共産党大阪府委員会、高槻・島本委員会の馬鹿さ加減には際限がない。
   大阪府会議員団団長宮原たけしレポートを読んで(2014年1月26日)

平成26(1914)年1月30日 

 
 私は一3.11以降の一斉地方選挙・大阪ダブル選挙以降の大阪府委員会発行のビラや高槻市市会議員団発行のビラを批判してきた。その主な批判の論点は、敵と切り結ばない(例えば一斉地方選挙で原発反対を唱えなかった、その後の大阪ダブル選挙では、橋下・「維新の会」と闘わず、「安全・安心・やさしい大阪」を主張して闘った。(中心スローガンに闘う相手がいない。)
  こうした共産党の宣伝ビラに対して、「そもそもビラを出す(書く)基本方針が立てられておらず、思いついたことをただ単に書き綴っている」と批判してきた経緯がある。今回1月26日版の「宮原たけしレポート」(府会議員団長)のビラ(以下「宮原レポート」という。)は、またまたその典型のようなビラに仕上がっている。このビラは共産党のビラとして失格だけでなく、政党が出すビラとしても失格である。

宣伝して扇動して組織する(政党が出すビラの役割)

  政党が出すビラは、その政党の主張がそこに表現されていなければならない。取り分けて野党が出すビラは、与党(権力側)の行為が如何に国民の生活を奪い、人権を奪い去っているかを暴き、その原因を追求し、さらに我が政党はこれを如何に解決しようとしているか道筋を明らかにしなければならない。私がなぜ共産党のビラの批判を、し続けるかといえば、共産党のビラにはこの観点が全くないからである。
  たとえば、一斉地方選挙の「安全優先の原子力政策」には、国家権力側に対して自らの主張を全く対置していない。現にその当時一般紙の一面に「関西電力は安全優先の原子力政策を掲げ約700億円投入して安全対策を打つ」という記事が出た。私はこの関西電力の「安全優先の政策」と共産党の「安全優先の原子力政策」との違いの説明を共産党に求めたが回答はなかった。
  次に大阪ダブル選挙では、橋下「維新の会」というモンスターとの闘いであったが、共産党は「安全・安心・やさしい大阪」というスローガンで闘った。このスローガンは基本的には行政側の用語であり、警察の防犯の標語でもある。おそらく全国の警察に問合わせたら、この標語を採用している警察署は、いっぱいあると思われる。選挙結果は、惨敗であった。
  全ては政治的戦略、あるいは選挙戦の争点設定ができない政治的音痴さが、敗北の最大の
原因だと思っている

今回の「宮原レポート」(2014年1月26日版)の特徴(資料1参照)

 これだけの大きな誤りを犯しながら、共産党は何も反省していないし、経験から学んでいない。今回の「宮原レポート」は二つの記事から構成されている。一つは、「首相の靖国参拝ご一緒に考えましょう」「昭和53年にA級戦犯を合祀」もう一つは、局地的豪雨だけでなく広い地域の豪雨対策が必要です。がレポートされているが、この二つとも決定的な弱点は、敵が誰で、味方が誰で、私(共産党府会議員)がこの局面をどう切り開こうとしているかの主張が全くないビラに仕上がっている。

@「靖国問題」安倍批判ではなく、「ご一緒に考えましょう」・・この見出から誤り


  まず、見出しですが、安倍首相の靖国参拝は、「軍国主義復活への地固め」あるいは「アジア諸国の国民感情を踏みにじる」とか抗議を込めた主張が必要であったが、主語を安倍首相に特定せず、「首相の参拝」と一般論にしている。また、この記事の趣旨は、A級戦犯が合祀されたことにより、天皇陛下が参拝されていないことを中心に扱った主張である。そのことが事実である根拠を「侍従日記」や「富田メモ研究委員会」の報告などで立証しようとしている。
  最後の結論は、「私も、戦争責任者の人たちを戦後30年以上もたって、合祀したのはまちがいだったと思います。」で括っている。
この記事のおかしさは、安倍首相が過去の侵略戦争を否定し戦争ができる国へと大きく右旋回の策動を強める中、その意思表示を国内外に示すために強引に靖国参拝を行っていることに触れず、また中国や韓国が安倍首相のその意思を感じ取り反発している状況も伝えず、一般論として、A級戦犯の合祀に反対だ、その理由は天皇陛下もそう思われているという主張である。
  この論理の危険性は、それなら天皇陛下が逆の立場を表明すれば賛成に主張を変えるのかということである。天皇の政治的利用に反対しながら、自分たちに都合の良い時は天皇を政治的に利用するこの主張に私は危険性を感じる。またこの文書の中に、「安倍首相」という文言が一切出てこない姿勢にも私は大いに疑問を感じる。(なぜなら、大阪ダブル選挙でも宮原氏のビラには橋下氏への批判は一切なかった。・・いつもいい子になろうとしている?)
 

