日本共産党 最近おかしくないですか

  11・11全国いっせい行動の呼び掛けは何だったのか?

       共産党はすでに大衆運動を組織できなくなったのか?


                                                   平成24(2012)年11月17日

 9月13日、いますぐ原発ゼロへ、11・11全国いっせい行動を「原発をなくす全国連絡会(以下「全国連絡会」という。)が呼びかけた。この「全国連絡会」は「全労連」をはじめ共産党系の民主団体が網羅されている。(文書の最後に一覧を添付:資料1)

 しかし、これらの団体は本当に11・11の全国統一行動を取り組んだのか疑問が残る。以下これについて解明していきたい。

 11.11の全国連絡会の呼びかけほど不思議な呼びかけはない。この呼びかけは9月13日に行われた。そして9月14日赤旗に取り上げられた。さらに9月15日赤旗は「原発即時ゼロ」という方針を志位委員長が発表した。これは「全国連絡会」と「共産党」事前打ち合わせによって行われたと思われる。さらに9月16日赤旗は、毎週金曜日に首相官邸前抗議行動を続けている首都圏反原発連合(反原連)のミサオ・レッドウルフさんと小泉兵義(たけよし)さんのインタビュー記事を載せ、首都圏反原発連合が11月11日に東京で「反原発1000000人大占拠」行動を実施することを明らかにした。

<11・11原発反対の主導権はだれが握っているのか>

 この時点で私が疑問に思ったのは、首都圏反原発連合の戦いと、全国連絡会(共産党系)の運動がどのような調整の元に行われるのか全く分からなかった。

 (私は、共産党は、首都圏反原発連合の運動の主導権をとりに歩みだしたと思った。・・・独断と偏見で)

 その後、赤旗を注意深く見ていたが、11月11日に100万人規模の集会を行うような働きかけは一切見えず、全国連絡会の運営委員を占める各団体のホームページにもほとんど、11・11の記事が載っていないという状況であった。

 (原水協のホームページですら11・11の呼びかけはなく、全国紙への意見広告への募金の宣伝が載っているにすぎない。全労連と共に「全国連絡会」の事務局団体である全日本民主医療機関連合会のHPにも「呼びかけ」は全く見当たらない。 )

  私の居住地である高槻市ではこの原発反対集会に向けての参加呼びかけのビラが2回まかれたが(私が手に入れた分)、

  一回目は、発行責任者を明確にせず、ビラの上半分は首都圏反原発連合のビラをそのまま引用していた。しかし、残り半分の記事は、「原発やめろ!」と首相や原発を推進する経団連や国会議員に訴えたいけど、東京まで行けない人は大阪や高槻の行動に参加しましょう!と書かれている。(怪しげなビラを発行する共産党参照)

 二回目は、「いますぐ原発ゼロへ」、「11・11全国いっせい行動」と見出しを付け、高槻の集会、大阪の集会の参加呼びかけを行い、最後に首都圏連合の呼びかけビラを載せている。このビラも発行責任者がない幽霊ビラである、ただ、この二枚目のビラは11・11全国いっせい行動(共産党系)を「まくら」にもっていったのは正しいと思われる。

 11月11日付け大阪民主新報は、11日の「原発即時ゼロ」全国一斉行動に呼応して、府内各地で脱原発行動が取り組まれます。とあくまで「11・11全国いっせい行動」に呼応して、「LOVE脱原発OSAKA1111」が取り組まれているように報道している。(これは後でも述べるが、全国連絡会の各地の取り組みには、「LOVE脱原発OSAKA1111」の集会は載っていない。この集会の名前に「脱原発」が入っていることから見て、原水禁系の集会ではないか?・・・本当に「11・11全国いっせい行動に呼応した運動か疑わしい。これは蛇足ではあるが、当日は雨であり、この集会は中止された。共産党系が主導した集会な雨ぐらいで中止しないと思う。素人が組織した集会だと思われる。」

