「参議院選挙」終盤戦になっても共産党のビラが手に入らない?


平成28(2016)年7月3日


共産党の参議院選挙に対する政策ビラが配布されて来ない。

 6月22日公示、7月10日に投開票される参議院議員通常選挙はすでに終盤に入るが、我が家に共産党のビラは全く入らない。
 現在まで我が家に入ったビラは、大阪維新が2枚、自民党が1枚、民進党が1枚、である。これらのビラは毎日新聞の折り込みでチラシという形で我が家に届いた。通常共産党のビラは、赤旗に折り込まれて入るが、今回の選挙では赤旗に共産党の政策ビラは折り込まれていない。赤旗には「小池書記長来る」という街頭演説への案内ビラは連日折り込まれているが、政策ビラは全く折り込まれていない。
 共産党はビラを配布するという選挙活動はやめたのか、不思議でたまらない。ただ駅頭で市会議員が政策ビラを配布していた。そのビラは落ち着いたいいビラに仕上がっている。なぜこのビラを全戸配布しないのか、最低限赤旗になぜ折り込まないのか不思議でたまらない。

昔は共産党のビラは選挙毎に10数枚全戸配布していた。

 古い話で恐縮だが、今から40年〜50年前共産党が躍進に次ぐ躍進を重ねていた際、選挙期間中毎日違ったビラを全戸配布していた。(党中央から送られて来ていた。)選挙戦の最終日事務所に大量のビラが残り、私が地区委員会に「この残ったビラの処分をどうするか」を尋ねた際、「残ったビラをすべて重ねており、配布せよ」との指示が出た。私はこのときこの指導は間違っていると思ったが、何枚ものビラを重ねており、夜の12時までかかって、全てのビラを各家庭のポストに入れ処分した。
 この時の私の感想は、人の家のポストをどのように捉えているのか、「ごみ箱ではないのだ!」という怒りがあった。4枚も5枚もビラが入っていれば、おそらく市民は正当な宣伝活動と思わず、自分の家のポストを共産党のビラが埋め尽くし、非常に迷惑と捉えるだろうと私は考えていた。
それくらい政策ビラを各家庭のポストに配布し、政策宣伝活動に力を入れていた。

 今回の選挙では、共産党のビラは全く入らない。これは選挙活動の手法を替えたのか?
 おそらく、選挙の戦い方を変えたのではなく、運動員の高齢化と財政活動の行き詰まりが、このような情けない選挙戦になっているのだと思われる。
 今回の選挙で、駅頭で政策ビラが配られていたのに、各戸配布は無い。共産党のビラの配布の仕組みが良く分からないが、ひょっとすると生命保険の外交員が我々を勧誘する際いろいろのサービス品をくれるが、それはすべて外交員が会社から買ってきて我々に配布していると聞く、つまり自分の持ち出しなのである。
 共産党のビラも、お金を出さないとその地域へビラは送付されて来ない仕組みになっているのかも知れない。駅頭で配布するビラがあるのに、赤旗に折り込むビラは無い、あるいは他党派のように一般紙に折り込むことは、お金がないからできないのではないか?
 ビラだけでなく、ポスターも全く見ない、選挙戦だというのに選挙がどこで戦われているのか、身体で感じることが全くできない。

共産党は大きな勘違いをしている。政党は自らの主張を広く国民に知らす義務がある。

 共産党のビラが1枚も手に入らない状況で選挙を戦っている。ポスターも全く貼られていない。選挙の掲示板版だけに候補者の写真が貼られている。こんな選挙の戦い方が正しいのか、これが本当に民主主義なのか、国民に選択肢を提示できない政党が一人前の政党と言えるのか極めて疑問に思う。
 共産党のこの体たらくさは、すべてお金がないところに根源にあるのではないかと思っている。

お金と政治にこだわりすぎるところにある。(清潔さだけで、政治は戦えない)

 全ての根源は、政党の活動を助成する目的で国庫から交付される政党交付金の受け取りを拒否しているところにある。自分だけが拒否しいい子になろうという政治手法が、逆に共産党を窮地に陥れている。
 政党は自らの立場を国民に説明し、その支持を受ける必要がある。その条件は同じでなければならない。自分だけをお金をもらわないと不利な立場に追いやり、他の政党は国から、お金をもらっている、我々のみがお金をもらっていない唯一の清潔な政党である。こんな次元で戦うのは間違っている。
 「武士は食わねど高楊枝」という言葉があるが、まさにこの発想での戦い方である。大事なのは、そうしたカッコ付でなく、中身での勝負こそが重要であり、この大事な選挙戦で自らの政策ビラを、一枚も各家庭に配布できない状態は、民主主義でもなんでもない。他政党は、お金を使い、一般紙に折り込み配布しているのだ。しかもすべてがカラーで上質紙を使っている。
 政党として、自らの主張を国民の中に知らしめることができていない現状に危機感すら覚えず、漫然と駅前でビラを配っているフリだけをしている自分たちのみじめさをこの人たちは感じないのか、私は政党人としての基本的資質に疑問を抱く。(注1)

