日本共産党 最近おかしくないですか

「大阪都構想」敗北と辛坊治郎氏の馬鹿げた論評


平成27(2015)年5月31日


大阪都構想反対で若者の夢を潰した70歳代以上の老人(辛坊氏)

 大阪都構想は5月17日の住民投票で否決され、大阪における政治的危機は当面去った。しかし、この結果を素直に受け取れないバカな輩が珍論を展開し、悔し紛れの反論を行っている。
 辛坊氏は、橋下維新の会が推進しようと大阪都構想が、反対多数で否決されたのは、70歳以上の老人の反対で葬られたと宣伝している。辛坊氏は自らがニュースキャスターとして出演しているウイークアップ現代で、出口調査の結果の統計グラフを出し、「年代別で見れば70歳代だけが反対派多数であり、70歳代が若者の未来をつぶした」というような解説を行った。(注1)

注1:出口調査のいかがわしさは、辛坊氏は70歳以上だけが反対が多かったと主張
  したが、他の番組では70歳代と50歳代の女性が反対が多かったといった。さら
  に私は見ていなかったが、友達が20歳だいも反対が多かったと報道されていた
  と言っていた。 
   出口調査は各マスコミが独自にやっており、その内容は各社ごとに違う結果
  が出ている。

 ウイークアップ現代に引き続き「朝パラ!」(関西ローカル)という番組があり、この番組でも、同じ論調が主張され、さらに「シルバー民主主義が、日本をダメにする」というような論調を伝え、老人と若者が投票権の権利を同じく持っていることを批判し、1票の重みを若者と老人で区別することも必要と示唆した。
 現にシルバー民主主義が日本を滅ぼすという議論が真しやかに論議され、年寄りが1票なら、若者には2票の投票権を与えるべきだとの主張が生まれ始めている。以下これらの議論が正しいのか批判的な立場から検討してみたい。
 
 大阪都構想で反対派が多数を占めた事をNHKは10時34分に流したが、それを受けてインタネット上に流れた投稿は、「西成がすごすぎる」、あるいは「生活保護世帯が反対した」というような議論が出てきた。辛坊氏らの議論は、「老人や生活保護受給者という社会的弱者が自らの権利を守るため、若者の未来をつぶしてしまったという批判である。」この批判は本当に当たっているのであろうか。

大阪都構想の雌雄を決したのは、年代間闘争ではなく、地域関闘争

 大阪都構想の現行の24区の賛成多数が勝利した区と反対派が勝利した区を地図に落とすと明らかにこの大阪都構想は地域間の争いであったことが分かる。都構想で中心となることが予想された区は賛成派が多く、中心から取り残されそうな区域で反対派が多数を占めていた。(旭区を除いて)
 このことは、大阪都構想で自分たちの生活が良くなるか否かを住民は敏感に感じ取り今回の投票行動に現れたと見る方がよっぽど素直な見方である。

大阪都構想の真の狙いは橋下独裁体制の確立

 大阪都構想は、基本的には若者の未来を保障するために仕組まれた制度設計ではなく、地方自治体を経営学的観点から見て、どうすればより効率的かという観点で描き出されている。悪くいえば橋下氏が自分に都合のよい自治体つくりを目指したものであり、決して市民の生活を守るための物ではないところに最大の特徴があり、市民がこれを見破ったことに住民投票の最大の価値があったと思われる。

 辛坊氏らの理論はどこに誤りがあるのか、それはまず70歳代がつぶした、あるいは生活保護者がつぶしたと主張に科学的根拠は無く、彼らが勝手に作り出した虚構の世界である。投票の賛否は全て1票であり、どの年代が賛成に投じたか反対に投じたかは全く分からない世界である。
 出口調査でそれが分かったというが、出口調査を担当しているのはアルバイトであり、また有権者もその者に事実を語ったか否かの保証は全くない。それは賛成か反対かを正確に答えたか、さらには年を本当に正確に答えたかも全く分からない。(注2)

