相変わらず間の抜けた共産党の選挙政策


   2中総では安倍自民党と戦えない。(戦い放棄の方針)


            平成26(2016)年11月27日


総選挙で共産党は何を争点として戦おうとしているのか?

 共産党は11月25日第2回中央委員会総会を開いて、総選挙へ向けた党の方針を確立した。(以下「2中総」と呼ぶ)しかしその内容は安倍首相の企む今回の解散総選挙の狙いと真に対決できているか、甚だ疑問である。

毎日新聞は共産党の選挙公約をどう評価したか(生活の党と比較して)

 まず、本日(27日)の毎日新聞に「共産党」と「生活の党」の衆議院選挙公約が発表されたという記事がある。それぞれの見出しを見れば、「生活の党」の見出しの方が格段に良い。(これは毎日新聞がどう読み取ったかであるが)
 まず「共産党」の選挙公約は「消費税増税中止」「共産公約財源の試算も示す」という内容になっている。「『共産党』は消費税廃止ではなく、あくまで10%への増税反対を掲げて今回の選挙戦を戦おうとしている」とまとめている。
 これに対して「生活の党」の公約は「格差拡大の阻止主張」「生活公約非正規の待遇改善」と書かれている。これを見たとき、「生活の党」の方がアベノミクスの本質を捉え戦っていると読み取るのは私だけだろうか?
 この2つの「公約」の違いは歴然である。安倍首相は今回10%への消費税の増税を見送り「アベノミクスの成否」についての議論をお願いしたいと訴えている。たしかに「延期」か「中止」かは、大きく違う。しかし相手が先延ばししてその議論を争点から外しているとき、それにしがみつき、しかも消費税廃止を掲げるならその主張には十分意味があるが、来年10月から1年半延期した消費税のアップを選挙戦の最大の争点に掲げることは馬鹿げている。
 共産党が2中総で、「この選挙で問われるのは、安倍政治の全体だということです。」と主張している。ところが安倍首相は「『アベノミクス解散』と称して、この問題だけに争点をしぼろうとしています。」と異論を唱えながら、消費税8%か10%に選挙戦の最大の争点に掲げる「共産党」は、「アベノミクス」とすら戦わない、あさっての方向に向かった戦いを組織している。(「増税反対」と「アベノミクス反対」とは違う・・増税は財務省の強い要請が背景にある)
 「生活の党」が主張した「格差拡大の阻止主張」「非正規の待遇改善」の方が「アベノミクス」と対決し、本来、労働者階級の政党としてふさわしい政策である。

共産党は情勢分析と選挙戦の方針が整合性が取れなくなっている。

 3.11東北地方太平洋沖地震の直後に戦われた一斉地方選挙では、赤旗に「この選挙戦の情勢は多くの国民の意識が変わってきています。」と書き、その具体的内容として「多くの国民は原発反対です」とアンケートの具体的内容も示し、原発反対が多数派になっていると分析しながら、「共産党の原発政策は、『安全優先の原子力政策』です」と選挙投票日(前半戦)の前日赤旗の主張に掲げてしまった。それ以前の赤旗には原発反対を掲げて戦っている多くの候補者の運動が紹介されていたのに、後半戦の選挙では、原発反対を掲げて戦っている候補者の姿は載せず、完敗していく。
 今回もその教訓に学ばず、多くの国民が安倍首相の「戦争できる国づくり」に反対していますと報告しながら、戦いは消費税10%阻止が最大の課題だと言う。これでは「共産党」でなく、増税反対党でしかない。
 「共産党」の「共産党」である所以は、独占資本主義の狙いと、それを阻止する労働者・国民との対峙している政治的課題は何かを明らかにし、その最大の問題点に対して国民を組織して戦うことである。
 生活改善だけなら、他の党派でも十分戦える。「共産党」は、国家権力の狙いを暴きそれと対決してこそ値打ちがあるのである。
 具体的に見ていこう。赤旗27日付けに、第2回中央委員会総会に志位委員長の結語が掲載されている。その中に以下のような記述がある。
 「安倍首相の言動を見ると、これまで自民党を支持してきた人からも「怖い」「辞めさせてくれ」という声が起こるわけです。こんな政治を許していいのか、日本の未来を危うくする政治は止めなければならない。そういう気持ちが、広く起こっています。」と志位氏は結語で述べています。この情勢分析と消費税10%値上げ阻止がどう結びつくのでしょうか。

共産党の公約は「五つの転換」は、はたして本当か?