 くどいですが私がこだわっているのは、誰が主で誰が従かということです。11月11日に「首都圏反原発連合の1000000人大占拠運動」と共産党系の「11・11全国いっせい行動」がある。この運動の連携関係を問題にしている。首都圏反原発連合のビラを見れば、「原発をなくす全国連絡会」(共産党系)は「1000000人占拠の集会」の協力という位置づけでしかありません。

  共産党は赤旗やビラでこの関係を曖昧にして宣伝し、首都圏反原発連合の集会の成果をごっそり共産党の成果のように赤旗で報道することを狙っていると見ている。この共産党の姑息さを暴露するため、この問題を重視して見ている。

<原発をなくす全国連絡会>

  11・11全国いっせい行動を呼びかけた「全国連絡会」は、真面目に11・11の運動を取り組んだのか。(あるいは共産党はこの運動を本当に取り組んだのか)

  3.11の震災で原発がメルトダウンするという重大な局面で共産党は「安全優先の原子力政策」を掲げ、具体的には、「安全点検」が大切と選挙で戦ってしまった。その後徐々に政策を変え、9月15日赤旗で初めて「原発即時ゼロ」を打ち出したが、すでに時遅しであり、「安全点検」で戦った党員がいつの間にか「原発即時ゼロ=脱原発(実質的に)」(注1)と言われても急に戦いにはならない。さらに、提起されている運動の位置づけが、不明確で確信にもなりえない。その現状を現したのが、この運動の結果である。

注1:「脱原発」という言葉は、原水禁系の言葉であり、すでに一般化しているが共産党は意識的にこの言葉を避
     けてきた。志位委員長の5月1日の発言は「原発ゼロ」であり、9月15日の提言も「原発即時ゼロ」である。
     ところが、先にあげた大阪民主新報の記事は「府内各地で脱原発行動が取り組まれています。」となんの抵
    抗もなく、「脱原発」という言葉を使っている。(これは大阪民主新報の記者が馬鹿なのか、共産党はこっそり、
   「脱原発」派に宗旨替えしたのか不明である。)

 共産党は論理の正確性を重視する。脱原発はサヨナラ原発につながる考え方で、金輪際「核」を人類は使用しないという考え方です。(人類と核は共存できない)これに対して共産党は、現在の科学では人類は核を制御できないが、将来科学技術が発展すれば核の使用も可能になる。将来の科学の発展を否定する「脱原発」は非科学的な議論だと捉えている。

<全労連は11・11を全く取り組んでいない(大阪)>

 「全国連絡会」は各地の戦いの取り組み状況をインターネット上にUPしている。大阪の欄を見れば
     大阪府  宣伝行動
         時間 10:30〜12:00
         会場 (1)難波駅前
               (2)梅田駅ヨドバシカメラ前
         主催 原発ゼロの会

  この一件(100人規模)しか載っていない。(先に高槻のビラや大阪民主新報が取り上げた「LOVE脱原発OSAKA1111」の集会は載っていない。)例えば近県の和歌山県では、7件の活動が予定されている。(資料2)

 1000000人規模の集会の呼びかけに応えようとすれば、全国第2の都市である大阪では、最低限数万単位の集会を組織しなければならない。しかし大阪では、全く取り組まれていない。なぜ全労連が取り組まなかったのか推測でしか分からないが、「安全点検」で戦った労組が、共産党とともに戦いのスローガンを変えて行くことが、大衆団体として難しかったのではと思っている。  

  それと労組内党員は、赤旗拡大が選挙戦の勝利の保障と1年以上ずっと洗脳され、今頃急に、原発反対の一大決戦を行うと言われても頭の切り替えができなかったのではと思われる。

<恥も外聞もない大阪民主新報のずぶとさ>

 11月18日付け大阪民主新報は、11.11全国いっせい行動の大阪の動きを1面トップで伝えている。しかしその見出しは「いますぐ原発ゼロ」大見出し、その下に「反原発1000000人大占拠に連帯」と書き、さらに「党派を超えた取り組み」という見出しを掲げ、横見出しで「大阪各地で集会・デモ」という記事を載せている。