注2:住民の直接請求権を行使する場合、住民の何分の1の署名が必要というよう
  な制度があるが、ある時この署名簿の点検に動員され、署名人が本人かどうか
  の点検作業を行ったことがあった。その際、選管の職員の説明者が、「照合に
  当たっては、何年生まれは照合対象にせず、「月・日」があっておれば、照合
  できたとする」と言った説明があった。なぜ「年月日」すべてを照合しないの
  か疑問に思ったが、いざ作業に入って言われていることが良くわかった。特に
  女性は自分の年がバレル事を嫌い、サバを読んでいることが多い。この事実に
  ビックリしたことを覚えている。

出口調査が正しいと仮定しても、辛坊氏らの主張は差別思考だ

 次に辛坊氏らの主張にはあからかに社会的弱者を蔑視した思想がある。もともと大阪維新の会は最終版に、「大阪都構想が実現すれば西成という町名をなくすことが出来ます」というビラを配布している。さらに生活保護を受けている人を敵視している。あるいは邪魔者扱いの視点で見ている。(下記注7参照)
 生活保護を受けるのは国民の権利であり、憲法が保障した権利でもある。また「老人が福祉バスの権利が奪われるから反対した」という批判も、そもそも地方自治体の役割を全く理解していない発言である。行政は安全・安心の街づくりを行う義務があり、お年寄りや社会的弱者、又は子育て支援等を行うのが本来的な役割である。
辛坊氏らは、こうした福祉施策を税金の無駄使いと考え、行政が住民の側に寄り添うことに反対し、大型開発に力を入れ、大企業や金持ち優遇の政策を求めているところに彼らの最大の弱点がある。
 さらに彼らがずるいのは、大阪都構想になれば、5つの区役所ができ、より身近な所でサービスが行われ、一切の福祉行政が低下することなく、今より充実すると宣伝しておきながら、住民投票に負けるや否や、「福祉の権利が奪われる層が反対した」と攻撃している。 
 つまり彼らの本質はそこにあり、負けた結果を見て感情的になり自らの本質を暴露している。

さらにここでどうしても言っておきたいことがある。彼らは生活保護を税金の無駄使いと主張するが、この間自らの野心の為に税金を無駄使いした輩が維新側にいることに触れていない。橋下氏が起こした出直し市長選挙の為に罹った選挙費用は6億3千万円、さらに今回の住民投票に7億4千万円を費やし、さらに辛坊氏が番組宣伝等を兼ねた素人の遊びで遭難し、自衛隊の出動で助かった事例は国家のお金をどれだけ無駄使いしたか分からない。(東スポによると1000万円以上と書いている:2013/6/23)
 税金の無駄使いをした張本人が、生活保護者や老人に対する福祉政策を無駄だという視点で論議する姿勢は許せない。(注3)

注3:2013年6月のツイタ―の記事
  ○辛坊氏が慌てて削除したブログ
   回航中に浸水していたのに24時間TVの放送に
   間に合わせるため応急処理で出発
  本当の外海で持つわけがない
  偽善番組の為に多くの自衛官が危険にさらされた
  TV側は費用負担すべきであり番組は中止すべきである

大阪から放逐されるべきものは、吉本とそれに結び就いたテレビ局及び如何わしい学者、そのバックにいる財界の首脳人である。


 大阪都構想に対して反対派が多数を握ったといえ、ほぼ5割近くの人が賛成したことは民主主義に取って重大な問題である。今回の大阪都構想(大阪市解体案)が約半数の市民に指示された構図はどこから導きだされたのであろうか。
 あの住民投票は、大阪都構想でなくても、橋下氏がどんな馬鹿げた提案をしてもほぼ半数が賛成する構図が大阪にあることを示している。大阪都構想の意味が本当に分かって賛成した人はおそらく1割にも満たないと思う。賛成したのは、橋下氏が一生懸命やっているのだから応援したいというものである。
 大阪は、既に何十年も前から吉本興行に占拠されているのである。西川きよしが参議院議員になり、横山ノックが参議院議員から府知事になり、橋下氏が大阪知事・大阪市長になった。これは大阪人が吉本興業の役者に相当な愛着を持っているところにある。このことは全く悪いことではないが、この有名になった人が政治家となって現れるところに大阪の悲劇がある。(注4) 

