志位「声明」の愚かしさを浮かび上がらせる、中学三年生の投稿(毎日新聞:みんなの広場)


    平成27(2015)年3月8日



「日本のメディア、安倍政権に配慮し報道自粛か」ロイター(赤旗2/27)

 

 2月27日のしんぶん赤旗2面【政治】に面白い記事が載っています。紙面真ん中で囲い込み記事で「日本のメディア」、「安倍政権に配慮し報道自粛か」というロイターの配信記事があります。
この件については、山崎 吉夫ファンさんの討論の広場に対するコメントとしてすでに書いていますが(3/2)、以下に再録します。

国民に正しい情報が流れず、正しい判断ができなくなっている(古賀茂明)

 このロイターの記事の最後は元経産官僚の古賀茂明氏言葉で締めくくっています。その内容は「『国民に正しい情報が流れず、正しい判断ができなくなっている』とメディア自粛を批判している」と古賀氏の発言を紹介しています。
この古賀氏の発言の中に、しんぶん赤旗は含まれていないでしょうか、私は、古賀氏は恐らく赤旗も含むメディアをさしていると思っています。
 この間の赤旗は全くだらしないと言わざるを得ません。政治的発信が弱かったのならテコ入れして立て直せますが、そうでは無く、完全に安倍政権に対する配慮した記事仕様になっています。そのことを最も明らかにしたのは、後藤健二さんら二人の日本人が「イスラム国」に拘束された際に、安倍首相のエジプトでの演説を批判せず、池内議員が安倍首相をツイッターで批判した際、志位委員長は、その記事を取り消させた。その後殺されたらしい映像がテレビで流された際に、志位「声明」を出して「イスラム国」の解体を宣言した。
 さらに阿安倍首相がマスメディア等に「イスラム国」という呼称を使わず「ISIL」を使って欲しいと国会で表明したが、そのことをいち早く取り入れ、赤旗から「イスラム国」が消え「IS」という表現になっている。「イスラム国」問題を見る限り、安倍内閣に一番近いのは赤旗である。
 果たして古賀氏はあるいはロイターは、赤旗以外はという意味でこの記事(発言)をしたのだろうか?恐らく赤旗も含めた報道機関を「安倍政権に配慮し報道自粛か」と叱ったのであろう。自分が批判されていることも分からない赤旗には猛省を促したい。
 と以上のように書いたが、今回元外交官で現在評論家の孫崎 享さんの2015年2月20日に行われた「日本政治の行方を考える市民と国会議員の勉強会」における孫崎享氏の話の書き起こしを見つけました。その中に今回の「イスラム国」問題に対する日本の政党が、安倍政権に擦り寄り、独自性を失ったことに対する痛烈な批判です。以下引用です。

 孫崎享氏「いま日本は大変な危機的な状況にある」「安倍さんぐらい戦後、米国追随の方針を明確にしている人はいない」

 私は外交の問題ですから、外交の問題を少しお話していこうと思うんですけれども、私は今度の後藤さんの事件で本当にがっかりしました。この国の政治、この国のメディア、そして合わせて、この国の国民。この3つに本当にがっくりしたんです。

 後藤さんが殺害されたことは、安倍首相の発言に責任があることは明明白白。政府は、安倍首相の発言は「イラク、シリアの難民・避難民支援、トルコ、レバノンへの支援をする」ということを言ったって何にもおかしいことを言ってないということを言いましたけれども、安倍首相は合わせて、「イスラム国がもたらす脅威を食い止めるために支援をする」ということを言った。イスラム国を敵視するということを言った。

 そして、それだけではなくて、イスラム国自身が後藤さんを殺害する時に言った言葉は、「日本政府は邪悪な有志連合に参加した愚かな同盟国と同じように『イスラム国』の力と権威を理解できなかった。安倍首相よ、勝てない戦争に参加した向こう見ずな判断によってこのナイフは後藤を殺すだけではない。今後もあなたの国民はどこにいても殺される。日本の悪夢が始まる」と言った。

 向こうが、俺は安倍さんの言葉によって私たちは殺したんだと言っているのに、殺してないと、そういうことでないかもしれない。やってる人がやってるんだと言ってるんですから、これだけ明明白白なことはない。

 そして今回、非常に特徴的なのは、極めて早い段階から、日本はお金を出さない、真剣に交渉しないという方針を立てたということです。

 安倍さんは、あらゆる手段を尽くして解放に尽くすということを言ったけれども、実際に何をやったかというものを見ると、交渉するつもりなんかさらさらない。

 一番最初に言ったのは麻生さんで、「我々は要求をのめばテロに屈するんだ」。だから「予備費から身代金を出すようなことを何も考えていない」。麻生さんが言うから、またいい加減なことを言ったのかと思った。だけど菅官房長官が、ロイターによると身代金を用意していたかについて問われて、「これは全くない。100%ない」。そして、イスラム国と交渉する気は「全くなかった」。

