6中総の問題点

  科学的な総括は行わず、すべては党員の決起の問題に矮小化

    参議院選挙で敗北しても、中央はすでに正しい指令を出していたと繕う準備書面


                                                               平成25(2013)年2月12日

 日本産党は9日、第6回中央委員会総会を党本部で開いた。これを、マスコミはどこに着目したか

<共産党6中総 各紙やテレビニュースの注目点>

★一点目は、尖閣列島問題  朝日新聞 2013年2月9日(土)16:41

   共産、異例の中国名指し批判 尖閣巡り、志位氏「遺憾」

 志位委員長は、尖閣諸島周辺で中国の監視船が領海侵入を繰り返していることについて「日本の実効支配に力で変更を迫るのは紛争解決の手段として決して許されない。極めて遺憾だ」と述べた。尖閣問題で、同党が中国を直接批判するのは初めて。
 尖閣をめぐる日中の対立について「絶対に避けなければならないのは重大な不測の事態、軍事的衝突だ」と指摘。安倍政権に対しても「尖閣諸島への公務員の常駐の検討や、尖閣問題を理由にした軍事力強化は戒める必要がある」と注文をつけ、両国に自制的な話し合いによる問題解決を求めた。

★二点目は、5議席絶対死守  産経新聞2月9日(土)19時25分配信

 志位和夫委員長は夏の参院選について「参院選を本格的な反転攻勢の選挙とするため全力をあげる。比例代表で5議席絶対確保を目標とする」と述べ、改選3議席からの上積みを目指す方針を示した。
 また、「比例650万票に正面から挑戦する」とし、全ての都道府県で得票率10%以上を確保する方針も表明。地方支部・グループに対し、支持拡大のための取り組みを加速させるよう呼びかけた。

★三点目は、インターネット解禁に絡んで  産経新聞2月9日(土)19時25分配信

 インターネットを使った選挙運動の解禁をにらんで、ブログやメールのほか、「SNS」(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を積極的に活用する姿勢を打ち出した。

★四点目は、「候補者活動」について 日本テレビ系(NNN) 2月10日(日)21時47分配信

 衆議院についても、小選挙区で落選した候補が継続して次の選挙を見据えて活動していく方針を新たに決めた。

★五点目は、阿倍政権批判  朝日新聞 2013年2月9日(土)16:41

 志位氏は「安倍政権の経済政策は『無制限の金融緩和』『公共事業ばらまき』『大企業応援の成長戦略』という、すべて過去の自民党政権で破綻(はたん)が証明済みのもの。危機突破どころか、危機と矛盾を激化させる」と厳しく批判した。

★六点目は、党の人事

 指導体制の強化と若返りを掲げて、新たに書記局長代行ポストを創設し、参議院議員・山下芳生氏を充てる人事を決めた。

<6中総対する私の感想>

 幹部会報告の内容については、1〜2の新しい提案はあるが、 全体としては、「何ら代わり映えしない方針であり、これでは参議院選この勝利は勝ち取れない。」というのが私の率直な感想である。以下具体的にマスコミが注目した6点に沿ってみていきたい。

<私がこれまで批判してきたこととの関連で見ていけば>

★一点目の尖閣列島問題については、

  共産党は衆議院選挙では4大争点の一つとして、積極的に訴えたが効果はなかった。それは日本政府が中国に十分説明しなかったことが、今日の問題を引き起こしていると主張し、理を持って話せば解決するという立場性をとっていた。中国の野心を低く見ており、中国美化論につながると批判してきた。

 マスコミが注目しているように今回の共産党の指摘は正しいが、前回衆議院選挙と参議院選挙では全く争点が変わってしまっている。これが問題だ

(1)政策のブレが著しい(参議院選挙の争点から消費税値上げ反対が消えた。)

 先の衆議院選挙で共産党は@消費税増税反対を最大の課題に掲げ、次にA原発即時ゼロさらにはBTPP反対、C尖閣列島等領土問題を掲げて戦った。(衆議院選挙に入ってまかれた4つ折りの大きなビラがこの4つの争点点であった。・・・中でも消費税の増税反対と領土問題に他の争点の2倍の記事量があった。・・この2つが重要な争点であった。・・少なくとも高槻市でまかれたビラは、この大きなビラからこの2点を選んでマスプリして撒いていた。)私はこれに対して、維新などは、国のあり方の問題を掲げている。総選挙は国のあり方・進路を戦うものであり、消費税反対ならまだ理解できるが、消費税の値上げ反対では戦いにならないと批判した。また尖閣列島問題は、石原氏が攪乱の為に持ち出した争点であり、これに食らいつくのは敵を利するだけだと批判してきた。