  まず、この見出しだが、11日付けの大阪民主新報では、「原発即時ゼロ」全国いっせい行動に呼応して府内各地で脱原発行動が取り組まれます。(共産党系)と書かれていたのが、18日付けでは、「反原発1000000人大占拠に連帯して」(首都圏反原発連合)に変わっています。

  これは、何を意味するのか?全労連等が呼びかけた「原発即時ゼロ」全国いっせい行動がしょぼくれてしまい、これに連帯してとは書けず、「1000000人大占拠」の陰に隠れて、成果を誇示するという方法をとったものだと思われる。

  しかし折角繕ってもその記事の内容がしょぼい。まず「寝屋川・吹田」という見出しで、寝屋川150人、吹田120人、次に「箕面・堺など」という見出しで、箕面80人、堺200人、鶴見区で67人、最後に高槻でも行動が行われました。(人数も内容もなし)という記事です。さらに難波で100人宣伝原発ゼロの会・大阪と書いています。

  正真正銘の共産党が主導権を握って、11・11全国いっせい行動に呼応した運動は、この最後の100人だけだと思われる。(これが全国連絡会に載っていた唯一の行事)後は、自主的にさまざまな人が組織した運動と思われる。例えば一番大きな写真(吹田市)の横断幕は「原発バイバイ」であり、その後ろのプラカードは「脱原発」である。(さよなら原発派に近い)ただ後ろの方に新婦人ののぼり旗も見える。これを大阪民主新報は「党派を超えた取り組み」と評価するが、所詮数百人規模では政治的影響力はない。(注2)

注2:共産党は、原発反対運動で決定的な後れを取ってしまった。そこでさよなら原発派の集会や、首都圏反原
       発連合の運動に志位さんが参加し、あたかも自らの運動のように赤旗で報道してきた。ところが勇み足があ
       り、首都圏反原発連合の運動を赤旗日曜版に一面ぶち抜きで報道した際、中核の活動家を大きく載せてし
       まった。

 これに対して、無謬性の共産党は、原発反対の運動を大きくするうえでは中核だからダメみたいな主張をしていたら、運動は発展しないと強弁した。これを捉え共産党の大衆運動に対する取り組みが従来と変わり柔軟になったと評価する人もあるが、そうではなく、共産党の方針、例えば「原発即時ゼロ」にこだわっていたら「運動は全く組織できない」、という現状から、脱原発(原水禁系のスローガン)でも、100万人占拠(新左翼的スローガン)でもなんでも受け入れ宣伝している。つまり体面を保つための妥協でしかないと思っている。(現に赤旗の反原発の集会の写真に「原発即時ゼロ」の横断幕やプラカードがほとんど見当たらない。)

<来るべき総選挙と原発>

  国会は野田首相のすごい迫力で解散を宣告され、選挙戦に突入した。ここで何を掲げて戦うかであるが、テレビで見る限り、多くの党が原発問題を掲げているが、共産党だけは消費税である。福島社民党党首は、原発、消費税、オスプレイTPPを掲げたが、志位さんは消費税しか言及しなかった。(数秒単位だから切られたとは思うが)、民主党の安積幹事長代理も原発問題を最初に取り上げた。国民生活が第一も原発・消費税の順番で取り上げている、またみどりの風も原発問題を最大の争点とした。

  共産党だけが、消費税を1番にして、原発を2番にしてしまった。この共産党の姿勢を現した面白い映像が本日流れた。辛坊氏が司会する読売テレビで、すべての党が参加し、選挙を戦う決意を最後に求められた。穀田議員の前に福島瑞穂氏が、原発・消費税・オスプレイ・TPPと語ったが、穀田氏は、日本共産党は国民の多数の求めるところに依拠して戦うと述べて、まず消費税反対、TPP・安保と答え、原発問題を抜かしてしまった。(これは失言か、意識的か分からない。・・・二つ目は違ったかも知れない。自信がない。)

  要するに共産党は、「安全優先の原子力政策」で一斉地方選挙を戦ったため、原発問題で、完全に乗り遅れてしまった。ここにきてもまだ原発が選挙の最大の争点であることに気づいていない。他のほとんどの政党が原発を第一に挙げているのに志位さんは第2位に、穀田氏は、3つの争点で戦う中に原発を落としてしまった。

 

<11・11全国いっせい行動がしょぼかったのは共産党の責任>

  すでに共産党は、赤旗は拡大出来ても(これも成功していないが)、大衆を組織する力量を失っている。あるいは共産党系といわれる民主団体の幹部が、すでに党中央の指導を受けなくなっている。(このことは危機的である。・・・大衆団体にとっては良いことかもしれないが?)