注4:第14回参議院議員通常選挙 (1986年(昭和61年)7月6日執行)
   当日有権者数:6,055,160人  投票率:66.46%(前回比:)
候補者 年齢
所属党派
新旧別
得票数
得票率
西川きよし
40
無所属
1,022,120
26.1%
峰山昭範
50
公明党

734,907
18.7%
沓脱タケ子
64
日本共産党
697,901
17.8%


   第18回参議院議員通常選挙 (1998年(平成10年)7月12日執行)
   当日有権者数:6,875,434人  投票率:59.53%(前回比:)
候補者名
年齢
所属党派
新旧別
得票数
得票率
西川きよし
52
無所属
1,057,393
26.4%
山下栄一
50
公明
872,294
21.8%
宮本岳志
39
日本共産党
725,385
18.1%

第13回(1995年)大阪府知事選挙
当落得票数得票率候補者党派(推薦)知事歴  
候補者名
党派(推薦)
得票数
得票率
経歴等
横山ノック なし
1,625,256
48.24%
参議院議員
平野拓哉 自・進・社・さ・公
1,147,416
34.24%
前科学技術庁
事務次官
小林勤武 日本共産党
570,869
16.94%
弁護士
芝谷英夫 無所属
21,356
0.63%
新人
橘高明 アジア建国等
4,548
お。14%
新人
 すでに1995年横山ノック氏は、1625258票(48.24%)を獲得している。モンスターは橋下氏に始まったのではなく、すでに西川きよし氏から始まっている。

大阪の最高の誇りは、吉本のお笑い?・・これで本当に良いのか

 お笑いで吉本がいくら活躍しようと自由であるが、政治の世界は別の世界であり、国民の為に働くという分別を持って政治の世界に入らないと、役者で有名になれば政治の世界に打って出るという構図は、彼らの個人的野心であり、政治家として本当に大成しようとなど彼らは思っていない。
 横山ノックがその最大の失敗例であり、選挙の最中に女学生に対して痴漢行為を行っていた。(おそらく政治家の中には性的にも怪しい方が多くおられるとは思うが、選挙の最中に自らの選挙カーの中で痴漢行為を行うような政治家はいないと思われる。政治家にとって選挙とは最も神聖な場所であるはずである。)さらに東国原氏の事例も、所詮は人気商売であり、一時期は着目されたが、女生との噂が常に付きまとっている。
 
 大阪のこうした現象は、吉本とそれに迎合する関西のテレビ各局、さらには一部の学者が合体し、その裏で財界が操るという大阪独自の政治風土を作りあげてきた。橋下氏が引退しこの流れが止まるかと言えばそうではなく、もし島田伸介が現役で活躍しておれば、伸介が出ればやはり当選するだろうし、今はタムケンが市長を狙っているという。大阪吉本は府民の約50%は我々が握っているという確信を持っていると思われる。
 冷静に考えてほしい。タムケンに市長が務まるわけがない。政治と演芸の分化を図り本当に大阪府民の為に奮闘する政治家を育てるべきである。
 

今大阪から放逐されなければならないのは高齢者でなく、吉本を利用し政治を操る輩である。  

 今大阪から退場すべき人間は、生活保護者でも70歳代以上の年寄りでもなく、吉本興行を中心とするシンジケートこそが退場すべきである。生活保護者を攻撃するような人が、政治家として活躍するのはおかしいし、テレビの司会者としても失格である。これらの人こそ表舞台から去るべきだ。そうしておかないと第二第三の橋下氏が大阪に現れる。大阪は本当に笑いだけで良いのか真剣に考えるべきところに来ている。

