またまた赤旗の森友学園記事が籠池追及へ後戻りしてしまった。


 平成29(2017)年4月16日

 森友学園の疑惑解明は、籠池の詐欺を暴くことが中心か?

  4月13日赤旗の森友事件に対する基本姿勢が4月12日から修正された(?)という記事を書いた。それは12日付【主張】と、3面【総合】で「安倍政権と森友」という見出しを掲げ、「狙いは『戦争出来る國』」という見出しや「『教育勅語』持ち込み」、「靖国派の国政私物化」、「教材『否定せず』」という記事も見ての評価です。この記事は非常に優れた記事であり、今回の問題の本質を全て明らかにしていた。

籠池批判から、『日本会議『批判へ」転換(赤旗)は幻想だった。

 私は12日付赤旗3面【総合】での「安倍政権と森友」を評価し、赤旗の論調が「籠池批判から『日本会議』批判へと」その方向性を変えてきたと判断しました。私の心の内ではやっと巨悪が誰で、珍奇な詐欺師が誰かという見極めができるようになったと喜んでいましたが、その後の赤旗を見ていると先祖返りしています。

赤旗の論調が再び籠池批判に変わる

 4月14日付赤旗は、大阪府教育庁「森友学園を再調査」、「塚本幼稚園」、「補助金不正受給疑い」という記事を載せています。

 「誰が巨悪で誰が味方か」を赤旗は見失っています。右翼側の論陣を張っている小林よしのり氏は「アッキード事件」を忘れるな『籠池おっさんの最大の協力者が安倍昭恵だという事実が問題なのだ!』と書いています。(4月16日阿修羅掲示板・・投稿者「赤かぶ」)この小林よしのり氏の指摘の方が、赤旗より森友疑惑事件の核心をついています。

 彼の主張は、「籠池おっさんの最大の協力者が安倍昭恵だという事実が問題なのだ!」「これはあくまで『アッキード事件』である:としています。

 これに対して赤旗は、大阪府があたかも正義の味方ような立場で籠池の怪しさの追求の記事を書いています。ご丁寧にも大阪府の立ち入り検査に向かう大阪府庁職員の整列して歩く姿の写真を相当大きく掲載しています。これは東京地検などが巨悪を暴き出すときに放映される彼らの歩き方です。この写真からは読者は大阪府庁が正義であり、籠池が悪人だというイメージを形成されてしまいます。果たしてこの事件の本質はそんなところにあるのでしょうか。

 籠池という一風変わった男が、右翼的な姿勢をとることにより政府に近づき、一大疑獄事件を企んだのが森友事件です。この男の右翼的信念に安倍晋三首相をはじめとした日本会議に集結する人たちが共鳴し、戦前回帰の教育を行う上で籠池が貴重な人物と錯覚し、よってたかって彼を持ち上げてきてきましたが、とんでもない疑惑が開校寸前で発覚し、関係者は必死になって自己との関りを否定し、仲間割れして逃げまくり醜い姿をさらけ出している事件です。

 小林氏はこの事件の性格を「アッキード事件」と呼ぶことでイメージを浮かび上がらせ、安倍首相側こそ巨悪の張本人だと描き出している。赤旗は、まったく逆に大阪府が正義の味方で、籠池氏が詐欺者だという構図でこの事件を描いている。検察等の「査察の際の儀式」である、役職の順に一列に並び歩いている姿をそのまま写真にして報道し、大阪府が正義の味方だということのイメージ操作を行っている。赤旗が何を考えているのか全く分からない。

 この大阪府庁の一列行進では、教育長を先頭に吉本馨私学課長らが写っていますが、森友問題で籠池氏の主張を一番よく知る菅野完氏は、この問題で一番悪いのは、迫田英典理財局長、2番が松井副知事、三番目が吉本課長と指摘しています。この吉本課長が正義の味方のように堂々と歩く姿を赤旗が報道する姿勢には大いに疑問を感じます。

4月16日赤旗日曜版は良い記事を載せている。

 赤旗はおかしな新聞です。編集方針が決まっていないのでしょうか?森友問題をどうしても籠池の詐欺事件に矮小化して報道する姿が気になります。物事の本質が赤旗には全く見えていないのか心配になります。

 ところが、4月16日号日曜版は森友学園関連記事で極めて良い記事を書いています。何が優れているかは、まずこの問題の本質を、詐欺事件に矮小化せず、安倍政権の推し進め戦前回帰の教育政策に最大の問題があるという視点から記事を書いています。見出しを拾ってみますと一番大きな見出(新聞の両開き横一線に)は「教育勅語の正体」です、その下に「戦争に駆り立てるための道徳”」と書いています。さらには縦見出しで「天皇のために死ぬことこそ喜び」という見出しを書き、さらに「首相&内閣トンデモ語録」と書き、安倍首相と稲田朋美防衛相の写真を載せ、発言を吹き出しで表しています。

 さらにその上には教育勅語を載せ、最後の左下には「森友学園 背後に『日本会議』」という記事を載せています。この主張こそが森友学園問題を扱う上で常に基調になっていなければなりません。

この視点が赤旗の編集方針の基調にあれば、大阪府の立ち入り検査の写真はありえない。

 この森友事件の悪の根源は、財務省、大阪府(大阪維新)、安倍晋三(安倍昭恵)です。籠池はその事件の中で踊らされた単なる詐欺師です。詐欺事件など世の中に一杯ある事件であり、赤旗が必死になって暴く事件ではありません。暴かなければならないのは、政治が絡む疑獄事件だからです。また戦前復帰を願う一部右翼の本質を暴き出すためめです。

 大阪府(大阪維新)は、安倍信三と手を組み、この戦前復帰の教育理念を教えるための森友学園の学校開設を明らかに応援してきました。審議会での議論は、疑問や反対が多いにも関わらず、認可適当に大きく舵を切ったのは、現場では吉本課長です。(当然松井知事の指導の下ですが)一時期松井知事はこの吉本課長が独走したかのような主張を行い、彼を処分すると匂わせていましたが、「私学審での説明や上司への報告が不足していたとして厳重注意処分にした」と軽い処分でお茶を濁しました。(これは国側が谷さんに責任を負わせ、日本にいると真実が暴かれることを恐れ、海外勤務を命令したのと同じです。)

 この国の指導者が如何に無責任な恥知らずの人間に牛耳られていることを表しています。共産党の突っ込みはこうした権力者に向かうべきであり、籠池のような詐欺師を追い回すことではありません。この姿勢は安倍首相の応援団になってしまった姿です。