり、さらには「よもやま話」いうのもあります。自分自身この使い分けが十分出来ていないのですが、「よもやま話」は少し三流週刊誌的論調と捉えて頂ければと思っています。

 共産党はなぜ選挙に勝てないのかは、既に「三弾」まで出していますが、1弾と2弾は「最近おかしく」に、第2弾は「高槻市」にUPしています。そして今から書く番外編は「よもやま話」に書きます。科学的根拠のない、世俗話的発想で書きますので、最も共産党を怒らす話かもしれませんが、こういうことも大切だという視点で書きます。

<選挙を思い込みで行うのでなく科学にする>

 これは何回も主張していますが、国民が何を基準に投票しているのか、この分析が必要です。赤旗を拡大すれば選挙に勝つ、馬鹿の一つ覚えか、念仏のように同じことを唱えていても前進はありません。私は断言します、この主張の見直しをしない限り、共産党の前進は100%ありません。

 国民は何を基準に投票しているのか、大雑把に政党を基準に投票が半分、候補者個人を見て半分と見ています。さらに党首力というのが大きな力を持っています。ウエークアップ+で何を基準に投票しているのかで、「党首」を選んだものが23%ありました。このことを見ておく必要があります。

<志位さんには「党首力」は感じられない・・・悪口を言えば顔が悪い>

 おそらく党首力を見て投票した23%の中に共産党が選ばれているでしょうか、ほぼゼロだと思います。ここに共産党のしんどいところがあります。なぜ志位さんに国民の支持がないのか、それは国民が支持した覚えがないからです。

 志位さんは消費税の反対の主張の際、「皆さん国民は消費税に賛成したことは一回もありませんよね」と主張していましたが、それと同じように、国民は志位を支持したことは一度もありません。通常、他の政党は選挙で負ければ党首は責任を取ってやめます。650万票、18議席を取ると言って前回選挙より120万票以上減らし、1名減の結果を見れば退くのが政党政治の常識です。(一番悪かった例を出し、それより良かったと居直る姿は政治家ではありません。居直り強盗の姿です。)

 残念ながら志位さんには全く華がない。さらに志位さんの演説スタイルはカルト集団や催眠商法の話術と同じスタイルになっている。演説の際「皆さんそうではありませんか」と腰を折って媚びる姿は、そのような集団が使う手法である。政治家の演説は大衆を鼓舞するものでなくてはならない。その代表例がヒットラーの演説である。橋下氏や石原氏の演説や安倍氏の演説もそうだが、やはり政治家はアジテーターでなければならない。演説を聞いて大衆の気分感情が盛り上がる、それが政治家の演説だ。国民は強いリーダを求めている。そういう意味では志位さんには党首力が感じられない。市田書記局長にも政治家の匂いがしない。地味すぎる。政治家には華が必要だ。橋本氏には華がある。

 何が言いたいのか、負けた原因を常に末端の党員の責任位するが、「あんたたちに一番責任があるのですよ!」と言いたい。

<政治は倫理ではない・・これが分からない共産党には魅力がない。>

 共産党の最大の誤りは、政治と倫理を取り間違えている。「お金と政治」ここで戦えば勝てると思っている。これは全くの幻想である。政治家を追い詰めることに成功しても、これで共産党に対する期待が高まるのではない。政党助成金もそうだ。これをもらっていないと盛んに宣伝するが、一向に支持は集まらない。なぜこんなことがわからないのか馬鹿げている。共産党の魅力は、世界の情勢の中で日本の課題を見出す先見性にこそ魅力があったのだ。我々が学生時代には、共産党の主要な論文は必ず世界情勢から書かれていた。共産党は国民と共に戦う政党として初めて魅力が発揮されるのだ。現在は世界情勢が全く抜け落ち、保守との共同路線の中に共産党の活力があるかのように宣伝するのは、共産党としては最大の誤りである。

 倫理問題と政治問題を混同する、こんな政治のイロハすら分からない政党に未来はない。倫理問題で相手を打ち倒すことに成功しても、自らの支持が増えることはない。国民は確かに政治浄化を求めている、その拍手に騙されて、政治浄化を行えば自らの党が躍進すると思っているがそれが大きな勘違いである。国民は「掃除=政治浄化」は求めているが、その掃除屋さんに政治を任そうとは思っていない。政治は政治家に任そうと思っている。(「豚もおだてりゃ樹にのぼる」というが、共産党の今の姿だ。・・国民の拍手に騙されているのだ。国民は拍手しながら舌を出している。「掃除」は任したが「級長」は任かしていないと「勘違い」しているのはあなたの側の責任ですよと)

 例えば橋下氏の提起している「掃除=既得権益の廃止」これは政治的課題である。共産党の「掃除=倫理」の次元である。これでは政党間の戦いに競い勝てない。ここに共産党の政治音痴がある。

 この間の事例で言えば小沢問題で、共産党は小沢の失脚に奮闘した成果はあるであろうが、同時に小沢的な政治家は山ほどいる。共産党は小沢を落としたから、自分たちに出番が来ると思っているがそうではない。小沢問題には特定の政治家を攻撃するという政治的謀略があった。検察の暴走もあった。(水谷建設という如何わしい会社を利用した)この渦の中に巻き込まれ、共産党は勝利よりもこの戦いを通じて、反権力の騎手が共産党で無いことを証明してしまった。(損得勘定で言えば、この戦いで共産党は大きく傷ついた。)・・・これは政治と倫理の大切さの捉え方が逆転しているからだ。小沢がいくら気に入らなくても、検察の暴走と戦うべきであった。