 私がここまで言っても多くの人は、橋下氏は優秀な政治家であり、彼をこのまま政治の世界から放逐するのはもったいない。彼の再登場を願うという人が大阪府・市民の中には沢山いると思われるが、それは錯覚である。長い間の吉本興行とテレビ局の合体で行われたマインドコントロールの状態が大阪の人々にはあるのである。
 橋下氏が同じことを京都で話しても絶対に多数を取ることはできない。橋下氏の話術が通用するのは大阪だけである。大阪の住民は子供のころから吉本新喜劇を見て育ち、学校でも吉本のような振る舞いをできる者が人気者である。いつの間にか吉本の笑いが大阪人の誇りだと思っている。(勘違いしている。)
 良く番組で大阪のおばさんの特集があるが確かに面白い。大阪のおばさん以外にはできないことが沢山出てくる。しかしテレビに出てくる大阪のおばさん全てかと言えばそうではなく、むしろテレビのおばさんは少数派だと思う。町のインタビューなどに出てくるおばさんは面白い、しかしこれはテレビ局が面白い人を選りすぐって出して、これが大阪のおばさんだと我々を洗脳しているのである。
 数ヶ月前に大阪と似ているのがイタリヤだという番組があった。そこでは指のピストルを作って撃つ真似をすると、ローマ以南の人はみんな倒れるが、ローマ以北は倒れないというものであった。そんな事はあり得ない。そういう傾向はあるかも知れないが、テレビ局が選別してそうしたウソを平気で流している。大阪でも同じだ、手でピストルをつくりパンと撃ってみてもおそらく倒れる人は5割もいないだろう。にもかかわらず大阪人は必ず倒れる。東京なら倒れないとテレビ局は平気でウソをまき散らす。
 大阪の人はこのウソ情報を毎日のように聞き、大阪の気分感情を最も素直に表現できているのが吉本の役者だと思いこまされ、手のピストルでパンと撃った時に倒れる人に親近感を感じ、倒れない人は真の大阪人ではないとのマインドコントロールを受けている。
 だから選挙になれば吉本芸人に票を入れる。その数大阪で100万人以上と言われる。この馬鹿げた構図を打ち破らなない限り、大阪は政治の世界では完全に後進府(県)になってしまう。仮にタムケンが出た場合はチャンスである。そろそろ政治と吉本を分ける時が来た。それ抜きに大阪の発展はない。

橋下氏が如何にインチキな政治家か

 橋下氏が如何にインチキな政治家はこの間の彼の動きを見ておれば明らかである。彼は大阪府知事でも大阪市長でも何も成果など上げていない。彼は常に話題をつくり騒ぎまわっていただけである。
 彼が最初にやったことは、労働組合つぶしであり、思想調査や刺青禁止など話題性の高いことを常に取り上げてきた。彼は電波芸人であり、テレビを如何に活用するかに長けていた。さらに彼は公募校長や公募区長制度も導入しが、どれもこれも失敗している。かれが集めたのは、橋下氏のコピー人間みたいな人ばかりである。(中原教育長がその典型である。上西議員も茶髪サングラスの女性版である)それぞれが様々な問題を引き起こした。仕事で頑張ってミスがあったのなら許せるが、セクハラやパワハラ、公金の不正使用など、お話にならない事例が続発した。
 これだけバカなことをやれば、普通の市長なら市民の支持を失うであろうが、それでも彼は大きな支持を持続した。既に神格化されており、何が何でも橋下氏を支持する有権者がいる。しかし彼らは橋下氏の政治的手腕を買ったのではなく、人気タレントの追っかけ気分で応援している。(注5)