注1:共産党の駅頭でのビラ配りは、他党派と全く違い、立っているだけで配ると
  いう意識が全くない。私は出勤時いつも見ているが、私以外の人がビラを受け
  取った人を見たことがない。私はほしいので、奪い取るようにビラをもらう。
   すでに他党派はマイクもワイヤレスのヘッドホーン型を使い、政治的主張を
  しながらビラを配っている。その姿は自信にあふれている。おどおどして配っ
  ているのは共産党だけである。

当たり前の政党として活動しない限り、多数派には絶対に慣れない。

 他の政党との違いを強調して、自らの正当性を主張する方法は、必ずしも、国民から支持されない。
 例えば、政党助成金問題がそうだしこの間の藤野政策委員長の事件もそうだが、他党派は、議員の不祥事があっても基本的には守るが、共産党は突き放す。これも一般的に言って違和感を禁じ得ない。
 彼の発言は間違っておらず、他党派から攻撃される弱点を有していたが、それは十分反撃が可能であったし、むしろ自衛隊をめぐる安倍政権の狙いをより暴露していける展開へ広げることも可能であった。
 共産党に対する期待は、戦う政党だということを忘れてはならない。

他党派のビラの評価について(自民党のビラは見事に大阪維新を批判している)

【自民党にビラ】
 自民党のビラが面白い。橋下維新の会が、大阪の再興のために動き出し大きな成果を上げていると書いているのに対して、大阪は最悪だというビラを配布している。
 見出しを拾うと、「深刻な大阪の現状」「ここ数年で他都市と比較して」という見出しで、まず「経済」「大阪の所得は全国10位に転落」「平成20年は5位、24年は10位」「大阪市民一人当たりの所得はここ数年で56万円減少」さらに「大阪市・大阪府の開業率に対して、廃業率の高さ」をグラフで表している。
 また「財政」「大阪府は起債許可団体に転落し、数年前より財政が悪化」
 子育て・教育では「待機児が他都市に対して多い現状」「グラフで表している」ちなみに大阪府は11224人、京都府は11人というのを上げている。「小学校の不登校児童生徒数が増加」「平成20年18位」「平成26年6位」と書いている。さらに「小学校教員の採用試験倍率が低下傾向」と書き、これもグラフ化し、京都府や兵庫県が倍率が2.2倍から4.2倍ぐらいに拡大したのに、大阪では3.4倍から3.2倍に低下していると指摘している。
 さいごにだからこそ○○○○さんは、未来ある大阪を築くため世界都市大阪を実現します。で結んでいる。
 このビラは一面でアベノミクスの成果を語りながら、例外的に大阪はここ数年で悪くなっていると、まさに橋下維新の嘘っぱちをすべて暴いている。共産党のビラより、大阪維新攻撃としてはよく仕上がっている。

【大阪維新のビラ】
 「これが維新の改革」という大きな見出しを掲げ、議員報酬と府議会定数の大幅削減で42億円の削減実績、東京都議会との比較で如何に大阪が「身を切る改革」を実施しているかの宣伝を行っている。基本的には、天下国家のことは語らず府会報告的なビラに仕上がっている。(候補者が府会議員であったから)
 もう一枚の大阪維新の会のビラは、「育費をタダに!」という課題一本に絞ったビラである(新人の女性候補のビラ)大阪のおばちゃんは「タダ」に弱いところに的を絞ったビラだが、人を馬鹿にしている。もっと国政選挙らしい課題を掲げるべきだ。

【民進党のビラ】「人から始まる経済再生。」を表紙に掲げ、「あなた『国民』と進む『民進党』と書いている。
 中開は、「今、必要なのは、アベノミクスの見直し。」「暮らしを豊かにする経済へ。」と見出しを掲げ、分かりやすい説明を書いている。最後のページ(裏表紙)は、まず2/3を採らせないこと。という見出しと岡田党首の写真を載せ、与党に2/3をとらせないことが重要だと、選挙戦の争点を明確にしている。共産党のビラだと言っても通用する良い仕上げになっている。

【共産党のビラ】駅頭でもらったビラ(家には配布されていないが)
 「安倍暴走政治ストップ、新しい政治にチェンジ!」が最大の見出しで、参院選の大争点「安保法制」「自民党の改憲案」にはっきりNO!を」「アベノミクスは格差と貧困をひろげただけです。」と書き、日本共産党の提案「3つのチェンジで経済に民主主義を」と主張しています。裏面は「野党の共同こそ『希望』です。」  「民主政治を回復」「憲法無視の暴走をとめる」「市民がつくった野党共闘」さらには「野党の共闘政策」を掲げています。
 全体としてバランンス感覚があり、良いビラに仕上がっています。
 しかし、このビラがどのぐらいまかれたのか疑問です。自民党、民進党、大阪維新党は、一般紙に折り込んでいますから全世帯に届いています。共産党のビラはアリバイ作りのため駅頭で少し配布しただけです。
 (これらの状況は私の住んでいる地域の状況であって、全国的には共産党のビラが大量に配布されているのか分かりません。しかし、この地域で共産党が大量得票することはまずありえません。)