森友学園疑惑を真正面から捉えず過去に引き戻す赤旗の記事。何を考えているのか!!



平成29(2017)年9月4日


赤旗は森友疑惑を籠池氏の詐欺に矮小化していたが、今回「国有地問題」を取り上げた!! 

 
 本日(9月4日)の赤旗新聞の森友疑惑記事をみて、あれ「国有地問題」を取り上げている。赤旗も本質に近づいたかと思ったが、最新の情報を取り上げたのではなく、過去の情報を取り上げ、いかにも間抜けな記事になっている。

森友学園・加計学園疑惑の最近の情勢、赤旗はこれを無視している


 再度確認しておくが、森友学園・加計学園疑惑は新たな事実が次々暴露され、安倍政権は完全に追い込まれている。この情勢確認がまず必要である。この状況を現したのが、週刊文春(9月7日号)の「飯島勲内閣参与の激辛インテリジェンス」である。彼はこの中で「加計の白紙撤回と10月衆院選」しか安倍内閣の延命は無いと主張している。この考え方は彼一人ではなく、自民党の勉強会に出席した森田実氏も同じような主張を行っているし、元朝日新聞編集委員の山田厚史氏も加計白紙化で臨時国会冒頭解散の観測、窮地の安倍政権がすがる奇策(「世界のかわら版」ダイアモンド・オンライン)で書いている。
 このように森友学園・加計学園疑惑を抱えたままでは安倍政権の浮揚は狙えず、加計学園の白紙撤回という奇襲で乗り切る案が浮上している。それぐらい安倍政権は追い込まれている。これをどう追い詰めるかが最大の課題である。

 森友学園・加計学園疑惑の現状は、森友学園問題では、籠池氏が逮捕されることを予想し、近畿財務局とのやり取りの録音テープを逮捕されたら公表するように手配していた。このテープで明らかになったのは、8億円の値下げがゴミ問題にあったのではなく、安倍首相の陰におびえた近畿財務局が籠池氏の主張通りの額で払い下げた経過である。
 このテープで佐川理財局長の嘘が全てばれてしまい、彼は国税局長官に出世したが、新任の挨拶の記者会見すらできないところに追い込まれている。
 加計学園問題では、学園の設計図が市民活動家によって公表され、その結果、かけ学園側が主張する建設費192億円の根拠が崩れ、そのことによって補助金詐欺の疑いが浮かび上がった。(建設費の半額を今治市と愛媛県で援助する約束が行われている)
 さらにこの加計学園は国家戦略特区で建設が認められ、その要件は石破4条件をクリアしていることが前提である。石破4条件は、新しい獣医学部設置を認める場合は「世界に冠たる先進技術を学ぶ大学」がその条件になっており、加計学園はその条件をクリアしているということであったが、設計図からは最新の研究ができる設備や設計になっておらず、逆にワインセラーが見つかり、学校側の「世界に冠たる先進技術」が全くの嘘であり、バイオハザードがあることが分かった。
 さらには、「加計ありき」を立証するための、今治市や加計学園等が総理官邸に呼ばれた事件やワーキンググループの議事録改ざんなどが今後の争点(詰めどころ)である

 これらが今後の森友・加計学園疑惑の追及の争点になってきているが、共産党はこの流れに乗り切れず、常に頓珍漢な問題を取り上げている。本日付赤旗の「ゴミが無かった」という記事やゴミ撤去費用「4億円」という記事が今日的次元でどのような意味を持つのかさっぱり分からない。

本日の赤旗記事の検証、その1:まず「ゴミが無かったという記事」であるが

 赤旗は「ごみ撤去費用として国が土地価格から8億2000万円を値引きした根拠となった試掘現場写真21枚を、日本共産党の辰巳孝太郎参員議員が3日までに入手しました。写真は国が算出の根拠とした、深さ3.8メートルまで広範囲にごみがあることは確認できず、大幅値引きの根拠が問われる事態になりました。」と書いています。
 私はこの記事に大いに疑問を抱いています。この記事は3月27日の参院予算委員会での辰巳議員の追及記事の焼き直しのような気がします。(すでにこの時点で同じ質問をしています)ただ今回の違いは、現場写真を3日までに入手したというところだけです。
もう一点蛇足ですが、この辰巳議員の活躍は最近配布された「疑惑追及の先頭にたって奮闘!」というビラにも同じ記述があります。(共産党はこれしか誇れるものがないのかと悲しくなります。)

以下赤旗3月28日を引用

2017年3月28日(火)

