大東市の市会議員選挙で共産党は2名当選、これは本当に善戦であったのか?


令和2(2020)年4月25日

大東市の市会議員選挙で共産党は2名当選、これは本当に善戦であったのか?

 しんぶん赤旗(4月21日付)は、4月19日投開票された大東市議選(定数17、立候補19)で日本共産党の2候補が現有議席を守り抜きました。投票率が前回より4.94ポイント下がる中、両氏とも得票数・率を伸ばしました。という記事を載せています。もう少し赤旗の記事を引用しますと、この勝因は「新型コロナ感染拡大による命、暮らしへの不安や影響が一段と深刻になるなかで、『新型コロナウイルス感染でお困りのことはありませんか』と市民の不安、願いに応える活動を最後まで貫いたと強調。新型コロナ対策で4次にわたる提言や議会で積極的提案を行い、市民要求の実現に力を尽くしたことや、市民不在の市役所移転計画など市政の根本問題と市民の暮らしを結び付け、市議団の議席の値打ちと市政の転換を訴えたとし、『こうした活動と主張に共感が広がった』しています」という共産党大東市選対本部の声明を載せています。
 さらに当日市議選と共に戦われた大東市長選挙では「市長選では、残念ながら日本共産党が自主的支援した沢田貞義氏は及ばなかったものの『市民の声で動く市政』を求める市民の世論が現職を追い詰めたと指摘。日本共産党は、市政転換を求めた市民との共同をさらに強め、議会内外で奮闘するとしています。」との声明を載せています。

大東市長選挙で共産党が支援した候補は、前回の市議会選挙でトップ当選した男だが??


 しかしこの男の前歴は驚くべき「前科」があります。大阪維新から府会議員に立候補して当選し、維新の府会議員として活躍した経過があります。このさわだ氏のOfficial Siteを見ると彼の経歴が記載されている。
 〇国立大学法人京都繊維大学大学院 終了
 〇2000年 大東市議会議員 初当選
 〇2011年 大阪府議会議員 初当選
 〇2016年 大東市議会議員 四期目

 澤田氏の経歴が、初当選から四期目までの真ん中が抜けているのでさらに彼の経歴をもう少し探しました。面白い記事がありました。「SUNチャンネル」という情報画面で、澤田氏の新たな履歴が載っています。しかもとんでもない履歴です。
 ●政党 民進党
 ●経歴 
  〇国立京都工芸繊維大学大学院 修士課程 在学中
  〇大東市議会議員(3期)
  ●大阪維新の会 大東市府政対策委員 
 この経歴の「政党」は「民進党」と書きながら、履歴に大阪維新の会 大東市府政対策委員と書いています。ここになぜ大阪維新が出るのか全く分かりません。(注1)
 さらにこの画面には彼の動画が張り付けられています。日付は2014年7月18日ホームページと書かれ、その動画を見ますと澤田氏が現れ、6月25日に大阪維新に離党届をだしたという報告をしています。現状ではまだ受け付けられていませんと彼が話しています。

注1:私の勉強不足でした。このような政党の離合集散があったらしいです。
   2016年3月27日に、民主党に維新の党が合流し、改革結集の会の一部、無所属の議員も参加して、
  民主党が改称する形で結成された。そのため新党結成という形をとってはいるが、総務省に届出をし
  ている法人としては、1996年結成の民主党が解散せずにそのまま同一団体として存続していた。結党
  時から2017年9月までは衆議院・参議院両院で野党第一党を形成していた。(Wikipediaから引用)

 これらの記事を見てさらに澤田市長候補に対して興味を持ちさらにインターネットで検索すると「大東市議会選挙前 維新脱退・鞍替え編 G澤田貞良 49歳トップ当選3150票 無職」 という記事に当たりました。(Watchdogkisiwada)(この当選は、2016年4月17日の選挙、彼の4期目の当選を指していると思われます。)
 この記事を拾うと
【橋下維新の会・澤田貞良の不倫と学歴疑惑】―大東―不倫に続いて澤田府議は次は大学院疑惑が(河北新聞) 2012年-02-29 12:54:33
 そこで河北新聞の記事を探していると「ぽぽんぷぐにゃん」というサイトに行きついた。この「ぽぽんぷぐにゃん」という方はYoutubeで活躍されている方で、その動画は私もよく見ている。(最も画像は景色が現れ、内容は音声のみであるが、有名なコメンテータを招き時事問題の論評をされている。)
この方のサイトには初めて入ったが、河北新聞の引用があるのでそれを引用させていただく。
 >不倫相手の女性とは50万円でケリをつけたと言うが金銭の出所や状況についても甚だ疑問が残る、(女性の方が澤田議員に)適当に言いくるめられてしまった感があり大いに不信感がある…等と自らの後援会役員からマスコミなどに対して内部告発を受けた、大東市選挙区から出ている大阪維新の会の澤田貞良府議(43歳)について先の後援会役員が同議員が京都工芸繊維大学院に入学した件に関し『大学院に多額の金銭を出し学歴を金銭で買おうとしている』事を指摘している事が明らかになった。(以上引用)

 この澤田議員を共産党が推したというのは意外である。共産党内の不倫問題には厳しい共産党が、他党派の市長候補には、その厳格さを求めないのは理解できない。(もともと私は不倫=共産党の除名みたいなやり方は間違っていると思っているが)筋を通している共産党が筋を通さずダブルスタンダードで臨むのは賛成しかねる。
 さらに元維新の府会議員であった者を市長選の候補として応援する共産党の姿も私は絶対に見たくない。こんなことをすれば、国民からは「政治は汚いものだ!」党利党略で動いていると取られてしまう。大東市の共産党の政治姿勢に対しては大いに疑問がある。