(2)今回の6中総で、共産党は来たる参議院選挙の争点を掲げた。

 2月10日付赤旗1面に9つを攻勢的に争点に押し上げるとしたと以下の政策を列挙している。@被災地救済、A経済危機打開、B社会保障充実、C即時原発ゼロ、DTPP(環太平洋連携協定)参加拒否、E沖縄県民の総意にこたえる。F憲法を守り生かすG子どもの教育の危機、H選挙制度・政党助成金改革を掲げた。

 この9つの争点に「消費税値上げ反対」がない。また「尖閣列島など領土問題」も無い。先に衆議院選挙の争点であった4つの内、すでに2たつが洩れ落ちている。(消えた2つがメインであった。)4つから9つに争点を増やしながら、メインであった2つとも消える共産党のいい加減さは(ブレ)が国民に批判されるであろう。

 因みに消えた2つは、私が批判してきた争点である。尖閣列島問題では、中国は海洋大国を目指しており、共産党のいうような、十分説明すればわかるという話ではないと私は一貫して主張してきたが、共産党も初めて中国批判を行った。

 さらに、今回一番に挙げた被災地救済は、一斉地方選挙の最大のスローガンであった。しかし衆議院選挙では消え、参議院選挙でまた復活した。こんないい加減な方針で国民と直接向き合っている末端の党員が戦えると思っているのか。「喝である。」

★二点目の5議席絶対死守、650万票の獲得

 この点については、衆議院選挙で650万票獲得議席の倍増を目指しながら、実際は369万票、8議席しか取れなかったことに対する総括を科学的に行わず、何の説明も行わず最大の争点を変えてしまい、また同じ獲得目標を掲げる無責任さにはあきれ返る。

 さらに、責任を支部や個々の党員に課し、国民との結びつきを強めるとしているが、中身は公明党のフレンド作戦の物まねみたいな指導である。共産党の躍進は、国民と溶け合うことから切り開かれるのではなく、アメリカ帝国主義や日本独占資本主義というこの国を牛耳っている親玉と戦う中に活路があるのである。(最近の方針は敵を曖昧にし、敵に媚を売って、支持を拡大しようとしている。こんな戦術では絶対に前進しない。)

三点目のインターネットの活用の問題は

 党にインターネットの初歩的常識もない中で、これを歓迎すると答えているが、ネットには「ネトウヨ」が網を張っており、これを踏まえて安倍さんが積極的なことに、気付いていているのかさえ疑いたくなる。(賛成には反対しないが、党がネットの世界に乗り込むにはもう少し時間がかかるとみている。あまりにも無知だ。)
 私は友人であった府会議員にHP上に質問したが、返ってきた返事は、原稿用紙に自筆で書いてあった。(400字詰め原稿用紙6〜7枚・・インターネットもワープロも使えない)・・・これが党の水準だ。(インターネットで「日本共産党高槻・島本地区委員会」と検索してもHPも見つからないし、発行されたビラにもメールアドレスは書かれていない。)

★四点目の予定候補者の早期決定と持続的役割について

 今回の6中総で唯一注目すべき新しい政策は、選挙での候補者の位置づけである。6中総では以下のように書かれている。以下6中総「他党派は、小選挙区単位に政党支部をつくり、小選挙区候補者がその代表者となり、日常的に事務所を構え、駅頭などで宣伝をおこなうなど、しのぎを削る活動を行っています。(中略)それに対して、わが党の場合、小選挙区の候補者の予定候補者を決めるのは選挙間際になることが多く、選挙が終わると中断してしまうというケースが多いという問題があります。こうした状態の抜本的改善が必要であります。