 考えてみてください。自分の国の国民が捕まっていた。そして安倍氏の、確かに拘束はされたけれども、殺害されたのは安倍氏の言葉が契機になった。間違いない。それに対して、身代金を出すつもりはなかった。交渉するつもりは全くなかった。こんなことを言ったら本来は国民が怒るはずだ。

 だけど、重要なことは誰に向かってしゃべったかってことなんですよ。こんなセリフは、普通は国民が反発するに決まっている発言をした。じゃあ、何でこんな発言をしたのか。誰に向かって。アメリカですよ。

 アメリカは今回例外的に、サキ報道官が「我々は身代金を出すということはしない」「この点は日本政府に伝えてある」。菅官房長官が「100%お金を出すことはない」「イスラム国と交渉するつもりは全くなかった」。

 日本国民にしゃべっているんじゃないんですよ。アメリカにしゃべっている。もうそういう時代に入ってしまった、日本というのは。

<マスコミ批判>

 ということで、それを少し調べればわかるけれども、マスコミは全く報じなかった。報じないだけではなくて、何人かの人が政治家はコメントをしました。新聞によりますから正確なことはもっとしゃべっておいでになるかもしれないけれども、

<野党批判>

 民主党の枝野幹事長は「安倍首相の人道言動(人道支援表明)が口実を与えるようなことになっていないか検証していきたい」。検証しなくったって明確なんですよ、もう。

 社民党の吉田党首。「首相の中東訪問の時期、演説の英訳が口実を与えるようなことになったのではないか」。

 野党ですよ。本来、安倍さんの発言が殺したんじゃないか。その責任をどう取るんだと、こう言わなきゃいけない。それを言えない。

 そしてさらに、ツイッターで池内沙織・共産党議員が、「こんなにも許されないと心の底から思った政権はない。国の内外で命を軽んじ続ける安倍政権。安倍政権の存続こそ、言語同断」。全く正しいことを言った。だけど、ところが、すぐに削除した。上の人から言われたと言ってる。なんですか、これ。

 それで、2月4日の産経新聞。「『イスラム国寄り』発言 野党・元官僚続々」ということで、さっきの民主党の枝野さん、私たちから見るとおかしいじゃないかという発言まで、イスラム国寄り。テロリスト。

 民主党の徳永エリ。共産党の池内さん社民党の吉田さん。この中で一番正当な発言をされているのは小沢一郎さんなんですよね。「日本も敵だととらえられても仕方ない。支援表明はイスラム国には宣戦布告とも言える」。その通りですよ。だけど、これを言える政治家ってほとんどいない、もう。

<魔女狩りが行われる>

 そして、柳澤協二と古賀茂明と私。ということで、魔女狩りをして排除して行ってる。ひどい状況に入ってきていると思います。

<集団的自衛権は、自衛権出ない、他国を守る権利>

 そういうことで、何を見ても、そしてそれをいま集団的自衛権ということで、日本は本当に海外に派遣しようとしている。集団的自衛権というのをわかるために、極めて明確な答えがある。集団的自衛権は一体何なのか。3つの漢字。4つの漢字。集団的自衛権とは自衛権ではない。他衛権。他国を守る権利。他国防衛。日本の安全とは全く関係がない。

 それをアメリカに追随するだけ。それが、安倍さんのこの動きっていうのは、なんとなく右翼っぽいことをちょこちょこっと言うんですけれども、だけどアメリカ追随で、安倍さんぐらい戦後、追随の方針を明確にしている人はいないと思います。

 この元外交官も明らかに安倍首相に擦り寄っている政党に共産党を加えている。そのことに全く気がつかず、ロイターの記事で鬼の首をとったようにはしゃいでいる共産党が惨めでならない。自分の政治姿勢が他からどう評価されているかくらい把握しておいてほしい。もう何も見えなくなってしまったのか?

3月8日付毎日新聞「みんなの広場」

 ISとの「和解」は探れないか 中学生 13歳 の投稿

 赤旗が「イスラム国」問題で迷走している中、毎日新聞の読者の広場に13歳の中学生のすぐれた投稿があります。彼は、今回の問題で少し思ったことがあります。「それは、『ISは多くの人を殺しているが、有志連合も空爆によって人を殺している』ということです。・・・『人を殺している』という点ではISと変わりません」「相手が悪人なら殺してもいいのか。」「そもそも善人は誰なのだろうかと思います。」「ISを『殲滅』させるのではなく、ISと『和解』して罪をつぐなってもらう方策を考えてみてもいいのではと感じます」という投稿です。この彼の考え方の中にこそ、平和憲法を持つ日本国民としての当然の発言です。志位委員用は「イスラム国」の解体をめざすと安倍首相よりも過激な発言を行っています。この若者の発言に比べたら如何に愚かしいことかを知るべきです。