市会議員選挙では、共産党は自らの陣地を回復したのか、その総括が重要である。

 1週間ほど前に茨木市の市会議員選挙に触れ、自らの不祥事で共産党の支持基盤を失ったが、その陣地を取り戻せたのか検証した。大阪維新の会は前回の市長に不祥事があり、市会議員選挙では23.35%だったのが、今回の市長選挙と同時に戦われた市議補選(定数3)では、上位2名が維新でありその投票数は51.24%獲得している。(同時に戦われた市長選挙では維新は敗北したが、43.08%獲得している)市議会の補欠選挙7名が出馬したが、共産党は最下位で7.12%であった。 2017年の市会議員選挙では10.59%を獲得しており、党勢はじり貧状態である。
 私は茨木市と大東市の市会議員選挙に共通項があり、失地回復ができるのかを注目している。(1週間前にUPした文書の見出しは「大阪の茨木市と大東市の選挙は、共産党の不祥事の克服ができたか否かの試金石である」と書いた。)茨木市は回復できなかったが、大東市はできたのか見ていきたい。大東市の市会議員選挙結果を2008年から追いかけてみたい。


 2008年共産党は、6063票獲得し得票率12.8%取り、3議席獲得している。これが共産党の基礎陣地である。今回の選挙総括は、現有2議席獲得、得票数・得票率ともにふやしたと総括している。この表現に何の誤りもないが、本当にそんな総括で良いのですかと私は問いたいです。大東市の共産党はどのような政治目標をもっておられるのですか?少なくとも2008年の12.8%に戻すことを政治的課題として位置づけ、それにどう近づいたかを常に考えておくべきだし、それを前面に立てて戦い、総括していかないとじり貧になります。少なくとも今回獲得した9.84%からの成長は図れず、このまま2議席を死守するだけの政党になってしまいます。
 厳しいことを言いますが、今回の選挙戦を見て(私は全くの外野であって、インターネットでしか情報は把握できていませんが・・・)今後の成長は諮られないと思います。なぜ私がそう思うか、私の視点を書いてみます。

大東市の共産党の政治姿勢に対する疑問

1.不祥事で大阪維新から除名(?)された者を、市長選の候補として応援したのか?
 しんぶん赤旗には、「市長選では、残念ながら日本共産党が自主的支援した沢田貞義氏は及ばなかった
 ものの『市民の声で動く市政』を求める市民の世論が現職を追い詰めたと指摘」と書いています。
2.赤旗には共産党の大東市の選挙対策本部が「声明」を出したと書かれていますが、私が
 インターネットで探した限りではどこにも声明が見当たらない。(大東市の地区委員会が見当たらな
 い。共産党の市会議員団のHPはあるが、記事が全く更新されていない。一番新しい記事は2018年1月
 の法律相談である。)
3.あらさき美枝氏のホームページは更新されているが、カレンダーがあり選挙後21日と24日新しい記事
 を載せたことが明らかにされているが、両方の記事とも選挙結果については全く書かれていない。 
 (「ご支援ありがとうございます。」ぐらい書くのが常識だと思うが・・・・)
 「最新コメント」という欄があるが、その記事は2018年6月13日である。
4.あらさき議員のHPには、今回の選挙で配布したビラが見られるようになっているが、このビラでは
 選挙に勝てない。私が一番嫌う大阪の最大の弱点「安全・安心・優しい大阪」方式のビラである。
 具体的に何が書かれているか「いま、ほしいのは、希望と安心」これが最大のスローガンである。  さらにもう一枚のビラは「新型コロナ感染防止へ」「自粛とセットでみんな補償を」大きな見出
 しで使い「守りたい命、守りたい未来がある」と書いて、コロナ対策、国に求めますと書き、国への 具体的要求を書 いています。
  このビラからは大東市が抱える課題が全く浮き上がってきません。市会議員選挙でコロナを前面
 に出して戦うのは邪道です。大東市が抱える政治的課題を前面に出し、その獲得のために先頭に立って
 戦うという気概みたいなものが全く伝わりません。
 「安全・安心」・あるいは「守りたい命」みたいなほわっとした温かみの主張は誰も反対しませんが選挙のスローガンとは違います。何が問題で何を変えようとしているのか明確に打ち出す必要があります。(他党派と切り結ぶのが選挙です。)

 今回の市会議員選挙では、大阪維新の会が上位を独占しました。1位から3位は大阪維新、4位5位に公明党、6位が無所属、7位に大阪維新です。なぜ大阪維新が上位を独占するのか、それは「議員歳費を削減して、国民(市民)のために使おう」という具体的な政策を掲げているからです。それに対して共産党は反対している、彼らは口ばっかりで、市民の生活より、自分の利益を優先している。と大阪維新派訴えます。(切り結んでいます)大阪維新が躍進する仕組みは、このフレイズが最大の効果を果たしています。(注2)
 いい加減にこれにどう対応するかを共産党は考える必要があります。私は政党助成金を受け取り、逆に大阪維新が言うように、歳費削減で戦う方が有利だと思っています。

注2:市会議員で第2位の得票数を獲得した中村春樹氏のツイッター
  「先月の議会で大阪維新の会が市民の生命を守る、新型コロナウイルス対策の予算確保の為の議員の
  給与カット議案は自民・公明、共産他の反対で否決。議員給与カット反対に自民・公明、共産は
  市民の生命、暮らしの安心より自らの給与が大切なのか」と書いている。この攻撃の与える影響が
  どの程度あるか分析が必要だし、これを黙らす効果的手法を編み出す必要がある。
   これがどれだけ効果があるか維新は知っている。最近では橋下元知事が、自民党の太田房江(元知
  事)に攻撃をかけている。退職金を返せと。この攻撃が相手候補を政治的に撃沈させる効果が一
  番大きいからである。