注5:大阪都構想の投票行動を探る番組が行われ、親子二人(女性)の追跡報道が
  行われた。最初反対派の演説を聞き、二人は反対に投票しようと思ったと語っ
  たが、次に賛成派の街頭演説を聞きに行ったが、橋下が現れるや否や母親はカ  メラを出して写し始め、アイドルの追っかけの様に手を振っていた。その後二
  人に「判断は変わりましたか」と聞くと、母親は「賛成に投票します。」と答
  えたが「まだ日にちがあるので娘とも相談して」と言った。このテレビは投票
  会場から出てきた二人を捉え、投票行動を聞いたが、二人とも「反対に投票し
  た」と答えた。
   この母親は、娘と相談し最終は「反対」に投票したが、最初は橋下を見た途
  端判断が変わった。これこそが橋下教である。この行動形態が橋下氏を支えて
  いる。橋下氏もそれを十分承知しており、負ければ政界を引退すると脅しをか
  け、橋下教信者の結束を促した。

 橋下氏の分析をもう少しすれば、彼は政治家としては全く無責任である。彼が目指した大阪都構想が本当に大阪市民を救うのであれば、50%近く支持のあった大阪都構想を簡単に投げ出し、市長職を辞めるのか全く理解できない。
 彼が狙っていたのは、自分の話術でどれだけの人が洗脳できるか、5割以上の人を自分の考え方で組織する。そしてやりたいことをやりまくるというのが彼の目標であったと思う。彼は和制ヒトラーを狙っていた。自分にその力があるか確認したかったのだと思っている。彼は負けた時にサバサバしていた。自分が狙った和制ヒトラーになれないことを悟り、政治家から足を洗う事を決意した。
 つまり彼がやりたかった事は、自分が組織すれば過半数を把握することが出来るそれができれば、この国を牛耳ることが出来るそうした構図を描いていたと思われる。(麻原 彰晃などと同じ発想である)
 しかし今回彼は反対派が多数を取ったことで引退を固めた。なぜなら半数を取れなかった彼には巻き返しは困難だと彼は判断していたと思われる。自分の描いている大阪都構想がでたらめだという事を彼は知っていた。ここで負ければ、その後多数を得ることは難しいと思っていた。彼の住民の組織の仕方は、マインドコントロールであり、彼が言えば必ず多数を握れるという信心の中に支えられた理論である。一回そのことが違うという事がみんなの中に広まれば、常勝集団にはなれないと彼は見ていると思われる。
本当の政治家であれば、国民の為にこれが良かれと思ったのなら、それに命をかけても守り通すのが筋である。彼の思考には国民は無く、「自分に何ができるか」の挑戦であった。政治家として権力が握れるか否かである。その際も自分が2番手、3番手の政治家をつづけるという発想は彼にはない。あるいはまだ若いので、3番手でも着々と力をためて力をつけていくという発想も彼には無い。(注6)

注6:これと同じ発想が東国原氏から出されたことがある。
   第45回衆議院議員総選挙は、2009年(平成21年)7月21日の衆議院解散に伴
  い、同年8月18日に公示、8月30日に執行された。この選挙に臨むにあたって自
  民党は東国原氏に自民党からの立候補を促したが、東国原氏の出した条件は、
  『地方分権』と『自民党総裁の椅子』というとんでもない条件を突きつけた。

橋下氏の思考は、オール‐オア‐ナッシングである。

 彼らは、自分がすべての権力を握れるか否かの戦いである。過半数握れなかったので、敗北であり、政治にはもう未練が無いのである。彼は自民党(あるいは維新)の一政治家として政治に関わることは全く考えていないと思われる。(週刊誌で取沙汰されている橋下氏の民間からの大臣なら彼は乗る可能性はある。)
もし彼が一本釣りで大臣になったら、彼は権力欲の塊だという事を公言することになる。大臣になりたいのであれば維新の責任者にとどまり、自民党と連合を組んで初めて大臣になるべきである。しかし彼はある日突然民間枠で大臣になる可能性がある。

橋下の天下取りにぶら下がり、自らも権力を求めた辛坊氏

 辛坊氏は、そうした橋下氏に引っ付いて利益を上げていた。だから橋下氏の政治家からの引退を阻止しようと思って頑張っている。「生活保護に負けた」、「老人に負けた」と総括し、こんな奴に負けて退く必要が無いと橋下氏の励ましを行っている。
 こんな自分の野心だけで動く政治家もどきの人物を大阪は放逐しなければならない。これが大阪の喫緊の課題である。
 最新の情報では、大阪都構想の勉強会をタムケンが主催し、そこへ辛抱が講師として参加したらしい。既に次の盟主を求めて動き出している。(注7)