A「災害問題」も感想文になっている。


  前にも批判したと思うが、宮原氏のビラは、小学生か中学生の感想文になっている。およそ政党のビラの水準に達していない。政党のビラは政党の主張がその中心でなければならない。例えば安倍首相は「日本を取り戻す」あるいは「戦後レジームからの脱却」とはっきりと第二次世界大戦後の国際的な枠組み(敗戦国としての日本の位置づけ)から過去の戦争はアジア諸国の開放を求めた、正義の闘いであったという日本の軍国主義時代の主張を世界に認めさす闘いを仕組んでいる(成功するとは思えないが)その意気込みは分かる。(例え中国や韓国が反対しようがなりふり構わず行っている確信犯である。)
  それに対して、共産党はどのような国を作ろうとしているのか、そのビジョンが十分見えて来ない。ここでの闘いで勝たない限り政治の世界で勝利を得ることはない。例え自然災害を取り上げた記事であっても、安倍内閣の問題点(少なくとも松井知事や橋下市長)と対決する中でこの問題を語らなければならない。
  このビラの最後は「・・・総合的に実行する必要性を痛感させられました。」である。これは宮原氏の個人的な感想文であり、「課題を見つけた!」という程度であり、ここで勝手に感動されてもどうしようもない。また、彼自身が行政の内部の人間でもないのに「総合的に実行する必要性を痛感」というのもよくわからない。ここでは、大阪府会議員団長だのだから、「これらの課題実現を、大阪府民の安全・安心のために(安全・安心はここで使う)府会議員団が全力を持って、大阪府に対して「自然災害に対する対策」を要望していきます。」で括る必要がある。
さらにこの要望実現に松井知事や橋下市長が抵抗してくるなら、それと闘うという姿勢を明確にしなければならない。
  このような筋書きのない、宮原氏個人の感想文のようなビラは、政治的効果は全くない。このことに大阪府委員や高槻島本市委員会は気がついていないのか、気がついていても彼には逆らえないのか分からないが、こんな水準で戦っていても政党間の闘いで勝利することはありえない。
 

最後に、このビラはどのような体制で配布されたか?

  私はこのビラを赤旗新聞の折り込みで数日前に手に入れていた。毎週火曜日はJR富田駅で共産党のビラ配布宣伝を行っている。先週はビラかと思ったら、赤旗の購読申し込み用紙であった。今週28日(火)は、宮原レポートが配布されていた。珍しいことに本人が直接駅頭にビラまきに参加していた。その他市会議員候補や一般の参加者もいた。しかしいつも述べているように、誰もビラを通行人に渡していない、全員がビラを持って手をダラット垂らしている。配布する意思が全く見られない。ただ単に5〜6人が立っているだけである。
  私はいつも奪い取るようにビラを貰うが、その日は、奪い取れる位置には誰も立っていなかった。一体この人たちはなんのためにここに立っているのか分からない。府会議員がいながらマイクで呼びかけるでもなし、全員が正にその場に浮いた存在として立っている。本当に不可思議な政治行動である。
  ビラの内容も不十分、ビラまきの姿勢も配る気配・意気込みも全く見られない。このような不可思議な集団に人気が上がるはずがない。「赤旗が増えれば世の中が変わる」この一点でのみ組織され教育された人々の姿を見ると寂しくなる。

資料1:大阪府 府会議員団 団長宮原レポート