都知事選挙に向けた宇都宮健児さんへ応援記事がやばすぎる(とち狂った赤旗)


令和2(2020)年6月14日


 本日(6月14日付)赤旗は、宇都宮健児さんの都知事選立候補に当たっての応援記事を書いているが、とんでもない記事に仕上がっている。4年前の鳥越さんの選挙を思い出す。
鳥越さんの選挙では、彼の第一声を聞いて「こりゃダメだ」と思った。彼は全くのピント外れであった。彼の選挙公約な最大の課題は「がん検診100%」だと主張した。なぜがん検診かと問われ、自分が癌になった経験からだと弁明した。
 東京と知事選挙のような大きな選挙で、立候補に当たっての政策等を練り上げる集団は存在しないのか」、鳥越氏一人の思い付きで戦っている感がした。(全く失礼な言い方だが認知症が始まっているのでは)と思うようなみじめな対応であった。
 これにはびっくりした。今インターネットで過去の記事を読んでいるがこういう事例が載っている。7月12日の出馬会見冒頭からおかしかった。「私は昭和15年生まれです。終戦時20歳でした」とプロフィールを述べたが、これは誤りで、終戦時に鳥越氏は5歳だったという記事がある。これくらい彼の発言には不可解な面があった。
 テレビのニュース解説等上手くはないが誠実な対応には好感を持っていたが、これほど彼に能力がない事を知ってびっくりした。最初の発言でこれはダメだと思った。
 同じ事が今回の宇都宮健児さんの発言(赤旗記者の編集)にもうかがわれる。赤旗は宇都宮健児さんとのインタビュー記事を載せて応援のつもりだが、私はこのインタビュー記事は、鳥越氏の第一声に匹敵する愚かな記事になっていると思う。
 まずこのインタビュー記事であるが、1面左側に、「東京都知事選 18日告示」宇都宮 健児さんインタビュー」「生存権がかかった選挙」「何としても勝利する」記者は(都知事選取材班)と書いている。1面の記事にはそんなに違和感はないが、14面裏表紙一面に宇都宮氏へのインタビューの内容を載せている。(そういう意味では赤旗の記者の力量が問われているのではあるが)このインタビュー記事の見出しが全く気に入らない。まず順番に拾っていくと「貧困 格差 なくそう」これが最大の主張」(大きな見出し)、次からの見出しがすごい。「『腎臓売れ!』脅しに抗し」「高金利被害者救済へ奔走」「反貧困ネット・派遣村・・・」「当事者に寄り添い続けて」「コロナ危機では、電話相談・基金成立」「毎日、地べたで苦しむ人に手を差し伸べるのが政治だ」という記事を載せている。
 これは確かに宇都宮健児氏が弱者の立場に立った弁護士だということを100%宣伝しているが、都知事の仕事をして行く上でそうした視点(立場)は重要だが、都知事の仕事はその視点だけでは務まらない。鳥越氏が「がん検診100%」と掲げた政策と同じで、多くの仕事があるのに、特殊な政策一点に限って都民に示すことは有益ではない。
 この宇都宮氏が弱者側に立った弁護士であることを1ページも使って宣伝する必要があったのか、しかも宣伝の仕方が「過激」過ぎてなじめない。都知事としての発言としてはあまりにも偏っていて都民から反感を買うことは予想される。(このことに気が付かない赤旗記者は能力がなさすぎる)以下この記事がなぜ失格化を書く。
 まず、第一の失敗は「『腎臓売れ!』脅しに抗し」これは極めて特殊事例で、ヤクザ系の消費者金融のやり方だと思う。このことに遭遇した都民が何人いるでしょうか?こんな一般社会で認知されていない事件をあえて持ち出す必要性は全くない。これは東京都知事の管轄範囲でしょうか?
 この間赤旗を見ていてイライラすることが多い。それは、赤旗は品位の無い言葉は使わない。例えば「Go Toキャンペーン」を「強盗キャンペーン」と言った議員がいた。面白事にそれにつられて安倍首相が「強盗キャンペーン」についてはと誤って発言し、議会内に笑が起こった。赤旗はこれを記事にしない。あるいは6.26日付週刊ポストは『「嘘つき総理』と『泥棒政権』を撃つ」「安倍が吐いた コロナ会見を検証する」「『虚言』『詭弁』『責任逃れ』」という見出しを書いている。私はこの見出しに賛成だが、赤旗は常に上品に言葉を選んでいる。
 「難波の金融道」というテレビドラマが何回も再放送(大阪では)されているが、そこに常に「臓器を売れ!」という追い込みが出てくるが、一般的な常識人はそんな言葉を使わない。それを赤旗が取り上げたことに違和感がある。
 同時に「毎日、地べたで苦しむ人に手を差し伸べるのが政治だ」というのも極端すぎる。私はコロナ問題が表面化した際に、テレビや新聞がネットカフェで寝泊まりしている人を追いかけ、その人たちにも給付金が支払われることが大事だという記事を見て、赤旗はネットカフェを取り上げたときに、廃業せず常連者を止めてあげていると記事を載せた。その際美談でネットカフェを取り上げるのでなく、そこに住んでいる人たちの立場に立った記事を書くべきだと主張したことがある。 
今回の赤旗記事は「地べたで苦しむ人」というのは比喩かもしれないが、テレビでは、商店街のシャーターが下りた以降段ボールを持ち込み地べたで寝ている人もいる。この人達を救うことは大切だが、極端な状況を一般化しすぎて、何か違和感がある。
 この記事ではさらに「反貧困ネット・派遣村・・・」にも触れている。すべての主張は正しい、しかしと知事をこれからやろうとしている人の心意気という点では認めるが、今東京では大変なことになっている。コロナ危機を収束し、経済危機にどう立ち向かうというビジョンを語らないと、鳥越さんの二の舞になります。
 この宇都宮さんの押出記事の最後にNPO法人自立生活サポートセンター・もやい理事長 大西 連さん話が載っている。「生活が苦しい状況にある人の事をよく理解し、その視点に立つことができる人だと心から思います」と書いていますがその通りだと思いますが、選挙は有権者の過半数を味方にする必要があります。「弱者の視点」は正しいですが、多くの都民は、自分は弱者だと思っていないと思います。普通に働く都民の見方だということを前面に打ち出さないと選挙では勝てません。
 私の感覚ですが、弱者は公明党に組織されています。共産党の支持者は中間層の方が多いと思います。弱者にこだわりすぎると、薄っぺらに見えます。対象者への視点を広げる必要があります。鳥越氏の誠実さや「がん検診100%」は間違いではないですが、それが都知事選の争点ですか?と言えば違います。
「臓器売れ!」、「地べたで苦しむ人」みたいな刺激的言葉で人をつかめると思うのは誤りです。常に万人が理解できる言葉の選択が大切です。