注7:たむけん「都構想勉強会」での声 あしき大阪名物どうなる?
    東スポWeb 5月15日(金)11時10分配信
   お笑いタレント・たむらけんじ(42)が13日、大阪市内で大阪都構想に
  関する勉強会イベントを開いた。キャスターの辛坊治郎氏(59)を招いての
  勉強会は、白熱した議論になったという。

    都構想によって変わることが期待される1つに生活保護がある。大阪市西成
  区では、ほぼ4人に1人が生活保護を受給する“異常事態”になっており、あ
  しき大阪名物と化している。犯罪などの温床にもなっており、西成の民生委員
  も「(受給者の)誰がどの人か全ては分からない」とぶっちゃける無法地帯
  だ。

    都構想が成立すると、西成区は大阪市中央区などと合体し、新しい中央区に
  なる。その場合はどう変わるのか。賛成派の主張はこうだ。

    「これまでの西成区は市の職員が2年ごとに区長をしていた。自分のときに
  暴動が起きないことを願うだけで何もせず、大阪市長側からみても、大阪市が
  大きすぎるから問題にならなかった。成立後の新しい中央区長は、不正受給な
  どを改善しないと財政的にも問題が出てくるし、区役所を西成に設置するの
  で、そこを中心に開発すればイメージが変わる」
     辛坊氏は勉強会で「もし私が生活保護を受けていたら、都構想に反対する。
  成立したらもらえなくなる可能性も出てくるから」と発言したという。

大阪都構想の総括、初めて大阪民主新報にまともなのが出た

 5月31日の大阪民主新報(2面)に、関西学院大学教授富田宏治教授に聞くという紙面がある。この総括が今まで見た中で一番真面な総括である。その中で「維新の強固な支持層の特徴」というのがある。その内容は、橋下・維新や「大阪都」構想の強固な支持層(30〜40万票)は30〜40歳代の、いわゆる「勝ち組」のホワイトカラー層や専業主婦層だと私は分析しています。新自由主義的「改革」への幻想を持ち、貧困層・高齢層に自分たちの税金が回されること不満で、地下鉄や民営化などにビジネスチャンスを見出していることが特徴です。と書いています。
 鋭い分析であり、この側面からの解明も必要ですが、私はそれよりも何よりも、吉本王国が大阪の票を支配しているとみています。強固な橋下支持層が新自由主義に被れた層だというのは一面真理かもしれませんが、私はそんなカッコの良いものではなく、テレビを利用したマインドコントロールに洗脳された人々がその中心だとみています。
 なぜなら、日本での新自由主義派の台頭は200年以降であり、横山ノックが知事選挙で160万票獲得したのは1995年です。既に吉本は大阪全体で160万票獲得できるシステムを作り上げていた。この票こそが橋下人気の核だと私は思っている。
 自民党の国会での絶対多数は、国民の投票の数から見れば先の衆議院選挙の比例区では17,658,916 33.11%であり、政党の中央主権化が進んでいる現在、地域政党が50%を獲得する行為は極めて異常事態です。

名古屋の「減税日本」と比較してみると維新の恐ろしさが分かる。

 名古屋の河村市長が立ち上げた減税日本は、名古屋の市会議員選挙で2011年に28議席を獲得し第1党になったが、今回の地方選挙では12議席に、愛知県議会では当選者が0人となり惨敗した。その原因は確かに不祥事が多々あったが、橋下維新と似通った政党である。

 大阪維新の会は未だに府議会および市議会で圧倒的一位の政党です。これを支えているのは維新と言う政党組織ではなく、吉本興行を中心とするシンジケートです。河村氏はこの団体が無いから泡のように消えてなくなった。