  確かに今回の11.11全国いっせい行動は、その位置づけが定まらず、最初から首都圏反原発連合の運動の上米をはねるような行動提起であった。同じ日の開催であるが、あくまで「全国連絡会」は別の運動を組織し、原発問題で共産党系の大衆団体の旗揚げを狙っていたと思われる。それが首都圏反原発連合の枠内での戦いに制約され、のぼり等の制約を受け、それなら独自に組織しても目立たないなら、逆に組織しなくてもばれないというような感情(勘定)が働き、積極的組織をしなかったのでは?特に大阪の全労連は全く組織していない。ここに何があるのか、私にはわからない。

  しかし、今回の選挙で勝利する唯一の保障は、国民の7割〜8割が反対という原発の危険性と戦うことである。これと真っ向から取り組み組織したものが勝利する。共産党は11・11という最大のチャンスを見逃してしまった。(赤旗拡大に目がくらみ、11・11の取り組みを全くサボタージュしてしまった。このつけは大きいと思われる)

  赤旗の拡大が進まず、おそらくヒステリックに点検活動を行っていると思われるが、その結果、大衆運動を戦く精神的余裕も力量も失ってしまった。共産党中央はノー天気に650万票獲得、議席倍増を言うが、すでに11・11の戦いで共産党は敗北し、原発問題の旗手になれないことを内外に公表してしまった。

  戦わない者は勝てない。これが原則である。11・11をスルーした幹部の責任を明確にしないと、さらに後退していく。この原因がどこにあったのか、真摯に総括しないと共産党の再生はない。

★資料1:全国連絡会参加団体

  【事務局団体】

        全国労働組合総連合、全日本民主医療機関連合会

   【運営委員会団体】

        新日本婦人の会、自由法曹団、全国商工団体連合会、原水爆禁止日本協議会、農民運動全国連合会、
        全国保険医団体連合会、日本民主青年同盟、原発問題住民運動全国連絡センター、日本科学者会議、東
        京地方労働組合評議会、日本共産党

★資料2

     和歌山県

名称

時間

会場

主催

(橋本市)原発ゼロを実現みんなでアピールパレード

9:30〜 

橋本市教育会館
デモは橋本市民会館まで

呼びかけ人、平野友基さん、他1名

(岩出市)11・11原発をなくそうパレードIN岩出part3

15:00〜16:30

集会 岩出市大宮神社
デモ 大宮神社〜岩出市内〜大宮神社

原発をなくそう和歌山アクション実行委員会

(和歌山市)11・11全国いっせい行動今すぐ原発ゼロIN和歌山

16:00〜17:00

集会 和歌山市京橋
アピール行進(京橋プロムナード〜関電和歌山支店前)

11・11和歌山市実行委員会

(有田郡)原発のない未来をアピールウォーク

10:30〜

有田郡湯浅町・有田教育会館

呼びかけ人、10人

(御坊市)11・11全国いっせい行動(原発ゼロ・街頭宣伝)

110:00〜11:00

御坊市ロマンシティ前

日高地区労

紀南ピースフェスタ2012




10日:人形劇、ワークショップ、展示
11日:映画、コンサート&リレートーク

10日9:00〜15:00
11日10:00〜17:00

西牟婁郡・上富田町文化会館

紀南ピースフェスタ2012実行委員会

(新宮市)11・11全国いっせい行動「今すぐ原発ゼロへin しんぐう」・スピーチリレーとしゃぼん玉パレード

13:00〜14:30

新宮市役所前 

「今すぐ原発ゼロへ」集会とシャボン玉パレード実行委員会