またまた無内容な共産党のビラ(大阪府会議員団長の「Mレポート」)



 2012年1月25日付け府会議員団長のMレポートは、教育基本条例(案)と職員基本条例(案)に反対するビラです。これは志位委員長が大阪ダブル選挙の告示日独裁の三点セットと位置づけた内の二つです。(ちなみに、もう一つは大阪都構想です。)

 四中総で志位委員長は、「橋下・「維新の会」の策動は、地方からファッショ的な独裁政治の拠点をつくり、国政に広げようというきわめて危険な動きです」と警告しています。大阪府党組織はこの橋下・「維新の会」との戦いを推し進め、全国的に波及することを阻止するきわめて責任重大な課題(任務)があります。

 M大阪府議員団長のビラはこうした立場から書かれているでしょうか、またもやピンボケのビラになっています。まずビラを書く場合、何が問題なのか(敵の狙いはなにか)、現状の力関係はどうなっているのか、今後の戦いの展望は、さらにはみんなに反対運動に参加することを要請する。というような大まかなデッサンを確立してビラを書くことが重要です。(「起承転結」でわかりやすく書く。)

 この間のM府会議員のレポート(ビラ)、市会議員団の市政資料のどれをとってもそのような基本デッサンに従って書かれておらず、思いつくままに書かれたピンボケなビラに仕上げっています。(大阪府委員会のバカ10連発、高槻市委員会のバカ10連発参照)

 今回のビラも同じように、全くピントがぼけています。以下整理して説明します。

 まず見出しです。一番大きな見出しは、横見出しで、「1人1人の子供にしっかりした学力、やさしく豊かな感性を」書かれています。さらにサブ見出しとして「目先の成果と競争だけを求めたら子供の多様な可能性はつぶれます」と書かれています。これは教育目標を書いたと思われます。(これを実現したいということでしょう。)

 次のたて見出しで「子どもには教育を受ける権利を保障しなければなりません」と書き、サブ見出しに「憲法などは政治家に、教育条件の整備に努力することを求めています」(?)と書いています。憲法や教育基本法は政治家に言及しておらず、国や地方公共団体の責務を定めています。この文書の書き出し起承転結の「起」にあたる部分が上記横見出しも含めて教育に対する一般論になっておりピンボケな見出しになっています。

 次に「承」に当たる部分の見出しは「山田洋次さん、尾木直樹(尾木まま)さん、竹下景子さん、杉良太郎さんなど教育基本条例に反対しています」と書かれています。これも問題があります。まずこれは「承」の内容では無く「転」で書く内容です。

 次に「転」には「3年続けて定員われの高校は廃校を検討」、教員や職員の5%は大きな問題はなくても必ず最下位評価、2年続いたらくび」と書いています。さらにサブ見出しで「子どもや府民でなく知事や市長、校長や管理職の顔色だけを気にする教員や職員は困ります。これは橋下・「維新の会」が進める条例案を批判したもので、本来「承」に当たる部分です。

 次に「結」では、橋下市長と松井知事は、教育条例と職員基本条例の提案はやめるべきです。サブ見出しで「大阪府と大阪市にみなさんの声を届けましょう!」これもピンボケです。「提案はやめるべきです」というのはM氏が議会内で発言すべき内容です。市民向けには「阻止する戦いに立ち上がりましょう」です。

 以下もう少し具体的に見ていきます。

 まず「起」の部分の見出し、これは、今回の2条例案と切り結ばない、一般的概念を語っています。橋下・「維新の会」は「教育を受ける権利を保障しない」といっているのではありません。この部分の内容でも、「教育を受ける権利を侵害している」という見出しに対して中味を述べた記事で実証ができていません。「政治家の仕事は教育条件を少しでもよくすることです」では、橋下氏に「それをやろうとするのが2条例案だと居直られてしまいます。 ここでは「政治は教育に介入してはならない。」と主張すべきです。(この立場が「独裁NO」の立場です)

 この「起」の部分では、この条例案の中身を紹介し、次の「承」の部分で、この条例の危険性を説明すべきです。「起」に無駄なことを書き、「承」で続けなかったため、危険性が分かりにくくなっています。

 次に「転」この条例案をめぐる情勢を書くべきです。山田洋次さんらの声明も重要ですが、すでに大阪市議会、堺市議会では「維新」提案の2条例、維新以外のすべての会派によって否決され、地元高槻市議会でも「教育基本条例案反対」意見書が採択され、堺市や吹田市などでは教祖の垣根を越えた共同アピールが発表されています。ここに情勢(戦いの展望があるのです)

 さいごの「結」ですが、「提案はやめるべきです」などと腑抜けなことを言わず、提案させない戦いをしようと呼びかけるべきで、さらに「みなさんの声をとどけましょう」は具体的に一人一人の市民がどのようにして立ち上がればいいのか全く提案されておらず、無責任な呼びかけになっています。ここで押さえるべきは、「橋下・「維新の会」が柱とする「2条例案」をつぶすなら、「独裁戦略」大きな打撃を与えることになる。」です。この文言で終えてこそはじめて4中総の呼びかけに応える大阪の戦いになるのです。

 このように大阪府会議員団長のビラや高槻市委員会のビラはいつ見てもピンボケです。なぜそうなるのか、それは党の方針(独裁NO)を正確に学ばず、その時、その時の思いつきで書いているからです。

資料:2012年1月25日発行:Mレポート