 私がこう書くとそれは言いがかりだ、「共産党が主張しているのは『五つの転換』であり、『海外で戦争する国』にも反対も第三の項目で主張している」と反論されると思います。たしかに「五つの転換」には入っていますが、これはメインでなく、アリバイ的に配置され、やはりメインは消費税10%阻止です。

 2中総では「(2)経済論戦―消費税増税問題と『アベノミクス』問題を二構えで訴えよう」という記事に、相当な分量を割いていますが、「海外で戦争する国」づくりストップは、「(3)の自民党との対決姿勢とともに、責任ある抜本的対案を語ろう」というセンテンスの中に10行でしか語られていません。しかも不思議なことに、このセンテンスには、すでに「(2)経済論戦―・・・」で述べた「消費税10%反対」がまたも書かれ、その行数は「海外で戦争する国」よりも多いという混乱ぶりを発揮しています。

 さらに重要なのは、2中総では、「もちろん、いつでも、どこでも、『五つの転換』の全部を言わなければならないということではありません。さまざまな訴え方があると思います。」と書いています。
 この指示は極めて重要な指示であり、それぞれの地区でその宣伝内容を自由にチョイスできるということです。
 私が先の参議院選挙の際に、私の選挙区である大阪10区では、「尖閣列島」のビラばかりまいていました。今回のこの方針を受け、選挙戦での訴えは消費税10%に集中することが十分予想できます。(現に駅頭で受け取ったビラは「消費税10%値上げ反対」だけでした)地方の地区委員会では、集団的自衛権や特定秘密保護法や原発再稼働反対など政治的課題を真正面に掲げて戦う政治的力量がなく、消費税10%反対なら誰でも言えるし、ほぼすべての国民が反対だったら訴えやすいと思い、これに流れて行く危険性が十分あります。これでは安倍首相の企みと対決したことにはなりません。
 

この間の赤旗を見れば明らか、戦いは「戦争できる国」づくりで始まっている。

 共産党は、総選挙を「消費税10%値上げ阻止」で選挙戦を組織しようとしているが、国民の戦いとりわけ若者の戦いは、特定秘密保護法反対の戦いなど安倍政権が推し進める「海外で戦争できる国」に反対して立ち上がり始めている。

「東京・渋谷で10月25日、首都圏の学生らでつくる「特定秘密保護法に反対する学生有志の会(SASPL)」が主催するデモがあった。ソーシャルメディアを使って参加を呼びかけ、全国の若者ら約2千人(主催者発表)が集まった。音楽に合わせて秘密法の問題点を訴え、『民主主義って何だ』と問いかけながら、渋谷センター街や表参道など約3キロを練り歩いた。」(赤旗の記事は無くしてしまったので、朝日新聞デジタルから引用した)
 
 京都でも、11月24日「安倍やめろデモ@京都」が11月22日行われ約200人の参加があったと赤旗(11月24日)は書いています。写真も掲載され写っているプラカードは「特定秘密保護法反対」「ANTI Fascist」であり、消費税のプラカードはありません。
 安倍政権と対決するということはこういうことです。「消費税10%反対」では安倍政権の本質と戦ったことにはなりません。

 繰り返しになりますが、安倍政権の「『海外で戦争できる国』づくりこそが危険」、国民もそう思っていると主張(2中総:志位委員長の結語)しながら、選挙戦の争点は「消費税10%値上げ阻止」という共産党の思考停止は全くその理由がわかりません。

最後にインターネットの掲示板「阿修羅」で見つけた選挙スローガン


 戦争へ行きますか! それとも選挙に行きますか!

このスローガンこそ今回の選挙戦の課題を一言で表している