8億円値引き根拠なし 森友・国有地問題 辰巳氏が追及 参院予算委
 日本共産党の辰巳孝太郎議員は27日の参院予算委員会で、学校法人「森友学園」に大阪府豊中市の国有地を格安で売却した問題で、値引きの理由となった埋設ゴミの撤去費用の積算の杜撰(ずさん)さを指摘しました。
 財務省近畿財務局と国交省大阪航空局は2016年3月、森友学園側から「地下埋設物(ゴミ)が発見された」との連絡を受けて現地を訪問。しかし、直接、ゴミの確認もせずに森友側の主張を受け入れて、最大で地下9・9メートルまでゴミが埋まっていると約8億円の値引きを行いました。
 辰巳氏は、この国有地で大阪航空局が2010年に地下構造物状況調査を実施していたことをあげ、ゴミ撤去費用の見積もりの参考にしたかどうかを質問。国交省の佐藤善信航空局長は「参考にした」と述べ、同調査では「レーダー探査し、68カ所で試掘を行った」と認めました。
 辰巳氏が、この時の掘削深度についてただすと、佐藤航空局長は「試掘の深さはおおむね3メートルで地下埋設物がなくなる深度だ」と答弁。事実上、おおむね3メートル以下はゴミがなかったことが裏付けられました。
 辰巳氏は「大阪航空局の調査でも、地下9・9メートルの(ゴミの存在の)根拠がない」と指摘。政府が「(根拠なく国有地の)過大な値引きをしたことは明らかだ」と批判しました。

 4月8日付赤旗には再度森友疑惑が取り上げられていましたが、私は以下のような批判をしています。

森友問題で安倍内閣の広報に成り下がった赤旗 エガリテ


                            平成29(2017)年4月9日 

赤旗の森友関連記事(4月8日付)は、問題の本質が見えていない重大な疑問がある。
 赤旗4月8日の記事では(4月7日には森友関連記事はなかった)、「森友2300万円過大請求か」「国交省小学校の廃棄物撤去費という記事を」15面【社会】に載せている。この記事は毎日新聞よりすごい記事になっている。なぜかというと赤旗には森友学園が建設会社から得た領収書の写しを載せているからである。赤旗は一般紙を抜いたと有頂天になっていると思われるが、この領収書のコピーの出所が問題である。赤旗の説明では辰巳孝太郎参院議員が国交省から入手しました」と書いている。
  このことがおかしいことに赤旗は気づいていない。森友学園関係の書類は一切処分してないはずの資料がなぜあるのかの追及をしなければならない。谷氏のFAXも籠池氏が参議院の証人喚問の際、「ファックス原本をここに持っています」と答えたが、手元には無く、「近くにはあります」と答えた。そうしたら昼の休憩の間に菅官房長官が慌てて関係者にコピーを配布した。どこにもないはずの書類が出た。政府は自らに都合の良い書類だけを出し、情報操作を行っている。それに見事に引っかかった事例である。

 今回の記事も引っかかるのは、4月8日付赤旗と同じように、「写真は辰巳議員が国交省から提出を受けたもの。」と書いています。前回の資料の入手先と同じであり、そのおかしさに気付かないところが間抜けです。
 この写真は3日までに入試と書いていますが、「月」を明らかにしていません。すでに3月に入手していた可能性があります。そうでないと一切の資料を廃棄したはずの国交省は赤旗に小出しに資料を出していることになります。いかにも怪しい情報です。(これが事実とすれば国交省の情報操作に利用されています。)
 
 今回の記事の問題点は、森友疑惑はすでにゴミの問題ではなく、価格交渉をやってきたことが暴露されています。この議論をゴミ問題に誘導する政府側の魂胆が透けて見えます。

本日の赤旗記事の検証、その2:ゴミ撤去費「4億円」と書かれています。これって本当!

 これも馬鹿げています。籠池側が本当にごみ撤去したことを前提に考え、ごみ撤去費用が4億円といっても何の証拠にもなりません。籠池氏は最初にもらった1億3200万円以上のゴミ撤去はおそらく行っていないと思います。この1億3200万円も一度それで領収書を切り、業者に約2千万のキャッシュバックを求めています。
 2回目の8億円のゴミは、本当に存在したのではなく、逆に持ち込んだという噂さえあります。この件に関して一人の人間が死んでいます。自殺か殺人かは分かりませんが、それほどやばいゴミ事件です。
 しかし、近畿財務局との実際の交渉では、確かにごみ問題で籠池側は脅していますが、近畿財務局は、「籠池側の要望に沿うようにゴミ問題を含めて処理する」というような回答をしています。本当のゴミ撤去費用はいくらかという問題には全く関心を示していません。値引きにゴミを利用しようという相談です。
 ここまで事実関係が明らかになり、国側を追い詰めているのに今頃ゴミの撤去費用を実際は4億円だという試算は、百害あって一利なしの議論です。本質隠しに加担する議論です。