<尖閣列島問題は石原の罠>

 今回の敗北の大きな原因は、尖閣列島問題で活躍すれば勝てると思った共産党の浅はかさである。敵(石原氏)は戦略的に尖閣列島問題を取り上げている。ここへ首を突っ込めば共産党の票が伸びると考えるところに、共産党の思想崩壊がある。もともとビラに富士山の図柄を入れていることからも明らかなように、共産党は「愛国」的思想を出すことが「保守と共同」にも有利だと思っている。

 しかし、餅は餅屋であり、今更共産党が「愛国」の党だと言っても誰も信用しない。共産党は日の丸を否定し国歌を否定し、非国民と言われようが、国民の立場に真に立つなら国民は支持してくれる。共産党の間違いは、全ての国民に支持してもらおうとして、右のも左にもいい顔をしようとする。そのカメレオン的政策が批判されている。

 その典型が、3.11後の一斉地方選挙で「安全優先の原子力政策」という曖昧路線を出したことに象徴されている。あの時点で原発反対が唱えられなかったことは万死に値すると私は思っている。この思想的背景を徹底的に洗い直すべきだ。

 この作業を怠り、共産党の原子力政策は一貫していると主張する限り、共産党は「嘘つき政党」という批判がついてまわるだろう。今後の政策展開で国民に信用されなくなる。

 私は、保守との共闘路線をやめ、共産党の原点に戻る以外は共産党の活路はないと思っている。尖閣列島問題で勝てると思った幹部の思想的総括をしない限り、共産党は国民から置いてきぼりを喰らうであろう。

 共産党に科学の導入おすすめする。今回共産党にいれた人で、尖閣列島問題の主張に共鳴した人が何%あったのか調べて見るべきだ。(前にも触れたがテレビでの報道では原発反対の人は共産党に一番流れていた。尖閣列島で同じ数字が出るか見て欲しい。・・頭を冷やして考えて欲しい自らの誤りを)

<消費税反対が選挙線の争点であったのか>

 共産党は、原発問題でなく、消費税反対を選挙線の最大の争点として戦った。しかし票は伸びなかった。これは完全に争点が間違っていたのではないか。消費税の増税は国民の多くは反対である。しかし同時に仕方がないのかなとも思っている、

たしかに、民主党が今回大敗北したのは、消費税の導入を語らず選挙で大勝しながら、消費税増税を決めたからだ。野田首相の演説の際、聴衆から「嘘つき」とのヤジが飛んだことがそのことを象徴している。

 先に述べて倫理問題と同じである。消費税問題を上げないと言いながら上げた。国民の怒りは大きい。しかし同時に仕方がないのかなと納得もしている。実は共産党も納得しているのである。共産党の反対は消費税ゼロではなく、8%、10%値上げ反対である。消費税導入時絶対反対であった共産党が、値上げの度に反対しているが、値上げ後は追認しているこの姿が国民にバレているのだ。

 本当に消費税反対であれば消費税ゼロの戦いを組織しない限り、消費税問題を争点にしても勝てない。消費税の値上げ反対、民主党は国民を騙した、これらの主張は民主党を追い落とすことに成功しても、自らの政党の支持に結びつかない。それは既に導入された消費税を認めている以上、消費税という税源が必要だということを国民も薄々感じているからだ。

 橋下氏が躍進した、彼は既得権益の打破を唱えている。石原氏は官僚を打ち倒すという。ここに政治のダイナミズムがあるのだ。彼らはこの国のあり方を変えようと行っている。これは政党政治の政治家の発言だ。

 政治家は常に国のあり方を変えることを訴えなければならない。共産党が主張したのは、消費税の値上げ反対である。(これだけ取り上げればほぼ全ての国民は納得する。)しかし、国民は、この悪政は、国家の運営をしている政治家や官僚が悪いからだと思っている。だから民主党の事業仕分けに当初国民は大喝采した。(看板倒れになってしまったが)やはり国民の最大の狙いは「国のあり方を変えること」にあるのだ。

 共産党は革命政党であり「国のあり方を変える」のは一番専売特許のはずである。にもかかわらず国のあり方のデッサンができず、その主張を行わず、「お金と政治」とか「消費税反対」とかさも国民が喜びそうな課題を掲げて票を獲得しようとする。しかし国民は賢く、そんな甘い話には裏があると猜疑心で共産党を見ている。うまい話をしながら結局は中国のような国家建設を考えているのであろう。近寄れば危ないと思っている。

 共産党はこれを「反共攻撃だ」と騒ぐであろうが、事実共産党が中国を認めている以上そう思うのは至極当然の考えかたである。

 共産党は、選挙で堂々と「国のあり方」を表明しなければならない。中国のような社会を目指していないのであれば、それを明確にしなければならない。 

 例えば、共産党は「政治とお金」を一番大事にしているが、中国を見れば、権力を握った共産党の幹部が一番お金に汚いことは日本国民なら誰でも知っている。この批判を行わない限り、共産党は野党だから「政治とお金」の問題を取り上げているが、権力を握った共産党は、自民党よりも汚いと国民が思う意識を否定しきれない。さらに中国共産党の腐敗堕落がなぜ進行するのかを共産党のとっている民主集中性という組織原則にあると一般に思われている中で、なぜ日本共産党は腐敗しないのか、その組織的保証がどこにあるのか説明しなければならない。

 私の15通の意見書に何ら回答しない共産党の組織的に腐敗しないシステムが完備しているとはどうしても思えない。(すでに腐敗していると私は見ている。)

 上記は、共産党は選挙でなぜ勝てないのかの第4弾(よもやま話)バージョンである。今後とも気がつけば追加していきたい。共産党が党内外の意見を聞いて総括すると言っているので、その論議の視点を随時提出していきたいと思っている。できれば共産党にも送りつけてみたい。(共産党が成長しているか否か見るために。)