課題で切り拓く。(中略)その地域での国政の顔として、日常的・系統的な活動を行うようにしたいと思います。(注1)・・・ここまで6中総

注1:この内容は、私が「共産党はなぜ選挙に勝てないのか第2弾」で主張した内容と瓜二つである。 以下抜
     粋してみる。

    <党の組織形態に敗北の原因があるのでは?>
    3.議員と後援会の関係(他党派と共産党の違い)
        議員と後援会の関係で言えば、共産党は、昔は他党派と同様に後援会組織を議員単位で組織し
       ていたが、現在は共産党の後援会であり、議員ごとの後援会は組織していない。ここに自民党や民
       主党と大きな違いがある。自民党や民主党は、国会議員になりたい者の集まりである。(「自分党」
       である。)そのために自分で努力し、後援会員を増やし(注4)政治的力量を蓄え、その地域での
       顔になるように常に努力している。それぞれの国会議員は多くの私設秘書軍団を持ち、常々地域の
       中に入り、一年中選挙運動をしている。
     注4:省略

           これに対して共産党は、選挙戦の数カ月前に、あなたが衆議院選挙の候補者ですよと言われても、
      「手勢」が全くない。A候補の姿がまさにそれである。朝の駅立ちはしているが、有効なビラはないし、
     応援の部隊もない。府会議員も市会議員も参加していない。一人で一生懸命訴えている。
      (議員後援会を廃止し、党の後援会にしたのが共産党の最大の誤りではないかと思っている。)
           これはA候補が悪いというより、一つは党内序列の問題があると思う。彼の党内の肩書きは高槻・島本地
       区副委員長でしかない。(自民党は選挙区ごとに支部を結成していて国会議員(候補)が其の支部長で
     ある。権限もお金も握っている。)A候補には、お金も権限もない。おそらく党内序列は府会議員のM
     氏より低いと思われる。だから彼は、M氏が書いたビラを駅頭の朝立ちで配っている。(改めて問う、
     全選挙区立候補は正しいのか?参照)要するに本気で戦っているのか、党中央に対するアリバイ作り
     をしているのではないかと疑いたくなる。(全小選挙区に候補者を立てる。・・党中央の方針)以下省略

 この共産党の選挙戦の戦い方の変更は私の意見を取り入れているのではと私は思っているが真相は分からない。(たまたま当たったのか?)

★五点目の、安倍政権批判については、

 別に異論はない。」

★六点目の、党の人事については

  私は党外の人間であり、全く異論はないが、ただ選挙戦敗北の責任をだれも取らず、責任者を増やすだけで党改革を行ったという「主張」は、国民からは注目されないであろう。
 選挙で負けた場合指導者が交代する。この方が国民の目から見て風通しの良い政党に映るであろう。

<共産党と社会的常識・・傲慢さが抜け切れない>

 以上、マスコミが注目した点に対する私の評価であるが、上記3点(尖閣列島問題、インターネット、候補者活動など)は私の批判に応えたのかどうかはわからないが、6中総開催に際して、党内外からの意見を取り入れてという呼びかけがあったので、私が出した資料で指摘した内容と一致する。

 志位委員長の話では、叱咤・激励が1200を超えるとあったというが、私の送付メールには、受け取ったという返答がなかったので、1200人の中に勘定されているのか、いないのかさえ分からない。

 共産党の停滞の一つにこうした社会的常識がないことが、重要な問題だと思っている。共産党は明らかに選挙戦の総括は党内に限らず、党外からも意見を徴収すると宣言した。

 2013年党旗びらき 志位委員長のあいさつに「2月2日、3日には、第6回中央委員会総会を予定しています.
どうしたら本格的な前進に転じられるかについて、党内外の方々のご意見に耳を傾けつつ、自己検討を深め、半年後に迫った東京都議会選、参議院選挙のたたかいに生かす決意であります。」

 ところが中央委員会総会では、「1200人を超える方々から叱咤とともに激励のご意見が寄せられ、その多くは党活動改善の積極的提案となっています。わが党の前途を真剣に考え、ご意見をよせていただいたすべての方々に心から感謝を申し上げます。」と志位委員長の発言を載せているが、これでは不十分であり、まず党内から何件、党外からが何件と整理して話すべきである。その際、提案内容の中で、具体的に参考にしたものが何件あったか、その内容は何かも示すべきである。

 志位氏のこの発言では、「聞いた」というだけで1件も採用されなかったのか分からない。私の提案も内容から見れば、3点ほど参考にされているように見える。しかし、共産党は、はなから私の提案などは門前払いになっているのか全く分からない。「傲慢な党である。」

