馬脚を現した共産党大阪府会議員団団長の戦争法案反対のビラ


平成27(2015)年9月13日


「自衛隊のトップの暴走から生まれた安保法制」をこっそり引き下げる。


 大阪府会議員団団長の宮原たけし氏は、問題のあるビラを出し続けています。それぞれのビラの問題点はその都度追求していますが、9月10日に出された安保法案反対のビラはまさにとんでもないビラでした。
 私は、10日にいち早くこのビラを批判しました。(またまたおかしなビラ「戦争法案反対」を出した共産党大阪府議団団長)その主要な論点は、今回安倍内閣が推し進めている戦争法案を「自衛隊のトップの暴走から生まれた安保法制(戦争法案)」(第一見出)と位置づけたことです。さらにこのような位置づけを行いながら、この行為を「『困ります』自衛隊トップのたび重なる暴走は国民無視」(第二見出)というような間の抜けた方法で批判したことです。
 その他この問題の本質は、アメリカの理不尽な戦争に日本が無制限に巻き込まれ、日本が誇ってきた平和国家としての国のあり方が根本的に変革されてしまうことです。・・・我々は、日本人として、アメリカの無責任な戦争に巻き込まれることに最大の危機感を感じているのです。と批判しました。
 

宮原レポートの修正版を発行(9月12日)


 現在まで私は宮原レポートのおかしさを一貫して追求してきましたが、今回は珍しくいち早く修正版を出してきました。(私の指摘した「見出しの修正」や「文書の配置」を変えている)その論点は基本的には私の批判を受け入れたものですが、新たな問題も生み出しています。(私の指摘の影響か党内からの批判かはわかりませんが)
 以下変更点を具体的に見ていきます。 
 変更点の最大の物は、今回の法案を推し進めている首謀者は誰かという点です。前回のビラでは「自衛隊のトップの暴走から生まれた安保法制」と書かれていた見出しを撤回しています。さらに「困ります」という馬鹿げた見出しを下げ、「安保法制廃案を」にすり替えている。(この見出しは第一見出しでしたが第二見出しに変えている)
そして新たに第一見出しとして「自衛隊員・輸送労働者・海外の日本人 国民の命を守れ!!」という見出しを掲げている。
 宮原府会議員は、これで修正ができたと思っているのであろうが、新たな問題を引き起こしている。前回の宮原レポートは日本国民の命を守るという視点が確かに弱かった。(日中、米中とも破壊につながります。・・・日本が主体でない・・・この表現は、今回の修正版にも残っているが)
 しかも、今回新たに掲げた第一見出しは、安倍内閣の主張に極めて近いものになっている。「国民の命を守れ」という発想だけでは、安倍首相の発言と何ら変わらない。戦争できる国へと変質させられる中で、国民の命が危険にさらされているという文脈の中で語らないと、安倍首相がいう「アメリカの戦艦に載っている親子を救わなくていいのですか、海外の日本人を救出しなくていいのですか」と同じ次元の議論に陥っている。
結局は馬鹿げたビラを出し、見出しや文書をいじくって修正しようとしても、根本的に分かっていないから、新たな問題さらに生み出してしまう。

宮原府会議員のビラの弱点の思想的根源は何か


 今回(修正版を含む)の宮原レポートとその前の宮原レポート(8月2日付)を読めば彼の弱点が浮き彫りになる。
 まず、8月2日付宮原レポートも内容は安保法制(戦争法案)反対であった。しかし奇妙なことにこのビラの裏面には、アメリカ帝国主義の二面性について書かれており、戦争を推し進める顔と平和を推し進めている顔があるという記事を載せている。
 私はこの宮原レポートを「アメリカ帝国主義」を美化する日本共産党という形で批判した。その内容は、アメリカ帝国主義の無謀な戦争に巻き込まれていく「戦争法案」反対の戦いの最中、アメリカにも平和外交を推し進めている側面があるとの評価は、「戦争法案」反対の運動に水をさすものだと批判した。
 宮原府会議員の最大の欠陥は、アメリカ帝国主義の美化論がその根底にある。今回の宮原レポートでも、「自衛隊のトップの暴走から生まれた安保法制」という捉え方は、アメリカの従属国としての日本の位置を見ずに、日本の自衛隊のトップが安倍内閣の意向とは無関係に独走して、日本の軍国主義化に暴走していると描き出している。
 本質はそうではなく、アメリカが日本に対して集団的自衛権の行使を求めており、アメリカに従属しながら戦争位に加担することを求めている。そのことを安倍内閣は積極的に推し進めようとしているのが今回の問題の本質だ。
 こうした枠組みの中で、自衛隊の幹部の一部暴走があり、これら幹部は罷免には該当すると思われるが、自衛隊が独自に日本の政治を牛耳っている状況ではない。宮原府会議員の主張は本質を見誤った議論である。

高校生の子供でも物事と本質を捉まえた主張を行っている。


 9月13日付大阪民主新報【寸鉄】に面白い記事が載っている。民主新報の記者が高校生に取材した記事である。以下引用する。
 東大阪市で日本共産党の戦争反対宣伝に声を掛けてきた男子高校生が、8月30日の扇町集会に行くことになった。行きの電車の中で汗だくになる生徒に同行した党員が尋ねると、大阪市に出たことは3回しかなく緊張しているのだという
▼男子生徒は集会後のパレード中、本紙の取材に答え「いまの日本はまるでアメリカの持ち物か家畜みたい。戦争法案がその最たるもの。参加して本当にたのしかった」と生き生きと語った。と書かれている。この高校生は「戦争法案」を通して、表現には問題もあるが「日本がアメリカの従属国のような位置にある」ことを学んでいる。
 宮原府会議員のレポートにはこの視点が全くない。共産党の堕落を現している。

参考資料
  1.宮原レポートの修正版を発行(9月12日)
  2.「アメリカ帝国主義」を美化する日本共産党
  3.またまたおかしなビラ「戦争法案反対」を出した共産党大阪府議団団長