本日付赤旗「志位委員長記者会見」、今までの主張をコッソリ修正する姑息さが見える!


令和2(2020)年8月28日


 8月27日の記者会見での志位委員長の発言は、1か月前(7月27日)に幹部会委員長志位和夫名で出した「新型コロナに関する緊急申し入れ」(以下「緊急申し入れという」)とは相当違った論調になり、だれもが一致できる当たり前の政策提言に落ち着いている。

8月27日の記者会見での志位委員長が指摘したポイントは何か?


 1.検査を抜本的に増強し、無症状感染者も含め把握・保護する取り組みで、感染者の抑え込みを!
 2.新規感染者数が減ったから検査も減らすと、無症状の感染者からの感染は継続し、感染はくすぶりつづけ、 
   また次の波が来る。
 3.感染震源地(エピセンター)に対する集中検査や医療、介護、障害福祉、保育、学校などの職員などへの定
   期検査の実施(共産党の提案)受け入れられが良い結果を生みつつある。

 この3点が主要な主張になっている。

  私は現在までの共産党のコロナ対策を三回にわたって徹底的に批判してきた。それは共産党の志位委員長の発言がしんぶん赤旗や日曜版に載った時(3回)その内容を批判してきた。(以下3回の批判のポイントを書きます)
 ☆1回目:赤旗日曜版(8月2日号)を見て、「コロナ問題での共産党の間抜けさを暴露した赤旗日曜版」(8月1日)
 ☆2回目:赤旗本誌を見て「『新型コロナ対策にかんする緊急申し入れ』志位委員長に漂う共産党の弱点を暴く。
  (8月7日)
 ☆3回目:赤旗本誌を見て「メッキが剥げた共産党『緊急申し入れ』日本共産党幹部会委員長 志位和夫」(8月
  8日) と三回にわたって批判してきた。(緑の文字はリンクが張られている)その批判内容は

 1回目は、志位委員長の主張と、東京都医師会の会長尾崎会長の主張を6面、7面で対比するように載せた。赤旗記者の能力がなかったのかもしれないが、緒方会長の主張は理解できるが、志位委員長の発言は全くしっちゃかめっちゃかであった。その弱点を列挙すると
 1.「緊急申し入れ」にたいする記者会見で、志位氏が一番強調したのは、日曜版の見出しから見れば、一番の
   大きな見出しが「『感染力のある人』の把握がカギであった。 
     その説明は無症状の感染者の中には、「感染力のある人」と「感染力のない人」の2種類があることが明ら
   かになっています。この見極めが重要であり、「全国民の検査をすることは不可能です」と書いています。
     無症状の「感染能力の強い人」をどのようにすれば見極めができるのか、見極めた以降の対応(隔離)以
      外について全く触れていません。(なぜこのような主張をしたのか不思議です。)
 2.次に、無症状の感染者の中で「感染能力の高い人」を見つけ出し、「隔離・保護」を行うというのが主要な主張
   である。
 3.政府の主張を擁護している。「やみくもに検査を広げても解決できません」
 4.政府の方針より全体主義的な言葉を使っています。「見つけ出し」「隔離・保護」するここには「防疫」の視点
   が優先し、全体主義的思想が見え隠れする。

 2回目の「『緊急申し入れ』志位委員長に漂う共産党の弱点を暴く」では「緊急申し入れ」の問題点を批判した。
  1.中国型(全体主義)的志向の「緊急申し入れ」になっている。PCR検査を何のために行うのか。
   @検査によって明らかになった陽性者を、隔離・保護・治療という順番で書いている。
   A「防疫」が目的で治療が目的でないと言い切る。
   B陽性率を全国の市町村で発表し、感染率の高いところから感染者を見つけ出し隔離する。(管理社会のに
    おいがする。)
   C「夜の街」対策で、自粛と補償の話を一切しないところに共産党の方針の特徴があります。(なぜかお金を
     出さない。コロナ対策の一手法として消費税の減税も触れない。
 
 3回目の「メッキが剥げた共産党「緊急申し入れ」」日本共産党幹部会委員長 志位和夫では、赤旗の主張(「緊
急申し入れ」)と、8月7日の志位委員長の東京・新宿での街頭発言の違いに着目しています。(街頭発言では権力的思考の発言をすべて下げている。)
 1.「見つけ出す」「隔離」するという言葉は出していない。 
   @「PCR検査を大規模に実施し、陽性者を保護する以外にありません。」と発言しています。
 2.明らかに7月28日の日本共産党幹部会の決定を修正してきています。


本日付赤旗は、「緊急申し入れ」(7月28日)の弱点を乗り越えたのか、引きずっているのか?


 赤旗は、8月27日の志位委員長記者会見の発言を紹介していますが「幹部会の声明」(7月28日)と明らかな違いが見受けられます。
  1.私がこの間指摘したことが克服されて「います。
      検査を抜本的に増強し、無症状感染者も含めて把握・保護する取り組みで、感染の抑え込みをやるべき。
      〇明らかに「見つけ出し」「隔離」「把握・保護」にかわっています。
      〇「やみくもに検査を広げても解決できない」→「検査を抜本的に増強
      〇「全国民の検査をすることは不可能です」→「検査を抜本的に増強」
      〇「無症状で「『感染力のある人』と『ない人』の把握がカギ」→この言葉が消えています。 

  2.同日赤旗一面に、田村議員の参院委での発言を載せている。(これは「緊急申し入れ」の水準です。・・・引き
      ずっています。)
   @田村氏の発言は2面に引き継いで書かれていますが、ここでは田村氏は「感染者らと接触した人の追跡・
    隔が感染症基本だ」と指摘。と書かれています。
     Aこの文書の中見出しに「感染者差別・パッシング防止策の強化」という中見出しがあり、その中で田村氏は
        「学生の感染が確認された大学の場合、大学が丸ごと非難されたり、同じ大学というだけで『アルバイトを休
        め』と言われ」と問題を取り上げていますが、「追跡・隔離」が感染症対策の基本だという指摘がそのような
        差別につながっているのではないかと危惧します。
 
  もう少し優しい言葉で、「調査・保護」あるいは「把握・保護」というように語るべきでないか?(「追跡」は悪い人を追跡するイメージにつながります。また「隔離」はハンセン病患者の「隔離」のイメージが付きまといます。「保護」は権力者の目線でなく、助けてあげるという響きがあります。)
  同じ赤旗1面で志位氏はすでに「無症状感染者も含めて把握・保護する取り組みで」「隔離」という言葉を避けている。共産党内部での意思疎通が十分行われていないように見えます。