<次にマスコミは注目しなかったが、私が注目した点を以下に書いてみたい>

1.保守との共同という文言が消えた。

 共産党はこの間、保守との共同の中に活路を見出してきた。これが如何にばかげているか、私は一貫して批判してきた。以下23年12月26日「4中総は再生のバネになりえるのか?」を引用する。
   
     <四中総は再生のバネになりえるか?>

  =大阪ダブル選挙の敗北から共産党は何も学んでいない。=

     5.保守層から支持を得た・・・保守層の顔色を窺う政治四中総の中見出しに、「これまで保守の基盤とされた
          団体・個人との共同が劇的に発展している。」という見出しがある。共産党はウィングを右に広げ、保守層
          からも支持得ていると盛んに宣伝するが、これは大きな勘違いだと思う。共産党が保守層からの支持を得
          るたびに、その倍の勢いで今までの支持者(左翼・革新的な人)を失っている。選挙で票を増やすため限
          りなく右へ右へと開拓しようとする。いつの間にか自分の本来の立ち位置が分からなくなる、これが共産
          党の現在の姿だ。(注5)

             一せい地方選挙での「原発の安全点検」がこれの実例だ。多くの国民は「共産党こそは原発反対」の戦
          いを組織してくれると期待していた。にもかかわらず、共産党は保守層への配慮を優先し(ここで財界に嫌
          われたら「政権参加が遠のく」と考え?)、「原発反対」を政策化できず、「原発の安全点検」と叫んでしまっ
          た。これは現在の共産党の思想水準(堕落)を示す典型的な事例だ。
       
         注5:四中総では、「新しい政治への国民の探求、日本共産党と新たな共同の広がり」とい中見出しで、最
                 初に掲げたのが「保守との共同が劇的に発展しつつある」という小見出しを書いている。「劇
              的」なのか「劇薬」なのか真剣に考える必要がある。
                  ちなみに、この次の見出しが「大震災・原発事故という未曾有の体験を契機とした新たな共同
             の広がり」である。当然この見出しが先に来るべきである。共産党の今の思考をあらわした順位
             付けである。

 今回の6中総では「5.参議院選挙、東京都議会選躍進に向けた方針について」の中で、「運動組織・団体との「協力・共同」のとりくみ」という項目で、「一点共闘」で結びついた農林漁業団体、医療関連団体、商店街、各種の業界団体、業種別組織、町内会、老人会などに、はじめて「協力・共同の申し入れ」が行われ、多くの諸団体で、親しい懇談となり・・・・と書かれているが、保守との共同という言葉が使われていない。ただ統一戦線の課題を、選挙戦勝利の項目の中で書くのが共産党らしくて、これでは運動団体等は乗ってこない。あくまでも国民生活の防波堤の党という位置づけを行ったのであればその中に位置づけるべきであった。

2.勝利の保証を、個々の党員の奮闘に課している・・・・中央委員会の責任任逃れ

  6中総の志位委員長の報告を聞いていると、650万票勝ち取ることができる最大の保証は、地区、支部、個々の党員の奮闘である。ここに最大の課題があるとみている。(他の政党と決定的に違うのは、候補者の役割に触れられていないことである。・・候補者は党のロボット)

 なぜ衆議院選挙で勝てなかったのか、その総括は、こうした末端の党組織が十分に活躍しなかったからだと総括している。(注2)(負けた原因は、党中央の政治的音痴さにある。末端の党員の尻さえ叩いていれば安泰という現在の党の組織的体制に敗北の最大の原因がある。)

  そのことは、他党派との比較してみればよくわかる。橋下・「維新の会」は共産党が重視する活動(勝利の保証・・新聞拡大等)を全く行っていない。それなのにあれだけ票をとる。その秘密を解明することが必要だ。もっと言えば、未来の党は、告示日直前に結党されたが「卒原発」の一言で共産党に近い得票数を得た。

注2:志位委員長が挙げた驚くべき数字(しかし、これが実力だ)

       具体的にあげると

  • 1千万人との対話を提起したが、投票日まで達成できなかった。
      これは真実だとは思えない。(注3)これが真実なら、もっと獲得できていたはずだ。
     さらにこれが真実なら、1千万人と話しても350万にしかならないとは情けない話だ。
  • 赤旗の拡大は成功せず、前回総選挙比で、日刊紙で89.7%、日曜版で86.7%であった。
  • 選挙戦に参加した党員は6割台であった。
  • 読者への支持・協力依頼は7割台から8割台、後援会員への支持・協力依頼は4割台から5割台でした。


 これらが敗北の原因と語られた。そして勝利の保証は、これらをすべてやりきることである。と進軍ラッパが吹かれた。これを120数名の中央委員が拍手して支持している。これが馬鹿げていることになぜ気付かないのか。常識を疑う。

注3:他の指標との関連で見れば、この1千万人との対話が嘘であることが分かる。後援会員への支持・協力依頼
      が4割台で、1千万人と対話できるはずがない。(もっとも堅い支持者との対話ができていないのが実情である。)

<全党の力を客観的に評価することが大切・・「こうしておれば」は戯言>

 前回の衆議院選挙に向けて、1年数か月赤旗拡大の指令を出して、全党が一丸となって取り組んだ成果がこれである。これが現在の党の姿である。(こんなことを言えば敗北主義だと言われると思うが、科学的根拠もなく、精神論で鼓舞激励して、馬車馬のように働かせるやり方は、絶対に成功しない。)現在の共産党の指導こそ、玉砕主義であり、ひとり一人の党員をつぶしていくやり方である。

 志位委員長の報告の中で、党員拡大が進んだ(約20000人)と評価しながら、実際の党費納入者は前回選挙比、1万人余後退したという行があった。現在の党は穴の開いたバケツに水を入れている状態である。穴を占めずに拡大方針だけで、個々の党員を点検しまくる。脱走兵が増えるばかりである。冷静に自らの党の力量を把握し、個々の党員がやる気や、やりがいが持てる党活動にしない限り、長期低落傾向は克服できない。

<選挙で勝つにはどうすればよいのか・・・政治戦線で勝利すること>

 選挙の票はどうしたら入るのか、それは政治的戦いで勝つことが最大の保証である。(注4)共産党のやっている、あるいはやろうとしているフレンド作戦は、それを補う落穂拾いのような戦いである。このような戦いをいくら組織しても政治戦線では勝利しない。

 公明党は宗教政党であり、政治戦線での勝利を得ることはできない。だから信者を獲得する同じノウハウで選挙戦を戦っている。彼らにはこの手法しか票を獲得する手法がないからである。共産党がこれをまね「へらぶな作戦」と公明党のフレンド作戦の亜流みたいな方針を掲げても、何ら力にはならない。共産党の躍進は政治戦線で勝利する場合だけである。

注4:政治戦線で勝つということは、現在日本社会を苦しめている本当の敵をあぶり出し、それとの戦いを組織す
      ることである。たとえば震災後の一斉地方選挙では、原発反対が最大の政治課題であった。共産党は「安全
     優先の原子力政策」であった。衆議院選挙でも、原発反対が最大の課題であったが、共産党は消費税値上
     げと領土問題を前面に出した。(しかし参議院選挙の争点では消えている。)このブレが国民に支持されない。   
       安倍氏や橋下氏は、生活保護の不正受給や公務員人件費の切り下げ、議員定数の削減等の行革路線を
    しめしている。さらに中国と戦う姿勢を見せ、国防軍の創設を訴えている。(明らかに国のあり方の問題を掲げ
    ている。)共産党はこれに合意できない、ならば、徹底的に切り込むことが必要。現在のいいわけでは通用しない。

 そのためには、敵を明らかにし、この敵により苦しめられている人々を組織する、これ以外に共産党の躍進はない。現在の共産党は敵を曖昧にし、自らの立場を見失い、最後は個々の党員に、親戚縁者、お友達など身近な人に目を向けて、赤旗拡大を行い党への支持を拡大する、いつの間にか、生保レディーと同じような活動になっている。

 こんなことをしているから、選挙戦で参加した党員が6割台、後援会に働きかけた割合が4割台から5割台というような数字になるのだ。方針があまりにもおかしいから、力が湧いてこない。ここに真実があり、すべての責任は党中央にある。

 踊る大捜査線の織田裕二のセリフ「事件は現場で起こっているのです」という声があちこちで騒がれているのに。それに耳を傾けず、鞭or無知だけを、振り上げる(振り回す)、どうしようもない人たちの集まりになっている。